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ハンドボール - Wikipedia

ハンドボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ハンドボールのシュートシーン
ハンドボールのシュートシーン

ハンドボール (handball) は、7人ずつの2組がボールを相手のゴールに投げ入れて勝負を競うスポーツである。走・跳・投という運動における基本3要素を求められさらにボディコンタクトという格闘的な意味も含めた総合スポーツでありダイナミックなシュートシーンやスピーディーな試合展開が魅力となっている。オリンピック競技であり、本場ヨーロッパでは、サッカーに次ぐ人気を誇る国もある。日本ではマイナーなスポーツの印象でありソウル五輪以降出場できないでいる。

日本語では送球(そうきゅう)とも呼ばれ、中国語では手球という。

目次

[編集] 歴史

1898年にホルガー・ニールセン(Holger Nielsen人工呼吸法の一つ「ニールセン法」を考案した人物)が考案し北欧を中心に行われていた7人制と、1910年代に現在のドイツベルリンで女子を中心に行われていた11人制の2つの形式で始まった。当初は11人制だったが、徐々に7人制の方が主流となり、女子は1962年、男子は1967年の世界選手権から7人制で一本化された。1906年には、最古のハンドボール競技規則が刊行された。

日本では1922年7月24日、大谷武一が大日本体育学会において11人制を紹介、1938年、日本ハンドボール協会設立、1952年には7人制が初めて行われ、以降、7人制が普及した。

男子競技が夏季オリンピックに正式種目に採用されたのは1936年ベルリンオリンピックからで、アドルフ・ヒトラーの特別要求によって実現した[要出典]。一時期、正式種目から外されるが、1972年ミュンヘンオリンピックから復活した。

一方、女子競技については男子よりも1大会遅く、1976年モントリオールオリンピックから正式種目になった。

日本代表のオリンピック出場は、男子が1972年、女子が1976年が最初である。以降、男子は1976年、1984年1988年の大会に出場、2008年は予選再試合があったが惜しくも韓国に負けて出場できていない。女子は1976年の大会(5位入賞)のみに出場。

[編集] ルール

コート
コート

[編集] コート

  • コートの大きさは40m×20m[1]
  • ゴールの中の大きさは高さ2m×幅3m、ゴールポストの幅は8cm[1]
  • ゴールエリアラインはゴール前方6m[1]
  • フリースローラインはゴール前方9m。
  • ペナルティースローラインはゴール前方7m。
  • センターラインから4.5m先に15cmの線が両側に引かれ、自陣側のそことセンターラインの間で選手の交代をする。

[編集] 競技時間

  • 高校生以上は前後半30分、中学生は前後半25分、8-12歳は前後半20分で、休憩時間はいずれも10分。
  • 正規の時間で勝敗が決まらない場合は、5分の休憩後に10分間の延長を行う。それでも勝敗が決まらない場合は7mスローコンテストを行う(第2延長が行われる場合もある)。
  • 前後半1回ずつ60秒のタイムアウトを請求できる(延長戦ではタイムアウトを取ることができない)。

[編集] 競技人数

  • 1チームはコートプレーヤー(CP)6人とゴールキーパー(GK)1人の計7人で構成される。
  • ゴールキーパーもゴールエリアの外に出てプレーできるが、その際はコートプレーヤーと同じ扱いになる。

[編集] 交代の方法

  • 選手交代はセンターラインから4.5mのエリアで行われる。
  • 選手交代は自由にできる。レフェリーに申告する必要はなく、インプレー中に何度でも交代することができる。このため、ディフェンス専門の選手とオフェンス専門の選手に分業しているチームもある。
  • 不正交代があったときは、二分間の退場が与えられる。

[編集] ボールの大きさ

ボール
ボール

ハンドボールではサッカーなどと違って年齢でコートの広さが変わることはなく、ボールが変わるだけである。ボールの大きさや重さはルールで決まっているため、高校生以上は3号球、中学生は2号球、小学生以下は1号球を使う。大きさ、重さは以下の通りである。

ボールの大きさ 外周[cm] 重さ[g]
3号球 58~60 425~475
2号球 54~56 325~375
1号球 49.5~50.5 255~280

[編集] ボールの移動

  • ボールはパスとドリブルでつなぐ。ボールを持って3歩まで歩くことが認められ、ボールを持ったときを0歩として数える。空中でボールをつかんだ場合は、地面に着いたときを0歩として数える。両足で着地した場合は、着地後に踏み出した足が1歩目である。
  • バスケットボールにおけるピボットステップは存在しない。ボールを持った選手が行った場合はステップを行った数をそのまま歩数として数える。

