レイポン (潜水艦)
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艦歴 | |
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発注: | |
起工: | 1942年2月21日 |
進水: | 1942年10月27日 |
就役: | 1943年1月23日 |
退役: | 1957年8月10日 |
除籍: | 1975年12月31日 |
その後: | 1957年8月8日にギリシャ海軍へ貸与 姉妹艦のための予備 |
性能諸元 | |
排水量: | 1,526トン(水上) 2,424トン(水中) |
全長: | 311.8 ft (95.0 m) |
全幅: | 27.3 ft (8.3 m) |
吃水: | 15.3 ft (4.6 m) |
機関: | ホーヴェン=オーエンス=レントシュラー(H.O.R.)5,400馬力ディーゼルエンジン 4基 (換装後)ゼネラル・モーターズ278A16気筒6,500馬力ディーゼルエンジン 4基 ゼネラル・エレクトリック2,740馬力発電機 2基 |
最大速: | 水上:20.25 ノット (37 km/h) 水中:8.75 ノット (16 km/h) |
航続距離: | 11,000カイリ(10ノット時) (19 km/h 時に 20,000 km) |
試験深度: | 300ft (90m) |
巡航期間: | 潜航2ノット (3.7 km/h) 時48時間、哨戒活動75日間 |
乗員: | 士官6名、兵員54名 |
兵装: | 3インチ砲1基、21インチ魚雷発射管10基 |
レイポン (USS Lapon, SS-260) は、アメリカ海軍の潜水艦。ガトー級潜水艦の一隻。艦名はカサゴに因む。
目次 |
[編集] 艦歴
レイポンはコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で起工する。1942年10月27日にJ・B・オルデンドルフ夫人(ジェシー・B・オルデンドルフ海軍少将の妻)によって進水し、艦長オリヴァー・G・カーク少佐の指揮下1943年1月23日に就役する。ロングアイランド・サウンドでの公試と訓練を完了したレイポンは、5月4日にニューロンドンを出航し、6月1日に真珠湾に到着した。
[編集] 第1・第2の哨戒
6月24日、レーポンは最初の哨戒でプランジャー(USS Plunger, SS-179)、パーミット(USS Permit, SS-178)とともにオホーツク海および北海道を経て、日本の裏庭ともいえる日本海に向かった。7月4日夜、レイポン、プランジャー、パーミットは機雷の敷設された宗谷海峡を浮上したまま通過し侵入した。3隻はそれぞれ張り付く海域が定められており、レイポンが向かったのは朝鮮半島の南東部沿岸であった。しかし、この海域は深い霧に包まれており、7月8日にレーダーで船舶のようなものを探知し魚雷を4本発射したが、何も起こらなかった。この他に攻撃の機会はなく来た道を引き返した。しかし、燃料と魚雷にまだ余裕があったので、日本の東岸沖を南下して東京湾の近くに向かった。7月23日には、空母と駆逐艦を発見し攻撃態勢に入ったが、逆に発見されて制圧され、その間に空母は何処かに去っていった。レイポンは41日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。これ以降、8月にはプランジャーとワフー(USS Wahoo, SS-238)、9月から10月にはワフーとソーフィッシュ(USS Sawfish, SS-276)、1945年に入ってからバーニー作戦で9隻、その後も間断なく侵入・・・という具合に、多くのアメリカ潜水艦が日本海で活動するようになった。しかし、艦長をローウェル・T・"スターミー"ストーン中佐に譲ってレイポンを去ったカークは、レイポンでの最初で最後の戦闘報告を次のように締めくくった。「このパトロールは不毛で失望した」。
9月26日、レイポンは2回目の哨戒で日本の本州海域に向かった。10月18日10時、レイポンは三重県の三木崎灯台東方22kmの海域で戦時標準船大忠丸(大阪商船。1,907トン)に対して魚雷2本を発射。1本は逸れたがもう1本が命中し、大忠丸の後部を木っ端微塵に砕いて轟沈させた。レイポンはさらに、護衛の特設掃海艇第二京仁丸(京仁商船。433トン)に向けて魚雷を2本発射し、2本とも命中させたが不発だった。この後、「H.O.R.エンジン搭載艦は1隻残らず、暫時エンジンを換装するように」という合衆国艦隊司令長官兼海軍作戦部長アーネスト・キングの命令により、該当艦であるレイポンは予定を切り上げ、11月4日に39日間の行動を終えて真珠湾に帰投。メア・アイランド海軍造船所に回航されてGM社製278A16気筒エンジンに換装した。
