ジャンボーグA
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『ジャンボーグA』(ジャンボーグエース)は1973年(昭和48年)1月17日から12月29日まで、毎日放送発・NET系列の水曜日19:30-20:00(第37話まで)から、土曜日19:00-19:30(第38話から)への移動を経て全50話が放送された、円谷プロダクション制作の特撮テレビ番組。および、その劇中に登場する宇宙サイボーグの名。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] ストーリー
地球から遥か15光年離れたグロース星から、グロース星人が巨大怪獣による地球侵略を開始した。グロース星人に兄を殺された民間航空のパイロット・立花ナオキは、宇宙全体の平和を願う地球の兄弟星・エメラルド星人から、地球を守るための巨大ロボット、ジャンボーグAを贈られる。ナオキは愛機のセスナから変形するジャンボーグAを駆り、防衛戦で戦死した兄が隊長を務めていた地球パトロール隊PATとともに、グロース星人と戦う。
第27話からは、軽自動車(ホンダ・Z)から変形する2号ロボ・ジャンボーグ9(ナイン)も登場、ナオキがAと9を状況に応じて使い分ける事となった。
[編集] 概要
本作品は、『ファイヤーマン』『ウルトラマンタロウ』と並び、円谷プロ創立10周年記念番組として「単純明快なヒーローアクション」を目標に製作された経緯をもつ。また、タイでも放映され人気を博し、48話と最終話を再編集した『ジャンボーグA&ジャイアント』というオリジナルの劇場映画も製作、上映された。
企画はそれ以前から存在したと思われ、1970年頃に小学館の学習雑誌(「小学一年生」など)に「ジャンボーx」が、その後、設定が変わった「ジャンボーグA」名の漫画が掲載されている。その中では「ジャンボーグA」では操縦しているのは少年だったが、デザイン自体は後の放映版に近いものになっている。
ジャンボーグA及び9は操縦者がいるため明らかに「ロボット」であるが、劇中では「サイボーグ」と呼称され、その名前もジャンボ+サイボーグから由来する。 ムック誌「ウルトラマンAge」によれば、円谷プロが「人間がロボットに搭乗するのを人間と機械が一つになる」と解釈するうえで敢えてサイボーグと明記したとのこと。 実際に着ぐるみ自体がウルトラマンなどのものに近いため、あまりロボット然とした印象はないのだが、一方で主人公のナオキがAおよび9(さらに元であるセスナ機と車)を自らの命と同等に考えており、また友情をもって接する描写も数多く見られる。
その一方で、ウルトラマンとの差別化を図るため、ジャンボーグA及び9のデザイン(円谷プロで美術助手を務めた経歴を持つデザイナー・山口修が担当した)については、元がセスナと車という設定もあり、番組制作当時の工業デザインなどが参考にされたと言われており、実際、顔や胴体などの随所にウルトラマンとはかなり異なる意匠を持つ事となった。特にジャンボーグ9の顔やカラーリングなどのデザインは、歴代の円谷ヒーローのそれと比較しても極めて特徴的で、むしろ当時の石森章太郎の描くヒーローのデザインに近い要素も取り込んでいる。また、後半は当時話題になっていた「オカルト」を取り入れた怪奇性の強いエピソードも続出し、幻想的なデザインの怪獣も見られた。主題歌も谷あきら名義で「ファイヤーマン」主題歌も歌っていた子門真人が担当した。
また、製作局が当時「仮面ライダー」も製作していた毎日放送であったためか、敵側レギュラーとなる戦闘隊長の登場とその交代劇、音楽担当に菊池俊輔を起用(因みに、同氏が初めて担当した円谷作品である)した事など、影響を受けたと思われる点が見られる。
