佐々木剛
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ささき たけし 佐々木 剛 |
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本名 | 福井 憲雄(ふくい のりお) |
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別名 | 八代 悠(旧芸名) |
生年月日 | 1947年5月6日(61歳) |
出生地 | 日本・新潟県新発田市 |
民族 | 日本人 |
血液型 | A |
職業 | 俳優 |
ジャンル | 映画・テレビドラマ・舞台 |
活動期間 | 1968年- |
主な作品 | |
仮面ライダー 柔道一直線 |
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佐々木 剛(ささき たけし、1947年5月7日-)は、新潟県出身の俳優。
本名・福井 憲雄(ふくい のりお)。血液型・A型 左利き。
目次 |
[編集] 経歴
新潟県立新発田高等学校卒業後、日活のスターだった赤木圭一郎に憧れて、俳優を目指して上京。東宝芸能学校、劇団NLT俳優教室、劇団俳優小劇場付属養成所を経て、新国劇の研究生となる。養成所時代に八代 悠(やしろ ゆう)の芸名でNHK『開花探偵帖』(1968年)でデビュー。新国劇入団をきっかけに芸名を佐々木剛に改め、1970年TBS系『柔道一直線』で主人公のライバル・風祭右京を演じて注目を浴び、『お荷物小荷物』『繭子ひとり』『素浪人 天下太平』などでも重要な役を演じ一躍人気俳優の仲間入りを果たす。
小さい頃は、身体が弱かったらしく学生時代には空手や柔道、キックボクシングなどに励んでいた。
1971年、『仮面ライダー』において、仮面ライダー2号/一文字隼人役を好演し、同番組を一気に大人気番組にした。しかし、仕事に対する佐々木の当初の態度は不真面目そのもので、撮影当初はよく二日酔いで来ていたと、関係者はコメントしている。そんな若気の佐々木を暖かく見守りかつ仕事に対する態度を改めさせたのが立花籐兵衛役の小林昭二だった。その反面、役柄と共演者に対する気遣いに関しては、出演依頼があった時点から、真摯なものであったという証言もある(詳細は後述)。
しかし、『仮面ライダー』でデビュー間もなくスターダムにのし上がった佐々木はかなり天狗になっていたらしく「若い頃の苦労は買ってでもしろって言いますけどね、あんなのムダですよ」などという不謹慎な発言をするなどして、先輩や同輩の役者から妬みを買っていた。
仮面ライダー2号/一文字隼人が主役だった頃、佐々木はよくヘルメットを被りながらアクションをしていたが、この時佐々木は仮面ライダー以外にも2本のドラマのレギュラーを務めていたため、多忙な撮影のあまり頭が円形脱毛症になってしまった。それをカモフラージュするためカツラを被って殺陣に臨んだが、ジャンプなどをするとカツラがずれてしまいどうにかならないかとスタッフは苦悩した末にカツラの上にヘルメットを被らせようという結論に至ったのだという。
その後も時代劇や刑事ドラマへのゲスト出演も多数。善悪問わず様々な役柄を演じ、お茶の間でおなじみの俳優として活躍をしていたが、1982年、自宅の火事により全身火傷を負い、一命は取り留めたものの、この際に俳優の命ともいえる顔にも火傷を負ってしまう。そのため10号誕生!仮面ライダー全員集合!!で2号のアフレコ出演を担当したものの、素顔を見せなかったのは顔にやけどを負ってテレビに出られなかった為である。 回復後は主に声優として活動していたが、「新人と同じ扱いでどんな仕事でもこなしていきたい」という本人の意思とは裏腹に「ベテラン故に使いにくい」として仕事が激減し、長らく俳優業を離れることとなる。この間、警備員、ちり紙交換、竿竹売り、石焼き芋屋などで生計を立てるが、離婚やホームレス生活を経験するなど、不遇の時代を過ごす。何とこの時期、佐々木は妻や子供たちを食べさせるため、通算で1日16時間も働いていたという。後は酒を飲んで暴れていたり、1日中パチンコに行ったりなど、壊れていく人間の見本のような生活を送っていたという。
