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イタリア - Wikipedia

イタリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

イタリア共和国
Repubblica Italiana
イタリアの国旗 イタリアの国章
国旗 (国章)
国の標語 : なし
国歌 : イタリアの同胞
イタリアの位置
公用語 イタリア語 ¹
首都 ローマ
最大の都市 ローマ
元首
共和国大統領 ジョルジョ・ナポリターノ
閣僚評議会議長首相 シルヴィオ・ベルルスコーニ
面積
総計 301,230km²69位
水面積率 2.4%
人口
総計(2004年 58,057,477人(23位
人口密度 193人/km²
GDP(自国通貨表示)
合計(2005年 1兆3,975億ユーロ (€) ²,³
GDPMER
合計(2005年 1兆8,364億ドル(7位
GDPPPP
合計(2004年 1兆6,090億ドル(8位
1人当り 27,700ドル
イタリア統一 1861年3月17日
通貨 ユーロ (€) ²,³EUR
時間帯 UTC (+1)(DST: +2)
ccTLD IT
国際電話番号 39
註1 : 南ティロルではドイツ語ラディン語フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアではスロヴェニア語ヴァッレ・ダオスタではフランス語
註2 : 1999年以前の通貨は、イタリア・リラ
註3 : イタリアのユーロ硬貨

イタリア共和国(イタリアきょうわこく、イタリア語Repubblica Italiana、通称:イタリア)は、ヨーロッパ南部の国。

イタリア半島およびその付け根に当たる部分と、地中海に浮かぶ2つの大きな島(サルデーニャ島シチリア島)からなる。北にあるアルプス山脈において、フランススイスオーストリアスロベニアとも国境を接する。またサンマリノバチカンの領土を取り囲んでいる。

目次

[編集] 国名

正式名称は、Repubblica Italianaイタリア語: レプッブリカ・イタリアーナ)。通称は、Italia

公式の英語表記は、Italian Republic。通称は、Italy

日本語の表記は、イタリア共和国。通称はイタリアであるが、イタリヤと表記されることもある。また、漢字による当て字で、伊太利亜、伊太利などと表記することもあり、伊と略されることが比較的多い。

イタリアという名の由来に定説はない。確かなことは、イタリアという単語は元々、半島の南端部の狭い地域の名だったということである。由来についての有力な説は、古ラテン語の vitulus (雄の子牛)から転じたものである。

[編集] 歴史

詳細はイタリアの歴史を参照

[編集] ローマ以前―ローマ期

ギリシア時代より都市国家が成立。なお、伝説では紀元前753年ローマ建国 エトルリア人も12の都市国家による都市連合の王政を築いていた。

伝承に、紀元前509年にローマ人パトリキ(貴族)がエトルリア人の王を追放し共和制開始。サムニウム戦争(紀元前343年 - 紀元前290年)などにより紀元前272年イタリア半島を制圧。

フェニキア人の植民国家カルタゴとの戦争(ポエニ戦争)(紀元前264年 - 紀元前146年)によりシチリア島を獲得。地中海の覇権を握る。その後もイタリアはローマ帝国の中心地域として栄えたが、395年に東西ローマ帝国が分裂し、イタリアが所属する西ローマ帝国は476年に滅びる。

[編集] ローマ帝国分裂以降

その後は、ローマ帝国の後継を主張する神聖ローマ皇帝ローマ教皇東ローマ皇帝によって分割され、イタリアの統一を試みる者もいたが、教皇庁の思惑もあって分裂状態が続く。18世紀末にイタリアに侵攻したフランスナポレオン・ボナパルトは全イタリアを手中に納めたが、1815年、彼が失脚するとヴェネツィアとジェノヴァの共和国を除きほぼ元の分裂状態に戻った。

[編集] イタリア王国

1861年2月、サルデーニャヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が統一に成功し、イタリア王国を建国する。1922年に、ローマ進軍によりベニート・ムッソリーニ首相となる。その後ムッソリーニの指導の下日本ドイツとともに枢軸国の一員として第二次世界大戦に参戦するものの、1943年には敗色が濃い中ムッソリーニが失脚し連合国側に鞍替え参戦する。しかし同時に、逃亡したムッソリーニを首班としたドイツの傀儡政権であるサロ政権が北イタリアを支配する状況になる。

