観音寺市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
観音寺市(かんおんじし)は、香川県の西端に位置する市。西は瀬戸内海に面し、南は讃岐山脈を隔てて徳島県と接する。
気候は南の讃岐山脈や四国山地、北は中国山地の影響もあり、台風などの自然災害は比較的少ない。加ト吉の本社所在地であり、勇壮なちょうさ祭りが有名。
平成17年(2005年)10月11日に観音寺市、大野原町、豊浜町の対等合併により誕生し、新市名も観音寺市となった。本記事では必要に応じ合併前を旧観音寺市、合併後を新観音寺市として記す。
目次 |
[編集] 地理
北西に七宝山があり、西の燧灘に向かって川が流れ三角州を形成している。
[編集] 歴史
- 2基の古墳が知られている。一つは原町の青塚(あおづか)で、古墳時代前期のものと推測される帆立貝式前方後円墳で、墳丘の長さ早く43メートルで周濠を巡らしている。もう一つは堂本の丸山古墳で、径約25メートルの円墳である。共に竪穴式石室を持ち、刳り抜き式舟形石棺で、石材に阿蘇の凝灰岩を使用している。
- 三野郡本山郷に属した本大町(本大村(もとのおおむら)の一部)を除く市域のほとんどは、豊田郡(坂本郷、山本郷、紀伊郷、柞田郷、高屋郷、姫江郷、和田郷)に属した。
- 703年(大宝3年)3月21日、神宮寺(当時は法相宗)住職の日証上人が、琴弾八幡宮を創建した。
- 807年(大同2年)、空海が神宮寺に聖観世音菩薩を安置して後、観音寺と呼ばれるようになる。
[編集] 沿革
- 酒屋町、鍛冶分、大工分、寺家分をまとめて観音寺村と呼ぶ。後に茂木町が加わる。
- 1874年(明治7年)9月28日 名東県布告
- 観音寺村、上市浦、下市浦、中洲浦、仮屋浦、坂本村が合併して観音寺村が誕生。
- 黒渕村、北岡村、山田尻村、大畑村が合併して柞田村が誕生。
- 東高屋村、西高屋村が合併して高屋村が誕生。
- 1889年(明治22年)12月28日 姫浜村、和田浜村が合併して姫之江村が誕生。
- 1890年(明治23年)2月15日 市町村制施行
- 観音寺村、伊吹島が合併して観音寺町が誕生。
- 高屋村、室本浦が合併して高室村が誕生。
- 植田村、流岡村、村黒村、出作村が合併して常磐村が誕生。
- 新田村、原村、池之尻村が合併して豊田村が誕生。
- 古川村、吉岡村、中田井村、三野郡本大村(一部)が合併して一ノ谷村が誕生。
- 大野原村、花稲村が合併して大野原村が誕生。
- 井関村、田野々村、海老済村、内野々村、有木村が合併して五郷村が誕生。
- 丸井村、福田原村、青岡村、木之郷村が合併して紀伊村が誕生。
- 中姫村、萩原村、村制施行。
- 5月 箕浦、和田村が合併して和田村が誕生。
- 1899年(明治33年)
- 1929年(昭和4年)4月1日
- 大野原村に中姫村を編入。
- 1949年(昭和24年)1月1日
- 観音寺町から分離して伊吹村を設置
- 1955年(昭和30年)
- 1956年(昭和31年)
- 9月、旧観音寺市が一ノ谷村、伊吹村を編入。
- 1970年11月3日
- 旧観音寺市、市民憲章を制定。
- 1974年
- 旧観音寺市、市の木と市の花を選定。
- 2005年10月11日
[編集] 旧観音寺市
- 西原理一(3期)(1955年(昭和30年)2月14日 - 1967年(昭和42年)2月12日)
- 横山武平(1期)(1967年(昭和42年)2月13日 - 1971年(昭和46年)2月12日)
- 西原理一(1期)(1971年(昭和46年)2月13日 - 1975年(昭和50年)2月12日)
- 加藤義和(4期)(1975年(昭和50年)2月13日 - 1991年(平成3年)2月12日)
- 今津禮二郎(1期)(1991年(平成3年)2月13日 - 1991年(平成3年)5月20日、1991年(平成3年)7月 1日 - 1995年(平成7年)6月29日)
- 白川晴司(3期)(1995年(平成7年)6月30日 - 2005年(平成17年)10月10日)
[編集] 行政
[編集] 市長
