世界
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世界(せかい、world)とは、人間の個人や集団が、所属したり活動している、物理的、社会的、心理的空間を意味する多義的な言葉である。
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[編集] 「世界」の多義性
- 全ての国、万国の意。特定の一国ではなく全ての国々ということ。報道・政治等で多用される用法。関連語に「国際」。(例)「世界政治」「世界経済」。
- (地球上の)全ての地域。(例)「世界の諸地域」「世界の地理」
- 人間の社会全体。限定された社会ではなく、全ての社会の集合、全人類の社会を指す。(例)「世界の歴史」「世界人口」
- 同じ種類のものの集まり、またその社会。(例)「昆虫の世界」「勝負の世界」
- (漠然と)世の中。関連語に「世間」。
- SF等のフィクションにおいては、上記概念を延長し、ある生物が活動する架空の社会や空間(天体等)を指すこともある。
- 特定の文化・文明を共有する人々のまとまりや空間を指す。「芸術家の世界」「学者の世界」、「キリスト教世界」「イスラム世界」などのように用いる。また「第一世界」「第二世界」「第三世界」のように冷戦体制下で見られた陣営ごとの国々のまとまりを指すこともある。
- 歌舞伎や人形浄瑠璃の戯曲にあって、物語が展開する背景となる基本的な設定。作者の独創によることはなく、「曾我の世界」「源平の世界」「太平記の世界」などのように先行する文学作品のなかからとられる。
- アニメ・漫画等では(やはり物語設定にかかわる)「セカイ系」の意味で用いられることもある。
[編集] 用法
人間など命あるものと関連づけられた、社会的、政治的、経済的ないし人文地理的概念として用いられることが多い。
類義語にあたる「社会」では、集団や共同体に焦点が当てられており、縁故等の対人関係までが連想される。「世界」は空間概念としては現代では(人々の活動範囲が広がったため)「地球上の全地域」を意味することが多いが、「地球」は日本語では人類の活動の場という意味合いをあまり含めず、自然科学的側面からみた物理的空間としての用例が多い。
人間が世界に対して持つ認識を「世界観」と呼んでいる。人生観とも部分的に重なるが、人生観よりも広い範囲を指し、人生観同様、多分に情緒的な評価づけを含んでいる。なお、「世界像」は世界観とは異なり、世界を外から眺めるような態度であり、そこでは、世界はあくまでも知的、客観的な分析の対象である。ただし、世界像はしばしばその時代に応じた検証を受け、伝統的な世界観を突き崩し、新しい世界観の知的基盤となることがある。言い換えれば、世界観とは各時代の各地に住む人びとの生活体験や伝統的な観念を基礎とし、知的体系としての世界像とむすびついて、各人の生き方や行動の指針となる考え方という意味である。
[編集] 語の由来と歴史
日本語の「世界」は、インドから中国を経て漢語として日本に伝来した来歴を有している。
源流となっているサンスクリットはローカダートゥ(loka-dhaatu)である。"loka "は、「空間」や「(林の中の)木の無い場所」「空き地」のようなものを意味していた。"dhaatu "は界を意味する。"loka-dhaatu "は仏教用語として用いられた歴史があり、「命あるものが生存し輪廻する空間で、そこにおいて一仏が教えを広める空間」を意味する。
このサンスクリットが漢語訳されたとき「世界」となった。「世」には時間の観念に重きをおいた字であり、「界」は空間に重きをおいた字であり、「世界」とは、時間と空間の両方に配慮した訳語である。ある経典では、東西南北上下が界であり、過去・現在・未来の三世が世である、といった主旨のことが述べられている。
中国においては、当初は仏教用語であった「世界」であったが、詩歌の分野において(特に唐詩において)次第に「世の中」や「世間」といった意味で使用されるようになった。これらの歴史が積み重なった状態で日本にももたらされ、『竹取物語』などでも「世の中」「世間」の意味で「世界」の語が用いられている。