ミラーマンの主演・石田延之も、第12・13話に岸京一郎として登場し、第32話から『ミラーマン』に登場した防衛隊であるSGMが戦闘機ジャンボフェニックスとともに参加し、また、その回よりSGMの村上チーフがPATの隊長に就任しており、世界観が繋がっている描写が成されている。
[編集] 登場ヒーロー
[編集] ジャンボーグA
エメラルド星人が造った宇宙サイボーグ。身長40メートル、体重3万トン、飛行速度マッハ11。地球をグロース星人から守るため、立花ナオキに託される。第27話でマッドゴーネが操るジャンキラーの攻撃を受けて大きな損傷を受け、一度は再起不能に陥るが、エメラルド星人の力とナオキの懸命な修理によって蘇り、最終決戦直前で損傷するまで2号ロボであるジャンボーグ9と共にナオキの戦力となった。ちなみに第47話では苦戦するナオキ搭乗の9を助けるため、エメラルド星人が搭乗して戦った。
普段はナオキの乗るセスナ(劇中では「ジャンセスナ」と呼ばれる)の姿だが、ナオキの「ジャンファイト」の掛け声でセスナから変形する。ジャンボーグAが現れるためにはナオキ・セスナ・時計(兄の形見)が必要。ジャンボーグAの操縦席は左眼の奥にあり(右目と思われがちだが、劇中、ジャンボーグAの顔のアップから操縦室内のアップが映される際は必ず左目からである)、そこに立ったナオキの身体の動きを制御ワイヤーによって忠実にトレースする。地球上では勿論、宇宙空間を飛ぶことも可能。弱点は背中のあたりに内蔵されている燃料タンクで、ここを敵に狙われたこともある。また非常時(燃料切れで動けない時など)には、足の裏にあるハッチから脱出が可能である他、作戦行動上で緊急を要する時は後述するようなテレポート光線を用いて、ジャンボーグAのコックピットからジャンボーグ9のコクピットに直接移動することや、飛来してきたジャンボーグAが直接ナオキをコクピットに収容することも可能である。
第6話において原身の「ジャンセスナ」が売却され、一時人手に渡ってしまった事がある。
[編集] 必殺技・武器
- ビームエメラルド
- 額から放つエメラルド色の破壊光線。最も使用頻度の高い光線で、数多くの怪獣を葬った。
- ヘッディングキラー
- エメラルド合金でできた頭部のジャンカッターを発光させ、飛行しながら(またはジャンプしてダイビングしながら)敵めがけて突っ込む荒技。ビームエメラルドと並んで、ジャンボーグAを象徴する必殺技。
- ハンティングフラッシャー
- 手から放つ光線の総称。両耳のジャンシーバーに両手を当ててから放つ手裏剣状光弾、両手を耳に当てずに放つ手裏剣状光弾、両手を合わせて放つ光線、右手先にエネルギーを集中させて放つカッター状光弾、後期に多く使用されたマシンガン状に放つやや大型の光弾と、数パターンのスタイルがある。主に牽制技として使われるが、カッター状光弾はデッドファイヤーを倒した。
- ゴールデンレザー
- 手から放つ光線で、ビームエメラルドやハンティングフラッシャーよりも強力。キングテットゴンにダメージを与えた、拳にエネルギーを集めてパンチを繰り出すタイプ、ストーンキングとエアドルメンを倒した、両手を前方に伸ばして放つ光弾、キングビートルを倒した、両手を前方に伸ばして放つ光線の3タイプがある。光弾タイプは別名「ハンディングサンフラッシャー」。
- 必殺・風車(ウィンドミル)
- 空中で高速回転し、虹色の円を描きつつ光線を放つ技。グラスキングにダメージを与えた。2回目の使用時から、回転しながら体当たりして敵を切断する必殺技に変わった。
- ジャンサーベル
- 腹部のシャッター(ジャンポケット)を開けて取り出す、赤色の剣。投げて使用することもある。
- ジェットナイフ
- ジャンポケットを開けて取り出す、サイによく似た2本の武器。投げて使用する。
- ジャンキャノン
