ラブアタック!
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ラブアタック!(らぶあたっく)は、1975年11月2日~1984年10月14日に放送されたABC製作のゲーム形式の恋愛バラエティ番組である。スタート当初は関西ローカルだったが、1977年4月からはテレビ朝日系列により全国ネットで放送された。
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[編集] 番組概要
[編集] 司会者
全国ネット時代は上岡龍太郎、横山ノック(故人)、和田アキ子が司会を務めたが、ローカル時代はノックと『お笑いマンガ道場』(中京テレビ)の初代女性レギュラー出演者として知られるゴールデンハーフのエバが司会を担当。
[編集] 番組タイトル
当初のタイトルは『ラブアタック! 7人のサムライ』、日曜18:25~18:55の30分番組だった。5ヶ月後、エバに代わって上岡が登場。また、時間枠が30分から60分に拡大(同時にタイトルも単純に『ラブアタック!』となる。1978年から、和田が参加してトリオ体制に落ち着いた)、毎回1時間を2つのカテゴリーに分けて番組を展開した。
[編集] 出場者
番組参加者の大半は主に関西の大学(主に関西大学、同志社大学、京都産業大学)・専門学校生が中心となっており、毎回それぞれのカテゴリーで登場する女性(かぐや姫)を巡る男性参加者の攻防が展開された。
[編集] 番組内容
第1部(前半)のカテゴリーは体力に自身のある男性参加者(「アタッカー」1回につき5名)が様々なゲーム(最終ゲームはホテルプラザの料理長によるフルコースディナーの早食い競争→末期は水中での息止め競争)をこなし、最終的に優勝した男性がかぐや姫のいるステージで愛の告白をする。
かぐや姫は男性の好みのタイプであるかどうかスイッチで判断し、司会者が「○○君の運命はいかに!まいります!スイッチ!どうぞ!!」と大絶叫、かぐや姫がふさわしいと思ったら「YES」のスイッチを押してカップル成立となり、天井に吊るされていたくす玉が割られて大量の紙吹雪と紙テープ(風船は入っていなかった)が降ったが、カップルにふさわしくないと思ったら「NO」のスイッチを押して、男性をステージ下の「奈落の底」へ落下させる(MBS「アップダウンクイズ」、テレビ朝日「クイズタイムショック」のようなもの)というものだった。
第1部と第2部の間に、ゲストを迎えたトークコーナー(中期)、ミニコーナー(後期)もあった。
第2部(後半)は主として自己PRや歌や一発芸を中心としたパフォーマーを中心にした男性参加者(1回につき4名)が、そのパフォーマンスをかぐや姫の前で披露し(上岡が「××(大学名など)の○○君がかぐや姫に捧げるその歌は!(歌手名・曲名)はりきって、どうぞ!」と紹介していた)、最終的に第1部と同じように、今度は男性全員が1人ずつかぐや姫に愛の告白を行うが、くす玉が割られて紙吹雪と紙テープが降り、カップルが成立した時点で残りの参加者は自動的に奈落の底へ強制落下させられるというものだった。
なお、第1部、第2部ともにかぐや姫がスイッチを押す前に、観客からブーイングと取れる「落っち~ろ!!、落っち~ろ!!」コールがスタジオで見切れながら響いたとも言われていた。また、大抵の回で両方またはいずれかでカップルが成立したものの、両方ともカップルが成立しなかった回や、第2部が1人目でカップル成立という回も年に何回かはあった。
女性アタッカー大会も行われた。この場合、かぐや姫を「星の王子さま」と呼んでいた。
[編集] 収録場所
収録は基本的に、朝日放送の局舎内にあるABCホールを中心に行われていたが、毎年2月に北海道札幌市のさっぽろ雪まつりの会場の1つである「雪のHTB広場」での公開収録も行われていた。ちなみに、さっぽろ雪まつりでの公開録画の時にもくす玉(中身は大量の紙吹雪ではなく、本物の「雪」)が用意されていたが、奈落の底は滑り台形式になっていた。また、岡山市の岡山武道館での公開収録では、奈落の底のかわりに、椅子がロープウェイのようになっていて、ステージ上から飛んで行った。
[編集] 出場した著名人
この番組には、半ば常連で出場する「みじめアタッカー」も少なからずいて、その中には放送作家に転進した百田尚樹(番組ディレクターだった松本修と探偵!ナイトスクープの制作に参加)、後にスタートする報道番組『ニュースステーション』のコメンテーターをしていた菅沼栄一郎(ニュースステーション出演時は朝日新聞編集委員)などがいる。特に百田はナイトスクープでスタッフロールを見た視聴者から「構成作家の百田尚樹さんとは『ラブアタック!』に出演していた百田ですか?」という依頼が実際に来てわざわざ番組中で調査している(この際に実は全て計算ずくで笑いを取っていたと衝撃の発言もあった)。
