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シャーク (SS-314) - Wikipedia

シャーク (SS-314)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

艦歴
発注:
起工: 1943年1月28日
進水: 1943年10月17日
就役: 1944年2月14日
退役:
除籍:
その後: 1944年10月24日に戦没
性能諸元
排水量: 1,526トン(水上)
2,424トン(水中)
全長: 307ft (93.6m)(水線長)
311ft 9in (95m)(全長)
全幅: 27 ft 3 in (8.31 m)
吃水: 16 ft 10 in (5.1 m)
潜航限界深度: 400ft (120m)
機関: ゼネラル・モーターズ278A
16気筒ディーゼルエンジン 4基
ゼネラル・エレクトリック発電機2基
最大速: 水上:20.25 ノット (37 km/h)
水中:8.75 ノット (16 km/h)
航続距離: 11,000カイリ(10ノット時)
(19 km/h 時に 20,000 km)
試験深度 400ft (120m)
巡航期間 潜航2ノット (4km/h) 時48時間、哨戒活動75日間
乗員: 士官6名、兵員60名
兵装: 5インチ砲1門、
21インチ魚雷発射管10門、
機銃4基

シャーク (USS Shark, SS-314) は、アメリカ海軍潜水艦バラオ級潜水艦の一隻。艦名はサメに因む。その名を持つ艦としては6隻目。

目次

[編集] 艦歴

シャークは1943年1月28日にコネチカット州グロトンエレクトリック・ボート社で起工した。1943年10月17日にアルバート・トマス夫人(テキサス州選出の議員アルバート・トマスの妻)によって命名、進水し、1944年2月14日に艦長E・N・ブレイクリー少佐の指揮下就役する。コネチカット州ニューロンドンでの整調後、シャークはパナマ運河を通過し4月24日に真珠湾に到着、ハワイ海域で最終訓練を行う。

[編集] 第1回哨戒

シャークの最初の哨戒は1944年5月16日に開始し、ピンタド (USS Pintado, SS-387) 、パイロットフィッシュ (USS Pilotfish, SS-386) と共にウルフパックを組み、マリアナ諸島西方で哨戒が行われた。6月2日の早朝にシャークは敵船団と遭遇した。この船団はサイパンから横須賀に向かっていた4530船団であり、8隻の各種貨物船と駆逐艦旗風以下の護衛艦艇で構成されていた。シャークはウラカス島西方海域で油槽船に対して魚雷を発射する。魚雷は油槽船を外れ、別の貨物船千代丸(栃木汽船、4,700トン)に命中、これを撃沈する。シャークは爆雷による反撃を回避し、哨戒を継続した。

6月4日、シャークは厳重に護衛された別の船団、3530船団を追跡する。攻撃位置へ移動したシャークの前方に駆逐艦が接近した。攻撃位置への移動に失敗したシャークは敵艦の左舷180ヤードを通過し、物資を満載した貨物船に対して15時29分ごろに4発の魚雷を発射した。この攻撃で勝川丸川崎汽船、6,886トン)を撃沈し、護衛艦からの攻撃を回避した後シャークは浮上して追跡を継続した。6月5日午後、船団に追いつき16時45分に6発の魚雷を発射、貨客船高岡丸日本郵船、7,006トン)は初弾を交わしたものの3本が命中し沈没、貨物船たまひめ丸(浜根汽船、3,080トン)も高岡丸被雷とほぼ同時刻に被雷し沈没した。シャークは護衛艦の攻撃を再び回避し、真夜中近くに浮上したが、船団に追いつくことはできなかった。その後の哨戒は戦果無く、6月17日にミッドウェー島に帰還、修理を行う。

[編集] 第2回哨戒

シャークは7月10日に2回目の哨戒に出撃し、火山列島小笠原諸島水域に向かう。7月19日にシャークは敵船団に対して4発の魚雷を発射するが、船団は鋭く方向を変え、魚雷は命中しなかった。8月1日、シャークは再び船団と遭遇、攻撃位置に移動したが、3隻の護衛艦による攻撃のため船団への攻撃を行うことはできなかった。その日の午後、シャークは硫黄島へ向かい、空母艦載機部隊の救助巡航任務に当たる。

8月4日の午後にシャークは、レキシントン (USS Lexington, CV-16) 所属の墜落した雷撃機のパイロット2名を救出した。シャークは8月19日に救助任務を完了し、ミッドウェー島経由で10日後に真珠湾に到着した。

[編集] 第3回哨戒

シャークはシードラゴン (USS Seadragon, SS-194) 、ブラックフィッシュ (USS Blackfish, SS-221) と共に3度目の哨戒に出撃する。3隻の艦長の中でシャークのブレイクリー少佐が再先任だったので、シャークがリーダーとなった。途中サイパンに立ち寄り、ドラム (USS Drum, SS-228) 、ソーフィッシュ (USS Sawfish, SS-276) 、アイスフィッシュ (USS Icefish, SS-367) とスヌーク (USS Snook, SS-279) の4隻で構成された別のウルフパックと合流した。10月23日、2つのウルフパックはルソン島北端ボヘヤドール岬の西方海域で大船団を発見する。これはマニラを10月20日に出航し高雄に向かっていたマタ30船団で、指揮艦である駆逐艦春風の名前を取って別名「春風船団」と呼称されていた。23日17時30分のソーフィッシュによる君川丸(川崎汽船、6,863トン)撃沈によって攻撃が開始されたが、この一連の戦闘の最中、シャークはルソン海峡付近で消息を絶つ。10月24日、シードラゴンはシャークから、貨物船と遭遇し攻撃に入るとの通信を受信する。これがシャークからの最後の通信となり、その後の通信の試みは全て失敗した。11月27日にシャークの喪失が報告された。

戦後に調査された日本軍の記録では、10月24日未明にルソン海峡で春風が自艦の真横約1,500メートルの位置に潜水艦と接触し17発の爆雷攻撃を行ったとある。春風は更に5時42分ごろにも右舷前方約1,700メートルに探知された潜水艦に対し17発の爆雷攻撃を行い「気泡、重油、衣類と破片」が水面に浮上したと報告した。

シャークは第二次世界大戦の戦功で1個の従軍星章を受章した。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 駒宮真七郎『続・船舶砲兵』出版共同社、1981年
  • 駒宮真七郎『戦時輸送船団史』出版共同社、1986年
  • 木俣滋郎『敵潜水艦攻撃』朝日ソノラマ、1989年

[編集] 外部リンク

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