[編集] 第3・第4の哨戒
1944年1月22日、エンジンを換装したレイポンは3回目の哨戒で南シナ海に向かった。レイポンは隅々まで目を凝らして目標を探し出し、戦果を挙げていった。3月8日、レイポンは北緯19度21分、東経116度9分の香港南東380キロ地点でタサ08船団を発見。豊国丸(日本製鉄。5,792トン)に魚雷を命中させて同船を航行不能に陥らせた。豊国丸は香港に向かうこととなり、日鈴丸(日産汽船。5,396トン)が曳航したが、翌9日に北緯19度44分、東経115度52分の地点で日鈴丸を撃沈。豊国丸も漂流した後沈没していった。レイポンは同海域に留まり、3月16日には北緯18度14分、東経117度44分の地点で元特設水上機母艦國川丸(川崎汽船。6,863トン)に向けて魚雷を4本発射したが、命中しなかった[1]。3月18日未明には、北緯19度24分、東経116度50分の地点でヒ48船団を発見。北陸丸(大阪商船。8,365トン)に向けて魚雷を4本発射。最初の魚雷は交わされたが、2本目から4本目の魚雷が北陸丸に命中し、北陸丸は大爆発を起こして轟沈した。これらの合間をぬって、何隻かの小船にも攻撃を加えた。4月1日、レイポンは47日間の行動を終えてフリーマントルに帰投した。
4月25日、レイポンは4回目の哨戒で南シナ海に向かった。5月23日、レイポンは輸送船団を発見して追跡を開始。日付が24日に変わると同時に攻撃を開始した。まずうゑいるず丸(川崎汽船。6,586トン)に対して魚雷を3本発射したが命中しなかった。船団は避退行動に移ったがレイポンは食らいつき、2時24分に北緯7度30分、東経109度8分の地点で備前丸(日本郵船。4,667トン)に魚雷を2本命中させて撃沈。備前丸被雷と同時に、うゑいるず丸にも魚雷が向かってきたが、今回も回避に成功した。しかし、レイポンは4時4分にうゑいるず丸に対する3度目の攻撃で魚雷4本を発射し全て命中させ、うゑいるず丸は北緯7度20分、東経109度3分の地点で沈没していった。護衛の駆潜艇が制圧したが、レイポンは全力で逃げて何事もなかった。6月6日、レイポンは42日間の行動を終えてフリーマントルに帰投した。
[編集] 第5・第6の哨戒
6月29日、レイポンは5回目の哨戒で南シナ海に向かった。道中で巡洋艦と駆逐艦を発見したが、攻撃はできなかった。7月18日、レイポンは北緯8度0分、東経114度38分のボルネオ島西岸で特設測量艦第三十六共同丸(阿波国共同汽船。1,499トン)、特設駆潜艇加茂丸(日本海洋漁業。234トン)、鞍馬丸(日本海洋漁業。233トン)を発見し、3隻全てを撃沈した[2]。7月31日には、北緯8度50分、東経116度0分のパラワン島南西部で輸送船団を発見し、タンカー天心丸(日本油槽船。5,061トン)を撃沈した。8月10日、レイポンは42日間の行動を終えてフリーマントルに帰投し、艦長がドナルド・G・バールに代わった。
9月4日、レイポンは6回目の哨戒でフラッシャー(USS Flasher, SS-249)、ボーンフィッシュ(USS Bonefish, SS-223)とウルフパックを組んで、南シナ海に向かった。9月21日朝、レイポンは1隻の船を発見したが、それは病院船であり、当然ながら攻撃するわけには行かず見送った。その日の午後、レイポンはいくつかの煙を発見し、輸送船団と判断してこれに向かった。目標である輸送船団(マタ27船団)に近づいたとき、第38任務部隊機がマタ27船団を攻撃し、全船を撃沈してレイポンの出る幕はなかった。翌22日、レイポンは北緯15度28分、東経118度48分の地点で陸軍輸送船順源号(満州海運。1,610トン)を撃沈した。9月27日には、北緯15度45分、東経117度19分の地点でミマ11船団を発見し、フラッシャーと協力して攻撃した。フラッシャーが8時27分にうらる丸(大阪商船。6,375トン)を撃沈した後、レイポンもその2時間後に北緯15度50分、東経117度41分の地点で北喜丸(北川産業。5,599トン)を撃沈した。レイポンはルソン島沖で哨戒を続け、10月10日には北緯16度10分、東経119度45分の地点でタマ29船団を発見し、江尻丸(日本郵船。6,968トン)の右舷に魚雷2本を命中させた。江尻丸は大火災を発生し、付近の浅瀬に座礁する同時に大爆発を起こし、夕刻沈没した。その後は、ルソン島各地を空襲する第38任務部隊機の援護任務に従事し、10月21日まで同海域にとどまった。10月31日、レイポンは56日間の行動を終えてフリーマントルに帰投した。
