ピート (潜水艦)
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艦歴 | |
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発注: | |
起工: | 1941年6月18日 |
進水: | 1942年4月30日 |
就役: | 1942年11月21日 |
退役: | 1946年6月25日 |
除籍: | 1960年8月1日 |
その後: | 1960年11月10日スクラップとして売却 |
性能諸元 | |
排水量: | 1,626トン |
全長: | 311 ft 8 in (95 m) |
全幅: | 27.3 ft (8.3 m) |
吃水: | 15 ft 3 in (4.6 m) |
機関: | ゼネラル・モーターズ248型16気筒6,500馬力ディーゼルエンジン 4基 ゼネラル・エレクトリック2,740馬力発電機2基 |
最大速: | 水上:20.25 ノット (37 km/h) 水中:8.75 ノット (16 km/h) |
航続距離: | 11,000カイリ(10ノット時) (20,000 km) |
試験深度: | 300ft (90m) |
巡航期間: | 潜航2ノット (3.7 km/h) 時48時間、哨戒活動75日間 |
乗員: | 士官6名、兵員54名(平時) |
兵装: | 3インチ砲1基、21インチ魚雷発射管10基(6基艦首、4基艦尾、魚雷24本) |
ピート (USS Peto, SS-265) は、アメリカ海軍の潜水艦。ガトー級潜水艦の一隻。艦名は サバの科の鋭い鼻をした熱帯魚ピートに因む。
目次 |
[編集] 艦歴
ピートはウィスコンシン州マニトワックのマニトワック造船で1941年6月18日起工される。1942年4月30日にE・A・ロフクィスト夫人によって進水し、11月21日艦長ウィリアム・T・ネルソン少佐の指揮下就役する。12月末、一時的に退役してはしけに乗せられ、マニトワックを出てニューオーリンズへ向かった。ニューオーリンズで調整と出港準備を完了した後、ピートは再就役しパナマ運河を経て1943年3月14日、オーストラリアのブリスベンに到着した。
[編集] 第1・第2・第3の哨戒
4月2日、ピートは最初の哨戒でトラック諸島とソロモン諸島の中間海域に向かった。4月13日、ピートはグリニッジ島を偵察したが何も見つけられず、トラックとラバウル・カビエン間の航路に哨区を変え、翌日には到着した。4月17日朝、ピートは2隻の貨物船、2隻の駆逐艦、1隻の小型艇から成る船団を発見する。護衛の駆逐艦がピートを発見し、ピートは潜航避退を強いられ、ピートは9発の爆雷攻撃に耐えた。5月5日夜には、聴音とレーダーを頼りに敵艦へ3発の魚雷を発射し、1発が命中したと判断された。オックスフォード岬を偵察した後、5月20日に48日間の行動を終えてブリスベンに帰投した。
6月10日、ピートは2回目の哨戒でビスマルク諸島方面に向かった。6月28日、ピートは北緯1度47分、東経151度46分の地点で海洋観測船天海を撃沈した[1]。7月7日には、アドミラルティ諸島北方で2隻の駆逐艦に護衛されたタンカー神国丸(神戸桟橋。10,020トン)を発見し、3発の魚雷を発射。うち2発を命中させ小破させた。8月4日、ピートは53日間の行動を終えてブリスベンに帰投した。
9月1日、ピートは3回目の哨戒で再びビスマルク諸島の北方方面に向かった。ナウル島を偵察した後、ナウルとトラック間の航路を哨戒したが、5日間の哨戒でいかなる船をも発見することはできなかった。9月20日になって、ピートはトラックとラバウル・カビエン間の航路に哨区を変え、9月22日には5隻の護衛艦がついた輸送船団を発見した。しかし、激しい妨害によって攻撃の機会を逸し、適度な距離から追跡するに留まったが、これも護衛艦からの発砲により潜航して退避せざるを得なかったため、結局この輸送船団に対する攻撃はできなかった。9月24日から26日にはアドミラルティ諸島周辺を哨戒したが、やはり何も見つけられなかった。9月27日から29日にかけては、「ニューギニアのウエワク近郊で、撃墜された第5空軍機の搭乗員が救援を求めている」との情報に基づいて接触ならびに救助を試みたが、失敗に終わった。しかし、10月1日になって、ようやく絶好のチャンスが訪れた。夕刻に北緯4度0分、東経143度50分のメレヨン島周辺で哨戒中、パラオ諸島からラバウルに向かうソ805船団を発見し、魚雷を6本発射して金華山丸(三井船舶。4,950トン)と東寧丸(大連汽船。4,930トン)の2隻に命中し両船を撃沈した。10月21日、ピートは51日間の行動を終えてブリスベンに帰投した。
