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ラグビー - Wikipedia

ラグビー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ラグビーの試合中、スクラムを組んでいるところ
ラグビーの試合中、スクラムを組んでいるところ

ラグビー (Rugby) は、フットボールの一種であり、正式にはラグビー・フットボール (Rugby football) と呼ばれる。2つのチームに分かれて行われ、楕円形ボールを奪い合って相手陣のインゴールまで運ぶ、あるいはH型のゴール上部に蹴り入れて得点を競うスポーツである。

ヨーロッパイングランドスコットランドアイルランドウェールズフランスイタリア、(イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズはホームユニオンと称される)やオセアニアオーストラリアニュージーランドサモアフィジートンガ)および南アフリカアルゼンチンで人気の競技である。 かつて日本ではラ式蹴球(しゅうきゅう)とも呼んでいたが、サッカー(ア式蹴球)と混同されるため、ラグビーと呼ぶ言い方が定着した。単に「蹴球」と呼ぶ場合、昔はラグビーを指したが、サッカー人気が定着してからはサッカーを指す様になった。 日本式呼称は闘球(とうきゅう)。

目次

[編集] 歴史

ラグビーの起源は、「1823年イングランドの有名なパブリックスクールラグビー校フットボールの試合中、ウィリアム・ウェッブ・エリス (William Webb Ellis) がボールを抱えたまま相手のゴール目指して走り出した」ことだとされている。1840年頃にはボールを持って走る「ランニングイン」が確立し普及しだしたのは確かだが、その第1号がエリス少年だったかどうかは諸説ある。しかしエリスが最初にボールを持って走ったという証言が記してある文章がラグビー起源を調べるうえで最古の文献だということは間違いないし、起源たる発明者の対象として名前が分かっている人物はエリスただ一人である。

なお当時のフットボールは手を使うこと自体はルールとしてそれ以前でも許されていた。エリス少年がルールをやぶったとされるのはボールを手で扱うことではなく、ボールを持って走った行為。エリス少年自体は実在の人物で、1806年にマンチェスター近郊で生まれ、ラグビー校では少なくとも3シーズン、フットボールをプレーしている。オックスフォード大に進み、卒業した後は牧師となり、病気療養のために渡った南フランスで没したことが確認されている。享年65歳。南仏コートダジュールの小都市・マントンに墓地がある。ラグビークリケットを愛したと伝えられている。

ラグビー校ではラグビーのルーツ以外にも多くの習慣が生まれており、イングランド代表の白いジャージの元になった白いシャツとショーツと紺色のストッキング、ハーフタイムにサイドをチェンジする習慣、インターナショナル代表がかぶるキャップ、H型のゴールポスト、楕円球のボールなどラグビーの起源を示すような証拠が多くこの学校から生まれた。

なお、日本では「フットボールの試合中」というところを「サッカーの試合中」と誤訳している文献が散見される。英国では一般的に「フットボール」という言葉はサッカーを表すので、英語の文献で“Football”となっているところを、翻訳者が「サッカー」と誤訳したのだろう。

当時はまだサッカーというスポーツは確立されておらず、サッカーとラグビーは未分化であったので、正確には「サッカー」ではなく「フットボール」か「原始フットボール」となる。

この「原始フットボール」とは中世イングランドに起源をさかのぼる。数千人の大人数が手と足を使って町と町の対抗戦として原始的な「フットボール」を行っていた。ちなみに1点先取で勝負を決めていたことから、長時間続けるために得点するのを難しくしようとオフサイドが生まれ、今日のラグビーにもルールとして生き永らえている。試合は祝祭でもあり、死者も出るほど激しかった。19世紀に入り、ラグビー校やイートン校、ハロー校などパブリックスクールでは学校ごとに独自のルールでそれぞれのフットボールを行なっていた。それぞれ学校で違うルールの統一を目指した協議は長らく行われてきたが、1863年にロンドンで最終的なルール統一を目指した協議が開催された。しかしこの協議は物別れに終わった。これはのちのラグビーとサッカーが分岐した瞬間でもあった。そして1871年サッカーのFA(フットボール・アソシエーション、1863年設立)に対抗して、ロンドンラグビー協会(RFU:ラグビー・フットボール・ユニオン)が設立された。

