グラニオン (潜水艦)

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艦歴
発注:
起工:	1941年3月1日
進水:	1941年12月22日
就役:	1942年4月11日
退役:
除籍:	1942年11月2日
その後:	1942年7月31日に戦没の可能性
性能諸元
排水量:	1,526トン（水上）2,424トン（水中）
全長:	311.8ft (95.0m)（水線長） 311ft 9in (95m)（全長）
全幅:	27.3 ft (8.3 m)
吃水:	17 ft (5.2 m)
機関:	ゼネラル・モーターズ278A16気筒ディーゼルエンジン 4基 ゼネラル・エレクトリック発電機2基
最大速:	水上：20.25 ノット (37 km/h) 水中：8.75 ノット (16 km/h)
航続距離:	11,000カイリ（10ノット時） （19 km/h 時に 20,000 km）
試験深度:	300ft (90m)
巡航期間:	潜航2ノット (3.7 km/h) 時48時間、哨戒活動75日間
乗員:	士官6名、兵員54名
兵装:	3インチ砲1基 21インチ魚雷発射管10基

グラニオン (USS Grunion, SS-216)は、アメリカ海軍のガトー級潜水艦の5番艦。艦名はアメリカ西海岸に生息するトウゴロイワシの一種グラニオン（グルニオン）に由来する。

目次 1 艦歴 2 グラニオンの最期 3 船体の捜索 4 参考文献 5 関連項目 6 外部リンク

[編集] 艦歴

グラニオンは1941年コネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で起工する。1941年12月22日にフーパー少将夫人であるスタンフォード・C・フーパー夫人によって進水し、1942年4月11日艦長マナート・L・エベール少佐の指揮下就役。

ニューロンドンでの整調後、グラニオンは1942年5月24日に太平洋に漕ぎ出した。一週間後にはパナマ運河を通過してカリブ海に至っている。その間にドイツのUボートに撃沈された貨物船ジャック(USAT Jack)の生存者16人を救助した。6月3日にココ・ソロに到着、グラニオンは救助者を下艦させ、6月20日に真珠湾に到着した。

10日間の訓練後6月30日にハワイを出航し、グラニオンはミッドウェー島に到着する。その後第六潜水戦隊の管轄であるアリューシャン列島へ向けて最初の哨戒を実施する。この方面には、それまで旧式の潜水艦しか配備されていなかった。最初の報告書はキスカ島北部での哨戒で、グラニオンは日本海軍の駆逐艦を攻撃している。7月を通してキスカ島近辺で活動した。7月15日、グラニオンはキスカ湾外で対潜掃討中の第十三駆潜隊を攻撃、第25号駆潜艇と第27号駆潜艇を一撃で撃沈した。当時キスカ湾内には駆逐艦暁や特設艦船がいたが、大した反撃はしなかった。7月30日に集中的な対潜活動を行い、「キスカ沖は緊密な警戒幕が敷かれている。本艦の残有魚雷10本」と報告、ダッチハーバーへの帰還を命じられた。これがグラニオンの存在がアメリカ側に確認された最後となった。その後キスカ島付近で消息を絶ち、11月2日除籍された。

[編集] グラニオンの最期

7月31日朝、グラニオンは護衛艦艇と別れてキスカ島泊地に入港しようとしていた輸送船鹿野丸（国際汽船。8,572トン）を発見した。鹿野丸は第26号駆潜艇護衛の下、2隻で東北東方面からキスカ島の泊地に入港する予定だった。30日12時ごろにはキスカ湾外に到着したものの、濃霧で第26号駆潜艇を確認することが出来ず、霧が晴れるのを待ち漂泊。霧が晴れてから単独で入港することとなった。15時30分、故障を起こした二式水上戦闘機を揚収した。31日になり霧も薄くなり、一確認を行なった上で予定航路を15ノットの速力で湾内に向けて航海中の5時47分、鹿野丸は魚雷2本が右舷前方から接近してくるのを見た。1本は回避したが、もう1本が命中し右舷機械室を破壊したため、鹿野丸は航行不能となった。鹿野丸の見張り員が、船尾をめぐって左舷側に移動する潜望鏡を発見。8センチ砲とブリッジ上の機銃で潜望鏡が動いているあたりを攻撃した。5時57分、鹿野丸は2度目の雷撃を受けた。しかし、おそらくは鹿野丸に止めを刺すはずであった1本の魚雷は、深度が深すぎて船底を通過し去って行った。6時7分、鹿野丸は3度目の雷撃を受け、発射された3本の魚雷のうち2本が命中した。しかし、幸いにこの魚雷は2本とも爆発せず、命中の衝撃で魚雷の頭部が折れて沈んでしまった。周囲に敵もいなかったのでグラニオンは400メートルにまで接近し、浮上砲戦で鹿野丸を始末しようとしたのか、浮上を開始。これを見た鹿野丸が、前部8センチ砲で小波だっている辺りを集中的に砲撃したところ、6時10分ごろに露頂した艦橋部と思われる部分に命中。最初に射撃を開始してから84発目のことであった。その結果水煙噴出とともに水中爆発音が聞こえ、周囲には重油が多量に盛り上がりながら流出していた。6時35分、基地から航空機3機が飛来し、また敷設艇浮島と一旦はぐれた第26号駆潜艇も駆けつけた。

