セネガル
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- セネガル共和国
- République du Sénégal
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(国旗) (国章) - 国の標語 : Un Peuple, Un But, Une Foi
(仏語: 1つの国民、1つの目標、1つの信念) - 国歌 : Pincez Tous vos Koras, Frappez les Balafons
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公用語 フランス語 首都 ダカール 最大の都市 ダカール 独立
- 日付フランスより
1960年4月4日通貨 CFAフラン(XOF) 時間帯 UTC 0(DST: なし) ccTLD SN 国際電話番号 221
セネガル(フランス語:Sénégal)、正式国名:セネガル共和国(République du Sénégal)は、西アフリカ、サハラ砂漠西南端に位置し大西洋に面する国。モーリタニア、マリ、ギニア、ギニアビサウと国境を接し、ガンビアを囲んでいる。首都ダカールは、パリ・ダカール・ラリーの終着点として知られている。
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[編集] 国名
正式名称はフランス語で、République du Sénégal(レピュブリック・デュ・セネガル)。通称、Sénégal。
日本語の表記は、セネガル共和国。通称、セネガル。
[編集] 歴史
マリ帝国(1240年-1473年)勢力のもと、14世紀 - 16世紀ウォロフ族のジョロフ王国などの勢力が台頭した。
1815年のウィーン会議でフランスの植民地とされ、ダカールなどの都市、ダカール港、サンルイ - ダカール間鉄道などの建設を進めた。1848年、奴隷貿易禁止。
1895年にはフランス領西アフリカに編入されダカールがその中心地となった。1904年フランスが全土を支配下に。1926年、サン・テグジュペリがダカール - トゥールーズ間の飛行士に。1958年11月自治国となり、1959年4月にフランス領スーダンの現マリ共和国部分とマリ連邦を結成した。
1960年4月4日マリ連邦としてフランスから独立し、8月20日にはマリ連邦から分離しセネガル共和国として単独国家となった。9月6日セネガル社会党 (PSS) のレオポルド・セダール・サンゴールが初代大統領に就任、親フランスの穏健改革路線で1980年12月31日まで長期政権を維持した。
1981年1月1日アブドゥ・ディウフ首相が第2代大統領に。1982年2月、ガンビアとセネガンビア国家連合を発足させたが、フランス領であったセネガルとイギリス領であったガンビアの体制の違い、主権問題、経済格差などの問題で対立し1989年9月に国家連合を解消した。ディウフ大統領は1983年、1988年、1993年の大統領選で勝利。
しかし2000年3月19日の大統領選決選投票でセネガル民主党 (PDS) のアブドゥライ・ワッド党首が当選(4月1日就任)。4月5日ワッド大統領はディウフ政権で外相などを務めたムスタファ・ニアスを首相に任命(連立政権)。
2001年1月7日、新憲法案が国民投票で承認され、大統領任期を7年から5年に短縮、議会を一院制とし議席数も140から120に削減、さらに女性の土地所有権も認められた。国民議会選挙をめぐって連立与党内での対立が発生し3月3日、ワッド大統領はニアス首相を解任、後任にマーム・マジョル・ボイを任命し、同国初の女性首相が誕生。4月29日の立法議会選挙でセネガル民主党 (PDS) などの政党連合「変革」が120議席中89議席を獲得、進歩勢力同盟 (AFP) は11議席、セネガル社会党 (PSS) は10議席、民主刷新連合 (URD) は3議席を獲得。
