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トリガー (SS-237) - Wikipedia

トリガー (SS-237)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

艦歴
発注:
起工: 1941年2月1日
進水: 1941年10月22日
就役: 1942年1月30日
退役:
除籍: 1945年7月11日
その後: 1945年3月28日に戦没
性能諸元
排水量: 1,526トン(水上)
2,424トン(水中)
全長: 307ft (93.6m)(水線長)
311ft 9in (95m)(全長)
全幅: 27.3 ft (8.31 m)
吃水: 15ft 3in (4.6 m)
機関: フェアバンクス=モース38D-1/8
10気筒ディーゼルエンジン 4基
ゼネラル・エレクトリック発電機2基
最大速: 水上:20.25 ノット (37 km/h)
水中:8.75 ノット (16 km/h)
航続距離: 11,000カイリ(10ノット時)
(19 km/h 時に 20,000 km)
乗員: 士官6名、兵員54名(平時)
士官、兵員80 - 85名(戦時)
兵装: 3インチ砲1基、
21インチ魚雷発射管10基

トリガー (USS Trigger, SS-237) は、アメリカ海軍潜水艦ガトー級潜水艦の一隻。艦名はモンガラカワハギ科の魚の一種、トリガーフィッシュに因む。

目次

[編集] 艦歴

トリガーは1941年2月1日にカリフォルニア州ヴァレーホメア・アイランド海軍造船所で起工する。1941年10月22日にウォルター・N・ヴァーノウ夫人によって進水し、艦長ジャック・H・ルイス少佐の指揮下1941年10月22日に就役する。

トリガーは1942年5月22日に真珠湾に回航され、1週間後の5月29日には他の僚艦とともにミッドウェー島近辺に進出するよう命じられた。目的は日本艦隊の捜索であった。トリガーは6月5日のミッドウェイ海戦ではミッドウェー島の北東部を哨戒していたが、味方が日本艦隊を打ちのめしたことと、6月6日にサンゴ礁に触れ損傷したため、哨戒を15日で切り上げて真珠湾に帰投した。この戦闘航海はトリガーの公式な哨戒記録にはカウントされていない。

[編集] 第1・第2の哨戒

6月26日、トリガーは最初の哨戒でアリューシャン列島方面に向かった。相前後してアリューシャン方面に行動し戦果を挙げたグロウラー (USS Growler, SS-215) やグラニオン (USS Grunion, SS-216)、トライトン (USS Triton, SS-201) のように戦果を挙げることはできなかった。6隻の駆逐艦、3隻の貨物船、それに監視艇に遭遇したが手出しはできなかった。トリガーはダッチハーバーを経由し、51日におよぶ哨戒を終え真珠湾に帰投し、艦長がロイ・S・ベンソンに交代した。
9月23日、トリガーは2回目の哨戒で日本近海に向かった。10月5日の早朝、北緯31度40分、東経142度6分の地点でトリガーは水平線上に煙がなびいてこちらに向かってきているのを発見。ほどなく船の姿が現れ、トリガーでは小さい目標として機銃掃射の用意を命じた。しかし、その船がトリガーに近づいてくるにしたがって、当初の予想とは裏腹に4,000トンぐらいはある結構大きな船であることが分かった。その相手、Shinkoku Maruはトリガーに対して砲撃を行い、水柱がトリガーの周囲に立った。相手が体当たりを企図してかトリガーに向かってきたのですぐさま潜航し、魚雷を2本発射して1本を命中させた。トリガーは浮上して相手を追撃しかけたものの、またもや反撃に遭って潜航し魚雷をもう3本発射したが、無駄に終わった[1]。10月17日、豊後水道細島沖で和蘭丸川崎汽船。5,869トン)に魚雷2本を命中させて撃沈した。護衛の第46号哨戒艇が反撃に出て、爆雷攻撃を実施した。トリガーは魚雷を3本発射し爆発と炎を観測したが、それは命中ではなく、魚雷が早期爆発を起こしたものだった。トリガーはもう3本発射したが、結局命中させることはできなかった。3日後10月20日には、10,000トン級のタンカーと目された目標に対して820メートルという至近距離から攻撃し、魚雷が命中したのを確認した[2]。10月24日には豊後水道で日章丸(昭和タンカー。10,526トン)に対して魚雷3本を発射しすべてを命中させ撃破した。日章丸は火災を発生させたもの、すぐさま逃げていった[3]。トリガーは46日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。