- ジャンポケットに内蔵されている2門のキャノン砲。7話で使用したジャンレザー、ゴールドドラゴンに使用したジャンミサイル、マッドサタンを枯らせた枯葉剤を発射する。
- フライングキック
- 空中からのキック。1話、7話で使用。
- ジャンシャワー
- 指先から消火液を噴射する。3話で炎上しているジェットコンドルを消火した。
- ジャンフラッシュ
- 11話で処刑台から脱出するために使用されたフラッシュ光線。胸の中心部が光り、後方にある処刑台を爆破した。ナオキのジャンスーツベルトの横にあるスイッチを押すと発動する。
- バックルレザー
- ベルトのエネルギーランプから放つ光線。大量のエネルギーを使用する。ドクロスキングを倒した。劇中では「レザー」と呼称されている。
- アイフラッシャー
- 目から放つ熱光線。フリーザーキラーのフリーザー光線で凍りついたファイティングスターやカインの氷を溶かした。
- ハンディングスライサー
- 手裏剣状の青い連続光弾。ハンティングフラッシャーの変則技と思われる。フリーザーキラーに使用したが、あまり効果が無かった。
- エメラルドハリケーン
- 物体に乗り移った宇宙人を分離させる渦巻き光線。ダンプコングからグロース星人を分離させて元のダンプカーに戻した。
- サンフラッシャー
- 太陽エネルギーを拡散放射する熱光線。ノンビリゴンにダメージを与えた。
- スクリューハリケーン
- ジャンプして体を回転させ、両手から放つ渦巻状光線。必殺風車の変則技と思われる。2発でオネストキングを倒した。
- テレポート光線
- 目から放つ光線でナオキを操縦席に転送する。
[編集] ジャンボーグ9
エメラルド星人によって贈られた2号機。身長50メートル、体重5万トン、走行速度マッハ1、100万馬力。普段はナオキが義姉から借金をして買った軽自動車(ホンダ・Z。劇中では「ジャンカー」と呼称)の姿に偽装しており、ナオキの「ジャン・ファイト・ツー・ダッシュ」の掛け声によりジャンボーグ9に変形する。9登場後のナオキは、Aと9を相手に合わせて使用しているが、最終決戦は9が務めている。
体の半分が銀、半分がファイヤーオレンジというインパクトのある塗装と、リベットの目立つ胸部装甲等が外見的な特徴。腕力と装甲はジャンボーグAを上回るため、Aでさえ手こずった敵怪獣にも対抗できる戦力となったが、自動車がベースだったためか、空を飛ぶことができなかった。その代わりに、地上をマッハで走ることが可能な機動力を持つ。
操縦方法も身体動作をトレースするものではなく、車の機能を生かしてハンドルと両足のペダルで手動操作を行うものであった。マニュアルシフトも生かされており、ギアチェンジを行うことにより9の前進速度なども変化する。なお戦闘時にはブレーキ音に似た駆動音がする。
[編集] 必殺技・武器
- ブーメランカット
- 頭部に付いているクロスカッターを敵に投げつける必殺技。敵の周囲を飛行して敵を爆破するタイプと、切断するタイプの2種類がある。
- ゴールデンレザー
- ジャンボーグAも使う金色の破壊光線と同様のものだが、9は目の部分から放つ。ジャンボーグAを倒した強敵ジャンキラーを倒した。
- ハンディングフラッシャー
- 両手を前方へ突き出して放つ破壊光線。アルマジゴン、マッドゴーネにダメージを与えた他、デスムーン、スケルトンを倒した。
- ミラクルフラッシャー
- ハンディングフラッシャーの強化版。両手を腰に当ててから前方へ突き出して放つ破壊光線。数回使用されたが、結局決め技になった相手はいない、31話では、ブーメランカッターにこれを当てて強化する戦法でアルマジゴンを倒した。
- スワニービーム
- 口から放つ破壊光線。繋ぎ技として使用する。31話では「ミラクルフラッシャー」と呼ばれていた。
