スヌーク (潜水艦)

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艦歴
発注:
起工:	1942年4月17日
進水:	1942年8月15日
就役:	1942年10月24日
退役:
除籍:
その後:	1945年4月または5月に喪失
性能諸元
排水量:	1,526トン（水上） 2,424トン（水中）
全長:	307ft (93.6m)（水線長） 311ft 9in (95m)（全長）
全幅:	27.3 ft (8.3 m)
吃水:	15.3 ft (4.6 m)
機関:	フェアバンクス・モース38D8 1/8型9気筒5,400馬力ディーゼルエンジン 4基 ゼネラル・エレクトリック2,740馬力発電機 2基
最大速:	水上：20.25 ノット (37 km/h) 水中：8.75 ノット (16 km/h)
航続距離:	11,000カイリ（10ノット時） （19 km/h 時に 20,000 km）
試験深度:	300ft (90m)
巡航期間:	潜航2ノット (3.7 km/h) 時48時間、哨戒活動75日間
乗員:	士官6名、兵員54名
兵装:	4インチ砲1門、 21インチ魚雷発射管10基、 機銃4基

スヌーク (USS Snook, SS-279) は、アメリカ海軍の潜水艦。ガトー級潜水艦の一隻。艦名はスズキに因む。

目次 1 艦歴 1.1 第1・第2の哨戒 1.2 第3・第4・第5の哨戒 1.3 第6・第7・第8の哨戒 1.4 最後の哨戒 1.5 脚注 2 関連項目 3 参考文献 4 外部リンク

[編集] 艦歴

スヌークは1942年4月17日にメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で起工した。1942年8月15日に、潜水艦S-27の艦長としての英雄的活動で海軍十字章を受章したジェームズ・C・デンプシー中尉夫人によって命名、進水し、1942年10月24日に艦長チャールズ・O・トライベル少佐の指揮下就役する。ニューイングランド沖での整調訓練後、スヌークは1943年3月3日に太平洋に向けてニューロンドンを出航し、真珠湾に到着後12日間在泊した。

[編集] 第1・第2の哨戒

4月11日、スヌークは最初の哨戒で東シナ海、黄海方面に向かった。4月30日に上海付近に機雷敷設を行い、その後は北上して黄海の中国沿岸を巡航した。5月5日、スヌークは北緯38度39分、東経122度48分の大連沖で2隻の貨物船を発見し追跡を行う。スヌークは2隻を夕方まで追跡し、3本の魚雷を発射。錦江丸（朝鮮郵船。1,264トン）を撃沈した。もう一隻の貨物船大福丸（大同海運。3,194トン）は錦江丸の運命を知らずに航行を続けたが、沈みゆく錦江丸の乗員がホイッスルを鳴らしたため敵の存在に気づく。大福丸は回避運動を始め、スヌークから発射された2本の魚雷を回避した。その後備砲の砲撃をもってスヌークを一旦は射程外に追いやる。スヌークは大福丸の頭を押さえる態勢を取り、3本の魚雷を発射。うち1発が船腹に命中し大福丸は北緯38度37分、東経122度38分の地点で沈没した。5月7日朝、スヌークは輸送船団を発見し接近。追いついて良い態勢を取ったスヌークは最初に魚雷4本を、5分後にさらに3本の魚雷を発射した。魚雷は東生丸（木原商船。4,363トン）に命中しこれを撃沈。また、他にも何隻かに損傷を与えたと判断された。5月13日および5月16日には、2隻の武装トロール船を破壊した。5月23日、スヌークは42日間の行動を終えてミッドウェー島に帰投した。
6月9日、スヌークは2回目の哨戒で南西諸島方面に向かった。6月24日朝、スヌークは北緯28度45分、東経127度3分の奄美大島近海で6隻の輸送船と2隻の護衛艦からなる輸送船団を発見。この船団でもっとも大きな船舶だった特務艦大瀬に向けて魚雷を2本発射。魚雷は大瀬の前部と油タンクに命中して大瀬を撃破した^[1]。攻撃後一旦は深く潜航し、やがて潜望鏡深度に戻って観測すると、大瀬が第38号哨戒艇護衛の下ノロノロと航行しているのが見えた。しかし、直後に航空機の制圧を受けて止めは刺せなかった。7月3日0時前に、スヌークは北緯28度29分、東経124度15分の地点で、レーダーで三池港から馬公に向かっていた172船団をとらえた。スヌークは船団を追跡の上、7月4日2時30分ごろに魚雷を6本発射。魚雷はりばぷうる丸（国際汽船。5,865トン）の左舷船尾に3本命中し、残りの魚雷も陸軍輸送船幸喜丸（橋本汽船。5,290トン）に2本命中。両船ともども沈没した。その後も攻撃を続け、3時40分ごろには、あとらんちっく丸（国際汽船。5,872トン）に向けて魚雷を4本発射し、1本が船尾に命中。あとらんちっく丸は航行不能に陥ったが、沈没は免れた。7月18日、スヌークは40日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。