[編集] 第3・第4の哨戒

12月3日、トリガーは3回目の哨戒で再び日本近海に向かった。この時トリガーは、機雷を敷設する任務を課せられていた。12月20日、トリガーは予定通りに犬吠埼周辺に機雷を敷設した。すると、敷設された機雷源に向かっている1隻の貨物船を発見。トリガーが観測してまもなく、この貨物船は触雷して沈没した[4]。12月22日、トリガーは浦賀から出てきた一隻の貨物船を発見して雷撃し、貨物船に損傷を与えた[5]。12月31日には航空機を運搬中の輸送船を発見し、640メートルの至近距離から魚雷を3本発射し、2本の命中を得た。輸送船はすぐ傾き、しばらく後に浮上して捜索したが、何も見つからなかった[6]。年明けて1943年1月10日、トリガーは天津小湊沖で駆逐艦沖風を発見。1,460メートルの距離から魚雷を3本発射し、1本は沖風の前部に命中して船体を折り、もう1本は艦尾に命中。沖風はほどなく沈没していった。トリガーは51日間の行動を終えてミッドウェー島に帰投した。
2月13日、トリガーは4回目の哨戒でパラオ諸島方面に向かった。2週間後、トリガーは貨物船を発見し魚雷4本を発射したが、航空機の制圧を受けて反復攻撃はできなかった。3月4日には、スコールの中で貨物船を探知し、魚雷3本を発射したが命中しなかった。3月15日、トリガーは南緯0度2分、東経145度5分のマヌス島近海で輸送船団を発見。船団は2隻の貨物船を中心に護衛艦が配されており、トリガーは目標を定めて魚雷を3本発射した。目標は転舵したが魚雷は目標に命中したようだった。トリガーは第2撃で640メートルの至近距離にあった桃葉丸辰馬汽船。3,103トン)に向けて魚雷を3本発射し、うち2発の命中を得たが、護衛艦の反撃で避退した。反撃を逃れ浮上したが何も見えなかった。トリガーはこの攻撃で桃葉丸を撃沈し、ふろりだ丸(川崎汽船。5,854トン)を航行不能に陥らせた。その夜トリガーは、曳航されているふろりだ丸に向けて魚雷を6本発射したが5本は命中せず、残る1本は故障してトリガーの至近を通過していった。3月20日にも輸送船団を発見し、先頭の特設砲艦第二号長安丸(東亜海運。2,631トン)に魚雷を命中したが不発だった[7]。4月6日、トリガーは56日間の行動を終え真珠湾に帰投した。

[編集] 第5の哨戒

4月30日、トリガーは5回目の哨戒で日本近海へ向かった。トリガーは司令部からの情報に基づいて東京湾口に張り付き、5月22日に戦艦を含む艦隊を視認した。この艦隊は、4月18日に戦死した山本五十六の遺骨を載せて帰国した武蔵を含む艦隊であったが、攻撃をかけるのは距離が遠すぎた。5月28日、トリガーは石廊崎沖で2隻の貨物船を発見し、魚雷3本を発射。小型タンカーを撃破した[8]。翌日、トリガーは小型貨物船に魚雷3本を発射したが命中しなかった。6月1日、トリガーは遠方に2条の煙を発見し、相模灘を後にしてこの煙を追跡したところ、2隻の貨物船を発見。2隻に魚雷を3本ずつ発射し、登川丸(北海道炭鉱汽船。2,182トン)を撃沈した。もう1隻は雷跡を見て回避し、トリガーはこの目標に対して再び魚雷を発射し命中させたが、不発に終わった。哨戒最終日の6月10日、トリガーはウルトラ情報によって三宅島沖で待機し、飛鷹と遭遇する。飛鷹はマーシャル群島に進出するため6月10日に横須賀を出撃したが、濃霧のため本来のコースだった伊豆大島の東ではなく西を通るコースを進んだ。日没直前、飛鷹が三宅島と御蔵島の間を通過しようとした時、トリガーが飛鷹の右舷真横1,230メートルから6発の魚雷を発射し、4つの爆発音が聞こえた。しかし、4本のうち命中したのは1本だけで小爆発に終わった。残る3本は、またもや早期爆発と不発に終わった。トリガーは再度攻撃を仕掛けようとしたが、護衛の駆逐艦有明夕暮の爆雷攻撃を受け損傷を受けた。飛鷹は辛くも沈没を逃れ横須賀に引き返した。翌日に帰途についたトリガーは、53日間の行動を終え6月22日に真珠湾に帰投した。その後、損傷修理を兼ねたオーバーホールに入った。艦長のベンソンは不発魚雷に関する抗議をしたが、ほどなくレザーバック(USS Razorback, SS-394)初代艦長として転勤して行き、ロバート・E・ドーニンが後任の艦長となった。また、当時のアメリカ潜水艦が常用で使用していたマーク14型魚雷は、何かと欠陥が多発していた磁気爆発突の使用が控えられることとなった。

