都市雇用圏

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都市雇用圏（としこようけん）は、金本良嗣・徳岡一幸氏らが考案した雇用を基準とした都市圏の定義の一つ。概ね中心都市とその都市に通勤する者が一定割合いる周辺地域を合わせたものをいう。都市圏人口を集計するに当たっては便宜的に市町村ごとに都市圏に含まれるか判定してその人口を合計することが多い。しかし、今日のように市町村が広大になってしまった日本の現状の下では、実態をどのぐらい適切に表すのか疑問が持たれるところである。

[編集] 中心都市と郊外の定義

中心都市の定義

以下の条件のいずれかを満たす市町村を中心都市とする。複数存在する場合には、それらの集合を中心とする。

DID人口が1万以上の市町村で、他都市の郊外でない。
郊外市町村の条件を満たすが、

a.従業常住人口比が1以上で、

b.DID人口が中心市町村の3分の1以上か、あるいは10万以上である。

郊外の定義

中心都市への通勤率が

a.10％以上のものを（1次）郊外市町村とし、

b.郊外市町村への通勤率が10％を超え、しかも通勤率がそれ以上の他の市町村が存在しない場合には、その市町村を2次以下の郊外市町村とする。ただし、

相互に通勤率が10％以上である市町村ペアの場合には、通勤率が大きい方を小さい方の郊外とする。
中心都市が複数の市町村から構成される場合には、それらの市町村全体への通勤率が10％以上の市町村を郊外とする。
通勤率が10％を超える中心都市が2つ以上存在する場合には、通勤率が最大の中心都市の郊外とする。
中心都市及び郊外市町村への通勤率がそれぞれ10％を超える場合には、最大の通勤率のものの郊外とする。

[編集] 主な都市雇用圏

大都市雇用圏地図（1995年）
10%雇用圏。統計値は2000年('00)と1980年('80)。
1995年と比べて2000年の人口が減少した都市圏は赤字。
人口の単位は「人」。1次圏のみならず、2次圏および3次圏の人口も含む。
「中心DID人口」は中心都市のもの。中心都市のDID人口が5万人以上の場合は大都市雇用圏 （白）、5万人以下の場合は小都市雇用圏という（黄色）。
順位の背景色は、都道府県庁所在地が中心都市の場合「■」、それ以外は「■」。
1980年の順位は、2000年には岡山都市圏と合一した倉敷都市圏（33位）を除いた順位。100位以下は "-"。

