高松琴平電気鉄道琴平線
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琴平線(ことひらせん)は、香川県高松市の高松築港駅と香川県仲多度郡琴平町の琴電琴平駅とを結ぶ高松琴平電気鉄道(ことでん)の鉄道路線。
このうち高松築港~瓦町間は築港線とも呼ばれている。ことでん3線の中では当線が線路規格・輸送量・路線長の全てにおいて長じ、いわば本線格の路線である。
ラインカラーは黄色。かつては緑色で、1070形が車体前面に掲げる行先表示板では、現在も緑色地のものが用いられている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):32.9km
- 軌間:1435mm
- 駅数:21駅(起終点駅含む)
- 複線区間:高松築港~栗林公園間
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 保安設備:琴電形ATS
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 車両基地:仏生山工場(最寄駅・仏生山駅)
- 最大連結車両数:4両
[編集] 概要
当線は、高松琴平電気鉄道の前身の一つである琴平電鉄により、金刀比羅宮参詣路線の一つとして1926年に開業した。一時、琴平へは高松・坂出・多度津から国有鉄道を含めて4社が路線を延ばしていたが、その中で琴平参宮電鉄がバスとの競合のため、琴平急行電鉄が沿線人口の少なさのため廃止に追い込まれ、私鉄として残っているのはこの路線だけである。
高松築港~瓦町間では国道30号、瓦町~仏生山間は国道11号・国道193号、円座~琴電琴平間は国道32号が並行する。
現在複線化されているのは高松築港~栗林公園間のみだが、一宮までは複線用の用地が確保されている(ただし、2006年7月に開業した空港通り駅はその複線用の用地上に建設された)。2007年12月9日には国道11号高松東道路付近の高架橋が完成したが、この高架橋も当面は単線で供用されるものの複線仕様となっている。
[編集] 運行形態
金刀比羅宮参拝者輸送の全盛期には急行「こんぴら号」が設定されていた。しかし参拝者の多くが観光バスや自動車に移り、1967年3月限りで急行は廃止され、地域輸送主体に変わった。その後も準急列車が存在したが1991年3月16日のダイヤ改正で廃止され、現在は普通列車のみの運転である。築港線と呼ばれる高松築港~瓦町には長尾線の列車も乗り入れており、長尾線の車両でこの区間のみを走る列車も設定されている。客扱いは行わないものの、入出庫などの関係で瓦町~仏生山間で長尾線の車両が走ることがある。
昼間時間帯では高松築港~一宮間が15分間隔、一宮~琴平間が30分間隔で運転されている。平日の朝夕ラッシュ時では一宮駅折り返し列車が滝宮まで延長される。更に朝ラッシュ時は高松築港~一宮間の運転本数が増え最短7分30秒間隔になる。また早朝・夜間には仏生山工場への車両の入出庫の関係から、滝宮~仏生山間の区間列車も設定されている。
編成両数は2両が基本で、ラッシュ時には一部列車が4両となる。なお過去には、瓦町~仏生山で5両編成列車が運転されていた。増結・解放の時間を短縮するためにブレーキ・電気等の接続は行わず、前側3両と後ろ側2両にそれぞれ運転士が乗務して、汽笛やブザーの音にあわせて協調運転を行うというものであった。1991年3月16日のダイヤ改正で廃止された。
回送も含めた全列車に車掌が乗務し、精算や車内補充券(パンチによる穴あけ式)の発売、IruCaへチャージ、無人駅での集札、車内放送などを行う。
[編集] 歴史
- 1926年(大正15年)12月21日 琴平電鉄が栗林公園~滝宮間を開業。1500V電化。
- 1927年(昭和2年)3月15日 滝宮~琴平(現在の琴電琴平)間が開業。
- 1927年(昭和2年)4月22日 高松(現在の瓦町)~栗林公園間が開業。
- 1942年(昭和17年) 琴平駅を琴電琴平駅に改称。