[編集] 得点

  • ボールがゴールラインを完全に通過したときにはじめてゴールとなり、一点が加算される。

[編集] 反則

以下の反則があった場合は相手側にフリースローが与えられ、明らかな得点機会を反則によって防いだ場合は7mスローが与えられる。審判はジェスチャーによって、どのような反則かを示し、罰則がある場合はその判定を示す。

また、かなり強い接触まで認められるため審判の技量によっては反則や罰則の基準がばらついたり、同じプレイが審判によって判定が変わることがある(中東の笛参照)。

ラインクロス
6mラインの中(ゴールエリア)に侵入すること。
ただし空中でプレーすることは認められる。
ダブルドリブル
ドリブルをいったん終了した後、再度ドリブルをすること。
オーバーステップ
ボールを持って4歩以上歩くこと(空中でボールをキャッチした場合は、着地足は0歩目となる。両足同時に着地した場合も両方合わせて0歩)。
オーバータイム
ボールを4秒以上保持すること。
ホールディング
相手プレーヤーを腕や手で捕まえること。
プッシング
相手プレーヤーを押すこと。
チャージング
相手プレーヤーに突き当たること。
ハッキング
ボールを持っている手などをたたくこと。
キックボール
ボールをひざから下で処理すること。
パッシブプレー 
パスやドリブルを繰り返し、攻撃する意思がない消極的プレーをすること。審判が片手を挙げパッシブプレーの予告をする。バスケットボールの24秒ルールに近いものだが、ハンドボールではパッシブプレーに該当するかどうかは審判の主観に委ねられ、時間は一切関係ない。
トリッピング
故意に足を出し、相手の足を引っかけること。
バックパス
サッカーのバックパスと似たルールで、CPから自陣ゴールエリア内にいる味方GPにパスを出しGPがこれをとると、バックパスになる。

[編集] 罰則

故意、悪質な反則には以下の罰則が与えられる。

警告(イエローカード)
危険な反則や、スポーツマンシップに反する行為と審判が判断した場合に与えられる。
退場
退場に相当するプレー、もしくは警告に相当するプレーを2回行うと退場となり、チームは2分間、数的不利となる。退場となった選手は2分後に再出場できる。警告がチームで累積3枚を超えると、その選手が初めての警告に相当するプレーであっても退場となる。
失格(レッドカード)
3回目の退場で失格となる。失格処分を受けた選手は当該試合は再出場できなくなり、チームは2分間、数的不利となる。2分後に、失格した選手とは別の選手を復帰させることができる。
追放
暴力行為などがあった場合に適用される。追放された選手は当該試合は再出場できず、別の選手を復帰させることもできない。チームは当該試合終了まで数的不利となる。

[編集] 用語

ポイント
相手の反則があった場所。フリースローを行う場所。
ゴールライン
両陣地の端、ゴールの脇に引いてある実線。
Aの陣地のゴールアウターラインからボールが出たとき、Bの選手が最後に触ったのならばAのキーパースローで、Aの選手が最後に触った場合はBのコーナースローだが、Aのキーパーが触ったのならばAのキーパースローで始まる。しかし、キーパーが触ってもサイドラインからボールが出た場合は、相手のサイドスローになる。
ゴールエリアライン
ゴール前方6mのところに引かれる実線。ゴールから6mのところに引いてあるので6mラインともいう。(明らかに得点不可能でも)この中で守備側が守った(ライン内防御をした)場合は、攻撃側にペナルティースロー(7mスロー)が与えられる。また、攻撃側がボールを持って中に入ると守備側のゴールスローになる。
ゴールエリア
ゴールエリアライン上とその内側。味方のゴールキーパーだけがこの中でプレーすることができる。他の選手はオフェンス、ディフェンスを問わず、この中でプレーすると反則となる(足を着かずに空中のプレーであれば可)。ゴールキーパーはボールを持っていても、この中であれば制限なく歩くことができ、脚を使って相手のシュートを防ぐことができる(ボールを蹴るのは反則)。
7mスロー
明らかに得点可能な時に守備側の反則で得点機会を防がれた時、あるいは守備側がライン内防御を行った時に攻撃側に与えられる。7mスローは、ゴールから7mのところに書いてあるラインより後方1mまでの範囲で、ラインを踏まずに行われるスロー。7mスローを行う選手は、7mラインを踏まず、リリースするまで軸足の接地点をずらしたり、離してはならない。7mスローを行う線はゴールから7mのところに引いてあるので、7mラインともいう。
守備側はフリースローラインから出て、7mスローを行う選手から3m以上離れなければならない。キーパーはシュートの角度を減らすため前に出がちになるため、ループシュートも有効である。実証済みである。
スカイプレー
コートプレーヤーが通常入れない6mエリア(ゴールエリア)内にボールを出し、別のコートプレーヤーが空中でそれをキャッチしてそのままシュートにつなげるプレー。空中でキャッチしたプレーヤーがさらに別のプレーヤーにパスをするなど、2連続、3連続のスカイプレーも存在する。
国際的にはドイツの名選手であったベルンハルト・ケンパ (Bernhard Kempa1920年11月19日 - )にちなみ、「ケンパ・トリック (Kempa-Trick)」という。
フリースローライン
ゴール前方9mのところに引かれる点線。ゴールから9mのところに引いてあるので9mラインともいう。この線の内側で守備側の反則があった場合は、ポイントに最も近いフリースローラインで行う。
フリースロー
プレーヤーによる反則行為があった場合に、ポイント(ポイントがフリースローラインの中であるときは、ポイントに一番近いフリースローライン上)から行われるスロー。
相手プレーヤーはフリースローを行う選手から、3m以上離れなければならない。ゴールを直接狙うこともできるが、フリースローを行う選手はポイントに最低でも片足を着けなければならない。9mラインの中で反則があった場合は、味方プレーヤーは9mラインの中からでなければならない。
テンポシュピール(クイックスタート、リスタート)
失点後、ボールを素早くセンターラインに持って行き、相手チームが戻る前に攻撃を仕掛けること。

