四国
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四国地方 | ||
4県の合計 | ||
面積 | 18,803.87km² | |
総人口 | 4,128,476人 (2006年3月31日) |
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人口密度 | 219.55人/km² (2006年3月31日) |
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位置 | ||
四国 | |
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面積 | 18,299.04km² |
最高標高 | 1982m |
所属国・地域 | 日本 |
四国(しこく)は、日本列島を構成する島の一つ。本土四島の中では最小。五畿七道の南海道のうち、紀伊国と淡路国を除いた阿波国・讃岐国・伊予国・土佐国の4つの令制国が存在したことから、近世以降は「四国」と呼ばれた。今日では、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の4つの県で構成されている。
陰徳(太平)記序に、山陰山陽四国九州と記載ある。
四国本土と付属島(小豆島、大三島、大島、中島、伯方島など)で「四国地方」を成す。「四国」と言った場合、通常は「四国地方」を意味するため、島について述べる場合には「四国本土」や、便宜的に「四国島」と呼ぶこともある。
四国地方を構成する4県(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)は、島内交流と合わせて、本州との交流も盛んである。東部の徳島県は政治・経済・文化において近畿地方の影響を受けており、北東部の香川県は文化・経済の両面で岡山県との繋がりが深く、北西部の愛媛県は広島県や九州の大分県との交流が見られる。
古代においては伊予之二名島(伊予二名洲、いよのふたなのしま、いよのふたなしま)または単に伊予島(伊予洲、いよのしま、いよしま)、二名島(二名洲、ふたなのしま、ふたなしま)と呼んだ。「フタナ」は二並びの意。
目次 |
[編集] 地理
約1900万年前の日本列島の誕生に伴い四国の前身が誕生した。瀬戸内海を挟んで、近畿地方、山陽地方、九州に三方を囲まれた位置にある。島の中部には、各県を分断する様な形で四国山地や讃岐山脈の山々がそびえており、この地形が近年まで各地域間の交流を困難にしていた。
中央構造線が吉野川北岸から佐田岬半島にかけて東西に貫いている。構造線以北の内帯(西南日本内帯)に当たる地方では、中生層・古生層とこれを貫く火成岩が分布している。構造線以南の外帯(西南日本外帯)に当たる地方では、北側から南側にかけて中生層・古生層が形成された順に配列している。
最高地点は石鎚山の天狗岳(愛媛県)。大陸を除く島の中で世界で49位の面積がある。
[編集] 周囲の海
[編集] 主な岬
- 蒲生田岬(四国最東端):徳島県阿南市
- 佐田岬(四国最西端):愛媛県西宇和郡伊方町
- 室戸岬(東側で最も南に張り出している):高知県室戸市
- 足摺岬(四国最南端):高知県土佐清水市
- 竹居観音岬(四国最北端):香川県高松市
[編集] 山地・山岳
[編集] 河川・湖沼
[編集] 平野・高原
- 徳島平野:徳島県
- 那賀川平野(阿南平野):徳島県
- 讃岐平野:香川県
- 松山平野:愛媛県
- 新居浜平野:愛媛県
- 高知平野:高知県
- 大川原高原:徳島県
- 塩塚高原:徳島県・愛媛県
- 久万高原:愛媛県
- 五段高原:愛媛県・高知県
- 天狗高原:愛媛県・高知県
[編集] 気候
四国の気候条件は、四国山地を境に南と北とで大きく異なる。
[編集] 瀬戸内地方
徳島県の一部、香川県全域、愛媛県東予地方、中予地方の、瀬戸内海に面した北側は、瀬戸内海式気候に属する温暖寡雨な気候であり、台風等の直撃も比較的少ない。その為にオリーブやミカンの栽培が盛んである。その反面、大規模な河川は太平洋や紀伊水道に流れ込む形となっているため、水資源に恵まれず、過去幾度かの渇水に見舞われてきた。このため、満濃池を初めとするため池が多数造られている。その中でも特に、香川県は古来から水不足に悩まされ続けており、渇水対策として吉野川の水を送水する為の香川用水が建設された程である。
