ガヴィナ (潜水艦)
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艦歴 | |
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発注: | |
起工: | 1943年3月3日 |
進水: | 1943年8月29日 |
就役: | 1943年12月23日 |
退役: | 1959年3月27日 |
除籍: | 1967年6月30日 |
その後: | 標的艦として1967年11月14日に海没処分 |
性能諸元 | |
排水量: | 1,526トン(水上) 2,424トン(水中) |
全長: | 307ft (93.6m)(水線長) 311ft 9in (95m)(全長) |
全幅: | 27.3 ft (8.3 m) |
吃水: | 17 ft (5.2 m) |
機関: | ゼネラル・モーターズ278A16気筒ディーゼルエンジン 4基 ゼネラル・エレクトリック発電機2基 |
最大速: | 水上:20.25 ノット (37 km/h) 水中:8.75 ノット (16 km/h) |
航続距離: | 11,000カイリ(10ノット時) (19 km/h 時に 20,000 km) |
試験深度: | 300ft (90m) |
巡航期間: | 潜航2ノット (3.7 km/h) 時48時間、哨戒活動75日間 |
乗員: | 士官6名、兵員60名 |
兵装: | 5インチ砲1門、21インチ魚雷発射管10基、機銃4基 |
ガヴィナ (USS Guavina, SS/SSO/AGSS/AOSS-362) は、アメリカ海軍の潜水艦。ガトー級潜水艦の一隻。艦名は西インド諸島、大西洋に生息する体長2mにも及ぶ魚のガヴィナに因む。
目次 |
[編集] 艦歴
ガヴィナは1943年3月3日にウィスコンシン州マニトワックのマニトワック造船で起工する。1943年8月29日にマリー・ローエンによって進水し、艦長カール・タイデマン少佐の指揮下1943年12月23日に就役する。
整調後ガヴィナは浮きドックに入れられたままタグボートのミネソタによってミシシッピ川を牽引され、1944年1月24日にニューオーリンズに到着した。その後ニューオーリンズとパナマ運河地帯のバルボアで訓練演習を行い、4月5日に真珠湾に到着、第1の哨戒の準備を行う。
ガヴィナは1944年4月6日に最初の哨戒に出撃する。4月22日に材木と貨物を牽引していた2隻のトロール船を砲撃で沈める。三日後には大きな貨物船を水雷で撃沈する。4月26日、7隻から成る輸送船団と遭遇しこの内の2隻に魚雷を発射、三度の大きな爆発の後能代丸を撃沈した。もう一隻も爆発したが、敵の反撃のためガヴィナはその様子を観察できず潜行した。
5月21日から26日までウェーク島沖で空襲部隊の救助任務に従事、28日にマジュロ環礁に帰還する。第1回の哨戒は大きな戦果を上げることとなった。
ガヴィナの2番目の哨戒(6月20日 - 7月31日)では、オーストラリアのブリスベンからマジュロ環礁に向かい、一隻の敵艦を沈め12名の飛行士を救助した。7月3日の13:24、4隻の護衛艦を伴った船と遭遇する。攻撃可能位置に入るため追跡を行い、翌朝の03:48に4発の魚雷を発射する。そのうち3発が命中しすさまじい爆発を引き起こした。ガヴィナはその後三時間潜行を続け、18発の爆雷および8発の航空爆弾を回避、06:43に浮上して戦果を確認、撃沈したのは多摩丸であった。7月2日から21日までの救助任務でガヴィナは合計12名の撃墜されたB-25飛行士を救助し、アドミラルティ諸島のゼーアドラー湾経由でブリスベンに向かった。
ガヴィナは南シナ海における6回目の哨戒(3月21日 - 5月8日)で、ロック (USS Rock, SS-274) 、コビア (USS Cobia, SS-245) 、ブレニー (USS Blenny, SS-324) と共に行動した。敵艦とはほとんど遭遇することなく、ガヴィナは帰還することとなる。しかしながら、3月28日に陸軍のB-25の乗員5名を救助し、5月8日に真珠湾に帰還した。6度の哨戒を完了してガヴィナはオーバーホールのため西海岸に向かう。作業が完了すると8月6日に真珠湾に向けてサンフランシスコを出航するが、終戦の知らせを聞き本国に帰還した。その後ガヴィナはメア・アイランド海軍造船所入りし、現役のまま保管された。
[編集] 戦後
1949年3月からガヴィナはメア・アイランド海軍造船所で広範囲オーバーホール及び給油潜水艦への転換が行われ、シュノーケルの装着が行われた。1950年2月1日に SSO-362 (給油潜水艦)として再就役し、西海岸沿いでの作戦活動の後、バルボアとサンフアンを経由して8月25日にノーフォークに到着した。ノーフォークでの活動の後フィラデルフィアでオーバーホールを行い、1951年1月29日に新たな母港のキーウェストに到着した。
キーウェストを拠点としてガヴィナはメキシコ湾とフロリダ海峡で活動を行い、カリブ海や東海岸、ノバスコシアへ巡航し水上機や他の潜水艦に給油試験を行った。1952年4月18日から7月26日までフィラデルフィアでオーバーホールを行った後、ガヴィナは AGSS-362 (実験潜水艦)に再び艦種変更される。その後二年にわたって東海岸沿いに活動し、フィラデルフィアで広範囲オーバーホールが行われた。燃料補給を支援するためガヴィナは後部魚雷室の上に大きなプラットホームが取り付けられ、それは「フライトデッキ」とあだ名された。
その後1956年1月に飛行艇への給油実験が行われる。最初の2週間の試験期間後、ガヴィナは1956年の大半を通じて様々な水上飛行機に給油試験を行った。ガヴィナは9月18日にチャールストンを出航し地中海に向かう。地中海の第6艦隊第56偵察部隊で2ヶ月間の配備後、12月1日にキーウェストに帰還し、チャールストンでオーバーホールが行われた。
オーバーホールの完了後1957年7月13日に AOSS-362 (潜水タンカー)に艦種変更されたガヴィナは、主としてカリブ海で様々な潜水艦及び水上機への給油試験を再開した。さらにニューロンドンからバーミューダの海域で対潜訓練及び様々な平時訓練任務に従事した。
ガヴィナは1959年1月4日にチャールストン海軍工廠入りし、3月27日に退役、そのまま保管される。その後第5海軍管区の予備役訓練艦に指定され、1967年6月30日に除籍されるまで訓練任務に従事した。ガヴィナは1967年11月14日にバージニア州のヘンリー岬沖で標的艦として、キューベラ (USS Cubera, SS-347) の雷撃により沈められた。
ガヴィナは第二次世界大戦の戦功で5個の従軍星章を受章した。
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