'00年	'80年	名称	人口('00)	人口('80)	中心DID('00)	従常比('00)
1	1	東京都市圏	3172^万9844	2662^万4003	813^万4688	1.64
2	2	大阪都市圏	1211^万6540	1117^万0018	259^万8452	1.82
3	3	名古屋都市圏	531^万8500	453^万8832	211^万9714	1.28
4	4	京都都市圏	258^万3304	236^万1205	138^万8842	1.12
5	6	福岡都市圏	232^万9021	177^万3129	128^万4574	1.24
6	5	神戸都市圏	229^万6268	204^万7561	137^万5306	1.04
7	7	札幌都市圏	221^万7162	175^万1996	175^万9684	1.02
8	9	広島都市圏	158^万4037	132^万7198	98^万7542	1.04
9	10	仙台都市圏	155^万5691	124^万8616	89^万2252	1.13
10	14	岡山都市圏	148^万4066	75^万0188	43^万1882	1.11
11	8	北九州都市圏	142^万5920	152^万4747	91^万3119	1.05
12	12	熊本都市圏	102^万0488	83^万6892	54^万8054	1.08
13	11	静岡都市圏	99^万9360	96^万6074	40^万9458	1.11
14	15	新潟都市圏	94^万7310	72^万6983	43^万7336	1.16
15	13	浜松都市圏	91^万9933	82^万5503	40^万7251	1.07
16	25	宇都宮都市圏	88^万8005	54^万7545	34^万9054	1.13
17	16	岐阜都市圏	82^万0848	71^万1981	29^万5176	1.08
18	20	那覇都市圏	74^万6762	61^万6010	29^万6961	1.23
19	17	姫路都市圏	74^万1759	70^万9219	36^万6007	1.11
20	19	金沢都市圏	73^万2467	62^万6523	36^万9986	1.14
21	18	鹿児島都市圏	72^万8658	66^万2737	48^万4491	1.05
22	30	福山都市圏	71^万5334	51^万7514	23^万9923	1.06
23	21	大分都市圏	70^万3781	60^万8653	31^万4938	1.05
24	24	長崎都市圏	70^万0147	55^万3101	35^万1970	1.08
25	22	高松都市圏	67^万0104	59^万2555	21^万7410	1.23
26	28	水戸都市圏	66^万0683	53^万2911	16^万4587	1.25
27	27	豊橋都市圏	64^万4784	54^万0880	25^万6696	0.98
28	26	松山都市圏	62^万3570	54^万2188	40^万1494	1.04
29	36	甲府都市圏	61^万4835	47^万6543	16^万8833	1.25
30	31	長野都市圏	60^万9811	51^万4136	24^万3321	1.10
31	29	四日市都市圏	60^万6071	52^万2233	19^万3690	1.09
32	35	徳島都市圏	59^万5653	47^万8772	18^万9230	1.19
33	23	和歌山都市圏	57^万3308	56^万6668	30^万0910	1.07
34	38	福井都市圏	56^万0601	45^万4495	16^万4433	1.20
35	78	つくば都市圏	55^万5178	21^万6337	6^万4015	1.23
36	32	富山都市圏	54^万1761	50^万4353	21^万4542	1.18
37	33	高知都市圏	54^万1339	49^万0401	27^万7948	1.08
38	54	郡山都市圏	53^万7493	34^万1004	22^万5148	1.08
39	37	高崎都市圏	53^万2271	45^万7317	17^万1141	1.16
40	39	山形都市圏	47^万5546	41^万5965	17^万7763	1.12
41	44	盛岡都市圏	47^万5541	38^万2706	23^万0793	1.11
42	53	前橋都市圏	45^万8996	34^万1331	20^万4541	1.17
43	34	沼津都市圏	45^万8330	48^万7606	17^万3401	1.14
44	42	秋田都市圏	45^万2316	38^万4718	26^万5711	1.09
45	45	松本都市圏	44^万4926	37^万1850	14^万2846	1.19
46	47	宮崎都市圏	44^万0794	35^万6771	23^万8123	1.06
47	55	豊田都市圏	43^万9525	34^万0596	23^万1334	1.11
48	43	久留米都市圏	41^万9616	38^万4264	17^万8381	1.10
49	52	福島都市圏	41^万2353	34^万3063	18^万2966	1.07
50	59	佐賀都市圏	41^万0326	30^万4703	12^万7010	1.25
51	51	富士都市圏	39^万9490	34^万5720	18^万6981	1.05
52	41	旭川都市圏	39^万8600	38^万4718	32^万9670	1.00
53	62	岡崎都市圏	37^万9118	29^万7404	24^万6992	0.88
54	46	日立都市圏	37^万7592	36^万8405	16^万8929	1.15
55	49	高岡都市圏	37^万4530	34^万7645	9^万2330	1.04
56	40	函館都市圏	36^万6677	39^万5403	26^万0357	1.04
57	50	いわき都市圏	36^万5864	34^万7408	17^万2933	0.99
58	67	長岡都市圏	36^万5654	27^万4394	12^万3641	1.15
59	87	熊谷都市圏	35^万6995	18^万6859	10^万4731	1.03
60	56	青森都市圏	34^万0558	33^万6677	24^万1322	1.04
61	61	小田原都市圏	33^万7568	30^万2668	17^万2105	0.96
62	57	八戸都市圏	33^万2242	33^万1608	16^万9749	1.09
63	66	弘前都市圏	32^万6102	27^万8234	12^万5803	1.09
64	60	佐世保都市圏	32^万2948	30^万4678	15^万9673	1.04
65	64	大垣都市圏	31^万9486	28^万0945	9^万2158	1.09
66	65	津都市圏	30^万8375	28^万0045	10^万0149	1.23
67	58	呉都市圏	28^万8637	32^万0342	17^万3993	1.02
68	93	太田都市圏	28^万8046	16^万1945	8^万2866	1.12
69	48	下関都市圏	28^万7935	34^万8875	19^万7992	1.01
70	74	沖縄都市圏	28^万3227	23^万6398	10^万0162	0.98
71	63	徳山都市圏	28^万1194	29^万5506	6^万7407	1.14
72	70	木更津都市圏	26^万7626	24^万4066	8^万2216	0.91
73	75	宇部都市圏	25^万8180	22^万9729	9^万3439	1.00
74	77	帯広都市圏	25^万3851	22^万1659	16^万1127	1.07
75	69	米子都市圏	25^万2387	24^万6581	6^万9684	1.12
76	73	鳥取都市圏	24^万9067	23^万9972	9^万4204	1.21
77	85	小山都市圏	24^万5698	19^万0194	7^万5948	1.05
78	76	上越都市圏	24^万4810	22^万7947	8^万1780	1.08
79	68	大牟田都市圏	24^万0181	25^万4723	11^万4794	1.03
80	-	刈谷都市圏	23^万2726	13^万7173	10^万2278	1.31
81	86	都城都市圏	22^万7196	18^万9065	6^万4159	1.12
82	81	上田都市圏	22^万7062	20^万5775	4^万3267	1.06
83	80	松江都市圏	22^万5937	20^万5031	10^万6413	1.17
84	71	釧路都市圏	22^万5576	24^万2331	17^万6971	1.01
85	-	北上都市圏	22^万0258	7^万6633	2^万6825	1.08
86	-	中津都市圏	21^万6597	9^万7817	2^万5520	1.07
87	87	飯塚都市圏	20^万9400	18^万8420	4^万7842	1.16
88	84	石巻都市圏	20^万7558	19^万4680	10^万1723	1.07
89	72	室蘭都市圏	20^万1293	24^万1371	8^万5251	1.15
90	95	苫小牧都市圏	19^万9144	15^万8191	14^万1089	1.00
91	94	伊勢崎都市圏	19^万4232	15^万9064	6^万8656	1.05
92	83	新居浜都市圏	19^万3417	19^万6483	9^万1822	0.99
93	97	松阪都市圏	19^万0542	15^万6295	6^万0652	1.01
94	-	津山都市圏	18^万9627	14^万4230	3^万6048	1.11
95	82	会津若松都市圏	18^万8686	19^万7672	9^万3305	1.15
96	-	彦根都市圏	18^万5687	13^万5930	5^万8986	1.01
97	79	桐生都市圏	18^万5540	20^万5240	8^万8575	0.97
98	-	山口都市圏	17^万8402	14^万7867	7^万4041	1.02
99	89	出雲都市圏	17^万3715	16^万6279	2^万9477	1.08
100	-	古川都市圏	16^万9910	6^万5525	3^万3802	1.07