- ダイナマイトパワー
- エネルギーを身にまとい、敵に体当たりする最強技。大量のエネルギーを消費することからエネルギー消耗時は使えない。キラーβとジャンキラージュニアを倒した。
- アイビーム
- 目から放つ波状破壊光線。アルマジゴン、マッドゴーネ戦で使用。
- クロスパワー
- 両手を交差させてから大きく広げ、バックルから光線を放つ。ババラスを白骨化させた。
- エネルギー光線
- 両目から放つ光線。43話でジャンボーグAのエネルギーを補給するのに使用。47話では攻撃技として使用。
- 必殺ナインレザー
- バックルから放射する物質分解光線。ミラーコングを倒した他、デモンゴーネを撤退させた。
- クロスショット
- ミラーマンのシルバークロスと同じ構えで、巨大なブーメラン状連続光弾を放つ。最終話でのみ使用、太陽光エネルギー照射装置を破壊した。
- ジャンバリヤー
- 光の壁を作り出して、敵の攻撃を防ぐ。キラーβの高熱火炎攻撃を防いだ。
- 修理機能
- ジャンボーグAの故障箇所に触れることで修理する能力。ダブルキラーに倒されたジャンボーグAを修理した。また、同時にエネルギー(ガソリンと同じ様だが光線化していた)の補充も行うことができる。
- テレポート光線
- 目から放つ光線で操縦席にいるナオキをジャンボーグAの操縦席に転送する。30話で使用。
- 復元光線
- サタンゴーネによって怪獣玩具にされた子供達を元に戻した光線。ミラーコングの鏡に閉じ込められた立花親子を元に戻した事もある。
- 連結ベルト
- 最終話で使用。ジャンボーグ9は空を飛べないので、PATの観測ロケットを胴体のベルトで連結させる事で月へ飛んだ。
- ジャンキック
- 強烈なキック。ジャンキラーをかなりの高さまで蹴り上げた。にせジャンボーグAにはあまり効果が無かった。
- マシンガンキック
- 空中静止して、足を光らせて連続蹴りを食らわす。マッドゴーネに使用したが、あまり効果が無かった。
[編集] 登場人物
[編集] 一般人
- 立花 ナオキ
- 大利根航空に勤める青年。愛機・ジャンセスナを操縦する。
- 兄でPAT隊長の信也がグロース星人との戦いで戦死した事を知り、仇を討つために無謀にもセスナで怪獣に特攻、撃墜された。墜落する寸前にエメラルド星人に救われる。そこでエメラルド星人から、グロース星人の魔手から地球を守るよう依頼され、ジャンボーグAを渡される。
- 性格は直情的で猪突猛進が目立つ。当初は仇討ちの気持ちが先立つあまり、無謀で暴走としか思えない行動が多く、信用されなかったり、心配されてばかりで、またエメラルド星人が夢で忠告しているのにも関わらず全く言うことを聞かず、敵と戦いピンチになる、というパターンが多かった。しかし戦いの中で徐々に成長し、落ち着きと正しい判断力を身に付けていく。
- キックボクシングの心得があり、それがジャンボーグAで戦う時に役立っている。
- 立花 和也
- 小学生。立花隊長の息子でナオキの甥にあたる。
- ナオキを兄の様に慕い、よく一緒に行動するがそれ故グロース星人が起こす事件に巻き込まれる事も多い。また母・茂子がPAT基地内で経営するスナックを手伝う事もある。第6話ではジャンセスナを買い戻そうとするナオキを手助けしていた。
- ジャンボーグAを、亡き父・信也の生まれ変わりと信じている。
- 立花 茂子
- 和也の母。ナオキの義姉にあたる。
- 夫である立花隊長の殉職後、PAT 基地内でスナックを経営しながら、和也を一人前に育てるべく頑張る。和也と親しく接するナオキに感謝する一方、怪獣出現に際し危険を顧みないナオキ(と和也)をいつも心配している。
- ナオキがジャンカーZを購入する際、結婚指輪を抵当に出して資金を貸してあげている。
- 伴野 大作