[編集] 共和制移行

大戦終結後に行なわれた共和制移行を問う国民投票の結果を受け、1946年ウンベルト2世が退位し、サヴォイア家による王政が廃止され、イタリア共和国となった。1948年、初代大統領エンリコ・デ・ニコラが就任。その後の冷戦では、社会主義勢力の影響を受けながらも西側諸国の1国として東側諸国と対峙した。主要国首脳会議の参加国であり、政治や経済だけでなく、文化的な側面においても世界的に重要な位置を占める。

[編集] 地理

詳細はイタリアの地理を参照

アルプス山脈の南麓の山地、アルプスとアペニン山脈の間のポー平原地中海に突き出した長靴型のイタリア半島、および周辺の島(サルデーニャ島シチリア島など。コルシカ島はフランス領)から構成されている。最南部はランペドゥーザ島アフリカ大陸北端より南に位置する。 大陸部では西側をフランス、北側をスイスオーストリア、東側をスロヴェニアと国境を接する。アドリア海を挟んで、クロアチアアルバニアギリシアなどとも地理的歴史的に結びつきが強い。 川は長い順から、ポー川アディジェ川テヴェレ川。 また、火山国でもあり、エトナ山ヴェスーヴィオ山等が有名。

ローマ市が囲むようにキリスト教カトリック教会の治めるバチカン市国に接する。他にもアドリア海近くにあるサンマリノ共和国を包み込むように接する。

また、スイス領内に飛び地として面積1.7km²ほどの村「カンピョーネ・ディターリア」を持つ。

[編集] 地方行政区分

詳細はイタリアの地方行政区画を参照

イタリアの地方行政区分の最上単位は、20の (regione) である。各州はさらに、103の (provincia) に分かれる。

名称 人口(人) 州都/主府/本部 備考
ピエモンテ州
Piemonte
4,214,677 トリノ
Torino
1
ヴァッレ・ダオスタ州
Valle d'Aosta
119,548 アオスタ
Aosta
2
リグーリア州
Liguria
1,571,783 ジェノヴァ
Genova
3
ロンバルディア州
Lombardia
9,032,554 ミラノ
Milano
4
トレンティーノ=アルト・アディジェ州
Trentino-Alto Adige
940,016 トレント
Trento
5
ヴェネト州
Veneto
4,527,694 ヴェネツィア
Venezia
6
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州
Friuli-Venezia Giulia
1,165,761 トリエステ
Trieste
7
エミリア=ロマーニャ州
Emilia-Romagna
3,983,346 ボローニャ
Bologna
8
トスカーナ州
Toscana
3,497,806 フィレンツェ
Firenze
9
ウンブリア州
Umbria
825,826 ペルージャ
Perugia
10
マルケ州
Marche
1,470,581 アンコーナ
Ancona
11
ラツィオ州
Lazio
5,112,403 ローマ
Roma
12
アブルッツォ州
Abruzzo
1,262,392 ラクイラ
L'Aquila
13
モリーゼ州
Molise
320,601 カンポバッソ
Campobasso
14
カンパニア州
Campania
5,701,931 ナポリ
Napoli
15
プッリャ州
Puglia
4,020,707 バーリ
Bari
16
バジリカータ州
Basilicata
597,768 ポテンツァ
Potenza
17
カラブリア州
Calabria
2,011,466 カタンザーロ
Catanzaro
18
シチリア州
Sicilia
4,968,996 パレルモ
Palermo
19
サルデーニャ州
Sardegna
1,631,880 カリャリ
Cagliari
20

[編集] 主要都市

都市 Prov. 人口
1 ローマ ラツィオ州 RM 2,706,428
2 ミラノ ロンバルディア州 MI 1,304,183
3 ナポリ カンパニア州 NA 972,780
4 トリノ ピエモンテ州 TO 900,520
5 パレルモ シチリア州 PA 665,628
6 ジェノヴァ リグーリア州 GE 614,736
7 ボローニャ エミリア=ロマーニャ州 BO 372,699
8 フィレンツェ トスカーナ州 FI 365,505
9 バーリ プッリャ州 BA 325,052
10 カターニア シチリア州 CT 301,228
  • 人口は2007年、ISTATのデータ