[編集] ポジション

昔はセンターはフェイントのうまい司令塔、バックプレーヤーはロングシュートを狙う身長の高い選手という組み合わせが主流だったが、近年では3人が流動的にポジションチェンジを行うことによってディフェンスを揺さぶる戦術が主流のため、3人ともにオールラウンドな能力が求められている。 さらに、以前だとポジションはほとんど固定されていたが、最近は目まぐるしくポジションを変え、ときにはフローター(上三枚)であっても、サイドからシュートをすることがあるので、全員がさまざまなシュートを打てる必要がある。

下記コートプレーヤーのポジションにおいて人数の決まりはない。そのため、それぞれのチームの攻撃パターンによってさまざまなスタイルが存在する。特に、センター、ポストなどは流動的であり、「センターを置かない」「ポストが2人(ダブルポスト)」「ポストが1人」など、時にはゲーム中においても変化することもある。また、オフェンスとディフェンスでポジションが違ったり、オフェンスが終わるごとに選手交代したりする場合がある(ハンドボールでは選手交代に審判の許可がいらないことと、交代の回数が無制限であるため)。

センター、ライト、レフトのバックプレーヤーを合わせてフローター、もしくは上三枚と言われることがある。


ゴールキーパー
自チームのゴールエリア内に位置し、全身を使い相手プレーヤーのシュートから自チームのゴールを守る。ゴールエリアの外に出てフィールドプレーヤーとしてプレーすることもできるが、その場合はフィールドプレーヤーと同様、ボールを持って3歩以内しか歩くことができない。また、相手のシュートからの速攻では20m以上の距離に正確に投げる技術が必要とされる。高レベルの試合になると、GKの出来が勝敗に大きく関わってくる。運動能力が最も高い選手がGKになるべきとする指導者も多い。
センターバック
攻撃の要。両45ポジションと共に攻撃の起点を作り、機会があれば自らロング、ミドルのシュートを打つ。司令塔(ゲームメーカー)的な存在である。ダブルポストなど特殊な戦術の場合は省かれるポジションでもある。ディフェンスでは相手のポスト、センターの両方を見ながら、速攻の機会をうかがう戦術眼と広い視野が必要とされる。
フットワークを最も繰り返すポジションであるため、体力、技術、身長ともにバランスよく優れていることが必要とされるが、大崎電気宮﨑大輔のように小さくてこなす選手もいる。主にセンターと呼ばれる。
レフトバック
右利きであることが多い。ロングシュート、ミドルシュート、ブラインドプレーや個人技が必要とされる。角度のあるフローターの中で司令塔的な存在のセンターよりもシュートに専念しやすく、打ちやすい場所でもあるためチームの中で一番点を取るポジションでもある。
またディフェンスでも相手の45°を止めるため非常に重要な位置とされ、すべてのポジションと関わりをもつため、広い視野が必要とされる。主に左45°(左45°、左よんごー)と呼ばれる。
ライトバック
レフトバックとは左右対称の逆ポジション。基本のプレースタイルはレフトバックと同様だが、左利きの方がプレーしやすく有利である。主に右45°(右よんごー)と呼ばれることが多い。
レフトウィング(レフトサイド)
バックプレーヤーのサポート、サイドシュートなどをする。また、フィールド中心に向かって走りこむことにより攻撃に変化を生み出すことができ、さらに、端に位置するポジションのため、攻撃から守備(もしくは守備から攻撃)への変換点に置いていち早く反応をすることができ、速攻などに活躍することの多いポジションでもある。そのため、両サイドには足が速いプレーヤーが多い。
フィールドの端に位置し、ゴール面積がほとんどないため一般的にシュートは入りにくいが、大同特殊鋼末松誠のようにサイドでもプレーヤーによっては点を取れるプレーヤーもいる。シュート時のゴール範囲が利き手によって大きく異なる為、レフトウィングは右利きが理想とされる。主に左サイド、本サイドと呼ばれる。