[編集] 太平洋側
徳島県のほぼ全域、愛媛県南予地方、高知県全域の、太平洋に面した南側は、太平洋側気候に属している。太平洋沖合を流れる黒潮の影響を受けて、温暖であり、本土で最初の桜の開花宣言が高知市又は宇和島市となることも少なくない。それ故に、特に高知県では促成栽培が盛んであったり、プロ野球チームのキャンプ地になったりと、温暖な気候を生かした産業や行事が発達している。
年間降水量が多いことから林業も盛んであるが、一方で高知県全域及び徳島県南部では、台風の来襲や集中豪雨も多い。この為、室戸台風などの大型台風が直撃し、洪水などの被害を受けている。
[編集] 歴史
[編集] 古代
四国は、畿内から南西側に位置しており、海路で移動する為に、五畿七道では南紀や淡路島と一緒に南海道に含まれていた。又、海路での移動と、四国山地の険しさから、伊予国と土佐国は流刑地にされていた。
[編集] 中世
平氏が都落ちした際、安徳天皇を擁して屋島を一時的な本拠地としていた。
戦国時代の四国の大名としては、三好の三好長慶や、中村の土佐一条氏や、土佐国の長宗我部元親がいた。三好長慶は、阿波国から山城国に渡る8国を支配圏に収めて、短期政権を握っていた。特に、土佐一条氏の本拠地があった現高知県中村市は、「土佐の小京都」とも呼ばれていた。
[編集] 近世
江戸時代になると、それまで四国各地を治めていた戦国大名は追放され、本州各地から戦国大名が転入して、大小多様な藩(地方王国)を樹立した。四国の代表的な藩には、阿波国と淡路島を領土とする蜂須賀氏の徳島藩、水戸徳川家の分家が治める高松藩、山内氏が治める土佐藩、仙台伊達氏の分家が治める宇和島藩などが分立していた。
[編集] 経済
- 四国の経済は、4県合わせて「3%経済」と呼ばれているように、全国に占める経済規模は3%に満たない[要出典]。4県のGDPはフィンランドと同規模。
- 徳島県は近畿地方と、香川県は岡山県と、愛媛県は広島県との経済活動も多い。特に徳島県沿岸部は、日常的に京阪神との経済交流が盛んであり、影響が大きい。
- 四国瀬戸内海側は太平洋ベルト地帯に位置しており、坂出市、丸亀市、四国中央市、新居浜市、西条市、今治市及び松山市などを中心に、瀬戸内工業地域が形成されている。
- 徳島市と西条市は、新産業都市建設促進法に基づいて指定される新産業都市(工業開発の拠点地域)であった。
- 高知県は特に交流が活発な地域はない。
- 四国に本店を置く地方銀行・第二地方銀行は法人向けインターネットバンキング及びコンビニATMに消極的であった。徳島銀行が最初に法人向けインターネットバンキングを開始後は、香川県以外では2006年に入って導入が相次いだ。四国銀行が個人向けインターネットバンキングを2006年1月16日にフルサービス化し、法人向けも同年8月に開始した。四国銀行のサービス開始により、香川県は全国で唯一の法人向けインターネットバンキング不毛地帯となってしまった。香川県では百十四銀行が完全に否定的で、香川銀行も百十四銀行が筆頭株主のため導入できない状態である。コンビニATMは2007年1月現在、自行独自のATMをローソン内に置いている徳島の阿波銀行と香川県内に岡山の中国銀行管理のローソンATMが少数、イーネット(提携先は同じく中国銀行)がファミリーマート全店置いたのみである。
[編集] 地域
四国には突出して大きな都市が無く、地形的制約から各県に独立した都市圏が存在する。又、古くから海上交通が盛んであったため、各地ともに対岸との交流も盛んである。かつては、「徳島は近畿(阪・神)を向き、高松は岡山を向き、松山は広島を向き、そして高知は太平洋(または東京)を向いている。」と言われ、「四国は一つ一つ」などと風刺されることもあった。