[編集] 第7・第8の哨戒
11月23日、レイポンは7回目の哨戒でルソン島近海に向かった。日本軍がレイテ島やミンドロ島に増援部隊を送りこむため、その阻止をするため念入りに見張った。しかし、航空機はよく発見したものの船はあまり発見できなかった。その後、レイポンはアメリカ軍の上陸予定地点であるリンガエン湾を偵察した後本国に向かい、1945年1月21日に56日間の行動を終えて真珠湾に帰投し、4日後にメア・アイランド海軍造船所に回航された。1月31日に到着し、オーバーホールに入った。
4月22日、オーバーホールが終わったレイポンは真珠湾に到着し、1ヶ月間滞在した。その後、グアム島に回航されて6月5日に到着。翌日に8回目の哨戒で日本の本州海域に向かった。この哨戒では、日本本土を攻め立てる米英の機動部隊機およびB-29、B-24などの搭乗員に対する援護任務が命じらてていた。6月20日に一時グアム島に戻り、ほどなく鳥島近海に進出。ウィリアム・ハルゼー率いる第38任務部隊に対する援護任務に再び従事した。その後、サイパン島で仮修理をした後、7月23日に50日間の行動を終えてミッドウェー島に帰投した。
レイポンは、8月15日出撃の予定で9回目の哨戒が計画されていたが、その出撃予定日に戦争が終結した。
[編集] 戦後・ギリシャ海軍「ポセイドン」として
戦争が終わると、レイポンは8月26日に大西洋岸へ向けて帰途に就いた。9月20日にニューオーリンズに寄港した後、テキサス州の2つの都市・ガルベストンとヒューストンにも立ち寄った後、11月4日にニューヨーク州スタテンアイランドに到着し、1946年1月8日まで滞在した後、ニューロンドンに凱旋。その後、7月25日に退役して大西洋予備役艦隊入りした。
1957年4月13日にポーツマス海軍造船所で再就役したレイポンは8月10日に退役した。レイポンは8月8日に相互防衛援助プログラムの下のギリシア海軍へ貸与され、ポセイドン (HS Poseidon, S-78) と改名され活動した。ポセイドンは、姉妹艦のための予備部品として使用されるため、1976年4月にギリシアによって完全に購入され、現役勤務から退いた。SS-260は1975年12月31日に除籍された。
レイポンの総撃沈トン数は53,443トンに上る。レイポンは第二次世界大戦の戦功で海軍殊勲部隊章と4個の従軍星章を受章した。第3、第4、第5、第6回目の哨戒が成功として記録された。
[編集] 脚注
- ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIおよび『特設運送艦國川丸戦時日誌』による
- ^ The Official Chronology of the U.S. Navy in World War IIおよび林寛司、戦前船舶研究会「特設艦船原簿」による。Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II"では特設駆潜艇撃沈はカウントされていない
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 自昭和十八年十月一日 至昭和十八年十月三十一日 大阪警備府戦時日誌 (昭和18年6月1日~昭和18年12月31日 大阪警備府戦時日誌(4))アジア歴史資料センター レファレンスコード:C08030499800
- 自昭和十九年三月一日 至昭和十九年三月三十一日 特設運送艦國川丸戦時日誌(昭和18年12月1日~昭和20年5月6日 特設運送船国川丸戦時日誌(2))アジア歴史資料センター レファレンスコード:C08030651900
- Theodore Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II" Naval Institute press、ISBN 0-87021-731-3
- 財団法人海上労働協会編『復刻版 日本商船隊戦時遭難史』財団法人海上労働協会/成山堂書店、1962年/2007年、ISBN 978-4-425-30336-6
- Clay Blair,Jr. "Silent Victory The U.S.Submarine War Against Japan" Lippincott、1975年、ISBN 0-397-00753-1
- 野間恒『商船が語る太平洋戦争 商船三井戦時船史』私家版、2004年
- 林寛司、戦前船舶研究会「特設艦船原簿」「日本海軍徴用船舶原簿」『戦前船舶 第104号』戦前船舶研究会、2004年
[編集] 外部リンク
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