[編集] 経済
[編集] 産業
そのうちレタスは特に多く生産されている。2003年の統計によると香川県(国内3位の作付面積、4位の収穫量)において、その面積・収穫量の約4割は大野原町である。 ちなみに、三豊・観音寺で6割を生産している。
-
- 大野原町全域と豊浜町の一部は香川豊南農業協同組合の管内。同農協は県単一農協を目指した香川県農業協同組合に唯一合流しなかった。
- 産業人口
-
- 第一次産業:10.8%
- 第二次産業:35.3%
- 第三次産業:53.9%
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
[編集] 海外
[編集] 地域
[編集] 観音寺地区
- 観音寺町(かんおんじちょう)
財田川と一ノ谷川に挟まれた地域。住居表示の未施行地域。港から駅の北側までが含まれる。
- 有明町(ありあけちょう)
財田川河口の右岸に位置し、琴弾公園、煉瓦工場跡、温泉等がある、市の観光の中心地。旧寺家分の一部。
- 八幡町(やはたちょう)
古くは坂本村の飛び地であり、社家、川北といった。 また、琴弾八幡宮、観音寺があるあたりが、坂本郷寺家分であった。 琴弾八幡宮大祭では、観音寺地区のちょうさが全て集まり、その勇壮な姿を競う。
- 坂本町(さかもとちょう)
旧坂本郷坂本村。坂らしい坂はなく古に坂本臣とゆかりによってついた名と考えられている。 現在は、市の行政の中心地であり、坂本町一丁目に市役所、中央図書館、市民会館等がある。 香川県道237号黒渕本大線沿いは近年拡幅に伴い、大型商業施設の出店が相次ぐ。
- 天神町(てんじんちょう)
香川県立観音寺中央高等学校がある。地名は、菅原神社があることから。
- 茂木町(しげきちょう)
その名の通り、木が茂っていたことからついた。水道局、香川県立観音寺第一高等学校がある。
- 栄町(さかえまち)
観音寺駅北側の商業地域。
- 昭和町(しょうわちょう)
駅南側の住宅街。
- 南町(みなみまち)
駅西側の住宅街。
- 琴浪町(ことなみちょう)
住居表示の際に琴浜町と大浪町の名を合わせてつけられた。競輪場がある。
- 三本松町(さんぼんまつちょう)
港の南側に位置する住宅街。
- 瀬戸町(せとちょう)
港の南に位置する埋め立て地。主に住宅街であり、給食センターがある。
[編集] 伊吹地区
- 伊吹町(いぶきちょう)
港から沖合い10kmの燧灘に浮かぶ伊吹島を中心とする島々からなる。早くから人が住んでおり、坂本郷に属した。カタクチイワシ漁(いりこ加工業)が盛ん。四季折々に江戸時代以前からの民俗 宗教行事が続けられている。全国的にも珍しいアクセントの方言がある。
[編集] 高室地区
- 室本町(むろもとちょう)
旧高屋郷室本村。麹の製造が盛んなことから、こうじ室(むろ)の本というわけで、その名がついた。市の北端に位置し、江浦草山(つくもやま、有明富士とよばれ讃岐七富士の一つ)から、興昌寺山の北側一帯では、ハウス栽培が盛ん。阪大微研観音寺研究所がある。
- 高屋町(たかやちょう)
旧高屋郷高屋村。七宝山山麓で、苧扱川(うこくがわ)が流れる、田園地帯。 稲積山高屋神社では春に高屋祭りが行なわれ、満開の桜とちょうさのコラボレーションが見られる。
[編集] 常磐地区
- 植田町(うえだちょう)
旧坂本郷植田村。
- 出作町(しゅっさくちょう)
旧坂本郷出作村。坂本村の住民が開拓し、やがて村ができた地。
- 流岡町(ながれおかちょう)
旧高屋郷流岡村。加麻良神社(かまらじんじゃ)に祭られている神(加麻良神)が神田(三豊市山本町)の地から流れ着いて鎮まった岡が名の由来である。
- 村黒町(むらぐろちょう)
旧高屋郷村黒村。
[編集] 一ノ谷地区
- 中田井町(なかだいちょう)
西嶋八兵衛が寛永11年から築き始め、同16年に完成させた一ノ谷池がある。山本郷に属した。
- 古川町(ふるかわちょう)
旧山本郷古川村。
- 本大町(もとだいちょう)
旧三野郡本之大村。飲食店が多く立ち並び、また、国道11号と市街、三豊市財田町等を結ぶ道が交わり、交通の要所となっている。
