鉄子の旅
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『鉄子の旅』(てつこのたび)は、菊池直恵によるノンフィクション漫画作品。全48旅(話)、単行本は全6巻。2002年から2006年まで小学館の『週刊ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI』『月刊IKKI』に連載された。『月館の殺人』、『阿房列車』とともにIKKIの鉄道マンガ三部作の一つ。
目次 |
[編集] 概要
コンセプトは、鉄道にまったく興味のない作者が鉄道好きのトラベルライターの横見に“嫌々”日本全国の鉄道に連れ回されるというもの。通常、旅をするメンバーはキクチ、横見、編集者で、時折ゲストが随行する場合もある。
略称は鉄子(てつこ)。主要な登場人物達も使用している。
足掛け5年にわたり連載が続いていたが、菊池の体力の限界を理由に2006年12月号の第48旅を持って終了した。全6巻。連載そのものは終わったが、2008年3月号までコラムが掲載され2008年5月号より内容を変更したうえで再開された。2007年6月よりアニメ化され、ファミリー劇場にて放送された。アニメ終了後もカラー特別版や日本縦断弁当が販売されるなど新企画が続いている。アニメの宣伝も兼ねて、2007年4月号、7月号、8月号限定で再開された。
[編集] 企画
2000年頃、編集長が書泉グランデで横見著の『乗った降りたJR四六〇〇駅』を読み、イシカワに話す。偶然にもイシカワも知っており、2人で盛り上がる。そして、横見と組んで、コラムやエッセイ等、何かしてみたいということになった。編集長とイシカワで横見に会った際、その場で横見が「横見と編集と女性漫画家で鉄道を旅するルポマンガというのはどうだ」と提案した。さらに「編集も女性というのはどうか」といったが、流石に却下された。単に女性と旅行をしたかったという説もあり。さらに第3巻収録の第23旅での編集長の証言によれば、編集長がずっと鉄道漫画をやりたいと思っていたらしく、その影響も大きいとされる。初期はコマや絵に使われている線が細く演出も大人しめだったが後半になると線がどんどん太くなっていき演出も過激化していった。そのため初期と後期では作風がやや異なる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 主要登場人物
- 菊池直恵(きくち なおえ)
- 「コラム 実録鉄ヲタブランド化計画」を含む全旅に登場。作中では「キクチ」と表記される。「昼食は駅弁にする」ことを条件に、この漫画の執筆を引き受ける。イシカワ曰く「なんて安上がりな女」。鉄道は「移動手段」としか思っていない普通の非「鉄」だった。しかし、連載開始以来、無意識のうちにじわじわと鉄道知識が刷り込まれ、第31旅ではタブレット閉塞の説明が出来るまでになってしまった自分に愕然としている。連載初期は観光や美味しい物の堪能ができないことに文句を言い、自分にとって都合の良く逆に横見にとって都合の悪いことになるとやたらと喜ぶなど、鉄道旅に対し反抗的だった。しかし後期では旅に慣れてしまったためか、そのようなことはなくなった。むしろ楽しんでいたり、横見が観光を入れようとする、鉄道を嫌がる等のキクチ寄りの意見を言うとおかしく思ったり突っ込む面がある。
- 横見浩彦(よこみ ひろひこ)
- 全旅に登場。JR・私鉄9843駅全てを乗下車したほどのテツ(鉄道好き)で、大抵の旅行の立案者。レールクイーンやデートコースなど、女性には相当興味がある40代独身。ほぼ常時ハイテンションで、非「鉄」一般人の理解をはるかに超える価値観に基づく行動や言動でキクチを毎回驚愕の渦中に叩き込む。物語が進むにつれ行動、言動はキクチの突っ込みとともに過激になっているが、本人にその自覚はほとんど(あるいは全く)ない。食欲はキクチ以上に旺盛で、旅先でよく大食いをしているが、旅において食事や駅弁のことはまったく考慮しない。
- 石川昌彦(いしかわ まさひこ)
- 初代担当編集者。鉄道好き。漫画中では「イシカワ」と表記される。第1旅 - 第7旅、第13旅、第31旅、第32旅、第43旅、最終旅、アニメ放送スタート特別読み切りに登場。第6旅で2代目のカミムラに交代した後も自費で旅行に参加していることがある。旅の途中で帰ってしまうのがお約束だったが、最終旅(第48旅)では最後まで同行した。地方の「競」が付く馬や自転車、ボート等を見に行っているうちに、鉄道好きになったらしい。独身らしく、キクチには「そんなんだから、嫁の来手がないんだ」と突っ込まれる。週刊少年サンデーのデスク(編集を総括する仕事)を経て(第5巻による)、現在は月刊サンデーGENE-Xの編集者をしている。
- 神村正樹(かみむら まさき)
- 2代目担当編集者。漫画中では「カミムラ」と表記される。第6旅以降全旅に登場。この作品が初めての担当作品で、編集長から「任せられるのはカミムラくんしかいない」と言われ、張り切って担当を引き受けるが、実のところは「他に引き受ける人間がいなかったから」らしい。鉄道にはほとんど興味なく、第36旅によればゲーム好きらしい。ボーっとした人物として描かれている一方、作中よく見ると仕事に対して常に前向きで、子供好きな側面もある。また、どうでもいい事まで逐一メモを取りメモりきれなかったりメモり過ぎて腕が壊れることもある。ただし悪筆なので、他人はおろか、時には自分ですらメモの内容を判読出来ない。自称デリケートな性格。