そんな中、石橋正次をはじめとした友人俳優の世話もあって、90年代終わり頃より俳優業への復帰を果たす。火傷も長年かけて皮膚移植治療をしており(本人曰く「おかげで本当に改造人間になってしまった気分」)、顔も多少の傷跡は残っているがかなり回復している。近年は年齢を重ねた押し出しの強い風貌を武器に、舞台を中心に俳優活動を展開、好評を博している。火傷による挫折と復帰で、それまでの自分を大いに反省したと述懐している。
歌も得意にしており、最近ではCD『石ノ森章太郎・男も泣けるTV主題歌集』(1998年)において『レッツゴー!!ライダーキック』を熱唱している。
[編集] 逸話
『仮面ライダー』主演の藤岡弘(現・藤岡弘、)とは劇団NLT時代の同期で友人の間柄だったため「藤岡の怪我による主役交代」の依頼を「彼の役を取りたくない」との理由から一度断っており、プロデューサーから「彼が帰って来るまで」との約束で『仮面ライダー』出演を承諾している。円形脱毛の症状も、このことから来るプレッシャーが一因にあったと語っている。
藤岡がカムバックした際にスタッフから「是非ダブルライダーで主演を」と依頼されるも、「当初の約束」を守り主役を降りている。但し、ゲスト出演でのダブルライダー編は継続している。また、後の仮面ライダーシリーズへの客演は藤岡と違いかなり多い。本人によると「客演のオファーを断ったことがない」そうである。(しかし、ゲーム『仮面ライダーV3』では藤岡は本郷の声を演じているにも関わらず、佐々木は一文字の声を演じていない)。
以上の事からも、当初の撮影で違和感を感じさせた不真面目さは、照れ隠しの為の表面的な部分だった可能性もある。
又、撮影開始当時、自動二輪の免許を持っていなかった為、変身シーン(バイクに乗ってベルトに風を受けて変身する)の撮影ができない問題があった。苦肉の策として「変身」ポーズが編み出され、後に仮面ライダーを爆発的に人気作品にさせるきっかけを作っている。しかし、実はその初登場時において変身ポーズを間違えていながら、OKテイクになっていたことを京楽「ぱちんこ仮面ライダー・ショッカー全滅大作戦」公式サイトでのインタビューで語っている。
[編集] 主な出演作品
[編集] テレビドラマ
- 柔道一直線(1970年 - 1971年、TBS系) - 風祭右京 役
- お荷物小荷物(1970年 - 1971年、ABC系) - 滝沢信 役
- 朝の連続テレビ小説 / 繭子ひとり(1971年、NHK)
- 冠婚葬祭入門(1971年、TBS系)
- 仮面ライダー(1971年 - 1973年、MBS系) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役
- お荷物小荷物・カムイ編(1971年 - 1972年、ABC系) - 滝沢信 役
- 黒帯風雲録 柔(1972年、NTV系) - 嘉納治五郎 役
- 君たちは魚だ(1972年、ABC系)
- 銀河テレビ小説 / 女であること(1972年、NHK)
- 火曜日の女 / いとこ同志(1972年、NTV系)
- 仮面ライダーV3(1973年、MBS系) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役
- 素浪人 天下太平(1973年、NET系) - うづ巻の勘太 役
- どっこい大作(1973年、NET系) - 鳴門源次 役
- GO!GOスカイヤー(1973年、CX系)
- 戦国ロック はぐれ牙 第9話「般若面の憎しみを断て」(1973年、CX系) - 不動丸 役
- アイフル大作戦 第37話「乾杯! 恋人に捧げる死体」(1973年、TBS系) - プロボクサー・立花秀一 役
- 赤ひげ 第49話「一年」(1973年、NHK) - 村井 役
- 非情のライセンス(1973年 - 1976年、NET系)
- 第1シリーズ 第22話「兇悪の芽」(1973年)
- 第2シリーズ 第10話「兇悪の星」(1974年)
- 第2シリーズ 第50話「兇悪の金」(1975年)
- 第2シリーズ 第71話「兇悪の情熱」(1976年)
- 太陽にほえろ! (1974年・1978年、NTV系)
- 第92話「シンデレラ刑事」(1974年)
- 第325話「波止場」(1978年)
- 荒野の素浪人 第2シリーズ 第6話「影を斬る」(1974年、NET系) - 小谷要 役
- 事件狩り 第11話「ひと夏の経験」(1974年、TBS系)