- 吉岡町(よしおかちょう)
旧高屋郷吉岡村。
[編集] 豊田地区
- 池之尻町(いけのしりちょう)
仁池の後ろ側にあることから名がついた旧山本郷池尻村。
- 新田町(しんでんちょう)
この地は山本郷に属し、昔(おそらく江戸時代)、西山九郎右衛門が新しく開墾して新田と呼ばれていたのが村名となった。
- 原町(はらちょう)
古くは、野田原と呼ばれていたが開墾され、野田の原村となり、野田が取れて原村となった。山本郷に属した。
[編集] 柞田地区
- 柞田町(くにたちょう)
旧柞田郷。南海道の柞田駅があり、柞田庄があった。市の南側に位置し、人口の増加が多い地域。遠浅の海岸を干拓した三豊干拓に山田産業団地がある。
[編集] 粟井・木之郷地区
- 粟井町(あわいちょう)
旧紀伊郷粟井村。昔、阿波国の天玉命を讃岐国の忌部氏等が迎えてここに祭ったことから名がついたと伝わる。
- 木之郷町(きのごうちょう)
旧紀伊郷木郷村。景行天皇の皇女の和田姫命がこの地に住んで、姫郷といっていたのがなまったといわれている。池の尻との境の母神山には、古墳が多くある。
[編集] 大野原地区
- 大野原町大野原(おおのはらちょうおおのはら)
観音寺市大野原支所、香川県立三豊工業高等学校がある。小山、上ノ段、下組の3地域に分かれる。
- 大野原町中姫(おおのはらちょうなかひめ)
- 大野原町花稲(おおのはらちょうはないな)
安産の神を祭っている一方宮がある。 下記、名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事の欄参照
[編集] 萩原地区
- 大野原町萩原(おおのはらちょうはぎはら)
萩原寺を中心に古くから開けていた地域。
[編集] 紀伊地区
- 大野原町青岡(おおのはらちょうあおおか)
旧紀伊郷青岡村。
- 大野原町丸井(おおのはらちょうまるい)
旧紀伊郷丸井村。
- 大野原町福田原(おおのはらちょうふくだはら)
旧紀伊郷福田原村。
[編集] 五郷地区
- 大野原町有木(おおのはらちょうありき)
愛媛への道と徳島への道の分岐点である。五郷ダムがある。
- 大野原町海老済(おおのはらちょうえびすくい)
有木からさらに徳島県側へ進んだところに位置する。県境の曼陀トンネルは香川県で最初の有料道路として建設された。(現在は、無料。)
- 大野原町井関(おおのはらちょういせき)
五郷の中で一番平野側に位置する。五郷ダムと豊稔池からの水を湛える井関池がある。
- 大野原町内野々(おおのはらちょううちのの)
井関からは柞田川の右岸側(東側)に位置する。雲辺寺ロープウェイ山麓駅がある。
- 大野原町田野々(おおのはらちょうたのの)
有木から愛媛県側へと進むと豊稔池石積式アーチダムや、もみじで有名な法泉寺がある。
[編集] 豊浜地区
梨の栽培が盛ん。
- 豊浜町姫浜(とよはまちょうひめはま)
ちょうさ祭りでは、豊浜町のちょうさが集まる一の宮神社や一の宮海水浴場、豊浜駅がある。
- 豊浜町箕浦(とよはまちょうみのうら)
箕浦駅、箕浦工業団地、道の駅とよはまがある。 また、箕浦漁港が未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選に選ばれた。
- 豊浜町和田(とよはまちょうわだ)
吉田川上流の姥ヶ懐池には悲しい伝説が残る。
- 豊浜町和田浜(とよはまちょうわだはま)
海岸の埋立地には工場も多い。観音寺市豊浜支所がある。
[編集] 教育
[編集] 大学
- なし
[編集] 高等学校
[編集] 中学校
- 市立
- 組合立
- (三豊市観音寺市学校組合立三豊中学校) - 所在は三豊市
[編集] 小学校
全て市立
[編集] 養護学校
- 香川県立西部養護学校
[編集] 交通
[編集] 鉄道路線
[編集] ロープウェイ
[編集] 道路
[編集] 高速道路
[編集] 一般国道
[編集] 県道
- 香川県道235号室本港線
- 香川県道236号室本流岡線
- 香川県道237号黒渕本大線
- 香川県道238号観音寺港線
- 香川県道239号観音寺港観音寺停車場線
- 香川県道240号粟井観音寺線