- 編集長
- 月刊IKKIの編集長。本編中では本名を明かしていない。第10旅、第20旅、第23旅、第24旅、第27旅、第28旅、第32旅、第40旅、第41旅、第42旅、第48旅、特急田中3号に勝手に連結スペシャルに登場。鉄道好き。特にスイッチバックが好きで、自身のウェブサイト(外部リンク参照)でもスイッチバックを仔細に紹介している事を含め、本編や単行本・メモの頁等に記載のとおり、その知識や思い入れについては枚挙にいとまがない。横見曰く「編集長はおサイフ」。登場するときはよくコーヒーを飲んでいる
[編集] 参加したゲスト
- きなこちゃん
- 保母。横見の友達の友達で「妹分」。初代レールクイーン。一般人のため素顔が公表されておらず、レールクイーン紹介ページでは唯一イラストであり、本人が登場する場合モザイク処理がされている(最近では横見がテレビ出演した際に全駅達成時の紹介をするVTRに「花束を渡す女」としてモザイクなしで映っている)。登場するたびに髪形が変わっている。第5旅(1巻)、第13旅(2巻)、第32旅(4巻)、第47旅(6巻)に登場。
- 眞鍋かをり
- タレント。第8旅(1巻)に登場。銚子電鉄全駅乗下車に同行している。鉄道に全く興味がなく、後半に駄目出しを連発しているという風に描かれている。この旅の模様は、IKKI付録のDVDで実写映像を見ることができた。後年、濡れ煎餅の話題で“頑張っている銚子電鉄”といった趣旨のワイドショーで「鉄道オタクの人と全駅乗った」と嬉しそうに語っている。
- みえさん
- フリーター。横見と「みえちん」「ヒロッチ」と呼びあう。第9旅(2巻)に登場。
- 山田あさこ
- 吉本興業の芸人。第13旅(2巻)に登場。アニメ版第6旅では本人役を務めている。一応、鉄道に興味のある若い女性だが、横見の好みではなかったらしく、レールクイーンには列されていない。
- 笠井信輔、ユウくん、はるボン
- フジテレビアナウンサーとその長男と次男。鉄道好き。第21旅(3巻)で登場。後に笠井アナが第32旅(4巻)、ユウくんとはるボンが第38旅と第39旅(5巻)でも登場している。
- 牛山隆信
- 横見の友人で「秘境駅」提唱者。第25旅(4巻)に登場。
- 谷
- JR東海広報。第26旅(4巻)に登場。
- 大塚桂、木本一花、高橋沙耶香、山際良太、下村克彦
- 「鉄子ツアー」参加者。第31旅(4巻)に登場
- 豊岡真澄、南田裕介
- 豊田、佐藤
- 矢野直美
- 鉄道フォトライター。第37旅(5巻)に登場。神村が名前を出すまでは、横見は矢野の存在を知らなかったという。横見の言動に圧倒されていた。「ラピタ」2005年3月号に掲載された「番外編」では横見に代わり旅の案内人を務めた。
- すずくん、ますみさん、コウジくん
- 笠井伸輔アナの三男、笠井アナの夫人でテレビ東京報道部デスク、ユウくんの友達で鉄道の師匠。第38旅と第39旅(5巻)ではユウくん、はるボンとともに登場。実は笠井アナも第38旅と第39旅に参加していたが、フジテレビから漫画化権が降りなかったのでさも不参加のように描かれたといわれている。
- 鈴木
- 「バー銀座パノラマ」店主。第40旅(5巻)、最終旅(6巻)に登場。
- 中山樹
- 村井美樹
- 横見の著書のキャンペーンに同行した女優。第40旅(5巻)、第46旅(6巻)、銚子電鉄応援冊子に登場。アニメ版第12旅では横見の妄想の中の人物「のぞみ」役で声優として出演。
- 柳(ユー)、趙(チョウ)、金(キム)
- 出版社・ソウル文化社の社員。第41旅(6巻)に登場。柳のみ第42旅(6巻)にも登場。
- 朴(パク)、林(イム)
- 韓国の鉄道ファン。第41旅(6巻)に登場。
- コンドウ
- 鈴木美和
- AFP通信記者。第44旅と第45旅(6巻)に登場。
- 酒井順子
- 「小説新潮」との相互乗り入れ企画(月刊IKKI2007年4月号)に登場。
- 磯山晶
- ドラマ『特急田中3号』プロデューサー。「特急田中3号」に勝手に連結スペシャル(月刊IKKI2007年7月号)に登場
- 野月貴弘、土屋基
- SUPER BELL''Zのメンバー。アニメ放送スタート特別読み切り(月刊IKKI2007年8月号)に登場。
- 嶋津毅彦
- アニメ『鉄子の旅』プロデューサー。アニメ放送スタート特別読み切り(月刊IKKI2007年8月号)に登場。
- 永丘昭典
- アニメ『鉄子の旅』監督。鉄子の旅外伝に登場。
- 相馬和彦
- アニメ『鉄子の旅』脚本家。鉄子の旅外伝に登場。
- 大西力
- アニメ『鉄子の旅』製作設定。鉄子の旅外伝に登場。
- 米田
- 村井美樹のマネージャー。銚子電鉄応援冊子に登場。
- 鈴木
- 銚子電鉄社員。銚子電鉄応援冊子に登場。
- 横溝泰鴻
- 単行本で各話の幕間に毛筆で「横見テツ語録」を書く書道家。
末期は、菊池の「いつもの3人ではもう味気ない」という提案(第37旅)により、ほぼ毎回ゲストが登場していた。そのため、アニメ化した話には単行本5、6巻のものは1話もない。