- 1943年(昭和18年)11月1日 讃岐電鉄・琴平電鉄・高松電気軌道が合併し高松琴平電気鉄道発足。高松駅を琴電高松駅に改称。
- 1948年(昭和23年)2月18日 築港線 片原町~琴電高松(現在の瓦町)間が開業。
- 1948年(昭和23年)12月26日 築港線 築港(現在の高松築港が開業するまでの仮駅)~片原町間が開業。
- 1949年(昭和24年)5月11日 築港線 築港~琴電高松間が複線化。
- 1953年(昭和28年)10月20日 築港線を複線から単線並列に変更。旧下り線を架線電圧600Vに降圧し、志度線が乗り入れ。
- 1954年(昭和29年)1月1日 築港駅を高松築港駅に、琴電高松駅を瓦町駅に改称。
- 1955年(昭和30年)9月10日 高松築港駅(現在の駅)開業。仮駅廃止。
- 1956年(昭和31年)3月1日 三条駅開業。
- 1958年(昭和33年)3月1日 畑田~陶間に陶信号場開設。
- 1966年(昭和41年)8月2日 築港線旧下り線の架線電圧を1500Vに昇圧。
- 1967年(昭和42年)5月21日 築港線を単線並列から複線に変更。
- 1978年(昭和53年)2月17日 ATS設置。
- 1991年(平成3年)3月 陶駅に交換設備設置。畑田~陶間の陶信号場廃止。
- 1996年(平成8年)12月21日 瓦町新駅舎完成。
- 2004年(平成16年)7月2日 栗林公園新駅舎完成。
- 2006年(平成18年)7月29日 空港通り駅開業。
- 2007年(平成19年)12月9日 三条~太田間の国道11号高松東道路前後の高架化完成。
[編集] 駅一覧と接続路線
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
高松築港駅 | - | 0.0 | 四国旅客鉄道:高徳線・予讃線(瀬戸大橋線)(高松駅:徒歩連絡) | 香川県 | 高松市 |
片原町駅 | 0.9 | 0.9 | |||
瓦町駅 | 0.8 | 1.7 | 高松琴平電気鉄道:長尾線・志度線 | ||
栗林公園駅 | 1.2 | 2.9 | |||
三条駅 | 1.0 | 3.9 | |||
太田駅 | 2.3 | 6.2 | |||
仏生山駅 | 1.8 | 8.0 | |||
空港通り駅 | 1.0 | 9.0 | |||
一宮駅 | 1.0 | 10.0 | |||
円座駅 | 1.2 | 11.2 | |||
岡本駅 | 2.6 | 13.8 | |||
挿頭丘駅 | 1.2 | 15.0 | 綾歌郡綾川町 | ||
畑田駅 | 0.8 | 15.8 | |||
陶駅 | 2.5 | 18.3 | |||
滝宮駅 | 2.4 | 20.7 | |||
羽床駅 | 2.1 | 22.8 | |||
栗熊駅 | 1.8 | 24.6 | 丸亀市 | ||
岡田駅 | 2.6 | 27.2 | |||
羽間駅 | 1.9 | 29.1 | 仲多度郡まんのう町 | ||
榎井駅 | 2.5 | 31.6 | 仲多度郡琴平町 | ||
琴電琴平駅 | 1.3 | 32.9 | 四国旅客鉄道:土讃線(琴平駅:徒歩連絡) |
仏生山~一宮間の国道193号(空港通り)寺井高架橋直下に空港通り駅が2006年7月29日に開業した。ことでんとしては長尾線・学園通り駅以来4年ぶり、琴平線では三条駅以来50年ぶりの新駅である。
岡本~挿頭丘間で旧国分寺町を通っていたが、通るのはわずか400mほどなので駅はなかった。
[編集] 過去の接続路線
- 仏生山駅:琴平電鉄塩江線 - 1941年5月10日廃止。
[編集] 車両
2006年12月現在、2両編成の旅客車が21編成、42両が所属しており全車両が冷房車である。
- 1070形 - 元、京急600形 (2代) 3編成6両
- 1080形 - 元、京急1000形 (初代) 6編成12両
- 1100形 - 元、京王5000系 4編成8両
- 1200形(0番台) - 元、京急700形 (2代) 8編成16両