特に徳島県の沿岸部は、近畿地方瀬戸内海側(大阪市・神戸市・淡路島など)との交流が盛んであり、政治・経済・文化共に近畿地方との結び付きも強い。徳島県以外の3県が、東京を中心に観光や農産物の宣伝を行っているのに対して、徳島県は京阪神を中心に宣伝を行っていたり、京阪神の市場では、徳島県産の農産物の占める割合が極めて高い。又、徳島県は、近畿ブロック知事会、近畿高等学校総合文化祭(近畿高文祭)、関西元気文化圏などにも参加し、広域圏としての近畿地方にも加わっている。一方で観光ガイドには、淡路島(兵庫県)が、近畿地方ではなく四国の観光ガイドに掲載されるものもある。
四国島内の交流に関しては、高速道路のエックスハイウェイ化以後は四国アイランドリーグの発足などによって、より一体感を強める傾向にあり、各県それぞれの歴史や役割を生かした連携を深める段階に入っている。今後、四国4県が一つの地域として一体となった文化・経済活動や観光誘致が進んでいくと予想されている。
四国地方を便宜的に2つの地域に分ける場合がある。
ちなみに四国の認知度は決して高いとは言えない。他地域(主に関東地方)で調査したら、四国各県の名前や位置がバラバラだったり、最悪対岸の県(岡山や和歌山など)が四国地方と勘違いされている。そのためテレビのバラエティ・クイズ番組でよく取り上げられることがある。
[編集] 都市圏
その他、東瀬戸経済圏(瀬戸内をはさむ地域を経済的に一体としてみる統計上の呼称)などがある。
[編集] 主要都市
四国には飛びぬけて大きな都市はないが、4つの県庁所在地に人口がある程度集中している。この他にあまり大きな市は無く、人口10万人を超える市ですら長らく新居浜市と今治市の2つしかなかった。
平成の大合併の結果、松山市が50万人、高松市が40万人の大台に乗り、新たに西条市と丸亀市が10万人を超えた。また、今治市も17万人に増大した。しかし、人口は松山市と丸亀市が微増傾向にあるものの、この他の都市は横ばいかむしろ減少している。
「四国に政令指定都市を」という声もあるが、人口70万人を突破するためには、松山市は隣接しているとはいえ中心市街地の離れている今治市と、高松市にいたっては周り全てとの合併が必要であり現実的ではない。
- 松山市(52万人・愛媛県・県庁所在地・中核市)
- 高松市(42万人・香川県・県庁所在地・中核市)
- 高知市(33万人・高知県・県庁所在地・中核市)
- 徳島市(26万人・徳島県・県庁所在地・特例市)
- 今治市(17万人・愛媛県)
- 新居浜市(12万人・愛媛県)
- 西条市(11万人・愛媛県)
- 丸亀市(11万人・香川県)
- 四国中央市(9万人・愛媛県)
- 宇和島市(9万人・愛媛県)
人口上位10市、人口順、2007年11月
[編集] 各県の表示順
各県の表示順は以下のようにさまざまな表示順が存在する。(当事典では地方公共団体コードの表示順を使用)
- 全国地方公共団体コードでの表記。これが専ら公式に用いられる。
- 徳島県(36)、香川県(37)、愛媛県(38)、高知県(39)の順。
- 宇高連絡船開設以降、長年に渡って香川県が四国の玄関口であったという理由で、香川始まりの表記
- 香川県、徳島県、高知県、愛媛県の順。- 時計回り
- 香川県、愛媛県、高知県、徳島県の順。- 反時計回り(エヌ・ティ・ティ・ドコモ四国など)
- 香川県、徳島県、愛媛県、高知県の順。- 北から
- 香川県、愛媛県、徳島県、高知県の順。- 北からを意図したが、愛媛県と徳島県の位置関係を誤解したのかもしれない。
- 4県庁所在地の人口規模順
- 愛媛県、香川県、高知県、徳島県の順。
- その他
- 愛媛県、香川県、徳島県、高知県の順。- 時計回り(NHK松山放送局の天気予報)
[編集] 四国の「中心」
高松市と松山市の間では以前から「四国の中心都市」という座を巡って論争が繰り返されているが、特に近年は道州制に伴う州都(道都。以下では「道都」と表記する)の誘致に関連した論争が激化している。以下の都市がそれぞれ中心とされ、競合している。(→四国の道州制論議、日本の道州制論議)
四国の中央 | |
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徳島県 三好市 |