[編集] ラグビーユニオンとラグビーリーグ

ラグビーは英国でも指折りの炭鉱地帯であるマンチェスターを中心とするイングランド北部のランカスターヨークシャー地方ならびにウェールズ南部で発展していった。しかし1895年、選手の労働会社などへの休業補償問題(現在も兼業しながらプレーする選手が多数だが、当時は今と違ってラグビーにはプロ契約が存在しなかった)がきっかけで、北部でラグビー協会からの分裂が起き、22チームからなるプロリーグが発足した。それ以降、世界にはラグビーという名のスポーツが二つあり、ケンブリッジ大学オックスフォード大学戦に代表される南部を母体とするアマチュア主義をうたった組織はラグビーユニオン、北部を母体とする報酬を目的とするものはラグビーリーグと呼ばれる。分裂した頃はルールは全く同一のものであったが、現在ではルール(ユニオンは15人制でリーグは13人制)もかなり異なっている。日本でラグビーといえばユニオンのことである。

ラグビーユニオンは世界でも主に上流階級に広まり、英才教育にも用いられたため、しばしば紳士のスポーツと称される。それは「ノーサイドの精神」「アフターマッチファンクション」など、独自の文化によるものが挙げられる。

プロ容認のリーグへ転向するユニオンの選手の流失が相次ぎ、リーグに移った選手はユニオンでのプレーを禁止されるなど長らくユニオンとリーグは対立状態にあった。しかしラグビーワールドカップなどをきっかけに120年以上アマチュア主義を守ってきたユニオンも1995年以降にプロを認めたこともあり、コーチ層での交流(リーグのディフェンスシステムをユニオンに取り入れるなど)などからしだいに緩和し、今は選手レベルのユニオンとリーグの行き来もよく見られる。現在、英国ではラグビーリーグとラグビーユニオンの両方のルールで前後半の試合を行うクロスコード・ゲームが行われることもある。

[編集] 日本におけるラグビー

日本で「ラグビー」といわれるものは主にラグビーユニオンであり、1899年慶應義塾大学の塾生に田中銀之助がイギリス人の英語教師エドワード・B・クラークとともに伝えたのが最初だと言われる。以来日本のラグビーは同志社大学早稲田大学明治大学などの大学ラグビーの伝統校が戦前から定期戦を行い発展してきた。近年では関東学院大学など新興勢力が伝統校に肩を並べている。特に早稲田大学と関東学院大学は、ここ数年連続して決勝戦で熱戦を繰り広げており、大学ラグビーをリードしていると言える。また、(大学スポーツ全体に言えることであるが)関東の大学が他地域の大学を戦力の質・量、実績共に圧倒している。もっとも、高校ラグビーでは西日本の高校が優勢であり、西日本の高校の人材を関東の大学が集める構図が続いている。

社会人では新日鐵釜石神戸製鋼が一時代を築き上げた。しかし、日本では前述した通り大学ラグビーの人気が高く、それが必ずしも社会人ラグビーの人気につながっていない現状がある。日本選手権での対戦成績を見ても実力では社会人が大学に大きく水をあけているにもかかわらず、社会人ラグビーのトップクラス同士の集客力は大学ラグビーの人気カード(早明戦早慶戦など)に及ばず、日本ラグビー界の大きな課題となっている(もっとも、かつてプラチナカードと呼ばれた早明戦のチケットも近年では入手が容易になりつつあり、ラグビー界全体が人気回復という課題を背負っているとも言える)。トップリーグの創設はこれらの問題を解決する切り札として期待されているが、メディア露出が少なく、また、ある選手の他競技を貶める発言もあるせいで観客数の劇的な増加にはつながっていない。

日本代表はワールドカップには1987年の第1回大会から途切れなく出場を続けているが、本大会ではなかなか勝利を挙げることができていない。1991年ジンバブエに勝ったのが唯一の勝ち星で、国際ラグビー評議会 (IRB) がプロを認めた1995年にはオールブラックスニュージーランド代表)に17‐145の大敗を喫している。また2007年のフランス大会ではオーストラリア代表ワラビーズに91-3という大差で負けており、世界のトップクラスの国々とはまだ大きな開きがあるというのが現実である。

ラグビーユニオンによる規則では、アマチュア競技であることが永らく定められてきたが、1995年にこの「アマチュア宣言」が撤廃され、プロもアマも認める「オープン化」が宣言された。

[編集] ルール(ラグビーユニオン)