[編集] キーワード
- 鉄子
- 「鉄子」とは、女性の鉄道ファンを示すためにつくられた造語である。この作品の影響もあって一般化しつつあるともいわれ、2007年の新語・流行語大賞の候補にノミネートされた。鉄道趣味雑誌「鉄道ダイヤ情報」の読者ページには、女性投稿者限定の「鉄子の部屋」というコーナーがある。一部マスコミでは鉄子中の鉄子として、本作にも登場した矢野直美が取り上げられることがある。
- レールクイーン
- 横見が制定したもので、鉄道界のアイドルのことらしい。理想的には、すごく鉄道に興味があり、少し知識があり、若くてかわいい子だそうである。漫画上でもレールクイーンとして、「きなこちゃん」など数名の女性が登場する。横見のウェブサイト(外部リンク参照)によると、現在8人存在するが、「真のレールクイーン」と言わしめた豊岡真澄は含まれておらず、同じ鉄道アイドルの木村裕子は含まれているが肩書きは現在も「グラビアアイドル」のまま。ウェブサイトで会った&合コンした多数の鉄子らの紹介文に使うこともある。
- 鉄ヲタブランド化計画
- 「鉄ヲタ(鉄道おたく)=かっこいい」という世の中にしようという横見の計画。ただし、横見がそのために行った自己変革はおばちゃんパーマ(キクチ談)とジャケットにリュックサック姿というものであり、計画の暗礁を予見してキクチとカミムラをあきれさせていた。
- 横見マジック
- 途中でどんなにグダグダになろうと、最終的に横見の思いどおりになってしまうことを指す言葉。登場した横見マジックとしては「只見線は吹雪が一番なのに吹雪いてない→念じた結果目的地の柿ノ木駅に着いたら猛吹雪」など。時には止まってしまった新幹線さえも動かしてしまった程である。最初にこの言葉を使ったのは第21旅ゲストの笠井アナ。横見にとっては天恵とも思える程の幸運だが、横見自身はあまり認めていない旨の発言を自身のウェブサイトでしている。第42旅の韓国では横見マジックの効果もなかった(横見の態度からマジックを出す気自体がないようにも見える)が、代わりに編集長マジックが炸裂した。
[編集] 旅一覧・主なあらすじ
太斜字のものはアニメ、カラー特別版、スペシャルセレクトの3つ全てにおいて選出された旅である。
[編集] 1巻
- 第1旅 - 久留里線全駅乗下車
- 第2旅 - 130円・一都六県大回り - 東京駅、東海道本線、南武線、鶴見線、相模線、横浜線、八高線、両毛線、水戸線、常磐線、成田線、総武本線、外房線、京葉線、八丁堀駅
- 東京駅に朝7時に集合したキクチは、横見から初乗り運賃の130円で1都6県大回りをやることを告げられる。「不正乗車だ」と抵抗するキクチだったが、実は合法であることを知らされ、しぶしぶついて行くことに。そして旅先にてさまざまな出来事に巻き込まれてゆく中、だんだんキクチの態度も変わっていく。
- 第3旅 - 東京-鹿児島2泊3日鈍行の旅 - 東海道本線、山陽本線(ムーンライト山陽)、鹿児島本線
- イシカワから九州の指宿に行くことを聞いたキクチは大喜び。早速東京から新幹線に乗ろうとしたが、その瞬間横見から鈍行で行くというあまりに過酷な旅の内容を告げられる。さらに、東京・京都間は仕事の都合でイシカワが同行せず、横見と二人きりという事態になり・・・
- 第5旅 - 土合・湯檜曽…鉄子流デートコース - 越後湯沢駅、青海川駅、鯨波駅、筒石駅
- 鉄子初のゲストとして、レールクイーン候補にもなっているきなこちゃんが参加することとなった。キクチはテツ分が高めのきなこちゃんに対し呆然としつつも、次第に仲良くなっていく。
- 第6旅 - 大垣夜行で行く有田&紀州鉄道
- わずか6旅目にしてイシカワが担当から外れることとなった。そのため今旅より2代目編集者のカミムラが旅に同行することとなった。カミムラが鉄道に興味なしの一般人と知り安心しつつも、初めてのマンガ担当と言うことにキクチは不安を抱きつつ、大垣夜行に乗る。
- 第8旅 - 銚子電鉄全駅乗下車
- アイドルである真鍋かをりがゲストとしてくることとなり、横見は楽しくなるだろう、かをりちゃんとの旅に浮かれていた。だが、真鍋のテツ分はキクチ以上と言っていいほど低いものだった。
[編集] 2巻
- 第9旅 - 冬の北東北・デラックス旅 - 五能線、津軽鉄道線
- 横見の行ったレールクイーン募集は当初誰も応募が来なかったが、知らず知らずの間に4通ものはがきが来ており、そのうちの1人みえさんがゲストに呼ばれた。横見に対し興味津々の姿を見た横見は、ハイテンションを無理やり押さえ込んで格好を付ける。
- 第10旅 - 小野田線を目指して
- 第11旅 - 名古屋鉄道・路面電車 - 名鉄岐阜市内線、美濃町線
- 岐阜の路面電車に鉄子初の無計画旅として訪れたが、他の路面電車と違いホームがアスファルトに色づけされただけのものであり、車の挟み撃ちにキクチもカミムラも真っ青となる。
- 第12旅 - 木次線・三江線・可部線
- 廃線間近の可部線をはじめ中国地方内陸には廃線の危機にある路線がたくさんあり、その廃止を何とか鉄子で食い止めたいという横見の考えにカミムラは感動し、横見と共にローカル線の魅力を紹介しようとする。キクチが現実的な考え方をする中、カミムラは横見の発言にとらわれ続けていた。