昔から交通の要衝であった事から「四国のへそ」と呼ばれる。三好市池田町を縦断する吉野川には、それにちなんだ名称の橋が架かっている(池田へそっ湖大橋、四国中央橋など)。三好市山城町では、高知県から流れてきた吉野川に、愛媛県から流れて来た銅山川が合流する。昭和初期にはタバコ産業で繁栄しており、四国を代表する都市の一つであった。 |
愛媛県 四国中央市 |
四国4県庁所在地を結ぶ高速道路網・エックスハイウェイのX字が交差する位置に当たる点、徳島と松山から等距離に位置する点、また合併当時、愛媛県を含む4県と接する唯一の自治体であった点から、合併の際に命名された(三好市も同様に四国4県と接する自治体である)。将来、道州制が施行された際の道都を目指している。 |
四国の玄関 | |
香川県 高松市 |
本州と最短距離に位置することや、かつて宇高連絡船が運航していたことから、現在でも多くの官庁の地方支分部局(四国を管轄する出先機関)や大企業の四国本社・支社・支店が集まっている。しかし、1988年4月10日の瀬戸大橋開通や1998年4月5日の明石海峡大橋の開通による物流網の変化で、四国の玄関口としての機能は変化しつつあり、官庁や企業の管轄エリアが中国・四国地方に拡大した結果、高松における拠点が縮小傾向もある。
近年では、拠点都市の座を、サンポート高松や、道州制施行後の道都の誘致によって確固たる物にしようとしている。人口が四国最大である松山市に対しては常に対抗心を燃やしており、その対立は深まりつつあるという見方もある。2006年1月には周辺の町を編入し、人口42万を抱える都市となった。高松駅の乗降客数はJR四国最多(四国最多は伊予鉄道の松山市駅)であり、都市雇用圏の人口も四国最大である。 |
香川県 坂出市 宇多津町 |
瀬戸大橋開通で、高松に代わる新たな四国の玄関口として注目された。橋の開通と併せて、新宇多津都市などの大規模開発が当時のバブル景気の中で進められたが、その後の明石海峡大橋の開通で、自動車による流動が神戸鳴門ルートに移動する傾向が見られている。しかし鉄道では現在も四国の玄関として、車窓では高層ビルも姿を見せている。 |
徳島県 鳴門市 |
明石海峡大橋開通後、鳴門海峡に架かる大鳴門橋の交通量は瀬戸大橋を上回るようになり、新たな四国の玄関としての側面を持ち始めている。神戸淡路鳴門自動車道の全通直後では、鳴門IC付近にある徳島トラックステーションを利用するトラックの増加が目立った。また京阪神方面への高速バスも年々増加しており、屈指のドル箱路線までに成長している。
近年では、四国の高速道路網が充実してきた事から、松山市、高知市や高松市を出発して京阪神や首都圏へ向かう高速バスや農産物を積んだトラックが、鳴門を通過するケースが顕著になって来た。又、自家用車に関していえば、瀬戸大橋を抱える香川県民でさえも、近畿地方へは鳴門を経由して向かう事が多い[要出典]。 今後、徳島県内の高速道路の整備や4車線化が進めば、更に鳴門が四国の玄関口として重要な場所になる可能性もある。尚、宇高連絡船が開設される以前の本四間の移動は、大阪府の深日から船で淡路島の洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった(福良・鳴門間は日本最古のフェリー航路)。そういう意味では「鳴門が新たな四国の玄関口になった」というよりも、「再び鳴門が四国の玄関口になった」と言った方が正しいといえる。 →四国横断自動車道#徳島県内の未開通区間(徳島道と高松道(神戸淡路鳴門道)の連結を望む県と、そうでない県の思惑) 本州四国連絡橋公団の交通量のページ |
四国最大の都市 | |
愛媛県 松山市 |
松山市は、元より四国最大の人口を抱える都市であったが、2005年の合併で人口50万人を突破した。それに続いて高松市が2006年1月に周辺の町を編入した結果、人口40万人を突破している。松山市を中心に総務省統計局により規定された四国で唯一の都市圏である松山都市圏を形成しているが、都市雇用圏人口は高松市のほうが大きくなる。これは四国他県の県庁所在地一極集中とは違い愛媛県には松山市以外にも有力都市があり、必ずしも松山市を中心とした人の流れが出来ていないためである(しかし松山都市圏と隣接して新居浜西条圏(24万人)・今治圏(18万人)が存在しており、商圏人口としては松山市のほうが大きくなると言われている。)。このことは州都を誘致する上で不利である。また、従来から高松には国の地方支分部局が集中しており、これに不満を持っている松山市民も多かった[要出典]。ちなみに松山空港の旅客利用者数・貨物取扱数・旅客航路数は四国最多であり、松山港の旅客航路数・国際コンテナ航路数・取扱量も四国最多である。 |