[編集] 政治

詳細はイタリアの政治を参照

[編集] 元首

国家元首共和国大統領で、任期は7年。選出方法は間接選挙制で、投票資格は、議会の両議院議員と各州代表各3名(ヴァッレ・ダオスタ州のみ1名)の総計1000人に与えられる。イタリアの大統領は、通常は内閣や議会の決定にもとづいて、形式的な権限を行使するにすぎないが、首相任命権や議会解散権などを通じて実権を発動する可能性を秘めている。歴代大統領は、イタリアの大統領を参照。

[編集] 内閣

行政権は、閣僚評議会議長首相)を長とする閣僚評議会(内閣)が統轄する。首相は、大統領が指名し、議会が承認する。各省の大臣は、首相の指名にもとづき、大統領が任命する。議院内閣制をとっており、内閣は議会の信任を得なければならない。歴代首相は、イタリアの首相を参照。

[編集] 議会

モンテチトーリオ宮殿(代議院議事堂)
モンテチトーリオ宮殿(代議院議事堂)

イタリア議会は、元老院(上院)と代議院(下院)で構成される両院制(二院制)。元老院は、任期5年の民選議員(315議席)と、終身議員(現在8名)とで構成される。大統領経験者は本人が拒絶しない限り、終身議員たる資格がある他、科学や芸術などの分野で国の名誉を高めた功労者の中から大統領が指名した者が終身議員となる。一方、代議院は、全630議席で、任期5年の民選議員によって構成される。両議院の選挙制度は1993年に大改正が行われた。また、両院の権能は完全対等で、双方とも大統領によって解散されうる。

[編集] 憲法改革案を否決

2006年6月25-26日、憲法改革案を問う国民投票が行われ、開票の結果、60%を超す反対で否決された。改革案は、退陣したベルルスコーニ右派連立政権が2005年末、野党・中道左派勢力の反対を押し切って議会を通過させたもの。改革案の中味は、議会の解散権を大統領から首相に移し、保健や教育、警察などの権限を国から州に委譲するというもの。開票結果は、反対が61.7%。そのうち、南部で74.8%、中部で67.7%、北部で52.6%の多数を占めた。投票率は53.6%であった。

[編集] 警察

詳細はイタリアの警察も参照 イタリアにおける法執行機関・警察機構は、複雑であり、国家レベルの組織のみでも5つある。その他に、地方自治体の警察組織として、県レベルの地方警察(Polizia Provinciale)、コムーネレベルの自治体警察(Polizia Municipale)がある。国家レベルの警察組織は以下のものである。

  • カラビニエリ(Carabinieri) - 国家憲兵。国防省所属、警察業務は内務省の指揮を受ける。主に重大事件などの警察業務を扱う。
  • 国家警察(Polizia di Stato) - 内務省所属。主に軽犯罪や交通事案を取り扱う。
  • 財務警察(Guardia di Finanza) - 経済財務省所属。経済犯罪、脱税事案、知的財産権事案、組織犯罪、税関任務、国境警備、不法移民事案を行う。国境警備隊沿岸警備隊としての側面もあり、準軍事組織となっている。
  • 刑務警察(Polizia Penitenziaria) - 司法省所属。刑務所の警備・管理・運営。
  • 森林警備隊 - 農業食料森林省所属。国立公園を中心とする環境・野生生物保護、山火事消火などの防災任務を行う。

このほか、イタリア沿岸警備隊イタリア海軍の傘下にあり、海上交通整理、捜索救難、漁業監視、不法移民に対する海上監視などを行っている。

[編集] 経済

第二次世界大戦前のイタリアは農業国だったが、戦後は北部に多様な産業基盤が整備され、国の経済発展に大いに貢献している。現在のイタリア経済は民間企業を基盤としているが、以前は石油工業や交通輸送、電信電話をはじめ多くの商社やメーカーに対して国家が支配権をにぎっていた。だが、1990年代半ばに多くの企業が政府の管理からはなれ民間企業へと転換した。

1960年代後半から圧迫されてきた膨大な財政赤字にをたてなおし、EMU(経済通貨統合)への第1陣参加を実現するため、1993年から政府は大規模な歳出削減策を継続して実施した。その結果、財政赤字のGDP比は94年の9.5%から99年には1.9%にまで改善され、目標としていたユーロ参加国の基準(3.0%以内)を達成することができた。