- 第13旅 - わたらせ渓谷鐵道と廃線歩き
- 再びきなこちゃんと旅をすることとなり、またしても浮かれる横見。だがカミムラがあまりにも余計なことをしてしまったせいで横見の理想は一気に崩れ落ち激怒する。だが、カミムラはなぜ横見が怒っているのかまったく分からない状態でいた。そして勘違いし続けた末に、カミムラの過去のあまりに酷い行いが明かされることとなる。
- 第14旅 - 海底駅そして北海道初上陸 - 竜飛海底駅、仁山駅、森駅、吉岡海底駅
- なぜ全駅下車を始めることとなったのかと言う質問に対し答えながら青函トンネルに突入するのを心待ちにしていた横見だが、話に夢中で見逃してしまったことに、先週も来ていたにもかかわらず落ち込む。一方海底駅で降りると聞いたキクチとカミムラは魚が見られることを期待するが・・・。
- 第15旅 - 飯田線・秘境駅巡り - 千代駅、金野駅、中井侍駅、為栗駅、田本駅
- 青春18きっぷを使った秘境駅めぐりと言うあまりにも楽しい旅のはずなのに、なぜかテンションが低くこれまでにない態度を見せる横見にキクチは不審を抱く。キクチに反論しない、雨が降ったらのんびり待つ、トイレのために計画を変更しようとする、汗のにおいを気にする、そして変な発言が俳句の中に混じっているなどと言った要素からキクチが見つけた答えとは・・・。
- 第16旅 - 四国初上陸・全地域制覇 - 土佐北川駅、新改駅、琴平駅、坪尻駅
- 横見はキクチに四国初上陸を機に、旅の感動を伝えられるようにマンガを書くように指示するが、横見のハイテンションやカミムラの失態を見ると、とても真面目に書けないとキクチは思っていた。だが夜の坪尻駅で、その思いは変わる。
[編集] 3巻
- 第17旅 - 鶴見線オススメ駅巡り
- カミムラは担当を受け継いで以来、横見とキクチの仲は非常に悪く、このままでは連載が終了してしまうのではないかと感じていた。そこで2人に初心に帰ってもらい仲直りさせようとするのだが、2人は相変わらずかみ合っていなかった。
- 第18旅 - 京都・雨のケーブル延暦寺
- 今回の旅は当初最後に比叡山を徒歩で下りる計画でいた。だがケーブル延暦寺駅で大雨に見舞われ、足止めされることに。これで歩いて下りなくてもすむと思ったキクチとカミムラだが、横見がすぐ止むからと計画を実行しようとする。止んだとしても道がぬかるんで危険なはずなのに実行しようとする横見に不満を持ったカミムラは、横見に計画を中止するように説得するが、横見が徒歩下山を実行しようとした理由は、カミムラの考えをはるかに超越したものだった。
- 第19旅 - 長野電鉄の魅力を味わう - 上諏訪駅、松代駅、東屋代駅、木島駅、湯田中駅 姨捨駅
- 今回の旅は4部構成という横見。だが第1部は普段と変わらない木造駅舎めぐりで、なぜそこまでこだわるのかが理解できないキクチ。一方それぞれのタイトル名が決まった4部構成はカミムラの提案によりテーマソングも付けられることになる。
- 第20旅 - 冬こそ只見線! - 会津塩沢駅、柿ノ木駅
- 横見は、雪の多い地帯を走る只見線に大雪警報の出ているときに行きたいと言い出す。だが、キクチが打ち合わせにいなかったため計画を中止にできず、結局行くことになってしまった。しかも、カミムラが当日になって風邪を引いてしまう。無事に帰れるのかという恐怖におびえるキクチを尻目に、只見線の起点駅小出駅に着いたが外は晴れていた。しかし、横見マジックの威力は、2人の想像をはるかに超えていた。
- 第21旅 - 親子で楽しむ伊豆の旅 - 伊豆急行線、伊豆北川駅、伊豆高原駅、城ヶ崎海岸駅、リゾート21、スーパービュー踊り子
- 笠井アナとその子供ユウ君、はるボンをゲストに伊豆の旅に行くことになった。電車おじさんと言われテンションが低くなったと思われていた横見だが実は子供全般が苦手ということが発覚する。その後横見は今回の旅の魅力を紹介しようとするがセリフを持っていかれたり、わがままを言われるなど振り回されてしまう。
- 第22旅 - 南東北・横見スペシャル - あぶくま駅、面白山高原駅、峠駅、赤岩駅
- 22旅目を迎え、もう飽きたというキクチ。そんなキクチに対し、横見はグレードがどんどん上がる絶対に満足する旅と自信満々に言う。その発言どおり1駅目のあぶくまからグレードの高さが発揮されるが、横見の言うグレードが高いというのは実は・・・。
- 第23旅 - これが北海道だ! 前編 - 北斗星
- 第24旅 - これが北海道だ! 後編 - 北海道ちほく高原鉄道、豊住駅、西訓子府駅、分線駅、笹森駅、塩幌駅
- 編集長と共に、寝台特急「北斗星」に乗って北海道へ行くこととなった鉄子一行。編集長がテツだということにキクチが愕然としながらも、列車は札幌駅に着く。そこで横見から「板切れ駅」を回ると聞かされ、再び愕然とするキクチ。そのとき編集長に「横見さんのギターは弦が一本多い」と聞かされ疑問を持つ。そんなキクチを横目に編集長は帰っていった。その後板切れ駅での横見の言動があまりにも酷いと感じたキクチは、編集長の言葉の意味を自分なりに理解し、横見に改善するよう迫るが…。
[編集] 4巻