ラグビーボール
ラグビーボール

相手陣地のゴール領域(これをインゴールという)でボールを地面に置くことをトライ(TRY)と呼び、ゴールラインの上空、線上に建てられた2本の柱の間のクロスバーより上にボールを蹴り入れることをゴールと呼ぶ。プレー中にドロップキックしてのゴールをドロップゴール、相手の反則の際に与えられるペナルティーキックでのゴールをペナルティーゴールと呼び、また、トライに成功したチームにはゴールの機会が与えられ、これをコンバージョンと呼ぶ。それぞれの得点は、トライが5点、ペナルティーゴール及びドロップゴールが3点、コンバージョンによるゴールが2点である。

選手は、ボールを持ち、走り、投げ、蹴ることができるが、ボールを前方に落としたり(ノックオン knock on)前方に投げたり(スローフォワード throw forward)してはいけない。ボールを持った選手に対しては、タックルをすることができ、これによって倒された選手はボールを素早く手放さなければならない。これを行わないと、ノット・リリース・ザ・ボールという反則になる。

タックルによって選手の動きが止まることで、後に続く攻撃側、守備側双方の選手らが集まり密集が形成されるが、その中の選手がボールを持っている状態をモール、ボールが地面にある状態をラックと呼ぶ。この他に審判の指図で意図的に形成される整然としたスクラム scrumage と呼ばれる密集状態があり、スクラム及びラックの中では、ボールの操作は足でのみ許されている。スクラムは、審判の「クラウチ」→「タッチ」→「ポーズ」、そして「エンゲージ」の合図で両チームのフォワード(前衛)同士が円陣を組むように組み合い、スクラムハーフがボールをスクラム内に投入し、攻撃側、守備側双方のフッカーがこれを取り合う。ただし、ゴールラインが近い場合にはスクラム内にボールをキープしたままインゴールに押し込んでしまう場合がある。この場合はスクラム・トライというトライになる。

ラグビーでは常に危険が付き纏うため、反則が事細かに規定されているが、反則があっても必ずしも競技が即中断されるとは限らず、反則を犯したチームに不利な展開が続く限り猶予される場合があり、アドバンテージ(を見る)といわれる。この時、主審は有利なチームに向けて水平に腕をあげている。

反則からの再開には、スクラムによるものとペナルティーキックによるものとがあり、反則の種類によってどちらで再開されるかが定められている。比較的軽い反則からはスクラムで再開し、重い反則からはペナルティーキックから再開される。1チーム15人で競われる(重大な反則を犯したときは、イエローカードを提示されるシンビンとよばれる10分間の一時的退出やレッドカードを提示される退場もあるので、その場合は14人以下になる)。大学生以上の場合、試合時間は前後半あわせて80分であり、ハーフタイムは10分以内である。

ボールがタッチラインから外に出るとラインアウトという方法で再開する。出た地点からゴールラインと平行に引かれた仮想線(これをラインオブタッチという)の両側に両チームのフォワードが並び、出た地点から出したチームの相手側(ペナルティキックの場合出したチーム)の選手がラインオブタッチ上にまっすぐに投げ(まっすぐでないときはノットストレートという反則になる)、それを両チームが取り合う。近年のラインアウトは、ルール変更もあり、人を持ち上げて、より高いところでボールを取ろうとするのが普通である。ただし、反則によるペナルティーキックで直接外に出した場合は出したほうが投げる。ところが、タッチラインの外でボールを投げ入れる側がボールを直接捕ったとき、フォワードが並ばないうちにボールを投げ入れてしまうことがある。これをクイック・スローインといい、戦術の一つとなっている。ただし、どちらか片方のフォワードが並んでいた場合は当然反則である。つまりラインアウトとは、分かりやすく言えばサッカーでいうスローインを屈強な男たちが奪い合うものだと考えるといいだろう。

ラグビーではしばしばゲインラインという用語が使われる。ゲインラインは攻撃の有効性をはかる指標のひとつであり、直前の攻撃の結果できたポイント(スクラム、モール、ラック等の地点)を通りゴールラインに平行な線がゲインラインとなる。ゲインラインからどれだけ前進(後退)するかは、その攻撃でどれだけ自分たちの地域を獲得できたか(できなかったか)を意味し、すなわち、得点できる(される)かのキーポイントとなる。ラインアウトの場合はラインオブタッチが、スクラム、モール、ラックの場合はその中心線がゲインラインとなる。