[編集] 金融

法定通貨として長年「リラ(Lira)」が使われて来たが、2002年1月1日からEUの単一通貨ユーロ(EURO、エウロ)の紙幣や硬貨が流通し、リラは2月末をもって法的効力をうしなった。1998年12月31日に1ユーロ=1936.27リラという交換レートが固定された。中央銀行であるイタリア銀行は各県都に支店をもち、預金高を通じて都市銀行を統制する。ヨーロッパ域内の自由な資本の移動と通貨統合をめざすヨーロッパ共同体(現、EU)の動きにあわせて、1990年イタリアの銀行制度は大幅に変更され、公営銀行の削減、外国資本に対する規制緩和がおこなわれた。ミラノとローマが金融の中心である。

[編集] 貿易

1970~80年代にヨーロッパ共同体(現、EU)加盟国との貿易が増加したが、イタリアは石炭、石油などの原材料を輸入に依存しているため、貿易赤字がつづいていた。しかし、90年代初頭、リラ切り下げで、外国市場にとってイタリア製品の価格が低下したため、輸出が増加した。貿易相手国の5分の3近くはEU加盟国で、おもな輸出相手国はドイツ、フランス、アメリカ合衆国、イギリス、スペイン、輸入相手国はドイツ、フランス、オランダ、イギリス、アメリカ合衆国、スペインなどである。

[編集] エネルギー

イタリアはエネルギー資源の輸入国であり、ガス、石炭、石油の大部分を外国に依存している。イタリアの発電量の82%は、石油、天然ガス、石炭、亜炭をもちいた火力発電が生みだしており、13%が水力発電によるもの。イタリアは1950年代後半から原子力発電の研究開発を開始し、1965年時点には3カ所の原子力発電所が稼動していた。しかしながらチェルノブイリ事故などがきっかけとなり、運転を停止する。1990年には停止中の原子力発電所の運転を再開しないことが決まった。

[編集] 南北格差

イタリア経済が依然としてかかえる課題は、南部の工業化の遅れである。ミラノトリノなどの北部は工業化が進んでいるが、南部やサルデーニャなどの島嶼部は農業や観光業や軽工業中心なので南北格差が大きい。中心工業地帯はジェノヴァなどで、工業化が遅れている南部のターラントには半官半民の製鉄所があり、第三のイタリアが新たな経済の牽引役となっている。政府による工業化育成の努力も、労働力の問題や、多くの産業がマフィアとの結びつきによって成り立っているため大企業の南部進出がはばまれるといった複雑な現実に直面している。多くの労働者が職をもとめて南部から北部へ移住しており、南北の格差はいまだに大きい。南北問題の項も参照。

[編集] マフィア

マフィアはイタリア経済と社会に多大な影響力をおよぼしている。もともと中世後期にシチリアで生まれた秘密結社で、親族組織からなり、冷酷な暴力とオメルタというきびしい掟で知られる。19世紀後半にはシチリアの田園地帯を支配し、地方当局への介入、ゆすり、市民に対するテロ活動をおこなっていた。1920年代から第二次世界大戦終結まではベニート・ムッソリーニによって弾圧される。この時代をのぞいて、マフィアはイタリアの南部を中心に、合法・非合法活動によって影響力を拡大しつづけた。また、マフィア勢力は移民とともに海外とくにアメリカにわたり、70年代までに世界のヘロイン取り引きの大部分がマフィアの支配下に入った。

この他、マフィア類似の犯罪組織として、コルシカ島のユニオン・コルス(コルシカ・ユニオン)に代表される「ミリュー」、ナポリの「カモッラ(Camorra)」、カラブリアの「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」、プッリャの「サクラ・コロンナ・ウニータ(Sacra Corona Unita)」、ローマの「シカーリ」などがある。

1980年代半ばに新政権がマフィアの大物たちの犯罪を告発しはじめたこと、多くの政治家とマフィアをつなぐ一連の政治スキャンダルの発覚によって、イタリアにおけるマフィアの影響力もおとろえる日がくるだろうという観測が生まれている。