- 第26旅 - 初体験・リニアモーターカー
- リニアモータカーに乗れることになった今回、カミムラが旅の計画をすることになったが、出発地の新宿でいきなり駄目出しを食らう。リニアに興味がなかったこともあり横見はずっとテンションが低いままとなっていたが・・・。
- 第29旅 - 三重&岐阜、狭くて近い鉄道の旅 - 三岐鉄道北勢線、三岐鉄道三岐線、近鉄名古屋線、近鉄養老線、樽見鉄道樽見線、名鉄谷汲線
- 横見が鉄ヲタブランド化計画の一環としてスタイルをチェンジしてやってきたが、それはジャケットにリュック、おばちゃんパーマというものだった。そんなスタイルにキクチが呆れつつも、近くて狭いというテーマに沿って旅が進められる。
- 第30旅 - まだ間に合う! くりはら田園鉄道 - 若柳駅、沢辺駅
- キクチは前回の旅で横見から鉄道をとったら何が残るんだという疑問を持っていた。一方2年後(当時)に廃止されるくりでんを鉄子による魅力の紹介で食い止めようと言う横見。第12旅では直前過ぎたが、今回は2年もあるので間に合うというのだ。早速カミムラから駅の魅力を紹介するように言われるが、それはあまりにも適当だった。
- 第31旅 - 鉄子ツアー in 小湊鉄道 - 五井駅、上総中野駅、月崎駅、上総久保駅、養老渓谷駅
- 読者の中から選ばれた5人と行く「鉄子ツアー」をやることとなった。キクチは読者5人を鉄子は「本当に大変だ」という証人にさせようと横見をハイテンションにさせようとするが、一方の横見も読者5人を「自分は普通」だという証人にさせようとしていた。
- 第32旅 - 横見浩彦・日本全駅下車達成!! - 上信電鉄、上州福島駅
- 横見が9843駅目となる上州福島に下車し、全駅下車を達成した。だが、その裏には達成当日、横見の相手をするキクチとカミムラの苦労があった。
[編集] 5巻
- 第33旅 - 18キップ・一都十一県大回り - 東海道本線、北陸本線、北越急行ほくほく線、上越線、高崎線
- 横見が全駅下車を成し遂げてから1ヶ月がたった。ここで横見が出してきたのは、初心に帰るのが目的の、青春18きっぷを使って25時間の大回りをするというものだった。しかも「ム-ンライトながら」を使うことを知って、キクチは愕然とする。一方カミムラは、こんな過酷な旅に対しなぜか前向きであった。
- 第36旅 - 「彗星」に乗って高千穂鉄道へ - 亀ヶ崎駅、深角駅、日之影温泉駅、影待駅
- TAITOの職員豊田さん、佐藤さんがゲストとして来た。ゲーム好きのカミムラは、横見をゲーム化するとどんなゲームになるかを提案すると、2人は快くOKしついに出来上がる。だが、ゲームのモデルである横見の態度は酷いものだった。
- 第37旅 - 鹿島鉄道・茨城交通湊線オススメ車両? - つくばエクスプレス、関東鉄道常総線、鉾田駅、借宿前駅、常陸小川駅、中根駅、阿字ヶ浦駅
- これから毎月ゲストが来ることとなり、今月は矢野直美さんが来ることとなった。車両がメインという旅に対し矢野さんも期待を寄せる。だが、実はキップを優先したため目当ての車両は走らず、スケジュールは適当、さらに矢野さんに対する暴言というあまりのグダグダぶりに、一行は辟易することに。
- 第38旅 - レッドアローでの攻防 - 西武池袋線・秩父線特急レッドアロー「ちちぶ」
- 第39旅 - 絵日記で綴る秩父鉄道の旅 - 御花畑駅、浦山口駅、白久駅、三峰口駅、パレオエクスプレス
- 第21旅のゲストであるユウ君、はるボンの他、はるボンの弟すず君、ユウ君の鉄道の師匠であるコウちゃん、笠井アナの奥さんであるますみさんがゲストとしてきた。前回よりさらにパワーアップしたユウ君やはるボン、そしてコウちゃんのあまりの鉄分の高さやマイペースさにキクチ、カミムラは呆然。一方の横見は本気でムキになりながら張り合っていた。
- 第40旅 - 切符のいらないテツ道の旅 - バー銀座パノラマ、書泉グランデ
- 編集長の勧めで、銀座のど真ん中にあるバー銀座パノラマへとやってきたキクチとカミムラ。そこでキクチはバーのあまりのテツの熱気の高さと横見の全駅下車効果によるテツの増加がここまで波及していることに愕然とする。翌日、書泉グランデでは横見のサイン会が行われており、そこでキクチはある疑問を持っていた。全48旅中唯一鉄道が登場しない、鉄ヲタブランド化計画の総まとめといえる話である。
[編集] 6巻
- 第41旅 - 『鉄子』 in 韓国! 前編 - ソウル地下鉄
- 第42旅 - 『鉄子』 in 韓国! 後編 - 嶺東線羅漢亭駅
- 編集長は来年末(この話より2年近く先)に廃止される韓国にあるスイッチバック駅に行きたかったが、仕事が忙しく、行けないことに悩んでいた。そこで編集長特権を発動し、鉄子初海外として行くことになる。韓国料理に舌鼓をうち機嫌がよくなるキクチだが、目的のスイッチバック駅まで片道5時間もかかることを知って愕然となる。一方、料理さえも美味しくないと感じる横見。「日本に帰りたい…」初めて二人の意見が一致した瞬間だった。そして、たどりついたスイッチバック駅では、横見マジックを上回る編集長マジックが炸裂する。巻末には韓国へ旅立つ前の羽田での出来事の書き下ろしが掲載されている。