[編集] 第6・第7の哨戒

9月1日、トリガーは6回目の哨戒で東シナ海に向かった。9月17日、台湾付近で陽和丸(日東鉱業。6,435トン)を雷撃したものの、この攻撃は失敗に終わった。翌日、トリガーは再び陽和丸を発見し、魚雷4本を発射。うち1本を命中させて同船を撃沈した。9月21日はトリガーにとって最良の日だった。この日、トリガーは基隆港沖の北30マイルから哨戒を実施していた。20時過ぎ、トリガーは輸送船団を発見。まず20時58分に給油艦尻矢を轟沈。火災はおよそ150メートルの高さにのぼり、逃げ惑う乗組員の姿すら確認できた。次にあるぐん丸大阪商船。6,661トン)に魚雷1本を命中させ、同船は7時間たってから炎上沈没していった。トリガーは反転して艦尾発射管からの第3撃で昭洋丸(日東鉱業。7,499トン)に向けて魚雷3本を発射しすべて命中させ、これを撃沈した。やや間が開いてから暁空丸(拿捕船。6,854トン)の船首に魚雷1本を命中させ撃破した。その後一旦浮上した後再び潜航。第一小倉丸(日本油槽船。7,270トン)に対して魚雷を4本発射したが回避され、別の貨物船にも雷撃を実施したが命中せず、これ以上戦果を拡大することはできなかった。日本側では、複数の潜水艦に包囲されて攻撃されたものと思っていた。一連の攻撃で全ての魚雷を早く撃ちつくしたので、トリガーは予定を切り上げて帰ることとした。9月30日、トリガーは29日間の行動を終えてミッドウェー島に帰投した。
10月22日、トリガーは7回目の哨戒で再び東シナ海と黄海方面に向かった。11月1日22時、トリガーは種子島都井岬に挟まれた海域でオ112船団を発見した。トリガーは追跡を続けた後、翌2日0時30分ごろになって僚艦のシーホース(USS Seahorse, SS-304)とともに攻撃を開始。まずでらごあ丸日本郵船。7,148トン)と八幡丸(日之出汽船。1,852トン)を雷撃し、八幡丸を轟沈させた。でらごあ丸は、このときは回避に成功したが、2時20分になってトリガーが魚雷3本を命中させて撃沈した。また、4時過ぎにはうめ丸(栃木汽船。5,859トン)をシーホースとともに撃沈した。11月5日にも輸送船団を発見し、魚雷3本を発射したが命中しなかった。11月13日、トリガーは9隻の輸送船と4隻の護衛艦からなるマ07船団を発見し、最も大きな船舶だった那智山丸(三井船舶。4,433トン)に対して近距離から雷撃を実施し撃沈した。護衛艦からの反撃で軽い損傷を受けたが大したことはなかった。11月21日には英山丸(鶴丸汽船、1,681トン)に対して1800メートルの距離から魚雷4本を発射し命中。英山丸を撃沈した。12月8日、トリガーは49日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。