ライトウイング(ライトサイド)
レフトサイドの反対のポジション。自ゴールから見て右側に位置する。左利きが理想とされる。主に右サイド、逆サイドと呼ばれる。
ポストバック
ゴールに背を向け、相手DFライン上で攻撃をサポートしたり、時にディフェンスの壁を破って、自らもシュートを打つ。ポストにパスが通るとキーパーと1対1になるので得点をする確率は高い。攻撃パターンとして、ブロック、ディフェンスの裏のスペースを使うなどがあげられる。また、ディフェンスの時も相手のポストをカバーしたりするためディフェンスの能力が必要とされる。
DFの密集地帯でポジションをキープし、ボールをキャッチしたら相手の激しいDFに負けずにシュートにまで持ち込むことが仕事であるから、パワフルな大型選手が求められる。また、確かな戦術理解度を必要とするポジションでもある。

[編集] シュート

ハンドボールは点を取ることが最大の目的であるから、それに直結するシュートテクニックは最も大切な技術である。

[編集] ステップシュート

ハンドボールでは基本のシュート。ステップを踏みジャンプをせずに打つ。地面に足を着いてるので重心が崩れにくく、威力のあるシュートが打てる。ジャンプシュートとは違うタイミングで打つので、ゴールキーパーの不意をつきやすい。ディフェンスの隙間を狙いやすくブラインドシュートを狙うときにも多用される。
ブラインドシュート
ブラインドシュートは、ディフェンスに重なるようにして相手ゴールキーパーの死角から放つシュートである。キーパーからは急にボールが出てくるように見えるので、キーパーは捕りにくい。

[編集] ジャンプシュート

ハンドボールにおいて、ステップシュートと同等に重要で、最も多用されるシュート。ジャンプしてシュートを打つので高い打点でDFの上から打つことができる。空中でシュート姿勢をとらなければいけないため、筋力、バランス感覚が必要。空中に飛んでいる間にキーパーとの駆け引きが存在し、多彩なテクニックが披露される。

シュートを狙う地点によって名称がついている。

ミドルシュート(ロングシュート)
9m付近からジャンプしDFの上から得点を狙う。
サイドシュート
6m付近のゴールに対して角度の少ないところからジャンプして得点を狙う。
 ポストシュート
6m付近のゴールに対して角度の大きいところからジャンプして得点を狙う。

[編集] パス

シュートと同じく、ボールの扱いやすさから多彩なパスが可能である。

オーバーハンドパス
手を上に持ち上げて投げる基本的なパス。投げる瞬間に方向を変えられるので、よく使われる。
ラテラルパス
手首のスナップで投げるハンドボール特有のパス。バックスイングなしで投げられるため、素早い展開が可能となる。ハンドボールの代名詞ともいえるパス。ディフェンスの手を避けるために、胸の高さではなく上からや下から投げるパスもある。
バウンドパス
ボールをバウンドして投げるパス。ボールにスピン回転をかけて投げると使用する幅が増える。ポストパス(後述)にも使われる。
スピンパス
ボールにスピン回転をかけて投げるパス。バウンドパスの一つ。バウンドパスやポストパス(後述)にも使われる。右利きの場合、カーブ(スピン)回転をかけると、投げてから見て左に曲がり右に跳ねる。シュート(逆スピン)回転をかけるとその逆になる。左利きでは逆になる。
ポストパス
ポスト以外のプレーヤーがポストに出すパス。バウンドパスも有効。
バックパス
体の後ろを通して投げるパス。ディフェンスの目を惑わせるパス。上から投げるパスと下から投げるパスがある。上から投げるのはステップシュートのフォームからそのまま投げるパス。下から投げるのはいかにもバックパスと言うようなパスであり、腕を腰に巻きつけ投げるパスである。