- 第43旅 - 天竜浜名湖鉄道超グルメ旅!? - 二俣本町駅、宮口駅、気賀駅、西気賀駅、浜名湖佐久米駅
- イシカワが高橋留美子の編集者であるコンドウさんに「鉄子」を勧めたところ、彼だけでなく高橋先生もマンガを大絶賛。特に駅弁が楽しみだということを聞いたキクチは、駅弁メインの旅を行えば鉄子に高橋先生が何か書いてくれるのではないかと提案。そしてグルメ旅を実行することとなった。さすがに高橋先生は来られなかったもののコンドウさんの話による高橋先生の書下ろしをキクチは期待する。だが横見の言うグルメ旅とは食べる量がグルメだという旅だった。
- 第44旅 - 究極路線・大井川鐵道 - 千頭駅、塩郷駅、田野口駅、下泉駅、抜里駅
- 第45旅 - 井川線・宇宙規模の旅 - アプトいちしろ駅、ひらんだ駅、奥大井湖上駅、閑蔵駅、尾盛駅、井川駅
- AFP通信の記者鈴木さんが横見に対し取材をすることとなり、横見は世界デビューすることに。浮かれる横見に対し旅の辛さが世界中に分かってもらえると思ったキクチは、横見に揺さぶりをかける。その後横見は旅先でさまざまな人に声をかけられるようになる。そして鈴木さんは横見の言動、行動に対し鉄子では考えられない考えを持つようになる。
- 第46旅 - 北海道秘境駅デートコース - 小幌駅、洞爺駅、東山駅、美々駅
- 第40旅でキクチが出会った村井さんがゲストとしてきた。始めは横見のやり方に対し戸惑いを見せていた村井さんだったが、ある出来事を境に横見に感化されてしまう。
- 第47旅 - 江ノ電オススメデートコース - 江ノ島駅、腰越駅、極楽寺駅、湘南モノレール江の島線
- 5回目となるきなこちゃんが、ゲストとして旅に参加することとなった。いつものように横見に頼まれてミニスカートをはいてきたきなこちゃんに対し、キクチは横見ときなこちゃんの本当の関係を探ろうとする。
- 最終旅 - 上信電鉄オススメ駅巡り - 山名駅、上州富岡駅、上州一ノ宮駅、南蛇井駅、千平駅、下仁田駅、上州福島駅
- 鉄子5年間の集大成として横見が選んだのは、全駅下車を記録した上信電鉄だった。最終旅となっても、横見は相変わらずハイテンションだった。鉄子メンバー以外にもう1人ゲストがいる設定になっており、横見を除くメンバー4人に旅の感想を聞いている。
[編集] スペシャルセレクト
- この本は2007年7月25日に発行されたMy First BIGで、選りすぐりの旅を掲載している。また、矢野直美のコラムもある。
- 第1旅 - 久留里線全駅乗下車
- 第2旅 - 130円・一都六県大回り
- 第3旅 - 東京-鹿児島2泊3日鈍行の旅
- 第4旅 - 土合・湯檜曽・・・鉄子流デートコース
- 第5旅 - 大垣夜行で行く有田&紀州鉄道
- 第6旅 - わたらせ渓谷鐵道と廃線跡歩き
- 第7旅 - 冬こそ只見線
- 第8旅 - 鶴見線おすすめ駅巡り
- 第9旅 - 四国初上陸・全地域制覇
[編集] カラー特別版
2007年12月下旬地域別編集で全5巻、本編からセレクトされた旅全15旅を同時発売。サイズがA4と大きくなり、オリジナルの書き下ろしなども掲載される。IKKI2007年12月号によればこの企画は編集長が提案したらしい。
- 表紙は記念スタンプが押されているデザインとなっている
内 容
- 路線マップ - 地図の中でキクチ、横見、カミムラが旅をした地域の解説をしている。横見は全ての巻において廃止になったローカル線のことについてコメントしている。その内北海道、東北、東海編では落ち込んでいる。
- カラーマンガ
- 横見によるコメント、鉄子未公開おすすめ駅MAP
- キクチによる本編に登場した駅弁紹介
- イシカワのエンタメ鉄道 - イシカワが鉄道にまつわる本や音楽などを紹介する。
- カミムラのあそこが気になっていた - カミムラが本編中で疑問を持った点を調べるコーナー。
- 本編登場のゲストによるコメント
- 編集長先生による14歳のためのスイッチバック講座 - スイッチバックを編集長があらゆる点から見ていく。
- キクチ書き下ろしマンガ - ストーリーの未公開部分が描かれている。
セレクトマンガ
- 北海道編
- 旅1 - 海底駅そして北海道初上陸
- 旅2 - これが北海道だ!後編
- 旅3 - 北海道秘境駅デートコース
- 東日本編
- 旅1 - 岩手県の自然を味わう旅
- 旅2 - わたらせ渓谷鐵道と廃線跡歩き
- 旅3 - 江ノ電おすすめデートコース
- 東海編
- 旅1 - 飯田線・秘境駅めぐり
- 旅2 - 初体験・リニアモーターカー
- 旅3 - 井川線・宇宙規模の旅
- 西日本編
- 旅1 - 大垣夜行で行く有田&紀州鉄道
- 旅2 - 因美線オススメ駅巡り
- 旅3 - 氷見線・万葉線・富山地方鉄道
- 四国&九州編
- 旅1 - 四国発上陸~坪尻駅~
- 旅2 - 見どころ満載、肥薩線
- 旅3 - 「彗星」に乗って高千穂鉄道へ
[編集] 銚子電鉄応援Box
カラー特別版と共に発売された。カラー特別版全冊の他、キクチ考案カラーの銚子電鉄車両模型(鉄道コレクション)、キクチ・横見・カミムラのフィギュア、新ゲストと行く銚子電鉄再訪編マンガが付録される。売り上げの一部は実際に銚子電鉄へ寄付される。