[編集] 第8・第9の哨戒

1944年1月1日、トリガーは8回目の哨戒でトラック諸島近海に向かった。1月27日、トリガーは呂級潜水艦と思しき司令塔を発見し雷撃を行ったが、撃沈には至らなかった。1月31日、トリガーはグアム島南南東300海里の地点で、2隻の吹雪型駆逐艦と思われる護衛艦と3隻の輸送船からなる輸送船団を発見。欧州航路の豪華客船であり元特設潜水母艦靖国丸(日本郵船。11,933トン)に向けて魚雷を5本発射し、うち2本が命中して同船を撃沈。また、駆逐艦満潮を撃破した[9]。2月23日、トリガーは55日間の行動を終えて真珠湾に帰投し、艦長はフレデリック・J・ハーフィンガーに代わった。
3月23日、トリガーは9回目の哨戒でパラオ諸島方面に向かった。トリガーはタング (USS Tang, SS-306) と組んで行動した。4月8日、トリガーは輸送船25隻からなる東松4号船団を発見し、駆逐艦五月雨に対して魚雷を4本発射したが、直後から護衛艦の反撃を受け、レーダーなど重要機器が故障し、船体各所が浸水した。トリガーは4日間修理に専念し、4月14日にタングと会合して予備部品を受け取ったので何とか任務を続行することができた。4月26日、トリガーはパラオから出てきた東松5号船団を発見。トリガーは1時に阿蘇山丸(三井船舶。8,811トン)、三池丸(日本郵船。11,738トン)の2隻に向けて魚雷を6本発射し炎上させ、海防艦笠戸の艦首にも魚雷を命中させて笠戸の艦首を吹き飛ばした。三池丸は4月29日に沈没した。5月20日、トリガーは58日間の行動を終えて真珠湾に帰投し、5月31日にサンフランシスコに到着、2度目のオーバーホールに入った。

[編集] 第10・第11の哨戒

9月11日に真珠湾に戻り戦列に復帰したトリガーは、9月24日に10回目の哨戒でサーモン(USS Salmon, SS-182)、シルバーサイズ(USS Silversides, SS-236) とともに台湾方面に向かった。この哨戒では敵船撃沈とともに、近く台湾方面を空襲する第38任務部隊の搭乗員を救出する任務も請け負っていた。10月12日、トリガーは担当海域でバンカー・ヒル(USS Bunker Hill, CV-17) の搭乗員を救出した。10月19日には、所謂「幻の大戦果」に釣られてやってきた志摩艦隊を発見したが、距離が遠すぎたので攻撃はせず、発見の報告だけにとどめた。10月30日、トリガーはレイテ沖海戦で囮として行動した小沢艦隊に対する補給部隊のタンカーたかね丸(日本海運。10,021トン)と海防艦3隻を発見。トリガーはたかね丸に艦首発射管から魚雷を4本発射させたが命中せず、次に艦尾発射管から4本発射し、2本を命中させて同船を航行不能にした。トリガーは攻撃直後爆雷攻撃に遭い、78発の爆雷を投下されたが被害はなかった。しかし、トリガーの次にたかね丸に食いついたサーモンが爆雷攻撃で潜航不能となり、また第22号海防艦と砲撃戦を交わした末大破した事を知り、トリガーはスターレット(USS Sterlet, SS-392)、シルバーサイズとともにサーモンをサイパンまで護衛したのち、49日間の行動を終えてグアム島に帰投した。
12月28日、トリガーは11回目の哨戒で豊後水道と紀伊水道方面に向かった。1945年1月3日、トリガーは正体不明の光を発見し、レーダーにも反応があった。しばらくすると、トリガーの右舷側を魚雷が通過していった。また、潜望鏡も発見したがいつしか見えなくなった。1月29日には航空機の護衛がついた輸送船団を探知したが攻撃できなかった。翌日に帰投命令を受け、トリガーは2月3日に37日間の行動を終えてグアム島に帰投し、艦長がデイヴィッド・R・コノールに代わった。