[編集] 交通
※「Category:四国地方の交通」も参照のこと。
四国は、古くから、畿内から地理的には比較的近距離に位置しながら、船での移動を余儀なくされていたため、遠国の扱いであった[要出典]。島民が本州と往来する場合も瀬戸内海に架橋されるまで、専ら船舶や航空路線を用いるのが常であった。
前述の通り、大阪府の深日から船で淡路島の洲本市へ渡り、淡路鉄道などを利用して洲本から福良まで淡路島内を移動、福良から船やフェリーで、鳴門へ渡るというのが最も一般的なルートであった。これに関連して淡路島の名の由来の一説に、阿波へ行くみちの意味で「阿波路島」だとする説もある。尚、明治時代に徳島市は全国の十大都市に数えられていた。
鉄道交通は当初本州の山陽本線に連絡する形で、伊予鉄道や讃岐鉄道などが建設され、その後各県ごとに土佐電気鉄道や徳島鉄道などの路線が整備され、各県の県庁所在地がお互いに鉄道で移動できるようになったのは、昭和初期になった頃である。
海が本州との往来を不便にしていたが、陸においても、この島の地形は島内の往来を阻んだ。鉄道・道路共に、四国山地に平行して本州から九州に向け東西に伸びる中央構造線に阻まれ、長大トンネルの土木技術が確立するまで整備に困難を極めた。
その後20世紀に入って鉄道が整備されると、四国各県の県庁所在地の中で本州に最も隣接していた高松市に名目上四国の玄関口と位置付けられ支店等が置かれた。20世紀末頃からは移動手段の中心が鉄道から車に変化した事、島内の高速道路網の進展、3本の本州四国連絡橋が架けられた事などから、四国の交通は新たな変革の時期に入った。
21世紀を迎えた今日では本四架橋が完成し、京阪神・淡路島に近い鳴門市が再び交通の要衝として重要な役割を担いつつある。現在高速道路の整備が更に進められており、特に今後の四国横断自動車道(名称未定部)の徳島JCTから鳴門JCT区間の開通は、川之江市と並んでジャンクションが連続する四国横断自動車道と四国縦貫自動車道を連結する重要部分であるので、今後の大きな変革の目玉である。
[編集] 鉄道
※四国の鉄道路線も参照のこと。
JR四国は、高松と松山、高知、徳島の都市間を結ぶ各線と岡山を結ぶ瀬戸大橋線をメインルートとする。電化区間は予讃線の高松~松山~伊予市と瀬戸大橋線、土讃線の多度津~琴平。複線区間は予讃線の高松~多度津と瀬戸大橋線の一部のみである。
国鉄時代、比較的早期に無煙化(蒸気機関車からディーゼル車輌へ置換)し、自動信号化が推進されたが、その後は設備や施設の改善が後回しにされ、国鉄末期まで四国島内の国鉄線に電化区間が存在しなかった。2006年現在でも、香川県と愛媛県を結ぶ予讃線などの一部など、積極的に電化・高速化促進した区間を除いて、島内の殆どのJR線は未だ電化されていない。
また、電化区間の一部のトンネルでは車幅制限のため、本州規格の車両が使えなく、本州線との直通運転に不都合が生じていたり、単線区間が多いにもかかわらず、過度の輸送量増加によって生じたダイヤの過密傾向の弊害で、多くの待避線に常に交換や優等待ちの列車を待避させており、これ以上のダイヤの過密化に拍車を掛ける高速化は好ましくないなど、解決しなければ成らない難問が山積していた。
民営化後、各都市間の路線は順次高速化されたが、山がちな地形による線形の悪さと、単線のために増発ができないことなどから、年々整備の進む高速道路網を利用した高速バスに対抗できなくなりつつある。また、もともと海運が盛んな上に、鉄道の本四連絡が1経路であるのに対し、道路は3経路あり、観光ルートが分散されたこともあり、各交通機関との競争は非常に激しい。
抜本的な高速化として四国新幹線計画があるが、橋などの鉄道施設面での整備の目途が立たなかったり、並行在来線問題などから、実現の見通しがたっていない。なお、2006年以降は、新幹線計画に替わってフリーゲージトレイン計画が推進されている。