[編集] 番外
- 「小説新潮」との相互乗り入れ企画 - 鉄子メンバーと酒井順子が美佐島駅、田子倉駅への旅をし、菊池がIKKIに漫画を、酒井が小説新潮に文章を掲載した。
- 「特急田中3号」に勝手に連結スペシャル! - TBSドラマ『特急田中3号』のスタッフとの同行取材と、アニメ放送開始に伴う宣伝を兼ねた作品。はしだて、北近畿、餘部鉄橋、餘部駅、久谷駅、鎧駅
- アニメ放送スタート特別読み切り - サンライズ出雲、出雲市駅、一畑電車大社線、出雲大社前駅、大社駅、直江駅
- 鉄子の旅外伝〜アニメ製作地獄〜 - アニメ製作の模様を漫画化しているため、鉄道、車両は登場しない。DVDの初回限定生産品の特典。
- 鉄子の旅銚子電鉄応援冊子 - 銚子電鉄応援Boxの特典として付属。登場駅は第8旅と同じ。
- 鉄子の旅プロデュース日本縦断弁当が、できるまで - 日本レストランエンタプライズの同駅弁に封入。北海道編、東日本編、東海編でそれぞれの内容に合わせた漫画が入っている。
- 番外編 - 小学館の月刊誌「ラピタ」2005年3月号に掲載された。このときの「旅の案内人」は矢野直美、舞台は明知鉄道だった。「横見が相手のときと違ってどうしてこんなに楽しいのか」という描き方をされている。
[編集] その他
- 2006年に在阪局の毎日放送(MBS)の夕方ローカルニュース番組『VOICE』の特集コーナー『金曜シリーズイマ解き!』にて、当作品を含めて女性の鉄道ファンを取り上げた。
- 「鉄道ピクトリアル」2007年1月号に、「鉄子の旅 幕間散歩」と題して本作の裏話ともいうべき記事が掲載されており、対談形式で菊池、神村および江上編集長も参加している。
- 高橋留美子の担当編集者がゲストで登場した第43旅では、漫画をほとんど読まない横見が『めぞん一刻』を全巻持っていることが判明。その回の最後には、高橋本人が描いた音無響子(横見が大好きであるという)と横見のツーショットが掲載された。
- 翌8月号ではSUPER BELL''Zの野月貴弘と土屋基、豊岡真澄、アニメ版のプロデューサー(東映ビデオ)嶋津毅彦らが同行した作品が掲載された。この模様はアニメに先行しての特別番組で放映されたほか、インターネットラジオ「鉄音アワー」でも配信された。
- くりはら田園鉄道の廃止前の2カ月間に菊池直恵プロデュースによるクイズラリーが行われ、全問正解者には鉄子メンバーが描かれたカードが贈られた。また、同じ日に廃止された鹿島鉄道でも、終点の鉾田駅に、菊池の直筆による鹿島鉄道を応援する絵が飾られていた。
[編集] テレビアニメ
2007年6月24日~9月23日に、CSのファミリー劇場で放送された。全13話。SUPER BELL"Zが主題歌、エンディング、鉄音効果を担当。
アニメ化にあたってのキャッチコピーは、第1巻の帯にも使われている「今日もいっぱい列車に乗れるぞ!!」。これは横見が道中で語った言葉で、乗り鉄系である鉄道に対する横見の気持ちを如実に表している。
[編集] 原作との相違点
- 旅をしている時期は2002年 - 2005年頃だが、背景、車両などが2007年現在のものになっている。
- 原作中に出てくる「小学館」「IKKI」等の固有名詞がほとんど登場しなくなっている。
[編集] キャラクター
- キクチ - 髪の色が原作では黒だが、アニメでは茶髪になっている。また目つきが若干変わっており、仏頂面や突っ込み時の表情が原作よりも和らぎのある表情へ変更された。また、怒りで炎が上がるシーンが削られ、イシカワやカミムラを殴るシーンが怒るシーンに変更されるなど、原作と比べて性格が若干おとなしくなっている。また第1旅のラストの声が、原作の単行本ではキクチの友人となっているがアニメでは姉ということになっている。
- 横見 - 原作単行本の表紙などではメガネの部分は白色、カラー特別版では水色だが、アニメでは演出の部分以外は肌色である。また原作にはないにっこりした目が第3旅などで描かれている。またキクチなどへの怒鳴り方が原作より過激になっている。その他、原作では鉄道や女性以外のものにも興味があると思わせる描写がわずかながらあるが、アニメでは鉄道にしか興味がないという示唆がある。
- カミムラ - 第4旅(原作第22旅)が初登場という設定(原作では第6旅)になっている。また第11旅でカメラを車内に忘れたり、第13旅でぼさぼさの髪のまま起きてきたりと、おっちょこちょいさが原作よりも増している。
- イシカワ - 第4旅(原作第22旅)で担当を外れる設定になっている。またカミムラに対して呼び捨てで名前を言うシーンがある。
- きなこちゃん - キクチと同様に髪の色が黒から茶色に変わっている。その色はキクチの髪の色よりも薄い。
- 編集長 - 髪の色が原作のグレーから茶色になっている。(カラー特別版はアニメ同様茶色)
[編集] ストーリー
第1旅
- 駅での待ち合わせの際、原作ではホームだったが、アニメでは改札付近になっている。
- 終点の上総亀山駅で、キクチがおいしいものを堪能しようと期待したら店が開いてなくて愕然するシーンが加えられている。
- 原作第2旅の冒頭部分がラストシーンに加えられている。
第2旅