- 大利根航空社長。因みに同社の社員は立花ナオキ唯一人、機材もジャンセスナ唯一機のみである。
- かつては地球防衛活動に従事しており、第一線から離れた後も OB として PAT に協力することがある。
- 登場時は大抵、怪獣出現を聞きつけ無断でセスナを離陸させるナオキを怒鳴りながら走って追いかけるシーンであるが、人情に篤く、ナオキや和也の良き理解者である。
[編集] PAT(パット)
地球パトロール隊の通称名で、Protective Attack Team の略。
怪獣の攻撃、及び宇宙人などの侵略から地球を守るための組織。世界各地に支部があり、日本支部は某山脈の地下にある(劇中で埼玉県秩父地域と思われる描写がある)。また、研究所やロケット発射基地などの関連施設が各地にあり、必要に応じて使われる。日本支部の実動員は少数で、その他に警備員・作業員・技術者などが基地内で多数働いている。
ちなみに、PAT は多くの殉職者や異動する隊員が出た組織である。特に隊長の戦死や異動が多く、隊長は劇中3回も変わる。
[編集] メンバー
- 立花 信也
- PAT 日本支部の初代隊長でナオキの兄。彼のボクシングのトレーナーもしていた。グロース星人の侵略活動が始まった際に、キングジャイグラスが破壊したダムの破片から身を挺して少女を守り、殉職する。
- 岸 竜蔵
- 立花隊長の後をうけ、二代目隊長を務める。的確な判断を下す一方でなかなかの熱血漢。突っ走った行動の多いナオキを「でしゃばり」呼ばわりしたこともある。大阪を舞台にした決戦において、デッドファイヤーと刺し違えて殉職する(第12話)。
- 弟の京一郎はPATのヨーロッパ支部で活動している。
- 浜田 守
- PAT のチーフ。岸隊長の死後、第14話で三代目隊長に昇格する。隊員の面倒見もいい人格者であり、PAT に協力する頻度が増えたことに伴い危険に遭遇する頻度も増えたナオキを心配することもあった。後にヨーロッパの PAT 隊長会議に出席するため、戦線を離脱する。
- 熊井 五郎
- 体形は太め。当初はナオキと衝突することもしばしばあり、ナオキを信用しないこともあった。しかし次第に打ち解け、共に行動する事も増える。また、メンバー随一のお祭り & 行事好きであり、誰よりも楽しんでいる。意外に気が小さく、Aや9に対する依存心を見せることもあった。
- 野村 せつこ
- PAT で唯一の女性隊員。戦闘に参加することが多く、よく隊長とともにファイティングスターで出撃する。お節介で口うるさいところがあるが、気遣いは忘れない。
- 風間 一平
- 途中から参加した新人隊員。以前に一度ナオキの勤める航空会社に現れて、ナオキと専属パイロットの座を争ったこともある(第9・10話)。お調子者で、熊井と組むことが多かった。バレンタインとの戦いで母に自分の活躍を見せたいがために焦り、それが原因となって危うく東京への核弾頭投下という最悪の事態を招きそうになる。その責任をとって北海道にあるレーダー基地へと更迭処分になった。
- 大羽 健次
- 一平とともに参入した新人。当初は軽率な発言をしたりAに依存したりと半人前なところを見せたが、的確な判断力を身につけて活躍の機会を増やしていく。慌てることもあるが基本的には穏やかな性格の持ち主。サタンゴーネとババラスに捕らえられたナオキと和也を救うため敵基地に侵入した際に、ナオキたちを庇って敵の光線を受け、倒れる。
- 村上 浩
- 浜田隊長不在の間を引き受ける隊長代理、のち四代目隊長。アフリカ戦線で活躍していた元 SGM のチーフで、着任当初はSGMの制服にPATのバッジを着けた恰好で行動していた。当初は隊員たちに厳しい態度をとっていたが、すぐに打ち解ける。かつてナオキの兄である立花元隊長に命を救われたことがある。持ち前の正義感と確かな実力で、隊員たちを引っ張ってゆく。