2002年5月の地方議会選挙でも、与党連合 (CAP21) が安定した勝利を収めた。これにより、大統領選挙、国民議会選挙に続き、ワッド大統領はセネガル国民からの支持を三度にわたって獲得し、1960年以来40年間続いた社会党政権からの政権交代を完了させ、国内政治を運営する上で安定した政権基盤を築いた。9月26日、ガンビア沖でフェリージョラ号が転覆。事故調査委員会は乗員乗客1,220人のうち、1,053人が死亡したと伝えた。軍が現場に船や飛行機を派遣したのが事故発生から12時間後であり、さらにフェリーは定員550人を大幅にオーバーし、設計も湖での航行用だったため、サンボ国防相とサコ設備・運輸相が10月1日に責任を取り辞任。ワッド大統領は11月4日ボイ首相以下全閣僚の解任を発表。PDSのイドリサ・セック副党首が首相に。
セック首相はワッド大統領の有力な後継者と見られていたものの2004年4月21日解任され、マッキー・サル内務大臣が首相に就任。同年12月10日、死刑制度廃止。同年12月30日、カザマンス和平協定締結。
1996年、台湾と国交を回復するも、2005年に中国と国交を回復。 2007年2月25日の大統領選挙でPDSのワッドが再び選ばれた。
[編集] 政治
- 政治体制:共和制
- 大統領:アブドゥライ・ワッド(Abdoulaye Wade、2000年4月1日就任、任期5年、セネガル民主党)
- 首相:シェイク・アジブゥー・スマレ(Cheikh Hadjibou Soumaré、2007年6月19日就任)
- 議会:一院制(国民議会、120議席、議員任期5年)
- 主要政党:セネガル民主党(PDS)、進歩勢力同盟(AFP)、セネガル社会党(PSS)、民主刷新連合(URD)
[編集] カザマンス紛争
ギニアビサウとの国境地帯にあるカザマンス地方の分離独立を進めるカザマンス民主勢力運動 (MFDC, Mouvement des Forces Démocratiques de la Casamance ) が、ギニアビサウを根拠地に反政府武装闘争を開始。1998年MFDCと政府がガンビアの仲介で和平交渉に入り、1999年12月双方が停戦合意。2001年3月、停戦の再確認や捕虜解放など5項目の和平協定に調印した。しかしその後もMFDCとみられる武装集団による略奪・襲撃事件が頻発し、2002年1月中旬にはニアン内相がMFDCの指導者と会談。2003年、MFDC事務総長シーディー・バッジ (Sidhi Badji) が死去。和平交渉は継続。2004年12月30日、アブドゥライ・ワッド大統領とMFDC事務総長オーギュスタン・ジャマクヌ・サンゴール (Augustin Diamacoune Senghor) の間で和平合意。しかし、MFDCの強硬派の一派であるサリフ・サージョの部隊による襲撃事件等が2006年になってからも頻発しており、また、3月から4月にかけ、ギニアビサウ国境地域でギニアビサウ軍との戰闘が繰り広げられるなど、当地方の政治情勢は依然不透明な状況にある。日本国外務省の渡航情報では渡航延期勧告が継続中。
[編集] 地方行政区分
[編集] 地理
セネガルはアフリカ大陸の西部に位置する。セネガルの景観は、主に西サヘル特有の砂ぼこりが多く乾燥した平原地帯で占められる。セネガルの標高最高ポイントは南東部のネパン・ジャハ(581 m)。北部のモーリタニア国境はセネガル川で区切られ、その他ガンビアとの国境はガンビア川(中部)、カザマンス地方にはカザマンス川(南部)がある。首都ダカールは、ヴェルデ岬半島に位置し、アフリカ大陸西端ポイントを擁する。
気候は、熱帯乾燥気候であり、冬の北東からの季節風と夏の南西からの季節風により、季節は乾季と雨季で構成される。平均的にダカールでの雨季は6月から10月で平均最高気温は27℃。ただし、内陸部の気温は沿岸部よりはるかに高く40℃に達することもある。乾季の12月から2月の平均最低気温は17℃。4月から5月にサハラ砂漠から吹きつけるハルマッタンは高温で乾燥しており人々を悩ませる。また、降雨量は南部地域においては多い都市もあり、年間降雨量1,500 mmに達する地域もある。
[編集] 世界遺産
- ゴレ島 - (1978年、文化遺産)
- ニオコロ・コバ国立公園 - (1981年、自然遺産)
- ジュッジ鳥類国立公園 - (1981年、自然遺産)
- サン=ルイ島 - (2000年、文化遺産)
- セネガンビアの環状列石(ガンビアと共有) - (2006年、文化遺産)
[編集] 経済
農業(ピーナッツ、トウジンビエ、綿花、米)、漁業(マグロ、タコ、イカ、かつお、えび)、鉱業(リン鉱石)、工業が主要産業。他の西アフリカ諸国と比べると工業も発達。貿易赤字や累積対外債務に苦しむが、国際通貨基金 (IMF) と世界銀行が8億ドルの対セネガル債権の免除を発表。