[編集] 最後の哨戒

3月11日、トリガーはシー・ドッグ(USS Sea Dog, SS-401)、スレッドフィン(USS Threadfin, SS-410) とともに南西諸島方面への哨戒、トリガーにとっては12度目の、そして結果的に最後の哨戒を行うためグアム島を出撃した。この哨戒でも敵船撃沈と第58任務部隊の搭乗員救出が主な任務であった。3月18日17時、北緯29度25分、東経127度30分の地点で鹿児島から那覇へ向けて航行中のカナ304船団を発見し、第三筑紫丸(三井船舶。1,012トン)を撃沈した[10]。3月26日、トリガーは気象情報を送信した。これがトリガーの健在を示す最後の証拠となった。この頃、大和を旗艦とする第二艦隊を来る沖縄戦対策として佐世保に回航する計画があり、この情報を掴んだ太平洋艦隊潜水艦部隊司令部が、トリガー、シー・ドッグ、スレッドフィンのウルフパックに監視を命じた。後には、ハックルバック(USS Hackleback, SS-295) も追加としてこのウルフパックに加えられた。3月27日、北緯30度40分、東経127度50分の地点で電纜敷設艇大立が沈没した。アメリカ側ではこれをトリガーの戦果にしているが、『佐世保防備隊所属船艇戦闘詳報』を見る限り、大立を撃沈したのはトリガーではなく第58任務部隊機のようである[11]。3月28日、シー・ドッグはトリガーと通信が取れないことを司令部に報告。司令部は3月30日に、トリガーをウルフパックから外した上で別の任務を与え、その上で4月4日にミッドウェー島に帰投するよう命令を発したが、トリガーからの音沙汰は無く、5月1日になってもトリガーがミッドウェー島に帰投しなかったので喪失判定が下され、7月11日に除籍された。

トリガーが気象情報を送った翌日の3月27日、豊後水道で第二艦隊の前路警戒を行うため、佐伯で練成中の海防艦男鹿、目斗、第59号、第65号、特設掃海艇3隻が第三対潜掃討隊として編成された。また、応援として香港から門司に帰投していた御蔵と第33号、それにローカル兵力の特設駆潜艇が追加され、さらに磁気探知機を搭載した佐伯航空隊の航空機も動員された。配備点や哨戒方法は27日中に決定した。海防艦は翌3月28日に佐伯を出撃し、水ノ子島灯台を越えた辺りから針路を真南に固定し捜索を開始。第三対潜掃討隊の各艦は3~4海里離れた単横陣隊形をとり、第65号が一番西側に位置した。午前10時27分ごろ、航空機が潜水艦を探知。午後0時ごろ、御蔵と第33号が合流。第65号の西側1,000メートルを単縦陣で位置し、第59号とともに探知場所に急行した。そして13時ごろから爆雷攻撃を行った結果、大きな噴煙が2つ上がった。この地点は北緯32度16分、東経132度5分と記録されている[12]。この2つの大きな噴煙をあげた潜水艦がトリガーと見て間違いない。トリガー撃沈に貢献した海防艦のうち御蔵と第33号、その他いくつかの特設駆潜艇は、28日夕方に九州沿岸で第58任務部隊機の攻撃を受け沈没した。第二艦隊はこの時呉を出撃して豊後水道に向かいつつあったが、引き返している。

トリガーは第二次世界大戦の戦功で11個の従軍星章を、5回目、6回目および7回目の哨戒で殊勲部隊章を受章した。また、18隻の艦船を撃沈し、総トン数は86,552トンに及んだ。これは、第二次世界大戦中のアメリカ潜水艦の戦果としてはどちらも第7位に記録されるものである(アメリカ側主張分による)。