- 隊長の交代劇はプロデューサーによれば毎日放送側から模様替えを求められた結果だという。そのため当初構想していなかったミラーマンとのリンクが実現した。
- 安田 秀彦
- 元 SGM の隊員。補充要員として PAT に参加する。『ミラーマン』登場時の気の弱い性格から一転し、クールで優しいベテラン隊員になった。また、参入時におみやげとして和也に自分の人形と自己紹介の紙の入ったびっくり箱をプレゼントするなど、皆のムードメーカーでもある。
- 野村 由起(32話のみ)
- SGM隊員。32話で村上隊長と共にジャンボフェニックスで日本に帰ってきて、マッドゴーネとの決戦に協力する。この回のみの登場で、その後どこに行ったのかは不明。
[編集] エメラルド星人
地球の兄弟星・エメラルド星に住む、平和を愛する宇宙人。彼らもまたグロース星人の侵略と戦っており、立花ナオキに託したジャンボーグA自体、グロース星人への対抗のために彼らの科学力を結集して製作したものである。身長は2.5メートル~40メートル、体重は100kg~2万トンと必要に応じて巨大化出来る。また地球での行動時間には制限があり、地球で活動する際には「ウルトラマン」と同じようにカラータイマーを身につけている。立花ナオキの夢に出てきて忠告するシーンが多かった。
劇中にはナオキにジャンボーグAを与えた星人と、その息子のカイン、そしてジャンボーグ9を届け、その後ナオキを支援するため自らジャンボーグAに乗って共闘した星人(1人目の星人と声は同じだが、容姿が僅かに違うため同一人でないらしく、一般的には「3代目」と称される)の3人が登場する。
[編集] グロース星人
地球からおよそ15光年の彼方にある奇怪な形をした星、銀河系24星雲に存在するグロース星からやって来た宇宙人。全宇宙の支配を目論み、地球にもその魔手を伸ばす。またエメラルド星もグロース星人の攻撃を受け、交戦状態にある(17話より)。「殺せ、奪え、焼き尽くせ!」を信条としており、今まで多くの星を滅ぼしてきた。グロース星人の中で強力な力を持つ者が戦闘隊長となり、怪獣や戦闘員を送り込む。戦闘隊長たちは全員巨大化能力を持っており、ジャンボーグAや9と死闘を演じた。
- アンチゴーネ
- 1話から登場した初代戦闘隊長。アンチスティッカーという杖で地球の生物を怪獣にする事が出来る(この杖からは消化剤も出せる)。性格は冷酷で残忍。13話でジャンボーグAのジャンサーベルを受けて死亡した。
- 名前はギリシア神話におけるエジプトのオイディプス王の娘の名であるアンティゴネに由来する。
- マッドゴーネ
- 13話でアンチゴーネが死んだ後、すぐにその姿を現した二代目戦闘隊長。アンチゴーネの兄。ベルトのバックルから人間や動物を狂わせる霧状のガス「マッド・フォッグ」を出す。アンチゴーネとは対照的に、具体的かつ凶悪な作戦を展開してナオキ達を苦しめるが、32話で村上隊長が乗ったジャンボフェニックスによって弱点の角を切断され、弱ったところを9のブーメランカッターを受けて倒された。
- 体の配色から、企画段階では「ゼブラゴーネ」「ゼブラジャック」等と呼ばれていた。
- サタンゴーネ
- 33話から登場した三代目戦闘隊長。名門サタン家の出身であり、第41話から登場する宇宙魔女ババラスは彼の祖母にあたる。サンタクロースなどに変身して人間たちを騙して利用するなど、アンチやマッド以上に狡猾。武器は万能杖サタンステッキ。また、頭から2本の角を出して攻撃する。全身にメタリックガードという防具を装備している。最後は自らの体を改造してPATとジャンボーグAに挑んだ。
- デモンゴーネ