試合終了は80分が経過した時点だが、プレーが途切れるまで試合は継続される。ペナルティキックやフリーキックでも試合は継続される。ラグビーでは、試合終了のことを「ゲームセット」ではなく「ノーサイド」と呼ぶ。戦い終えたら両軍のサイドが無くなって同じ仲間だという精神に由来する言葉である。ノーサイド精神はプロ化の進んだ今日でもラグビーに影響を与えている。例として、観客席を区別しないことや、最近までラグビー場はシャワー室が一つだけで敵味方が譲り合って使用していたこと、さらに試合後にアフターマッチ・ファンクションと呼ばれる親睦会を行う習慣は19世紀から今日まで続いている。試合が終わって相手と親睦を深めるまでがラグビーという考え方である。

一般にラグビーはルールが難しい、よく分からないと思われがちだが、つまりは相手を押しのけて前へ進んでトライをすることが目的であるというシンプルなものである。なのでどちらが強いかを見るときは、どちらが前に進んでいるかを見ることで分かるだろう。

[編集] ラグビーのポジション

詳細はラグビーのポジションを参照

ポジションは、大きくフォワードバックスに分かれており、それぞれ次の様に呼ばれる。フォワードの8人は、スクラムを構成する。

  • フォワード (FW)
    • (最前列)3人 - フッカー (HO)(2) と、左右のプロップ (PR)(1, 3)
    • (第二列)2人 - 左右のロック (LO)(4, 5) 海外ではSRと書きセカンドローと呼ばれる
    • (第三列)3人 - ナンバー・エイト (NO8)(8) と、左右のフランカー (FL)(6, 7)
  • バックス (BK)
    • ハーフバック (HB) 2人 - スクラムハーフ (SH)(9) と、スタンドオフ (SO)(10)海外ではFHと書きフライハーフと呼ばれる ※ハーフ団とも呼ばれる。
    • スリークォーター・バック (TB) 4人 - 左右それぞれのウィングスリークォーターバック (WTB)(11, 14) とセンタースリークォーターバック (CTB)(12, 13)
    • フルバック (FB)(15) 1人

各ポジションの呼び方は、国によって微妙に異なる。

[編集] ラグビーの大会

[編集] テストマッチ

ラグビーは対抗戦の歴史であり、海外に遠征したり海外から招待したりして試合を行ってきた。その中でも、国を代表して行われる試合をテストマッチと呼んでいる。このテストマッチに出ることは名誉なこととされ、選手にはキャップが与えられる。元木由記雄明治大学神戸製鋼)が現在キャップ数(日本代表での試合経験数)最多。

[編集] ラグビー・ワールドカップ

ラグビー・ワールドカップはラグビーのナショナルチームの世界一を決定する大会で、1987年以降、4年に一度、開催されている。

[編集] シックス・ネイションズ(6か国対抗戦)

イングランド、スコットランドアイルランド、ウェールズ、フランスイタリアで行われる北半球最大の国代表対抗戦。(以前はファイブ・ネイションズと呼ばれていたが、現在はイタリアを入れた6カ国で争われている。)

それぞれの特徴は次の通り

イングランド代表
2003年ワールドカップで北半球勢として初めて優勝を果たした。2005年までの10年間で6カ国対抗で5回優勝した。伝統的に強力FWを前面に出すスタイルで、激しいぶつかり合いや、塊となって進むモールが多い。パワープレーを重視し、バックスにボールが出てもキックの比重が高い。このため「世界一退屈なラグビー」などとたびたび揶揄される。SOには華麗なドロップゴールを決める選手が多い。代表選手は、ローレンス・ダラーリオジョニー・ウィルキンソン
スコットランド代表
1871年に、史上初めての国際試合としてスコットランドとイングランドの間で試合をした伝統国。正統的なチーム作りでキックで地域を取るなど堅実なプレーをし、過去6回のワールドカップで全てベスト8以上に進出している。1991年ワールドカップではベスト4に進出し、準決勝のイングランドとの死闘は語り継がれている。イングランドとの定期戦はカルカッタカップと呼ばれている。1877年に解散したカルカッタ・フットボール・クラブの余剰金(ルビー銀貨)を溶かしてカップを作ったもので、1878年からこの定期戦の勝者に与えられるようになった。
アイルランド代表
ナショナル・カラーのグリーンのジャージで、魂のこもった熱い試合をすることから、ファンが多い(アイリッシュ魂)。固い結束力やひたむきな守備は見るものの胸を打つ。かつては貧しさから新世界への移民が後を絶たなかったことから、4年に1度のワールドカップや毎年の6カ国対抗は親族が集う場の役割も果たしている。近年は若年層の強化に成功しランキングも上位に入っている。オールドファンにとっては、劣勢の中のあきらめないタックルや、ロスタイムまで追い上げる精神力、そしてたまに列強に番狂わせを見せるのが喜びである。サッカーとは異なり、アイルランドと北アイルランドの統合チームである。
ウェールズ代表
1970年代に黄金時代を迎えて世界中を席巻し、「レッド・ドラゴン」の異名で恐れられた。当時の主産業は石炭産業で、選手は昼間は炭鉱員として働き、仕事が終わるとラグビーでナショナル・ヒーローになるというのがウェールズの古き良き時代だった。バックス展開も華やかで、フォワードの強さとバックスのひらめきを融合したラグビーをした。英国皇太子を英語で「プリンス・オブ・ウェールズ」と呼ぶ関係もあり、故ダイアナ妃がよく観戦に訪れていた。