私鉄各線は県都の近郊輸送を担っている。
- 2003年には、鉄道自体が無かった沖縄県に沖縄都市モノレールが開業したことで、徳島県は日本の都道府県で唯一電車が全く存在しない地方となった。尚、JR線に限定すれば、高知県も電化区間がなく、JR線で全線非電化なのは、高知県と徳島県だけである。
- JR四国の路線名において、令制国名が使われていない県は徳島県だけである。予讃線、土讃線や予土線があっても、「阿讃線」や「阿予線」という路線名は存在しない。徳島~高松間鉄道の名称は「高徳線」である。
- 室戸岬方面へ向かう路線として、第三セクターが運営する阿佐海岸鉄道阿佐東線と土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)が敷設されているが、両線は繋がっていない。
- 私鉄・第三セクター線
- 未成線(計画中もしくは過去に計画のあった路線)
[編集] バス
- 高速路線
本四架橋や島内の高速道路の整備により、各県都間や島内と本州を結ぶ路線が多数開設されている。
特に徳島や高松と京阪神を結ぶ高速バス路線は日本でも屈指のドル箱路線に成長しており、日中毎時3,4本ほどの便が設定されている。
- 一般路線
好調な高速バスに対して、香川県の多度津以西では全てのバス路線が廃止されるなど、各都市内の一般バス路線は厳しい状況に置かれていると言える。
しかしながら愛媛県内と徳島近郊に限った場合は東予やしまなみ海道沿いでは瀬戸内運輸(と子会社の瀬戸内海交通)が、中予では四国で唯一オムニバスタウンに指定されている松山市を中心に伊予鉄道が、南予では宇和島自動車と伊予鉄南予バスが、徳島近郊では徳島バスや徳島市営バス、小松島市営バスなどがそれぞれ高頻度のサービスを展開している。
特に伊予鉄道では新規路線の開設や増便、ノンステップバスの大量投入などにより利用客が大幅に増加(5年前の1,5倍)している。
また他県でも自治体の補助によるコミュニティバス路線の開設など、少しずつではあるが四国の一般路線バス事情も改善されてきている。
四国地方の乗合バス事業者も参照。
[編集] 本四架橋
本州四国連絡橋として、鳴門市~神戸市、坂出市~倉敷市、今治市~尾道市の三本のルートがある。このうち、瀬戸大橋が鉄道(複線直流電化)と高速道路の併用橋であり、大鳴門橋は将来的に併用できる設計になっている。その他は道路専用橋である。また、瀬戸内しまなみ海道(尾道・今治ルート)には、歩行者・自転車・原動機付自転車(125cc以下)の専用道路も併設されている。
当初は、最初に完成し、宇高連絡船があった事などから瀬戸大橋が本四間の基幹ルートとして位置付けられていたが、その後は全線完成した神戸鳴門ルートに本州・四国間の流動が移動しつつある。これは、日本の主要な大都市圏の殆どが四国以東の地域に位置しており、大都市圏の一つである京阪神に神戸淡路鳴門自動車道が最短距離で直結していることが、大きな要因として挙げられる。今後、特に徳島県内の高速道路網が整備されると、更に瀬戸大橋やしまなみ海道から、神戸鳴門ルートにシフトする車が増える可能性が高まると見られている。
- 神戸淡路鳴門自動車道(神戸鳴門ルート)
[編集] 道路網
[編集] 高速道路
四国は、国内で高速道路の整備が特に遅れた地方であった。四国で最初に高速道路が計画されたのは徳島自動車道であり、最初の開通は1985年、松山自動車道の三島川之江IC~土居IC間である(沿道には四国における高速道路発祥の地と書かれた看板がある)。以後、全国に比べて遅れを取りながらも、徐々に高速道路の整備は進み、2000年には遂に四国4県庁所在地が高速道路で結ばれた。四国4県がX字に繋がったことから、「エックスハイウェイ」と呼ばれた。現在は松山自動車道の南予方面への延伸、高知自動車道の高知県西部方面への延伸、四国横断自動車道の徳島県南部方面への延伸(鳴門JCT~阿南IC)、そのほか高速道路空白地帯解消のため阿南安芸自動車道や高知松山自動車道等の建設工事が順次進められており、「四国8の字ネットワーク」を目指している。
