キャッサバ
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?キャッサバ | ||||||||||||||||||||||||
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キャッサバ |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Manihot esculenta Crantz |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
イモノキ(芋の木) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Cassava |
キャッサバ(学名:Manihot esculenta)は、トウダイグサ目トウダイグサ科イモノキ属の熱帯低木。マニオク、マンジョカとも呼ばれる。
芋はタピオカの原料であり、世界中の熱帯にて栽培される。葉は5~10小葉からなり、茎は垂直に立ち上がる。茎の根元にはゆるい同心円を描いて数本の芋(根)が付く。芋は両端が尖った細長い形状である。
目次 |
[編集] 特徴
栽培はとても簡単である。茎を地中に挿すだけで発根し、そのまま生育する。
作付面積あたりのカロリー生産量はあらゆるイモ類、穀類より多くデンプン質の生産効率は高い。しかし食用とするためには毒抜き処理が必要なことや、毒抜きのために皮や芯を除去した芋はその場で加工しなければ腐ってしまうなど、利用の制約が大きい作物でもある。利用範囲は広く、葉を発酵させて毒抜きし飼料として利用したり、アルコール発酵によりバイオ燃料を製造するなどの用途も注目を浴びている。農作物としてみれば、悪環境下(乾燥地、酸性土壌、貧栄養土壌)でも生育可能など、これまで農地とされなかった場所での栽培ができ、「食糧問題」や「温暖化問題」の解決への期待が大きい。[1]
なお、熱帯の都市では緑地帯の植え込みにも利用され、室内での観葉植物としても利用価値がある。観賞用の斑入りの葉の品種もある。
[編集] 品種
大きく分けて、苦味種と甘味種がある。 苦味種は、シアン化合物を多く含むが、大きな塊根をつくるため、デンプン製造用として栽培される。 甘味種は、外皮にシアン化合物を含むが、蒸かしたり茹でたりすることで、食用にされる。味と食感は甘味の少ないサツマイモに似ている。
[編集] 生産
2002年時点の全世界の生産量は1億8000万トンで、ヒトの食料用のデンプン源作物としては世界第三位である。州別ではアフリカ州が1/2強、アジア州が1/4強を占め、残りが南アメリカ州である。
上位10カ国の気候区分はほとんどがケッペンの気候区分でいう熱帯のサバナ気候 (Aw) 、インドネシアのみ熱帯雨林気候 (Aw) である。アンゴラ南部のように温暖冬季少雨気候 (Cw) の地域では栽培されていない。
他のイモ類と比較すると、同年におけるジャガイモの全世界生産量は3億1000万トン、サツマイモは1億4000万トン、ヤムイモは4000万トン、タロイモは900万トンである(以上の統計数値は、FAO Production Yearbook 2002による)
[編集] 歴史
現在栽培されているキャッサバの原型となったことがわかっているM. e. flabellifolia亜種の分布は中央ブラジル西部を中心としており、ここで少なくとも1万年前には栽培が始まった[2]。しかし種全体としてはブラジル南部とパラグアイのあたりで発生したらしい。現存するキャッサバの全ては栽培種を祖先としている。メキシコ、タバスコ州のサンアンドレス遺跡から出土したキャッサバの花粉から、6600年前までにはそこでキャッサバが生育していたことがわかっている[3]。現存する最も古いキャッサバ栽培の証拠は、エルサルバドルにある1400年前のマヤ遺跡ホヤ・デ・セレンで見つかった[4]。食料用の作物としての有用性から、スペインによるアメリカ大陸の植民地化が始まる15世紀末までには南アメリカ北部、中央アメリカ南部、西インド諸島の人々の主食となっており、モチェ文化の鐙型注口土器など、コロンブス以前に作られた工芸品のモチーフともされた。スペイン人とポルトガル人による植民地化後も栽培が続けられた。
17世紀に奴隷貿易が盛んになると、アフリカから新大陸までの月単位を要する輸送期間、奴隷を船内で生かしておく必要があった。ブラジルを支配していたポルトガル人は栽培が容易なキャッサバを奴隷貿易用の食料として採用し、アフリカを中心に全世界に広めた。日系移民が米の栽培に成功するまでの長い間、ブラジル人の主食といえばマンジョカだった。現在でもブラジル人の食生活には欠かせない食材である。
また、ブラジル以外の南米諸国ではユカと呼ばれ、アマゾン川流域を中心に重要な食材となっている。