上記ホームユニオン(イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランド)内で他3ヶ国に勝利したチームはトリプルクラウンと呼ばれ、称えられる。

  • ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズはホームユニオンから選ばれた選手で構成する選抜チームである。4年ごとに南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランドと順次遠征しており、ライオンズとして出場した選手にはキャップも与えられる。
フランス代表
ワールドカップで準優勝2回の名門。個人主義に基づいてバックスの個人技を評価する。フレア溢れる洗練されたプレーや流麗なトライを見せ、次々とフォローが湧き出てパスがつながるところから「シャンパン・ラグビー」と称される。その反面で、個人の身勝手なプレーから危機に陥ることがしばしばで、反則も多く、不安定な試合運びをする。パリ近郊のマルクシなど国内9ヶ所に青少年の育成学校を設立し、勉強をしながらラグビーに専念できる学校法人のシステムを整えている。2007年にはワールドカップを開催、全48試合で過去最高の224万人、平均4万6800人を集客した。主な人気選手は、フレデリック・ミシャラク、セバスチャン・シャバルら。
イタリア代表
2000年に新加入した新興国だが、ワールドカップには全大会連続出場を続けている。ハーフ団にいい選手を生む。最近はFWが強力でパワープレーを前面に押し出す。主な人気選手はマウロ&ミルコ・ベルガマスコ兄弟、セルジオ・パリセらがいる。彼らはフランスの強豪スタッド・フランセに所属。

[編集] トライネイションズ(南半球3カ国対抗戦)

南アフリカ共和国代表オーストラリア代表ニュージーランド代表3カ国の対抗戦。現在の力関係からいって世界一を決める大会という意味合いが強い。ニュージーランドとオーストラリアの間で争奪戦を行うのがブレディスロー・カップと呼ばれている。

[編集] IRBパシフィック・ネイションズ・カップ

環太平洋の世界ランキング第2位グループを強化し、トップ国との格差を縮める目的で設立された大会。フィジー日本サモアトンガニュージーランドマオリオーストラリアA代表の6カ国総当り戦で行われる。

[編集] 欧州ネイションズカップ

6カ国対抗(シックスネーションズ)の次に位置する欧州各国が参加するのが欧州ネーションズカップ、ENC(European Nations Cup)で、3部制を取っている。1部、2部、3部間では入れ替え制をとっているが、1部と6カ国対抗との入れ替えや編入はない。主な強国はポルトガルルーマニアスペイングルジアロシアなど。チェコウクライナといった新興国が加盟し強化しており、大会は競技の普及と国際化の進捗状況を見るバロメーターとも言える。

[編集] スーパー14

南アフリカオーストラリアニュージーランドの3ヶ国からなるクラブリーグ。2月から5月までの期間限定でスーパークラブを結成し14チームによる総当り戦を行う。上位4チームがプレーオフトーナメントに進み優勝をかけて戦う。観客を意識したアタッキングラグビーが楽しめる。

[編集] ハイネケンカップ

欧州ラグビーのクラブおよび地域代表チームによる欧州ナンバー1クラブを決める選手権。サッカーのチャンピオンズリーグに相当する大会。24チームによるホーム・アンド・アウェーで1次リーグを行い、8強が決勝トーナメントに進む。

[編集] プレミアシップ

イングランド国内のクラブリーグ。12チームによるホーム・アンド・アウェーの2回戦総当たりのレギュラーシーズンを行い、上位4強によるプレーオフトーナメントで優勝を決める。南半球国の代表選手も多く所属している。

[編集] 日本国内の大会

[編集] 関連競技

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ
ウィキブックス
ウィキブックスラグビー関連の教科書や解説書があります。



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