ただ、元々四国4県は日常の相互移動が少ない事もあり、高速道路開通後も、各県間の流動はあまり増えていない。一足先に近畿圏へ直通する神戸淡路鳴門自動車道が開通した徳島県では、同圏への高速バスの利用が伸び、2008年2月現在では一日300便にも上る(出典は同月7日の徳島新聞)などしているが、四国内の板野IC~高松中央IC開通によって、香川県の消費者も同様に同自動車道経由によるストロー現象が発生し出している。
2005年5月現在開通している区間
[編集] 一般国道
徳島・松山・高松・高知の4県庁所在地を結ぶ国道11号・国道32号・国道33号・国道55号・国道56号などが道路網の中核を成す。また国道28号・国道30号・国道317号が本四架橋を通じて本州と、国道197号が九四フェリーを通じて九州との間を結んでいる。
ただし山地を通る路線には未整備のものも多く、国道193号・国道439号などのように国道とは思えない狭路・悪路を抱えた路線も残存している(しばしば「酷道」などと揶揄される)。山地が多いこと、内陸部に人口が少ないことなどもあり、全般に四国の道路整備率は他の地方に比べ低いと見られる。
[編集] V字ルート
昭和40年代の観光宣伝において、四国の主要観光地を効率よく回遊するルート提案として、松山市-高知市-高松市をつなぐルート(国道32号、国道33号)が考えられ、ちょうどアルファベットの「V」字状であるため、V字ルートと呼ばれるようになった。
[編集] 航路
律令時代には南海道の一角であり、船で移動する地方であった。今でも、近畿地方・山陽地方・九州・関東地方などとの旅客・貨物輸送に船の占める比重は、他の地方とは比較するまでもなく多い。
- 主要航路
- 宇高航路
- 阿紀航路
- 阿摂航路
- 徳島県と大阪府、兵庫県を結ぶ航路。「阿」は阿波国を、「摂」は摂津国を指している。古くから徳島と大阪を直接結ぶ航路として繁栄したが、神戸淡路鳴門自動車道の全通に伴い全滅。現在は阿摂航路に変わり、高速バスなど陸上交通が徳島~阪神間の流動を担っている。
- 愛媛広島航路(芸予航路)
- 福山多度津航路
- 愛媛山口航路
- 松山~岩国、松山~柳井
- 四国九州航路
[編集] 空港
現在、4県の県庁所在地近郊には中型機以上の航空機が離発着できる空港が整備されており、地理的に遠距離な東京方面を中心に国内外に路線を伸ばしている。特に松山や高知では大阪便が好調。なお、高松空港と徳島飛行場の直線距離は約55km、徳島飛行場と関西国際空港は約65km、高松空港と岡山空港は約62kmと近接している。
空港 | 旅客合計 | 国内線 | 国際線 | ||
旅客数 | 定期便 | 旅客数 | 定期便 | ||
松山 | 275万0402人 | 268万9958人 | (新千歳)・羽田・ 中部・名古屋・伊丹 ・関西・福岡・熊本・ 鹿児島・那覇 |
6万0444人 | ソウル・ 上海 |
高松 | 152万4303人 | 148万3166人 | (新千歳)・羽田・ 鹿児島・(那覇) |
4万1137人 | ソウル |
高知 | 149万0541人 | 148万6100人 | 羽田・名古屋・伊丹 ・関西・福岡・那覇 |
4441人 | |
徳島 | 87万3290人 | 87万2004人 | (新千歳)・羽田・ 中部・福岡 |
1286人 |
- 出典は国土交通省航空局・空港管理状況調書(2006年度)
- チャーター便の旅客数含む
- 三大都市圏への便は太字
- 全国の空港の乗降客数は日本の空港#乗降客数参照
- 二種:松山空港・高知空港(高知龍馬空港)・高松空港
- 自衛隊と共用:徳島飛行場
[編集] 文化
[編集] 方言
四国方言:四国のほぼ全域において、京阪式アクセント(亜種を含む)が用いられているのが大きな特徴である。ただし、語彙・語法については中国方言との共通点も多い。
- 徳島弁:中世以降上方の文化を積極的に取り入れてきたため、アクセント・言い回しとも四国方言の中でも最も関西方言の影響が強い。
- 讃岐弁: アクセントに特徴があり、いわゆる京阪式とは異なる。中世に上方で使用されていたアクセントが保存されたものとされる。語彙・語法は中国方言との共通点が多い。
- 伊予弁:讃岐弁同様に語彙・語法は中国方言との共通点が多い。もちろん、特徴的な言い回し等も多々存在する。