[編集] 第3・第4・第5の哨戒

8月18日、スヌークは3回目の哨戒で東シナ海に向かった。途中、8月31日と9月1日には南鳥島を攻撃する機動部隊の支援任務に従事し、攻撃後は通常の哨戒に戻った。9月13日未明、スヌークは北緯31度10分、東経123度27分の地点で195船団を発見し、大和丸（日本郵船。9,655トン）に魚雷2本を命中させてこれを撃沈した。その後は北上して大連から出てくる日本船を狙い、9月22日には北緯39度0分、東経124度20分の地点で桂浜丸（土佐商船。715トン）を撃沈した。10月8日、スヌークは52日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。
10月、スヌークは4回目の哨戒でハーダー (USS Harder, SS-257)、パーゴ (USS Pargo, SS-264)とウルフパックを組んでマリアナ諸島方面に向かった。11月28日、スヌークはトラック諸島に向かっていた3123船団を発見し、23時55分ごろに山福丸（山下汽船。4,928トン）を撃沈。日付が変わった29日1時ごろと1時50分ごろに、志賀の浦丸（三菱汽船。3,512トン）に向けて魚雷を2度発射し、1本ずつ命中させて撃沈した。12月7日、スヌークは38日間の行動を終えてミッドウェー島に帰投し、真珠湾に回航された。
1944年1月6日、スヌークは5回目の哨戒で東シナ海に向かった。1月23日、スヌークは北緯30度6分、東経141度19分の小笠原諸島近海で特設砲艦まがね丸（日本海運。3,120トン）を撃沈。2月8日には、北緯31度6分、東経128度36分の草垣群島近海でモタ02船団を発見し、まず白根山丸（三井船舶。4,739トン）の船首に魚雷2本を命中させたが、白根山丸は沈没せず引き返していった。次いで22時20分ごろには、北緯31度5分、東経127度17分の地点で陸軍輸送船りま丸（日本郵船。6,989トン）に魚雷を3本命中させて撃沈した。2月14日には対馬海峡で日徳丸（中村汽船。3,591トン）を撃沈。翌15日にも巨済島沖で鴎丸（日本製鉄。875トン）を撃沈した^[2]。ミッドウェー島に帰投途中の2月23日には、北緯28度49分、東経141度13分の地点で香洋丸（東洋汽船。5,471トン）を撃沈した。3月6日、スヌークは60日間の行動を終えて真珠湾に帰投し、サンフランシスコのハンターズ・ポイント海軍造船所に回航されオーバーホールに入った。また、艦長がジョージ・H・ブローンに代わった。

[編集] 第6・第7・第8の哨戒

6月、スヌークは6回目の哨戒で日本近海に向かった。7月12日に2隻の貨物船に対して雷撃を行ったが取り逃がした。この哨戒では、この時以外にこれといった目標に遭遇しなかった。8月14日、スヌークは51日間の行動を終えてミッドウェー島に帰投した。
9月、スヌークは7回目の哨戒でルソン海峡方面に向かった。途中、9月25日にサイパン島に寄港し、整備の上10月4日に出航し担当海域に向かった。10月下旬には、スヌークはルソン海峡に近づきつつあった。この頃、ルソン海峡にはドラム (USS Drum, SS-228) 、アイスフィッシュ (USS Icefish, SS-367) ソーフィッシュ (USS Sawfish, SS-276) からなるウルフパックと、シャーク (USS Shark, SS-314)、シードラゴン (USS Seadragon, SS-194)、ブラックフィッシュ (USS Blackfish, SS-221) からなるウルフパックが張り付いており、日本艦隊や輸送船団の動向を監視していた。10月23日、折からの悪天候の中、スヌークと2つのウルフパックはマタ30船団が接近してくるのを確認した。23日夕方にソーフィッシュが元特設水上機母艦君川丸（川崎汽船。6,863トン）を撃沈したことに端を発した攻撃は乱戦となった。スヌークは24日0時過ぎに第一真盛丸（原商事。5,878トン）に向けて魚雷を発射し、1本を命中させたが、この時の被害は微々たるもので、第一真盛丸は依然航行を続けていた。3時10分には、タンカー菊水丸（拿捕船、元オランダ船イリス/三井船舶委託。3,887トン）に対して魚雷を2度にわたって発射。最初に発射した魚雷は1本が命中したが不発に終わり、2度目に発射した魚雷2本が命中し爆発。菊水丸を撃沈した。スヌークは12時25分ごろに再び第一真盛丸に対して魚雷を2本発射。2本とも命中して第一真盛丸は左舷に倒れて沈没した。スヌークは護衛艦の反撃をかわし、夕方17時30分に3番目の目標となる戦時標準船阿里山丸（三井船舶。6,886トン）を発見。5本の魚雷を発射した。阿里山丸はここまでに計7本もの魚雷を回避してきたが、スヌークがこの時発射した魚雷は回避できず、3本が命中して船体は3つに分断された。当時阿里山丸にはアメリカ軍捕虜約1,800名が乗せられていたが、日本や中華民国の漁船に救助された8名以外全員犠牲となった。この攻撃では、スヌークが3隻16,651トンと最も多くの戦果を挙げたが、シャークが反撃によりついに帰らなかった。11月3日に味方パイロットを救助した後、11月18日に60日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。
12月25日、スヌークは8回目の哨戒で千島列島方面に向かった。この哨戒の間、スヌークは2隻のソ連船および1隻の小型警備艇にしか遭遇せず、小型警備艇は直ちに破壊された。それ以外には敵と遭遇せず、1945年2月17日に54日間の行動を終えてグアム島アプラ港に帰投した。