- グロース星の総司令官。サタンゴーネの死後、自ら地球侵略に乗り出す。男と女の二つの顔を持ち、作戦によって使い分ける。右手にフリーザー光線やデビルレーザーなど数種類のビームを発射する杖を持ち、外部からの衝撃を吸収するマントをまとっており、更にデビルテレパシーなどの絶大な超能力を誇る。最終作戦の失敗で後が無くなり、せめて道連れにしようとジャンボーグ9と死闘を繰り広げてあと一歩というところまで追い詰めるが、一瞬の隙を突かれて死亡した。
- グロース星人
- 戦闘隊長たちの命令を受けて行動する兵士たち。全身緑色だが黒色のタイプもいる。人間への変身能力も持つが、感情を見せることは無い。女性もいる。
- 着ぐるみは『ミラーマン』に登場したインベーダーの塗装を一部変更して流用。番組後半ではバタフライキングとほぼ同じ形態(羽などが省略されている)の強化型も複数登場した。
[編集] スタッフ
- プロデューサー:淡豊昭
- 撮影:町田敏行(本編)、君塚邦彦(特撮)
- 照明:比留川大助、小島真二(本編)、原文良(特撮)
- 美術:菅野幸光(本編)、大沢哲三(特撮)
- 編集:柳川義博
- 合成技術:宮西武史
- 操演:小笠原亀
- 機電:倉方茂
- 音楽:菊池俊輔
- 特殊技術:矢島信男、高野宏一、真野田陽一、吉村善之、大木淳、佐川和夫
- 怪獣デザイナー:米谷佳晃
- 製作:毎日放送、円谷プロ
[編集] 主題歌
複数のレコード会社からカバー版が発売された。オリジナルの歌唱者である谷あきら自身も、別名の「子門真人」名義でカバー版を歌っている。一番有名なのは日本コロムビア(現・コロムビアミュージックエンタテインメント)版であり、コロムビアゆりかご会のコーラスとなっている。現在コロムビアから発売されている特撮ヒーローの混載CDでもいまだにオリジナルバージョンが使用できず、「谷あきらと東京荒川少年少女合唱隊」とブックレットでは表記されているもののカバーバージョンが収録されている。
[編集] 挿入歌
- 輝け! P.A.T
- 作詞:谷のぼる / 作曲:菊池俊輔 / 歌:谷あきら、サークル・バレーズ
- 劇中ではサークル・バレーズのみが歌ったバージョンが使用された。
- 戦え!ジャンボーグ9
- 作詞:清瀬かずほ / 作曲:菊池俊輔 / 歌:谷あきら
- エース・アンド・ナイン
- 作詞:山浦弘靖、だんとよあき / 作曲:菊池俊輔 / 歌:サークル・バレーズ
[編集] キャスト
- 立花ナオキ:立花直樹
- 立花信也:天田俊明
- 立花茂子:桜田千枝子
- 岸隊長:大橋一元
- 村上隊長:和崎俊哉
- 浜田:松川勉
- 熊井:丸岡将一郎
- 風間:中村俊男
- 大羽:瀬戸山功
- 野村:加瀬麗子
- 安田:杉山元
- 伴野大作:田崎潤
- ジャンボーグA:高橋重大、坂本道治
- ジャンボーグAの声子門真人(前期)、池水通洋(後期)
- ジャンボーグ9:西条満、坂本道冶
- ジャンボーグ9の声:池水通洋
- アンチゴーネの声:森山周一郎
- マッドゴーネの声:池水通洋
- サタンゴーネの声:戸田晧久、内田稔(2代目)
- デモンゴーネの声:田中信夫(男)、加川友里(女)
- エメラルド星人(初代及び3代目)の声:納谷悟郎
- エメラルド星人カインの声:佐々木功
- ナレーター:浦野光
- その他のゲスト出演者:渡辺和晃(第23話、37話、43話に出演。後にジャニーズJr.に。)
[編集] 放送リスト
※各怪獣の詳細はジャンボーグAの登場怪獣を参照。
話数 | サブタイトル | 登場怪獣・宇宙人 |
---|---|---|
1 | エメラルド星からの贈り物 |
|
2 | 大逆襲! アンチゴーネ |
|
3 | 倒せ怪獣・ジャンファイト |
|
4 | 危うし! ジャンボーグA |
|
5 | 叫べナオキ! いまだ |
|
6 | 絶望! 売られたジャンセスナ |
|
7 | 立て! 孤独の英雄ナオキ |
|