江戸時代になって、当時の世界地図をもとにした『世界図屏風』[1]が広く流布したが、ここにおける「世界」は今日の用例と同じ、「地球」「万国」の意味である。1867年(慶応2年)初版のジェームス・カーティス・ヘボンの『和英語林集成』では、これを踏襲して、地球、万国の意としての「世界」の語がみえる。また、井上哲次郎らの編集による『哲学字彙』(1912)には、world、cosmosの訳語として、「宇宙」とともに「世界」をもあてている。
[編集] 補説
堺屋太一は、チンギス・ハーンによって「世界」がはじめて意識されるようになったとしている。堺屋によれば、チンギス・ハーン自身が「東洋と西洋は1つ」という世界観をもっており、大量報復思想、信仰の自由とともに「ジンギスカンの三大発明」と呼んでいる[2]。
なお、世界にかかわりの深い用語である「国際化(Internationalization)」は、17世紀ヨーロッパで成立し、その後世界的に拡大した主権国家体制の存在を前提にしている。それに対し、「グローバル化(Grobalization)」は政治や文化、経済上の国境にとらわれない動きである。すなわち、前者では国境の役割は依然大きく、たとえば文物が国境を通過することは監視すべきものとされるが、後者ではそもそも監視すべきではなく、秘匿性が重要な価値観のひとつとして考慮されている。
国際化あるいはグローバル化の進展によって、各領域、各分野においてトランスナショナルな関係も広がっている。また、現代においては、経済におけるグローバル化の進展とともに、とくに政治領域における地域化(Regionalization)の進展も顕著である。
また、歴史的には、地域相互の間の関係を称するのに「域際(Interregional)」の語も多用されてきた。17世紀のオランダは域際貿易や域際交流において重要な役割を果たしてきたといわれる。
「世界」の語は、上記のような諸用語を包括するもの、あるいはその変容を述べるのに適したタームとして、とくに人文科学では多用される傾向にある。
[編集] 世界の諸地域
世界には、次の地域がある。考え方によってその区分のしかたはさまざまである。
[編集] 大局的な分類
半球
[編集] 局地的な分類
[編集] 大州
- ヨーロッパ州 - 北ヨーロッパ、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、南ヨーロッパ
- アジア州 - 北アジア、中央アジア、南アジア、東アジア、東南アジア、西アジア
- アフリカ州 - 北アフリカ、中部アフリカ、東アフリカ、南部アフリカ、西アフリカ
- 北アメリカ州 - 北アメリカ、中央アメリカ、カリブ諸島
- 南アメリカ州 - 南アメリカ
- オセアニア州 (大洋州) - ポリネシア、メラネシア、ミクロネシア、オーストラリア
- 南極
[編集] 国際機関・多国間組織
- 国際連合 (国連)
- 世界貿易機関 (WTO)
- 経済協力開発機構 (OECD)
- 国際原子力機関 (IAEA)
- 世界食糧計画 (WFP)
- G8(主要国首脳会議)
- 欧州連合 (EU)
- 欧州評議会 (CE)
- 欧州安全保障協力機構 (OSCE)
- 北大西洋条約機構 (NATO)
- アジア太平洋経済協力 (APEC)
- 石油輸出国機構 (OPEC)
- アラブ石油輸出国機構 (OAPEC)
- アフリカ連合 (AU)
- アラブ連盟
- イスラム諸国会議機構 (OIC)
- 東南アジア諸国連合 (ASEAN)
- 独立国家共同体 (CIS)
- イギリス連邦
- 朝鮮半島エネルギー開発機構 (KEDO)
- 米州機構 (OAS)
- 南アジア地域協力連合
- 中部アフリカ諸国経済共同体 (CEEAC)
- 中部アフリカ経済通貨共同体 (CEMAC)
- 南部アフリカ開発共同体 (SADC)
- インド洋地域協力会議
[編集] NGO(非政府組織)
- 赤十字社、国際赤十字赤新月社連盟、赤十字国際委員会
- 国際標準化機構
- アムネスティ・インターナショナル
- 国境なき医師団
- 地雷禁止国際キャンペーン
- 難民を助ける会 (AAR JAPAN)
- グリーンピース