[編集] 最後の哨戒

3月25日、スヌークは9回目の哨戒でバング (USS Bang, SS-385) 、バーフィッシュ (USS Burrfish, SS-312)とウルフパックを組んで東シナ海に向かった。しかし、出撃直後に故障が発生して一旦引き返し、3月28日に再度出撃した。スヌークは気象情報を送信する任務を続けた後、4月1日にティグロン (USS Tigrone, SS-419) と合流してパイロットの救助任務を命じられた。4月8日にスヌークは僚艦のティグロンにその位置を知らせた。翌日、ティグロンから通信が行われたがそれは受信されなかった。スヌークはルソン海峡に向かったことが考えられた。4月12日にスヌークは先島群島でイギリス軍空母の攻撃部隊を救助支援する任務を割り当てられていた。しかし4月20日、イギリス空母任務部隊の司令官は、艦載機がスヌークの担当海域に着水したが、スヌークとの通信は取れなかったと報告した。スヌークはその海域を偵察し、命令を確認することを命じられていた。スヌークからの通信がなかったため、バングがスヌークと接触するため同海域に送られた。バングは到着し、漂流中のパイロットを救助したものの、他の潜水艦を確認することはできなかった。5月16日にスヌークは喪失したものと推定され、ジョン・F・ウォーリング中佐以下84名の乗員は戦死したものとされた。
スヌークの喪失原因は不明である。一時期、伊56の雷撃が喪失原因とアメリカ側が記述したこともあったが、伊56は4月5日に撃沈されており、この説は今では無視されている。日本側の記録と照らし合わせると、第九五一航空隊の水上偵察機が4月9日に潜水艦を攻撃している記録と、4月14日に舟山列島付近で対潜戦闘を実施した海防艦の記録が、スヌークの喪失原因として有力視されている。しかしながら、どちらの攻撃がスヌークを葬ったかを断定するには至っていない。

スヌークはその2年半の現役任務の間に17隻の敵艦を撃沈した。スヌークは第二次世界大戦の戦功で7個の従軍星章を受章した。

[編集] 脚注

1. ^ 『佐世保鎮守府 大東亜戦争戦時日誌』およびThe Official Chronology of the U.S. Navy in World War II、伊達久「第二次大戦 日本海軍作戦年誌」による
2. ^ 『日本商船隊戦時遭難史』による。英文版や多くのアメリカ側記録では船名を"Hoshi Maru Number Two"としているが、『日本商船隊戦時遭難史』には記載がない。Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II"でも、船名は"Hoshi Maru No.2"となっているがトン数は875トンであり、情報が誤って伝えられた可能性もある

[編集] 関連項目

• アメリカ海軍艦艇一覧
• 第二次世界大戦中のアメリカ海軍の喪失艦一覧

[編集] 参考文献

• 佐世保鎮守府 大東亜戦争戦時日誌 自昭和十八年六月 至昭和十八年六月 （昭和18年6月1日～昭和18年6月30日　佐世保鎮守府戦時日誌（4））アジア歴史資料センター レファレンスコード：C08030345800
• 佐世保鎮守府 大東亜戦争戦時日誌 自昭和十九年二月 至昭和十九年二月 （昭和19年2月1日～昭和19年2月29日　佐世保鎮守府戦時日誌（3））アジア歴史資料センター レファレンスコード：C08030351800
• Theodore Roscoe "United States Submarine Operetions in World War II" Naval Institute press、ISBN 0-87021-731-3
• 財団法人海上労働協会編『復刻版 日本商船隊戦時遭難史』財団法人海上労働協会/成山堂書店、1962年/2007年、ISBN 978-4-425-30336-6
• Clay Blair,Jr. "Silent Victory The U.S.Submarine War Against Japan" Lippincott、1975年、ISBN 0-397-00753-1
• 駒宮真七郎『続・船舶砲兵』出版協同社、1981年
• 駒宮真七郎『戦時輸送船団史』出版協同社、1987年、ISBN 4-87970-047-9
• 木俣滋郎『敵潜水艦攻撃』朝日ソノラマ、1989年、ISBN 4-257-17218-5
• 伊達久「第二次大戦 日本海軍作戦年誌」『写真 日本の軍艦14 小艦艇II』光人社、1990年、ISBN 4-7698-0464-4
• 野間恒『商船が語る太平洋戦争 商船三井戦時船史』私家版、2004年

[編集] 外部リンク

• history.navy.mil: USS Snook
• navsource.org: USS Snook
• hazegray.org: USS Snook
• On Eternal Patrol: USS Snook

ガトー級潜水艦
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