太平洋ベルト
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太平洋ベルト(たいへいようベルト)とは、日本の南関東から北部九州までを結ぶ、一連の工業地帯・工業地域を言う。
国民所得倍増計画(1960年)策定のための経済審議会産業立地小委員会報告において、既存の四大工業地帯にボトルネックの弊害が発生していたことから、瀬戸内海沿岸、静岡県などこれらの中間に新たな工業地帯を形成することにより、ベルト上の太平洋沿岸地域全体を工業立地の中核とするといういわゆる太平洋ベルト地帯構想が提唱されたことに由来する。
太平洋ベルトに属する地域についての明確な定義はないが、経済産業省の統計では、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、大阪府、兵庫県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、大分県を太平洋ベルト地帯としている。[1]
また、南関東から北部九州にわたっては、千葉市、東京都区部、川崎市、横浜市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市を中心とした工業面・商業面で大中規模の都市が連なっており、これらの都市群(メガロポリス)を総称して指す場合もある。
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[編集] 太平洋ベルトを構成する工業地帯・地域
(括弧内は工業生産額[要出典])
- 京葉工業地域(千葉県)〔12兆円〕
- 京浜工業地帯(東京都・神奈川県)〔40兆円〕
- 東海工業地域(静岡県)〔17兆円〕
- 中京工業地帯(愛知県・岐阜県・三重県)〔43兆円〕
- 阪神工業地帯(大阪府・兵庫県)〔33兆円〕
- 瀬戸内工業地域(岡山県・広島県・山口県東部・香川県・愛媛県)〔24兆円〕
- 北九州工業地帯(山口県中西部、福岡県北部・大分県北部)〔7兆円〕
このうち、京浜工業地帯・中京工業地帯・阪神工業地帯・北九州工業地帯を四大工業地帯と言い、この内の北九州工業地帯を除いた3つの工業地帯を三大工業地帯と言う。
[編集] 特徴
鉄道・道路・港湾などの交通機関・施設が整備され、人口の約60%、工業出荷額の約70%が集中する。その反面、過密、公害、犯罪の増加といった問題も発生している。高速交通網では、東海道新幹線が南関東と畿内(近畿中部)を、山陽新幹線が畿内と北部九州を結ぶ。
また、第5次の全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」において、太平洋ベルト地帯を西日本国土軸として再生させる、新しい国土軸の計画が策定された。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 地域活性化戦略(資料編)(pdf)