しかし、日本海軍の記録には当時キスカ島近辺で日本海軍が対潜攻撃を行ったはっきりとした記録はなかったことから、少なくともアメリカ側においては喪失原因は長らく謎、あるいは機雷によるものとされていた。鹿野丸監督官であった相浦誠一海軍大佐の手記が防衛研究所戦史室編『戦史叢書29 北東方面海軍作戦』および『戦史叢書46 海上護衛戦』に一部掲載されたのが1969年と1971年、これに基づいて雑誌「シーパワー」に木俣滋郎がこの事実を書いた（後に『敵潜水艦攻撃』（朝日ソノラマ。光人社NF文庫『潜水艦攻撃―日本軍が撃沈破した連合軍潜水艦』の原本）の一部として出版）のが1985年、さらに相浦の別の寄稿や鹿野丸乗船者による手記も多数あったが、これらの裏づけを取るきっかけの一つとなったのが、J-aircraft.com掲示板（現在は閉鎖）でのやりとりである。War Birdsの質問コーナー「AnsQ」に寄せられた質問によると、 その掲示板に、鹿野丸の残骸の一部を所有している人物（下記サイト「グラニオンはどこに」では、リッチ・レーンというアメリカ空軍の少佐）からの書き込みがあり、それにハンドルネーム「IWA」という日本人が鹿野丸とグラニオンの関わりについて返事を相浦手記の翻訳を添えて書いたところ、グラニオン関係者からの問い合わせがあり、それがきっかけになって真相究明につながったようである。2006年には、防衛庁技術研究本部図書館に所蔵してあった鹿野丸戦闘詳報にあった海図から沈没位置を割り出し、これをきっかけとして潜水探査を実施した。

グラニオンは第二次世界大戦の戦功で1個の従軍星章を受章している。また、殊勲の鹿野丸は菊川丸に曳航されてキスカ島に到着。同島で修理中の同年9月15日に米陸軍航空隊の爆撃を受けて座礁、放棄された。

[編集] 船体の捜索

艦長のエベール少佐には不明となった1942年当時3人の息子、ブルース、ジョンおよびブラッドがいた。彼らはその後グラニオンの探索に取り組んだ。その資金はジョン・エベール（ボストン・サイエンティフィックの創始者）が大半を負担した。探索はアリューシャン列島近海で行われた。

2002年には日本政府関係者および退役軍人が探索に加わった。エベール兄弟は加えて同海域での日本海軍の喪失艇、駆潜艇数隻および駆逐艦「霰」の探索も行った。

2006年8月に探索船アクイラ (Aquila) はブルース・エベールへソナーの画像を中継した。1,800フィート (550m) の深海で得られた画像には「艦橋と潜望鏡のマストであろう特徴を備えた滑らかで長方形の物体」が描かれていた。その後の画像ではその物体が長らく消息が不明であったグラニオンであろうことが明らかになった。

[編集] 参考文献

• 防衛研究所戦史室編『戦史叢書29 北東方面海軍作戦』朝雲新聞社、1971年
• 防衛研究所戦史室編『戦史叢書46 海上護衛戦』朝雲新聞社、1971年
• 木俣滋郎『敵潜水艦攻撃』朝日ソノラマ、1989年、ISBN 4-257-17218-5

[編集] 関連項目

• 第二次世界大戦中のアメリカ海軍の喪失艦一覧

[編集] 外部リンク

• グラニオンはどこに－64年間行方不明の父の潜水艦を発見
• history.navy.mil: USS Grunion
• navsource.org: USS Grunion
• hazegray.org: USS Grunion

• csp.navy.mil: USS Grunion
• On Eternal Patrol: USS Grunion
• Search for the Grunion - ussgrunion.com- A team organized by LCDR Abele's three sons search the ocean floor for the lost submarine near Kiska, Alaska.
• The USS Grunion May have been Found a story at NPR.org
• ABCNews.com, 10/3/2006."Object Off Alaska Coast May Be WWII Sub" viewed 10/3/2006.
• After 64 years, relatives may have answers in sub sinking viewed 10/05/2006

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