[編集] オフェンス陣形

各プレイヤーが流動的にポジションチェンジを繰り返すため、プレー中に形態が入れ替わることも多い。

センタースリー
フローターが3人(センター、左右45°)と左右サイド、ポスト1人で攻める形態。
多彩な攻撃を行え、切り込んでパスを出したフローターやサイドがそのままポストに入りダブルポストになることもある。主流。
ダブルポスト
フローターが2人(左右45°)になりポストが2人になった形態。
フローターの負担が増える代わりに成功率の高いポストシュートを狙いやすい。また、ディフェンスが飛び出しにくくなるメリットもある。ジュニアクラスでは使われることが多い。

[編集] ディフェンス・システム

ハンドボールでは主にゾーンディフェンスが主流。

6-0デフィエンス(一線ディフェンス)
6mライン沿いに6人が並び、攻め込んできたオフェンスに対応したプレイヤーが飛び出す形態。
ポストの動きを自由にさせないという長所があるが、引いて守ることになるためフローターが自由に動きやすくロングシュートを打たれやすい。体格が小さく、ロングシュートを打たれにくいジュニアレベルでは主流となることがある。
5-1デフィエンス
6mライン沿いに5人が並び、1人が飛び出した形態。前に飛び出た1人が相手のパスを妨害する役割を持つ。6-0のラインを保って守りやすい陣形。前の1人には豊富なフットワークが求められる。
4-2デフィエンス
5-1よりも全体的にフットワークがあるチームが使う。パスや相手のゲームを妨害しやすいが、その分6mライン付近やポストが空く。1試合を通して使う戦術というよりは、奇襲のような作戦で使われることが多い。
3-2-1デフィエンス
3枚のディフェンスラインを作り、6mライン沿いから順に3人、2人、1人と並ぶ形態。
フローターの動きを止めやすいが、豊富な運動量を必要とする。抜かれた際のフォローが難しくなりポストが自由に動きやすいという欠点があるが、利点も多いため日本代表などプロではよく使われる。
3-3ディフェンス
6mライン沿いに3人が並び、残りの3人が高い位置でバックプレーヤーにプレスするディフェンス。効率よく機能すればオフェンスとして抜きにくいので、韓国代表などプロではよく使われる。
オールコートディフェンス(プレスディフェンス)
全員が前に出てプレスをかける陣形。全員に豊富な運動量が求められる。間隔が開くため中に入られるとリスクが高い。
マンツーマンディフェンス
全員にマークをつけるディフェンス。成功すれば強いが、オールコートプレスと同じようにリスクも高い。

[編集] 審判

ハンドボールの審判は2人1組で、それぞれが同等の権限を持つ。2人はゴールライン側の審判と、センターライン側の審判の役割を交互に行う。1つの反則に対する罰則について両者の判断が異なる場合には、罰則の重いほうを適用する。ハンドボールはボディーコンタクトがある程度認められており、展開も速いため、審判の役割はきわめて重要であり、選手と同様の高い運動能力(持久力)と豊富な経験、迅速的確な判断力が要求される。地域や国といった単位で競技レベルを向上させるには、審判の育成や技術水準の底上げも欠かせない。

しかし、日本およびアジア圏における審判のレベルは、国際的なレベルと比較して決して高いとは言えず、高い技術を持つ審判が不足している点は否定できない。そのため、国際大会においても第三者からみて公平と思われる審判の選択・配置がなされているとは言いがたいのが現状である。

[編集] 中東の笛

詳細は中東の笛を参照

日本では2007年北京オリンピックアジア予選での判定がマスコミに報道されて話題となった。

[編集] 補助用具

[編集] 粘着剤

ハンドボールではボールを片手で持つことも多いため、利き腕の指にボールを握りやすくするため粘着剤を付与することがある。粘着剤には、両面テープ松ヤニ、粘着スプレー等が用いられる。

粘着剤は、大会ルールで使用の制限が行われることがある。

[編集] 派生した競技

  • ビーチハンドボール
  • 車椅子ハンドボール

[編集] 日本の関連する主な大会

[編集] ハンドボールを扱った作品

[編集] 日本におけるメディア

  • 株式会社スポーツイベントが月刊誌スポーツイベントハンドボールを発行している。

[編集] 脚注

  1. ^ a b c フットサルでも用いられる

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク(公式サイト)



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