関西テレビアナウンサーの毛利八郎、中部日本放送アナウンサーの塩見啓一、元日本テレビアナウンサーの小倉淳、大川興業総裁の大川豊なども出場したことがある。
[編集] 音楽
テーマソングの作詞・作曲は、「浪花のモーツァルト」ことキダ・タローである。
[編集] 自己紹介
アタッカーの在学する大学により、ある程度のキャラクター設定があった。なかでもボケキャラの設定を一身にうけていたのが京都産業大学であった。番組の人気上昇に伴いそのイメージは益々定着した。また、アタッカーの「△△大学○回生…」という自己紹介によって、関西では大学の年時を「○年生」ではなく「○回生」と呼ぶ、ということを知った人も多い。
[編集] 賛否両論
「男性がゲームやパフォーマンス等で体を酷使した上に女性に告白時に頭を下げるのに対し、女性はたいした容姿でないのに何もしないで男性をえり好みできる」として、男性差別番組だと非難する声も一部にあった。
[編集] 番組の終焉
番組自体もマンネリ化が生じ、また恋愛情勢も激変し、末期には裏番組「笑っていいとも!増刊号」(フジテレビ)等にも若者に人気を奪われ、1984年10月14日、ローカル時代を含めて9年間の歴史に幕を下ろした。
[編集] その後
1990年にはTBSの「怪傑黄金時間隊!!」の復刻コーナーで復刻している。ノックを大平シロー、上岡を大平サブロー、和田を山瀬まみ(同じ所属事務所の後輩)が扮した。2002年11月にはBS朝日で「デジタルラブアタック!」として復活している。
[編集] スタッフ
- 構成:本田順一、角田直美、山口牧生、中川正博、北浦康行、森浩美、百田尚樹、折原純果
- プロデューサー:高田佳一
- ディレクター:松本修、松田安啓
- エレクトーン:塚山エリコ
- まんが:大西洋一
- 制作・著作:朝日放送
[編集] 関連項目
- プロポーズ大作戦(同じくABC制作・テレビ朝日系列で放送されていた恋愛バラエティ番組)
- 荒川強啓 デイ・キャッチ!(TBSラジオ、番組内コーナーで当番組テーマが流れる)
- クイズ!!ラブラブジャンプ(ジャンプクイズで時間切れになった時のペナルティーによる奈落の底へ落ちる手法を流用)
[編集] ネット局
- 朝日放送(ABC)(1975年11月~1977年3月までは関西ローカルで放送)
- テレビ朝日(ANB、現:EX)(1977年4月からネット開始=※)
- 北海道テレビ(HTB)※
- 東日本放送(KHB)※
- 山形放送(YBC)(1978年4月ネット開始~1979年3月まで放送)→1年間放送されず→山形テレビ(YTS)(1980年4月ネット開始)
- 福島テレビ(FTV)(~1981年9月)→福島放送(KFB)(1981年10月開局から)
- 新潟総合テレビ(NST)(1981年4月ネット開始~1983年9月)→新潟テレビ21(NT21、現:UX)(1983年10月開局から 最後の1年間のみ)
- テレビ信州(TSB)(1980年10月開局から)
- 静岡けんみんテレビ(現:静岡朝日テレビ)(SKT、現:SATV)(1978年7月開局から)
- 石川テレビ(ITC)(1979年10月ネット開始~1981年9月まで放送)
- 名古屋テレビ(NBN)※
- 山陰中央テレビ(TSK)※
- 広島ホームテレビ(UHT、現:HOME)(関西ローカル時代から番組販売で放送)
- 山口放送(KRY)(1981年~1982年3月まで放送、日曜0:50~1:50に放送)
- 瀬戸内海放送(KSB)(関西ローカル時代から番組販売で放送、1979年4月から岡山県にもエリアを拡大)
- 九州朝日放送(KBC)(関西ローカル時代から番組販売で放送)
- テレビ長崎(KTN)(放送時期不明)
- テレビ熊本(TKU)(放送時期不明)
- 宮崎放送 (MRT)(放送時期不明)
- 南日本放送(MBC)(ネット開始時期不明~1982年9月)→鹿児島放送(KKB)(1982年10月開局から)
[編集] 前後番組の移り変わり
テレビ朝日系列(朝日放送制作) 日曜10:30~11:30(1977年4月~1980年3月) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
ラブアタック!
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テレビ朝日系(ABCテレビ制作) 日曜朝10時台(1980年4月~1984年10月) | ||
ラブアタック!
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