[編集] 第4・第5・第6の哨戒
11月14日、ピートは4回目の哨戒でビスマルク諸島、アドミラルティ諸島、カロリン諸島方面に向かった。ツラギ島で給油した後、12月1日には北緯1度46分、東経146度45分のニューアイルランド島北西海域で3隻の小艦艇に護衛された2隻の船団を発見。そのうちの1隻である康寧丸(中村汽船。2,345トン)に6発の魚雷を発射し、これを撃沈した。ネルソンは康寧丸を「8,200トンの大型船」と判断していた。12月9日にも輸送船団を発見したが、反撃をかわして攻撃しようとしたものの相手が回避運動をとったので果たせず、逆に護衛艦からの爆雷攻撃を受けたため潜航して退避し、結局攻撃の機会を逸した。12月19日、ピートは海兵隊員を乗せるため一旦ツラギ島に戻り、12月25日にタンガ諸島の一つであるボーアン島に上陸させた。1944年1月7日、ピートは54日間の行動を終えてブリスベンに帰投し、艦長がパウル・ヴァン・ルーネン・ジュニアに代わった。
2月2日、ピートは5回目の哨戒でニューギニア沿岸、ビスマルク諸島方面に向かった。前回同様ツラギ島で給油した後、2月10日にはセロ (USS Cero, SS-225)と会合した。2月19日、ピートはセロとともに輸送船団を攻撃したが、この時遠くで爆発音が聞こえていた、これは、セロが爆雷攻撃を受けていることを示す音であり、ピートはセロを逃すべく浮上して護衛艦の注意をひきつけた。ピートは機銃で応戦しつつ護衛艦をうまく引き寄せ、この間にセロは脱出に成功した。2月27日にニューギニア沿岸のランゲマク湾で補給を行った後、3月1日に哨戒に復帰。3月3日、ピートは1隻の商船を発見したが、攻撃に失敗した。翌3月4日、ピートはサルミ沖でウエワクに向かう輸送船団を発見し、華陽丸(三井船舶。4,368トン)に魚雷6本を発射し、うち2本を命中させて撃沈した。第34号掃海艇が13発の爆雷攻撃を行ったが、ピートはうまく脱出した。その後3月16日にミッドウェー島に進路を向け、3月25日に到着。3月29日に57日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。
4月28日、ピートは6回目の哨戒でパーチ (USS Perch, SS-313)とともに台湾、ルソン海峡方面に向かった。途中ミッドウェー島に立ち寄って5月2日に出港。途中2月10日にピクーダ (USS Picuda, SS-382)が合流し、3隻のウルフパックとなった。哨戒海域に到着後は絶好の獲物を探し続け、少なくとも6隻の船との接触には成功した。しかし、浅水深の海域や航空機の影響で絶好の攻撃ポジションにつくことができなかった。ピートは行動期限が来たので哨戒海域を後にして、6月15日にミッドウェー島に立ち寄った後6月19日に52日間の行動を終えて真珠湾に帰投。6月21日にキングフィッシュ (USS Kingfish, SS-234)とともにアメリカ本国に向かい、サンフランシスコのベスレヘム・スチールでオーバーホールに入った。オーバーホール中に艦長がロバート・H・カルドウェル・ジュニアに代わった。その後、オーバーホールが終わって9月29日にサンフランシスコを離れ、10月7日に真珠湾に到着した。
[編集] 第7・第8・第9・第10の哨戒
10月27日、ピートは7回目の哨戒でスペードフィッシュ (USS Spadefish, SS-411)、サンフィッシュ(USS Sunfish, SS-281)とウルフパックを組んで黄海に向かった。11月9日に黄海に到着した後、11月12日にピートは大爆発音と猛烈な閃光を目撃した。これは近くで哨戒していたバーブ (USS Barb, SS-220)が北緯31度30分、東経125度57分の地点でモマ07船団を攻撃していた事を示すものと考えられた。ピートはモマ07船団がこちらに向かうと予測して戦闘配置を令しモマ07船団に接近していった。朝6時20分、ピートは北緯31度46分、東経125度40分の男女群島西方280キロ地点でモマ07船団を攻撃。第一撃では最も近い陸軍輸送船辰昭丸(辰馬汽船。2,746トン)に対し魚雷4本を発射。うち3本が命中した辰昭丸は急激にスピードを落とし、大爆発を起こして沈没した。