[編集] 産業

[編集] 農業

気候、土壌、高度が変化にとんでいるため、さまざまな農作物の栽培が可能である。イタリアは世界有数のワイン生産国であり、オリーブオリーブ・オイルの生産量も多い。酪農も主要な産業であり、ゴルゴンゾーラパルミジャーノ・レッジャーノをはじめ約50種類のチーズが生産される。イタリアの森林業資源はとぼしく、木材の多くを輸入にたよっている。森林はまず古代ローマ人によって、その後19世紀に大部分が伐採されてしまった。その結果土壌の浸食がすすみ、林業の発展の障害となっていたが、近年は状況の好転がみられる。

[編集] 工業

第二次世界大戦以降、工業が急速に発展し、イタリア製品は世界的な人気をえている。重要な工業に、繊維工業と、硫酸、アンモニア、水酸化ナトリウムの製造などの化学工業がある。そのほか自動車、鉄鋼、ゴム、重機械や電気機器とくに家電製品、パスタなどの食料品の製造業が盛ん。工業の中心地はジェノヴァミラノローマトリノである。

[編集] ファッション

19世紀頃から近代服飾・装飾産業が発展し、20世紀から現在にかけては、服飾ブランドベネトングッチブルガリプラダジョルジオ・アルマーニジャンニ・ヴェルサーチジャンフランコ・フェレ、靴のサルヴァトーレ・フェラガモトッズなどが世界各国に輸出されており、大きな外貨獲得源となっている。

[編集] その他の産業

他にも伝統的に映画産業や観光産業が盛んであり、イタリア映画のみならず、イタリアを舞台にした映画が世界中で作られ公開されており、それらの映画が観光産業を後押ししていると評価されている。

[編集] 主な企業

エンポリオ・アルマーニ
エンポリオ・アルマーニ

[編集] 交通

[編集] 道路

古くから地中海域の交通の要所として栄え、古代ローマの頃には歴代執政官によって街道が整備され、それはアッピア街道のように史跡として残っているのみならず『執政官街道』と呼ばれ、現在も使用されている。ローマ帝国時代のローマは、「全ての道はローマに通ず」とさえ呼ばれた。その後のムッソリーニ時代よりアウトストラーダ(Autostrada)と呼ばれる有料高速道路網が整備されはじめた他、フィアット社のバックアップもあり高速道路網が全土に敷き詰められている。

[編集] 鉄道

トレニタリアのフィウミチーノ駅
トレニタリアのフィウミチーノ駅

トレニタリアと呼ばれる旧国営鉄道が全土を網羅し、ローマ-フィレンツェ間の高速新線(ディレティッシマ)を中心にユーロスター・イタリアと呼ばれる高速列車も多数運転されている。旧国鉄以外ではチルクムヴェスヴィアーナ鉄道スッド・エスト鉄道などがある。

また、ローマ、ミラノ、ナポリなどの主要都市には地下鉄が整備されている。一部の都市では路面電車やケーブルカーが走っており、市民の足となっている。

[編集] 海運

ローマ帝国時代前から地中海海域の海運の要所として重要な地であったこともあり、海運が古くから盛んである。現在も地中海クルーズの拠点とされることも多く、有名な港としてはナポリやヴェネツィア、ジェノヴァ、ブリンディジなどがある。

[編集] 航空

アリタリア航空のMD-82型機
アリタリア航空のMD-82型機

政府が主要株主のアリタリア航空が、イタリアのフラッグキャリアとして国内線と域内及び中長距離国際線を運行する他、イタリアを本拠地として運行を行う航空会社として、メリディアーナ航空やエアワンエア・ドロミティなどの航空会社があり、それぞれが国内線や域内国際線を運行している。

現在、日本との間にはアリタリア航空と日本航空東京成田国際空港)と大阪関西国際空港)とローマとミラノの間に直行便を、アエロフロート航空モスクワ経由の直行便を東京から運航させている。

また、パリアムステルダムチューリヒなどのヨーロッパの主要都市や、バンコク香港ドバイなどのアジアの主要都市経由で行くこともできる。

[編集] 軍事

  • 2004年末に徴兵制が廃止され、2005年より志願制。任期は、1年~4年の期限付と終身の2種。
    • 最年少の兵士は、18歳。
  • 軍事費は、202億ドル。GDP比は、1.64%。