- 香川県道241号丸井萩原豊浜線
- 香川県道242号福田原観音寺線
- 香川県道243号豊浜停車場線
- 香川県道244号先林姫浜線
- 香川県道245号豊浜港線
- 香川県道262号伊吹循環線
- 香川県道270号丸亀琴平観音寺自転車道線
[編集] 道の駅
[編集] 船舶
観音寺港と伊吹島の真浦港を結ぶ伊吹航路がある。
- 観音寺港
- 室本港
- 花稲漁港
- 豊浜港
- 関谷港
- 箕浦漁港 - 未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選
- 真浦港(伊吹島)
- 北浦港(伊吹島)
[編集] バス
- 観音寺市のりあいバス - 市内を循環するコミュニティバス 現在3路線を持っている
- 三豊市コミュニティバス仁尾線(三豊総合病院 - 観音寺駅 - 三豊市仁尾方面)
- 三豊市コミュニティバス財田観音寺線(観音寺駅 - 三豊市山本・財田方面)
[編集] 市外局番
全域が0875(観音寺MA)。
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
市内各地で、ちょうさ(太鼓台)祭りが開かれる。
- 銭形まつり (有明町)
- 琴弾八幡宮大祭
- 粟井あじさい祭り
- 瀬戸内海国立公園
- 琴弾公園 (有明町)
- 銭形砂絵 (有明町)
- 琴弾八幡宮 (有明町)
- 観音寺松原(日本の白砂青松100選)
- 有明浜海水浴場 (有明町)
- 琴弾公園 (有明町)
- 伊吹島
- 島四国 毎年 旧暦3月21日に行なわれている。
- 「出部屋」跡 昔、妊産婦が出産後、新生児とともに約一ヶ月間共同生活したところ。
- 大平正芳記念館
- 世界のコイン館 (有明町)
- 一夜庵
- 観音寺競輪場(市のマスコット「銭形くん」はここが発祥)
- 根上がり松 (有明町)*根上がり松位置
- 井関池(地層がはっきり分かる)(五郷)*井関池位置
- 豊稔池石積式アーチダム (五郷)*豊年池ダム位置
- 萩の丘公園 (萩原)*萩の丘公園位置
- 一の宮公園 (豊浜)*一ノ宮公園位置
- 一方宮(安産祈願の神社) (花稲)
ここにお参りすると元気な子に恵まれるといわれている。*一方宮位置
[編集] レジャー
- スノーパーク雲辺寺 県内唯一のゲレンデ
[編集] 四国八十八箇所
- 68番 神恵院(じんねいん)
- 69番 観音寺(かんのんじ)地名は「かんおんじ」だが寺は「かんのんじ」
[編集] 四国別格二十霊場
- 16番 萩原寺(はぎわらじ)
[編集] 観音寺市を舞台とする作品
- 青春デンデケデケデケ - 芦原すなお
- 椿説弓張月 - 曲亭馬琴
[編集] 出身有名人
- 大平正芳(元首相)
- 大野功統(元防衛庁長官)
- 芦原すなお(作家)
- 加藤義和(加ト吉社長、元旧観音寺市長)
- 四宮和夫(民法学者)
- 月原茂皓(参議院議員)
- 三瀬幸司(福岡ソフトバンクホークス投手)
- 琴ヶ濱貞雄(元大関)
- 琴錦登(元小結) - 佐渡ケ嶽部屋をおこした。
- 三津谷祐(陸上競技選手)
- Ikoman(アレンジャー)
- たいぞう(お笑い芸人)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 観音寺市ホームページ
- 国土地理院地形図閲覧システム
- 国土地理院 地形図閲覧システム 2万5千分1地形図名:観音寺(北西)
- 「市町村の姿」香川県観音寺市(農林水産省統計部HP)
- さぬきのたぬき
- 観音寺市観光協会
- スノーパーク雲辺寺公式ページ
- 一方宮の紹介ページ(第3話)
このページはウィキプロジェクト 日本の市町村のテンプレートを使用しています。
|
|
---|---|
市部 | 高松市 | 丸亀市 | 坂出市 | 善通寺市 | 観音寺市 | さぬき市 | 東かがわ市 | 三豊市 |
小豆郡 | 土庄町 | 小豆島町 |
木田郡 | 三木町 |
香川郡 | 直島町 |
綾歌郡 | 宇多津町 | 綾川町 |
仲多度郡 | 琴平町 | 多度津町 | まんのう町 |