辰昭丸が沈没する頃、ピートは第二撃で艦尾発射管から魚雷を発射。第三撃は艦首発射管から3番目の目標に向けて魚雷を4本発射した。しかし、折からの悪天候で視界も悪く、爆発音は聞こえ炎上しているのも見えたものの、いずれにせよ第二撃、第三撃の成果は不明だった。11月18日夜、ピートらのウルフパックは済州島西方洋上でミ27船団を発見し、ピートは23時40分にタンカー逢坂山丸(三井船舶。6,925トン)に魚雷2本を命中させた。逢坂山丸は炎上しながら沈没していったが、後部が浮いているように見えたのでピートは再度の魚雷を発射すべく準備したが、すぐにその作業は不要と判断された。ピートは次の獲物を求め、鎮海丸(東亜海運。2,827トン)に対して魚雷を3本発射し、1本が命中して鎮海丸は4分で沈没した。11月29日、ピートは最後に残った魚雷を小型の沿岸タンカーに向けて発射したが、命中しなかった。12月6日、ピートは43日間の行動を終えてグアム島に帰投し、真珠湾に回航された。
1月31日、ピートは8回目の哨戒でスレッシャー (USS Thresher, SS-200)、シャード (USS Shad, SS-235)、タイルフィッシュ (USS Tilefish, SS-307)とウルフパックを組んでルソン海峡に向かった。2月12日にサイパン島で給油した後哨戒海域に到着したが、適当な目標には遭遇しなかった。その後、海南島近海にまで足を伸ばしたが、3月5日に日本機の爆撃を受けて軽いダメージを負った一方で、やはり適当な目標には遭遇しなかった。4月9日、ピートは67日間の行動を終えてミッドウェー島に帰投した。
5月4日、ピートは9回目の哨戒で南鳥島方面に向かった。5月12日に南鳥島を空襲する航空部隊の支援に従事したが、幸いなことに救助を要する不時着機はなかった。その後マヌス島に立ち寄って沿岸部を撮影した後、サイパン島を経て6月19日に44日間の行動を終えてグアム島に帰投した。
7月14日、ピートは10回目の哨戒で日本の本州沿岸に向かった。その頃、第38任務部隊が日本各地を空襲しており、その支援が主任務となった。7月24日、ピートはレキシントン (USS Lexington, CV-16) 艦載機のパイロット2名を救助する。一人は両脚に銃創を負っていた。翌25日には艦砲でサンパンを沈め、その一方で9名のパイロットを救助した。8月10日にフォーミダブル (HMS Formidable, 67) 艦載機のイギリス軍パイロットを救助した。8月15日も相変わらず味方航空機の支援を続けていたが、この日戦争は終わった。
[編集] 戦後
8月16日、ピートは パナマ運河地帯に向けて出航し9月15日に到着した。17日にニューオーリンズに向けて出発し、21日に到着した。1946年6月25日、ピートは大西洋艦隊に編入され、予備役艦としてコネチカット州のニューロンドン潜水艦基地で保管された。その後、1956年11月に海軍第8管区の予備役訓練艦に指定される。 1960年8月1日除籍され、1960年11月10日スクラップとして売却された。
ピートは第二次世界大戦の戦功で8個の従軍星章を受章した。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- Theodore Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II" Naval Institute press、ISBN 0-87021-731-3
- 財団法人海上労働協会編『復刻版 日本商船隊戦時遭難史』財団法人海上労働協会/成山堂書店、1962年/2007年、ISBN 978-4-425-30336-6
- 防衛研究所戦史室編『戦史叢書62 中部太平洋海軍作戦<2> 昭和十七年六月以降』朝雲新聞社、1973年
- Clay Blair,Jr. "Silent Victory The U.S.Submarine War Against Japan" Lippincott、1975年、ISBN 0-397-00753-1
- 駒宮真七郎『戦時輸送船団史』出版協同社、1987年、ISBN 4-87970-047-9
- 木俣滋郎『敵潜水艦攻撃』朝日ソノラマ、1989年、ISBN 4-257-17218-5
- 野間恒『商船が語る太平洋戦争 商船三井戦時船史』私家版、2004年
[編集] 外部リンク
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