[編集] 国民

[編集] 民族構成

ラテン系ケルト系ゲルマン系、古代ギリシャ人などの混成民族であるイタリア人が大半。少数民族としては南チロルのチロル人、南部のアルバニア人などが挙げられる。

イタリア人といえば一般的に陽気な人々が想像されるが、南と北では人々の性格に違いがある。南は温暖な気候の為か陽気で活発な人が多く、北は寒い気候の所為か寡黙な気質の人々が多いと言われている。また一般に地中海に面した側に住んでいるヨーロッパ人は、ヨーロッパ人と呼ばれるよりも、地中海人(メディテッラーネオ)と呼ばれることを好む。ヨーロッパ人と地中海人は物事に対する考え方、性格的に基本的な違いがあると考えられている。

[編集] 言語

公用語はイタリア語。一部の特別自治州、ヴァッレ・ダオスタ州でフランス語、トレンティーノ=アルト・アディジェ州ではドイツ語も使用する。フリウリ地方ではフリウリ語南ティロルではラディン語という、イタリア語よりラテン語に近いレト・ロマンス語系の言葉を母語とする住民もいる。また、イタリア南部の古代ギリシア植民地を起源とする地方ではギリシャ語が使用されている。さらに、オスマントルコ時代のアルバニアからイタリア南部に定着した人々の子孫はアルバニア語の方言を母語とする。

サルデーニャ島では、イタリア語系のサルデーニャ語(イタリア語の一方言とする説もある)が話される。アルゲーロではスペイン支配の影響からカタルーニャ語の方言が話される。

イタリアは、歴史的に別の国に分れていた期間が長いため方言の差も激しい。その理由は古代ローマで元々話されていた言葉がラテン語で、イタリア語を始めスペイン語、フランス語などのラテン系言語、ロマンス語の元になっているが、イタリア各地の方言はイタリア語から派生したものではなく、それぞれの土地のラテン語の方言が変化した物となっているためである。

[編集] 宗教

圧倒的にキリスト教カトリック教会(約9割)が多く、日曜礼拝を欠かさないような敬虔なカトリック教徒も多い。プロテスタントは少数である。またアラブ系移民の増加により、イスラム教は近年増加傾向にある。

[編集] 教育

詳細はイタリアの教育を参照

[編集] 文化

[編集] 食文化

酢の貯蔵庫
の貯蔵庫

主食はパンの地域がほとんどであるが、北部では代用としてトウモロコシの粉でできたポレンタを食べる場合がある。イタリア料理は地方色が強く各地方料理の集合体のようなものであり、北部はオリーブ・オイルよりバターを使い、南部はトマトを多用する傾向が有る。また沿岸部は魚を食べるが、内陸部はほとんど食べないなど差がある。食事にワインを合わせる習慣が有り、基本的にその土地のワインを飲む。また、サラミ、ハムなどの肉製品、チーズの種類の豊富なことも特徴である。コーヒーの消費も多く、イタリア式のいれ方にはエスプレッソカプチーノカフェ・ラッテが有名。また、ヨーロッパとしては珍しくタコも食べる。

代表的な料理、食材

[編集] 芸術

北イタリアトスカーナ地方はルネサンス発祥の地といわれており、また、その中心地でもあった。この影響下で、数多くの芸術家が輩出され、同時に作品も制作された。詳しくはルネサンスの項を参照されたい。 また、オペラや音楽なども多く知られる。バレエも発祥の地とされる。 現代においてもノーベル賞作家を輩出。映画においても絶えず世界的な作品を送り出している。音楽ではカンツォーネと呼ばれるナポリの歌謡曲が有名である。

[編集] 主な芸術家

[編集] 祝祭日

イタリアの祝祭日
日付 日本語表記 イタリア語表記 備考
1月1日 元日 Capodanno  
1月6日 主の公現 Epifania Befana
移動祭日 復活祭 Pasqua  
移動祭日 復活祭後の月曜 Lunedì dell'Angelo Lunedì di Pasqua, Pasquetta
4月25日 解放記念日 Festa della Liberazione 1945年
5月1日 労働祭 Festa dei lavoratori  
6月2日 共和国祭 Festa della Repubblica 1946年
8月15日 聖母被昇天祭 Ferragosto Assunzione
11月1日 諸聖人の日 Ognissanti  
12月8日 聖母の無原罪の御宿りの祭日 Immacolata Concezione  
12月25日 クリスマス Natale  
12月26日 聖ステファノの祝日 Santo Stefano  