- 御荘弁:愛媛県南宇和郡で見られる方言。基本的には伊予弁が元になっているが、伊予とも土佐ともとれない特徴的な表現が多い。(例:おーとろっしゃ(驚いた)、おのごのこ(男の子)など。)
- 土佐弁:四国方言とは語彙・語法が異なり、特徴的な言い回しが多い。
- 幡多弁:東京式アクセントを基調にするといわれるが、京阪式アクセントの特徴も見られる。語彙なども土佐弁にはない独特なものが多い。中村市、四万十市など。
[編集] 祭り
新居浜太鼓祭り、金刀比羅例大祭などは神事が主体の祭り、阿波踊り、よさこい祭りなどは踊りが主体の祭りである。四国三大祭が有名であるが、踊りが主体の四国四大祭も知られている。
[編集] 伝統工芸
徳島県 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 | |
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[編集] 食文化
各県には固有の名産品や郷土料理が多数存在する。県域をまたぐ名産品はうどん、和三盆などがある。また、全国で販売している食品としてはポカリスエット、ポンジュースなどが代表的である。各県の名産品・郷土料理等は各県の項を参照。
日本の郷土料理一覧、Category:四国地方の食文化も参照のこと。
[編集] スポーツ
[編集] 野球
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[編集] サッカー
[編集] ラグビー
- トップウエスト
- 善通寺自衛隊(善通寺市)
[編集] バレーボール
- V1リーグ(女子)
[編集] バスケットボール
[編集] ハンドボール
- 女子実業団
- 香川銀行TH(高松市)
[編集] ソフトボール
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[編集] ホッケー
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[編集] アイスホッケー
- 西日本リーグ(Jアイス・ウエスト)
[編集] 陸上競技
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[編集] 人口
ISO 3166-2 | 都道府県名 | 順位 | 人口 | 割合 |
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JP-36 | 徳島県 | 44 | 813,796 | 0.60% |
JP-37 | 香川県 | 40 | 1,018,976 | 0.80% |
JP-38 | 愛媛県 | 27 | 1,474,335 | 1.20% |
JP-39 | 高知県 | 45 | 801,151 | 0.60% |
合計 | 4,108,258 | 3.20% |
※順位・人口・割合は2003年10月1日のデータによる。(上記は2005年3月1日)
[編集] 年齢構成
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]
- データ出典:第10表/都道府県, 年齢(5歳階級), 男女別人口-総人口
(総務省統計局)
[編集] 関連項目
[編集] その他日本の主な島
[編集] 外部リンク
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北日本 |
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東日本 (狭義) |
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中日本 |
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西日本 (狭義) |
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南日本 |
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