タリビー (潜水艦)
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艦歴 | |
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発注: | |
起工: | 1942年4月1日 |
進水: | 1942年11月11日 |
就役: | 1943年2月15日 |
退役: | |
除籍: | 1944年7月29日 |
その後: | 1944年3月26日に戦没 |
性能諸元 | |
排水量: | 1,525トン(水上) 2,424トン(水中) |
全長: | 311 ft 6 in (95 m) |
全幅: | 27 ft 2 in (8.3 m) |
吃水: | 15 ft 3 in (4.6 m) |
機関: | ゼネラル・モーターズ278A16気筒ディーゼルエンジン 4基 ゼネラル・エレクトリック発電機2基 |
最大速: | 水上:20.25 ノット (37 km/h) 水中:8.75 ノット (16 km/h) |
航続距離: | 11,000カイリ(10ノット時) (19 km/h 時に 20,000 km) |
試験深度: | 300ft (90m) |
巡航期間: | 潜航2ノット (3.7 km/h) 時48時間、哨戒活動75日間 |
乗員: | 士官、兵員80名 |
兵装: | 4インチ(101 mm)砲1門、21インチ(533 mm)魚雷発射管10基 |
タリビー (USS Tullibee, SS-284) は、アメリカ海軍の潜水艦。ガトー級潜水艦の一隻。艦名はマスの一種、タリビーに因む。
目次 |
[編集] 艦歴
タリビーは1942年4月1日にカリフォルニア州ヴァレーホのメア・アイランド海軍造船所で起工する。1942年11月11日にケネス・C・ハード夫人によって進水し、艦長チャールズ・F・ブリンデュプケ少佐の指揮下1943年2月15日に就役する。
4月8日から4月30日まで整調訓練を行った後、タリビーは5月8日にハワイに向けて出航した。5月15日に真珠湾に到着し、ハワイ水域でさらに訓練演習を行う。この間に多くの空気漏れが生じ、修理のため2度ドック入りする。しかしながら空気漏れは改善されず、タリビーは7月11日まで海軍工廠で修理が行われた。
[編集] 最初の哨戒
修理を完了した後、タリビーは7月19日カロリン諸島において最初の哨戒を開始した。この哨戒は9月6日まで行われ、8月5日にはサイパン-トラック航路において護衛を伴った3隻の貨物船を発見、左舷方向に複数の魚雷を発射したが、最初の魚雷を発射すると同時に敵船の反撃によって潜望鏡を破損し、また魚雷の爆発する深度の設定が適当でなかったためいずれの魚雷も爆発しなかったため沈めることはできなかった。 8月14日には1隻の貨物船を雷撃によって破損させ、貨客船かいしょう丸を撃沈した。このことは当時確認が取れず、戦後の日本の調査によって判明した。 9月6日、タリビーはミッドウェー島に帰還し最初の哨戒を終了した。
[編集] 2回目の哨戒
9月28日、タリビーは琉球諸島と中国大陸沿岸の間の海域で2回目の哨戒を開始した。10月4日未明、タリビーは3隻の護衛駆逐艦に守られた貨客船9隻からなる輸送船団を発見した。タリビーは翌朝まで船団を追跡し、艦首からの雷撃でしかご丸を撃沈しこの哨戒最初の戦果を挙げる。
その12日後、中国大陸南岸と澎湖諸島との航路でタリビーは2つの隊に分かれ3隻の護衛によって守られた7隻の船の輸送船団に接触した。タリビーは6発の魚雷を放ち、最後のグループで最も大きい船を攻撃した。 1発は目標を捉えた。 タリビーはさらに4発の魚雷を別の船に向けて発射した。すぐさま護衛艦が反撃し、魚雷を使い果たしたタリビーは護衛の反撃を避けて退却した。11月5日には沖永良部島海域で巨大な島型艦橋を持つ大型艦と遭遇、全力で退却した。この翌日に、タリビーはハワイへ向けて転針し11月16日、ミッドウェー島を経て真珠湾に到着した。 この哨戒におけるタリビーの公式スコアは乗客貨物船撃沈1、タンカー、貨客船破損各1だった。
[編集] 3回目の哨戒
タリビーの3回目の哨戒は姉妹艦のハリバット (USS Halibut, SS-232) 、ハダック (USS Haddock, SS-231) と共にウルフパックを組んで行われた。マリアナ諸島でトラック島と日本の間を定期的に往復する敵の輸送船団を迎撃、妨害することがこのガトー級潜水艦トリオの任務だった。三隻は1943年12月14日に真珠湾から出撃した。1944年1月2日、タリビーは日本の伊号潜水艦を発見、浮上して4発の魚雷を3,000ヤードの距離から発射した。敵は四つの航跡を発見し、これを回避。水上機を発進させ6個の爆弾を落としてタリビーに潜行を強いた。
1月19日、ハダックは、タリビーがサイパンに向かっていた日本の護衛空母雲鷹を破損したと報告した。タリビーは1月25日、護衛艦と航空機によって護衛された空母を発見した。敵の防備が強固だったため、タリビーは数日間ステーションに待機してを沈める機会を待った。 しかしながら、 1月28日に浮上したとき空母はすでに去っていた。タリビーはこの翌日領域を去り、2月10日に真珠湾に帰還した。
[編集] 4回目の哨戒
1944年3月5日にタリビーは4回目の哨戒に真珠湾から出撃する。9日後に燃料補給のためミッドウェー島を訪れ、続いて担当相海区域のパラオに向かう。タリビーは3月30日、31日に行われる空母艦載機によるパラオ攻撃の支援任務が予定されていた。3月25日にステーションに到着し、偵察を開始する。翌日タリビーは大型貨客船、2隻の中型貨物船、駆逐艦と他の2隻の護衛艇から成る船団をレーダーで探知する。タリビーは浮上して貨物船を追跡したが、豪雨のためそれらを見失う。最終的に3,000ヤードの距離で二発の魚雷を前部発射管から発射した。約2分後にタリビーは猛烈な爆発で振動した。タリビーの発射した魚雷の一発が円を描いて自らに命中したのであった。
当時砲手のC・W・カイケンダールはブリッジ上におり、爆発で意識を失い水中に投げ込まれた。彼が意識を回復したとき、艦の姿は見あたらなかった。彼はおよそ10分間水中の音声を聞いたが、それは聞こえなくなった。カイケンダールは翌日日本軍の警備艇によって救助された。
タリビーは1944年7月29日に除籍された。カイケンダールは捕虜として収容され、終戦後に解放された。
タリビーは第二次世界大戦の戦功で3個の従軍星章を受章した。
[編集] 関連項目
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