[編集] スポーツ

詳細はイタリアのスポーツを参照

伝統的にサッカー(カルチョ)とF1ミッレミリアなどのモータースポーツ自転車競技やマリンスポーツ、バレーボールが特に盛んで、他にも北部山岳地域にコルティーナ・ダンペッツォなどのスキーリゾートが多数あることから、スキーなどのウィンタースポーツも盛んである。野球バスケットボールというアメリカ発祥のスポーツもプロリーグもあるなど他の欧州諸国に比べて盛んで、代表チームは国際大会の常連にもなっている。最近ではシックス・ネイションズに加わってラグビーも人気が高まっている。

競馬は古代ローマ帝国時代の伝統を受け継ぐ繋駕速歩競走が盛ん。近年では2001年世界的に活躍したヴァレンヌが大きな人気を博した。一方イギリス発祥の平地競走は英仏に対し相対的なレベルの低さは否めず、国内での人気はそれほどでもない。ただ、人物ではフェデリコ・テシオランフランコ・デットーリ、競走馬ではリボー(伊英仏で16戦不敗)、ネアルコ等世界的名手・名馬を輩出している。特にリボーは20世紀イタリアのスポーツ選手第4位(ガゼッタ)に選ばれており、馬としては異例の高さとなった。(詳細についてはイタリアの競馬を参照

[編集] サッカー

イタリアはサッカーで今まで多くのスタープレイヤーを輩出してきた。イタリアは2007年12月現在、FIFAランキングは3位。W杯出場回数15回、2006年に優勝したため優勝回数4回。この記録は5回のブラジルに次いで2位である。

イタリア代表はユニフォームの青い色からアズーリと呼ばる。カテナチオ(「鍵をかける」という意味)と呼ばれる鉄壁の守備を軸として現在に至る。近年は攻撃陣のタレントも豊富で、かつての守備だけのチームではなく、伝統の堅い守備からの素早い攻撃をするチームになりつつある。また各国からはそのプレーを「サッカーをしているというより、仕事をしている」とまでいわれる。

イタリアの国内リーグであるセリエAは世界最高峰を争う程のレベルにあり、世界中のスター選手を集めている。また、コッパ・イタリアと呼ばれるカップ戦も行われる。主なクラブチームはACミランラツィオインテル・ミラノユヴェントスASローマなど。これらはチャンピオンズリーグの常連でもある。2006-2007シーズンのチャンピオンズリーグではACミランが優勝を果たした。

なお、ジュゼッペ・メアッツァはその活躍からACミランとインテルナツィオナーレ・ミラノのホームグラウンドの名にもなっている。

[編集] モータースポーツ

歴代のフェラーリF1マシン
歴代のフェラーリF1マシン

モータースポーツの創生期から多くのレーシングドライバーを輩出してきた。近年はF1のワールドチャンピオンを獲得するドライバーこそ少ないものの、常にトップクラスのドライバーが存在している。

2輪ロードレースの世界では現在ヴァレンティーノ・ロッシMotoGPにおいて5年連続最高峰クラスワールドチャンピオンとなっている。

[編集] 自転車

世界三大ツールの一つ、ジロ・デ・イタリアを開催する、最も自転車ロードレースの盛んな国の一つである。

[編集] 他のスポーツ選手

[編集] 競走馬

[編集] 観光

イタリアは世界有数の観光大国であり、世界遺産も多くそのほとんどが観光資源として活用され、世界中の観光客を呼び寄せている。また地中海沿岸やサルデーニャなどの島嶼部は海水浴、北部のアルプスは登山やスキー、点在する湖では避暑などリゾートに適した地域も多い。

[編集] 世界遺産

詳細はイタリアの世界遺産を参照

イタリア国内には、ユネスコ世界遺産リストに登録された文化遺産が40件、自然遺産が1件ある。さらにバチカン市国にまたがって1件の文化遺産が登録されている。

[編集] 関連項目

ウィクショナリー
ウィクショナリーイタリアの項目があります。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ
政府
日系機関
メディア
旅行
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