[編集] 加工
[編集] 毒抜き
有毒品種を含むキャッサバを安全に食べるために様々な方法があり、5つに大別される。
- 毒性が低い品種を選ぶ
- 水溶性である青酸配糖体を水に溶かして除く。
- 青酸配糖体をキャッサバの細胞内酵素で分解
- 青酸配糖体を微生物がもつ酵素で分解
- 青酸配糖体を加熱により半分以下にする
そのうち 1. は甘味種の有毒な皮や芯を除くやり方で、生食されることも多い。またここでは 5. は除毒法として不完全なので扱わない。2. はアフリカの熱帯域で見られるやり方で、芋を加熱してから小さく切り水にさらす方法である。南米では 3. がよく見られ、生芋をすり潰して一晩おき絞って除毒する。現在工業的な除毒法としても、伝統的な方法としても多く利用されているのは 4. である。好気発酵や嫌気発酵によって除毒するのだが、多種多様なやり方が知られている。[5]
[編集] 料理
キャッサバが栽培されている地域では、甘味種は根菜として扱われている。調理法は蒸す、茹でる、揚げるなど。薄くスライスしたキャッサバを揚げて、キャッサバチップスも作られる。ブラジルでは、キャッサバの粉をバターで炒めたファロファ(farofa)を肉料理のつけあわせによく添える。
また、キャッサバの粉を用いたパン(例:ブラジルのポン・デ・ケイジョ、ボリビアのクニャペやパラグアイのチパ)など、キャッサバ粉を用いた料理が庶民の食べ物として親しまれている。
[編集] cDNAライブラリ
理化学研究所の櫻井らはキャッサバをつかった実験により10,577種類のcDNAからなるcDNAライブラリを作成した。これは、さざまな環境ストレスを与えたキャッサバから19,968種類のcDNAを単離し、その中から同定されたものである。ライブラリの中で4,621種類のcDNAはそれまでキャッサバでは知られていなかったcDNAで、環境ストレスを与えられたことにより獲得したものと考えられた[6][1]。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ a b 世界最大規模:キャッサバ(タピオカ)完全長cDNA約11,000種を同定
- ^ Olsen, Kenneth M.; Schaal, Barbara A. (1999) "Evidence on the origin of cassava: Phylogeography of Manihot esculenta" in Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS), Vol. 96, Issue 10, p. 5587 & 5590.
- ^ Pope, Kevin; Pohl, Mary E. D.; Jones, John G.; Lentz, David L.; von Nagy, Christopher; Vega, Francisco J.; Quitmyer Irvy R.; "Origin and Environmental Setting of Ancient Agriculture in the Lowlands of Mesoamerica", Science, 18 May 2001:Vol. 292. no. 5520, pp. 1370 - 1373.
- ^ University of Colorado at Boulder, (2007) "CU-Boulder Archaeology Team Discovers First Ancient Manioc Fields In Americas", press release August 20, 2007, accessed August 29, 2007.
- ^ 安渓貴子, 2006, アフリカでのキャッサバの食べ方 —毒抜き法の体系的理解のために, 生態人類学会ニュースレター, No12
- ^ Sakurai, T.; Plata, G.; Rodriguez-Zapata, F.; Seki, M.; Salcedo, A.; Toyoda, A.; Ishiwata, A.; Tohme, J.; Sakaki, Y.; Shinozaki, K.; Ishitani, M. BMC Plant Biology 2007, 7. DOI: 10.1186/1471-2229-7-66
[編集] 外部リンク
- 植物遺伝子材料カタログ理研 BRC 実験植物開発室
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- キャッサバ完全長cDNAクローンソース情報(Manihot esculenta Crantz)RIKEN BRC Experimental Plant Div データ提供:理研植物科学研究センター