- ほうねんまんさく(1974年、CX系)
- たけくらべ(1974年、NET系)
- 東海道姉ちゃん仁義(1974年、CX系)
- 仮面ライダーX(1974年、MBS系) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役
- おしどり右京捕物車 第25話「櫛」(1974年、ABC = TBS系) - 千吉 役
- 愛のサスペンス劇場 / 炎の記憶(1975年、NTV系)
- 必殺仕置屋稼業 第14話「一筆啓上不義が見えた」(1975年、ABC = NET系)
- 仮面ライダーストロンガー(1975年、MBS = TBS系) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役
- 全員集合!7人の仮面ライダー!!(1976年、MBS = TBS系) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役
- 大河ドラマ / 風と雲と虹と(1976年、NHK) - 平繁盛 役
- 必殺仕業人 第5話「あんたこの身代りどう思う」、第16話「あんたこの掠奪をどう思う」(1976年、ABC = NET系)
- 宇宙鉄人キョーダイン(1976年 - 1977年、MBS = TBS系) - グランゼル / 葉山竜治 役
- 朝の連続テレビ小説 / いちばん星(1977年、NHK)
- 特捜最前線 第48話「惜別・指のない焼死体!」、第50話「兇弾・神代夏子死す!」(1978年、ANB系)
- 必殺商売人 第13話「裏の稼業にまた裏稼業」(1978年、ABC = ANB系)
- 水戸黄門 第9部 第4話「芝居になった悪い奴 -福島-」(1978年、TBS系) - 宗吉 役
- 破れ新九郎 第16話「流浪の女おゆう」(1979年、ANB系)
- 翔べ! 必殺うらごろし 第14話「額の傷が見た! 恐怖のあしたを」(1979年、ABC = ANB系)
- 高木彬光シリーズ / 白昼の死角 (1979年、MBS = TBS系)
- 仮面ライダー(スカイライダー)(1980年、MBS = TBS系) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役
- 雪姫隠密道中記 第7話「悪代官は瓜二つ -柳井-」(1980年、MBS = TBS系) - 清七 役
- 必殺仕事人 第58話「暴れ技田楽垂直刺し」(1980年、ABC = ANB系)
- 新五捕物帳 (1980年・1981年、NTV系)
- 第113話「鈴哀し夢の故郷」(1980年)
- 第134話「あしたの詩」(1981年) - 伊兵衛 役
- 北の国から(1981年、CX系)
- 10号誕生!仮面ライダー全員集合!!(1984年、MBS = TBS系) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役 ※声の出演
- 仮面天使ロゼッタ(1998年、TX系) - 大文字課長 役
- ボイスラッガー(1999年、TX系) - 警察署長 役
- 侵略少女ミリ(2000年、TVS)
- 天下分け目の戦い関ヶ原(2008年放送予定)島津義弘役
[編集] 映画
- なにがなんでも為五郎(1970年、松竹) - 信一 役
- 海軍四号生徒 (1971年、大映) - 押川義郎 役
- 仮面ライダー 仮面ライダー対ショッカー(1972年、東映) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役
- 仮面ライダーV3対デストロン怪人(1973年、東映) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役 ※声の出演
- 五人ライダー対キングダーク(1974年、東映) - 仮面ライダー2号 / 一文字隼人 役 ※声の出演
- ムツゴロウの結婚記(1974年、松竹)
- 女王蜂(1978年、東宝) - 駒井泰次郎 役
- 餌食(1979年、東映) - 森谷 役
[編集] 舞台
[編集] レコード・CD
[編集] シングル
- あの手この手(1971年、テイチク)
[編集] 著書
- 一文字隼人-仮面ライダー2号伝説- (白夜書房) ISBN 4893675702