西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)の本部がダカールにおかれる。
西アフリカ諸国経済共同体 (ECOWAS)の主要メンバー。
[編集] 軍事
選抜徴兵制。兵役2年。陸軍8,000人、海軍600人、空軍800人、憲兵隊5,800人。フランス軍が駐留。2002年の国防予算は6,700万ドル。
[編集] 国民
[編集] 民族
ウォロフ族43%、セレール族15%、プル族14%、トゥクロール族10%、ジョラ族4%、マンディンカ族3%、ソニンケ族1%、ヨーロッパ人及びレバノン人1%、その他。
[編集] 言語
フランス語が公用語で公文書、公教育の場で使われる。 現地語として、ウォロフ語、セレール語、プル語、ジョラ語など各民族言語がある。
[編集] 宗教
[編集] 文化
[編集] 音楽
セネガルの伝統的音楽家家系グリオがジャンベ、サバール、コラ、タマなどを操る伝統音楽、ユッスー・ンドゥール、その妹ヴィヴィアンヌ・ンドゥール、オマル・ペンなどが活躍するポピュラー音楽などが盛んである。
[編集] スポーツ
詳細はセネガルのスポーツを参照
2002年のサッカー・ワールドカップに出場したことで知られるサッカー好きの国民。 セネガルの伝統的相撲ランブ・ジも盛ん。バスケットボールもアフリカ屈指の強豪であり、日本にもバスケ留学生が多くいる他、代表クラスの選手もbjリーグでプレーしている。
[編集] 食文化
セネガルの主要食物は米であるが、一部地域ではトウジンビエやキャッサバなども主食とされている。 セネガル料理はアフリカ料理の中でも特に洗練されていると定評があり、他のアフリカ諸国においても多くのセネガル料理店が見られるほど、セネガル料理は人気が高い。肉、魚、野菜などの具材をスープで煮こんだのち、同じスープで米を炊きこむベンヌチン(1つ鍋)と、白米のうえに、野菜などを煮込んだソースをかけるニャーリチン(2つ鍋) とに大別される。代表的なベンヌチン料理にはチェブジェン、チェブヤップなどがあり、ニャーリチン料理にはヤッサ、マフェ、スープカンジャ、ンボロヘなどがある。
[編集] 休日
- 以下のほかにも、イスラム暦による祝日がある。
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
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1月1日 | 元日 | Jour de l'an | |
ヒジュラ暦第12月10日から | タバスキ | Tabaski | 2005年は1月21日 |
4月4日 | 独立記念日 | Fête de l'indépendance | |
春分の日以降の満月の 次の月曜日 |
復活祭 | Pâques | 変動あり |
5月1日 | メーデー | Fête du Travail | |
復活祭から40日後 | 主の昇天 | Ascension | |
復活祭から50日後 | 聖霊降臨 | Pentecôte | |
8月15日 | 聖母被昇天 | Assomption | |
11月1日 | 諸聖人の日 | Toussaint | 全ての聖人と殉教者を記念する日 |
12月25日 | クリスマス | Noël | イエス・キリスト生誕 |
ヒジュラ暦第3月12日 | 預言者生誕祭 | Mouloud | 預言者ムハンマドのヒジュラ暦による誕生日 |
ヒジュラ暦第9月1日から | ラマダーン | Ramadan |
[編集] 関連項目
- セネガル人の一覧
- セネガル関係記事の一覧
- 在日セネガル人
- ダカール・ニジェール鉄道
[編集] 外部リンク
[編集] 公式
- セネガル政府 (フランス語)
[編集] その他
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その他 | ソマリランド | 西サハラ |
地域 | イギリス:セントヘレナ | フランス:マヨット - レユニオン |
「その他」は国家の承認を得る国が少ない、または無い国、あるいは独立主張をしている国。国際連合非加盟。事実上独立した地域一覧も参照。
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