※中心市が複数設定されている都市圏（市町名は2000年当時のもの）

東京都市圏 : 8（東京都特別区・川崎市・横浜市・厚木市・千葉市・戸田市・武蔵野市・立川市）
大阪都市圏 : 4（大阪市・東大阪市・守口市・門真市）
名古屋都市圏 : 2（名古屋市・小牧市）
岡山都市圏 : 2（岡山市・倉敷市）90年まで岡山と倉敷は別々の都市圏として計算
つくば都市圏 : 2（つくば市・土浦市）
太田都市圏 : 2（太田市・大泉町）
徳山都市圏 : 3（徳山市・下松市・新南陽市）
北上都市圏 : 2（北上市・花巻市）

※1980年と2000年との間で首位の中心市が変更となり、名称変更となった都市圏

土浦都市圏は、95年以降はつくば都市圏となった。
君津都市圏は、90年以降は木更津都市圏となった。

※DID人口は都市圏内の中心都市1つのみ

[編集] 上位都市圏の時系列

郊外化によって周辺自治体が次々と中心都市へ10%以上の通勤比率になっていったため、統計上は人口増がジャンプアップする都市圏が多い。特に岡山都市圏では、統計上、別だった倉敷都市圏が、2000年では合一し、「岡山・倉敷都市圏」という形になって統計上人口が激増した形となっている。一方、北九州都市圏では、都市圏構成自治体の人口減の他に、福岡都市圏のそれに変化した自治体が出現し、都市圏が縮小して人口も減少している。