8 | 夕陽に唄え! トランペッター |
|
9 | 絶体絶命! ジャンボーグA |
|
10 | 響け! 戦いのトランペット | |
11 | 壮烈!! 涙の一撃 |
|
12 | 大阪に死す! ジャンボーグA |
|
13 | 甦れ今! ジャンボーグA | |
14 | 恐怖! 夜空に舞う地獄花 |
|
15 | 嵐を呼ぶマッドゴーネ |
|
16 | 怪奇! 魔女怪獣現る |
|
17 | エメラルド星から来たカイン |
|
18 | 恐怖! アントロンの罠 |
|
19 | 危うし! 死の水爆ミサイル |
|
20 | ポンコツ自動車の大反乱! |
|
21 | 怪奇! 宇宙の怪獣墓場 |
|
22 | PAT 全滅作戦!! |
|
23 | 祭りだ! おみこし大変身 |
|
24 | 死闘! 海底の秘密基地 |
|
25 | グロース第1号作戦 チビッコどもを改造せよ |
|
26 | グロース第2号作戦 きちがい星とノンビリゴン |
|
27 | グロース第3号作戦 ジャンボーグA-2号誕生 その名はジャンボーグ9 |
|
28 | グロース第4号作戦 復活! ジャンボーグA |
|
29 | グロース第5号作戦 にせジャンボーグAを送り込め! |
|
30 | エースとナインを処刑せよ! |
|
31 | 氷の地獄へ突っ走れ! |
|
32 | 大爆発!マッドゴーネの最後 |
|
33 | サンタが悪魔の鈴鳴らす |
|
34 | 死神からの殺人予告電話 |
|
35 | 怪奇! 死の黄金怪獣 |
|
36 | 恐怖!蛇が岳の秘密 |
|
37 | 出現! 恐怖の怪鳥エレキバード |
|
38 | サイボーグコマンドを倒せ! -PAT新兵器登場- |
|
39 | 泣き叫ぶドクロ湖の恐怖 |
|
40 | 大奮戦!バモスⅠ世バモスⅡ |
|
41 | 宇宙魔女ババラスのロボット作戦 |
|
42 | 呪い針!ババラスの逆襲 |
|
43 | 殺し屋ロボット必殺の罠 |
|
44 | 妖怪ロボット・地獄の鏡 |
|
45 | 吠える昆虫怪獣・砂地獄 |
|
46 | サタンゴーネ最後の大進撃 |
|
47 | 死闘! エース対ナイン? |
|
48 | 大逆襲! デモンゴーネ | |
49 | 謎! デモンの呪いが時を裂く | |
50 | トウキョウ最後の日 |
[編集] ネット局
●=NET(現・テレビ朝日)系、△=日本テレビ系、■=TBS系、☆=フジテレビ系
※=当時NET系列に加盟していた局(いずれもクロスネット局またはトリプルネット局)とは別の同一地域の局が放送。
NET-毎日放送系 水曜日19:30-20:00 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
ジャンボーグA
|
空手バカ一代
(NET制作) |
NET-毎日放送系 土曜日19:00-19:30 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
ストライクボウル
(NET制作) |
ジャンボーグA
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はーいアグネス
(毎日放送制作) |
[編集] ロケ地
大利根航空のシーンは、埼玉県熊谷市(旧・妻沼町)の利根川河川敷にある、日本学生航空連盟妻沼滑空場で撮影された。ホンダエアポート(埼玉県桶川市の荒川河川敷にある)ではない。
[編集] 漫画
[編集] 1970年版
1973年にドラマ化されたものとは設定が異なる。
[編集] ストーリー
少年・大村真一が父の作った巨大ロボット・ジャンボーグAに乗り、ムー星人と戦う。
[編集] 掲載誌
[編集] 1973年版
テレビとのタイアップで連載された。