[編集] 脚注

  1. ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIによる。『日本商船隊戦時遭難史』には「神国丸」が2隻記載されているが、因果関係は不明
  2. ^ 詳細は不明
  3. ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIによる
  4. ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIによる。なお、船名はMustuki Maruと記載されているが、『日本商船隊戦時遭難史』には「睦月丸」という船が記載されているが、喪失日やトン数が異なっている。その他、この日に喪失した船舶はない
  5. ^ Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II"では、この貨物船を帝福丸(帝国船舶。5,198トン)として撃沈扱いしているが、『日本商船隊戦時遭難史』では同船は12月29日に雷撃で喪失とある。The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIではYosyu Maruという貨物船にダメージを与えたとあり、uboat.net Trigger (SS-237)ではトン数を5,711トンとしている。このYosyu Maruは、『日本商船隊戦時遭難史』に記載のある予州丸(宇和島運輸。5,711トン)か
  6. ^ 『日本商船隊戦時遭難史』では、この日に喪失した船舶はない
  7. ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIおよびuboat.net Trigger (SS-237)による。船舶データは林寛司、戦前船舶研究会「特設艦船原簿」「日本海軍徴用船舶原簿」による
  8. ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIではKoshin Maruという貨物船にダメージを与えたとあり、uboat.net Trigger (SS-237)ではトン数を975トンとしている。このYosyu Maruは、『日本商船隊戦時遭難史』に記載のある興進丸(近海油槽船。975トン)か
  9. ^ 満潮撃破はThe Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIおよび伊達久「第二次大戦 日本海軍作戦年誌」による。Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II"では、トリガーはこの日の攻撃で敷設艇那沙美を攻撃・撃沈したことになっているが、那沙美は同年4月にラバウルで沈没しており、おそらく満潮撃破を勘違いした可能性がある
  10. ^ 野間恒『商船が語る太平洋戦争』によるが、一説には第58任務部隊機による戦果とも言われている
  11. ^ 生存者がおり、その生存者が大立の最期を確認しているところから見ると、トリガーが、放棄された大立の残骸を沈めた可能性もあまり高くはない
  12. ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIによる

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 呉防戦機密第四一号ノ二 豊後防備部隊戦闘詳報(第二号)(昭和18年12月1日~昭和20年4月6日 呉防備戦隊戦時日誌戦闘詳報(12)) アジア歴史資料センター レファレンスコード:C08030370400
  • 佐世保防備隊所属船艇戦闘詳報(第九号)昭和二十年 自三月二十七日至四月十六日 南九州及南西諸島方面対空戦 (昭和20年2月1日~昭和20年7月19日 佐世保防備隊戦時日誌戦闘詳報(3)) アジア歴史センター レファレンスコード:C08030436600
  • Theodore Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II" Naval Institute press、ISBN 0-87021-731-3
  • 財団法人海上労働協会編『復刻版 日本商船隊戦時遭難史』財団法人海上労働協会/成山堂書店、1962年/2007年、ISBN 978-4-425-30336-6
  • 防衛研究所戦史室編『戦史叢書62 中部太平洋海軍作戦<2> 昭和十七年六月以降』朝雲新聞社、1971年
  • 防衛研究所戦史室編『戦史叢書85 本土方面海軍作戦』朝雲新聞社、1975年
  • Clay Blair,Jr. "Silent Victory The U.S.Submarine War Against Japan" Lippincott、1975年、ISBN 0-397-00753-1
  • 木俣滋郎『日本空母戦史』図書出版社、1977年
  • 海防艦顕彰会『海防艦戦記』海防艦顕彰会/原書房、1982年
  • 木俣滋郎『日本戦艦戦史』図書出版社、1983年
  • 駒宮真七郎『戦時輸送船団史』出版協同社、1987年、ISBN 4-87970-047-9
  • 木俣滋郎『敵潜水艦攻撃』朝日ソノラマ、1989年、ISBN 4-257-17218-5
  • 伊達久「第二次大戦 日本海軍作戦年誌」『写真 日本の軍艦14 小艦艇II』光人社、1990年、ISBN 4-7698-0464-4
  • 木俣滋郎『日本海防艦戦史』図書出版社、1994年、ISBN 4-8099-0192-0
  • 野間恒『商船が語る太平洋戦争 商船三井戦時船史』私家版、2004年
  • 林寛司、戦前船舶研究会「特設艦船原簿」「日本海軍徴用船舶原簿」『戦前船舶 第104号』戦前船舶研究会、2004年

[編集] 外部リンク


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