中心市の合併、あるいは、中心数の変化があった都市圏は太字で表す。

順	2000年	1995年	1990年	1980年
1	東京都市圏 3172^万9844	東京都市圏 3093^万8445	東京都市圏 2995^万8231	東京都市圏 2662^万4003
2	大阪都市圏 1211^万6540	大阪都市圏 1200^万7663	大阪都市圏 1184^万2283	大阪都市圏 1117^万0018
3	名古屋都市圏 531^万8500	名古屋都市圏 521^万9372	名古屋都市圏 508^万6551	名古屋都市圏 453^万8832
4	京都都市圏 258^万3304	京都都市圏 253^万9639	京都都市圏 248^万5352	京都都市圏 236^万1205
5	福岡都市圏 232^万9021	神戸都市圏 221^万8986	神戸都市圏 221^万4270	神戸都市圏 204^万7561
6	神戸都市圏 229^万6268	福岡都市圏 220^万8245	福岡都市圏 212^万9424	福岡都市圏 177^万3129
7	札幌都市圏 221^万7162	札幌都市圏 216^万2000	札幌都市圏 209^万1946	札幌都市圏 175^万1996
8	広島都市圏 158^万4037	広島都市圏 156^万2695	広島都市圏 151^万0293	北九州都市圏 152^万4747
9	仙台都市圏 155^万5691	仙台都市圏 149^万2610	北九州都市圏 142^万8014	広島都市圏 132^万7198
10	岡山都市圏 148^万4066	北九州都市圏 142^万8266	仙台都市圏 139^万5486	仙台都市圏 124^万8616
11	北九州都市圏 142^万5920	静岡都市圏 100^万2032	静岡都市圏 99^万1708	静岡都市圏 96^万6074
12	熊本都市圏 102^万0488	熊本都市圏 98^万2326	熊本都市圏 93^万7056	熊本都市圏 83^万6892
13	静岡都市圏 99^万9360	岡山都市圏 94^万0208	新潟都市圏 91^万3198	浜松都市圏 82^万5503
14	新潟都市圏 94^万7310	新潟都市圏 93^万6750	岡山都市圏 91^万0707	岡山都市圏 75^万0188
15	浜松都市圏 91^万9933	浜松都市圏 91^万2642	浜松都市圏 88^万8239	新潟都市圏 72^万6983
16	宇都宮都市圏 88^万8005	宇都宮都市圏 85^万9178	岐阜都市圏 80^万8103	岐阜都市圏 71^万1981
17	岐阜都市圏 82^万0848	岐阜都市圏 81^万8302	宇都宮都市圏 80^万0459	姫路都市圏 70^万9219
18	那覇都市圏 74^万6762	姫路都市圏 74^万1089	姫路都市圏 72^万6429	鹿児島都市圏 66^万2737
19	姫路都市圏 74^万1759	福山都市圏 72^万9472	金沢都市圏 69^万4916	金沢都市圏 62^万6523
20	金沢都市圏 73^万2467	那覇都市圏 72^万7536	鹿児島都市圏 69^万4784	那覇都市圏 61^万6010

■ : 北海道・東北地方

■ : 関東地方

■ : 中部地方

■ : 近畿地方

■ : 中国・四国地方

■ : 九州・沖縄地方

[編集] 脚注

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

都市雇用圏

表・話・編・歴各種人口順位表、統計
世界	世界人口
各国	国の人口順リスト - 国の人口増加率順リスト - 国の人口密度順リスト
各国の都市･都市圏	世界の都市圏人口の順位 - 世界の市域人口の順位 - 100万都市の一覧 - 50万都市の一覧 - アメリカの都市圏人口の順位 - アメリカの主な都市人口の順位 - 韓国の都市の人口順位 - 歴史上の推定都市人口順位
日本	日本の人口統計
日本の都道府県	都道府県の人口一覧 - 昼間人口による都道府県の順位
日本の都市･都市圏	総務省定義による都市圏 - 都市雇用圏 - 日本の市の人口順位 - 都道府県庁所在地と政令指定都市の人口順位 - 1889年の都市人口順位 - 昼間人口による大都市の順位 - 人口集中地区順位
関連項目	人口 - 都市 - 都市圏 - 地理指標

カテゴリ: 都市圏 | 日本の都市圏

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