- 駅の待ち合わせで遅れたイシカワを怒鳴るのは、原作ではキクチだがアニメでは横見になっている。
- 冒頭で185系のことについての発言が原作にはあったが、アニメにはない。
- アニメに登場しない原作第17旅のセリフが登場する。
- キクチが駅弁図鑑を持っている。
- イチゴ大福を食べるのは、原作ではホームだがアニメでは車内になっている。
第3旅
- 土合駅のシーンでベンチで休憩するシーンが加えられた。原作では普通にセリフを話していた横見が、アニメでは息切れ状態で同じセリフを話しており、下りホームから地上に出る時の過酷さが強調されている。
- 駅弁を食べる新幹線がE1系からE4系に変更されている。
第4旅
- この話で担当がカミムラに代わる。
- 峠の力餅が話に出てきたときのキクチの妄想がなくなっている。
第5旅
- 一行が東京駅で東北新幹線に乗車するときの車両はE2系なのに、走行シーンは200系(リニューアル車)になっている。
- キクチがホテルで眠れなかった理由は、原作ではそれほど疲れなかったためだったが、アニメでは車内で寝てしまったことになっている。
- 押角駅のシーンで、原作ではそのあまりの秘境ぶりに横見以外は無言になり、キクチは青くなり、後々までトラウマになっていたが、アニメでは豊かな自然に感心している。
- 最後の洞窟観光で横見は、原作では面白いと言っていたが、アニメでは途中で滑って転んだうえ「鉄道以外に面白いものなんてない。早く列車に乗りたい!」と言っている。
- この話からOP終了後のあらすじ紹介がカミムラバージョンになる。
第6旅
- 足尾銅山の観光で山田あさこが横見に抱きつくシーンが加えられた。
第7旅
- 原作では吉岡海底駅が登場したが、アニメ放送時は長期休止駅となっていたため登場しない。吉岡海底駅については第3旅の劇中で言及されている。
第8旅
- 最後のシーンでキクチは、原作では横見に対してあきれていたが、アニメでは怒りのあまり暴れている。
第9旅
- 原作第29旅のエピソードが登場しないため、横見の髪形はおばちゃんパーマではなく普通の髪形となっている。
- 終盤にくりはら田園鉄道最終日のシーンが加えられた。これについてはスタッフが実際に当日の取材を行った。
第10旅
第11旅
- 原作ではいくつか登場したテーマソングがアニメにはない。そのためラストが一部異なっている。
- 原作第4旅の木島線廃止の旅が存在しないため、キクチがどういう駅があるのかを知らない。
第12旅
- 1日目の大阪打ち切りは、原作ではカミムラが考案しキクチが推し進めようとしていたが、アニメでは横見が新幹線が動かずどうしても駄目だった時に、という前提で考案している。新幹線が動いた際に、原作ではキクチとカミムラは絶叫していたが、アニメでは呆然している。また横見は「なはだけになははははは。」と言っていたが、アニメでは「なは、なは、なは、なは。」と言っている。
- 肥薩線の部分は、原作ではほとんど横見の妄想シーンだったが、アニメでは若い女の子と話すシーン以外は現実世界になっている。また妄想シーンでの横見のスタイルは、原作では普段着だが、アニメではペ・ヨンジュンがモデルと思しきスーツで髪形も変わっている。さらにファンに囲まれている横見の背景に109のパロデイである453(横見)という建物が建っている。
- 「鉄ヲタブランド化計画」の言葉がこのとき登場する。
- 最後に編集長が登場しない。
第13旅
- 編集長が主役である北斗星の乗車中シーンが、横見の回想でしか登場しない。そのため編集長の登場シーンは、アニメ全体で第13旅の冒頭部分のみとかなり少ない。編集長がテツだというのが判明することや、カミムラに対して激励の言葉を送るのも、北斗星車内ではなく札幌駅のホームになっている。
- 最終回だということを思わせる、キクチのそれまでの旅の回想が加えられている。
- 最後のシーンでは「2006年春 ふるさと銀河線も廃止になりました」というテロップが挿入され、編集長とカミムラがビデオを見るシーンがカットされた。
- この回のあらすじ紹介は編集長バージョンである。
[編集] 放送時間
10/15より、番組改編のため以下の時間に変更
- 月曜日 19:30 - 20:00
- 木曜日 26:30 - 27:00(再放送)
以下、変更前の放送時間
- 日曜日 10:00 - 10:30
- 月曜日 23:00 - 23:30(再放送)
- 木曜日 26:30 - 27:00(再放送)
[編集] キャスト
- 横見浩彦:檜山修之
- キクチ:富坂晶
- イシカワ:川島得愛(1旅 - 6旅)
- カミムラ:太田哲治(4旅 - 13旅)
- 編集長:古川登志夫(13旅のみ)
- きなこ:豊岡真澄 - 豊岡は番組の最後で本編の内容を補足するコーナー「鉄分サプリ」のナレーションも担当。
- オープニングナレーション:原田芳雄
[編集] スタッフ
- 企画:高橋尚子、植田文郎、山崎雅子
- 企画協力:月刊IKKI、江上英樹、神村正樹、ファミリー劇場
- 製作:石井徹、亀井修、二宮清隆、宮本賢二、田代敦巳、齋藤裕
- 監督:永丘昭典
- シリーズ構成・脚本:相馬和彦
- キャラクターデザイン:工藤裕加
- デザインワークス:馬場芳子
- 原画・動画・デジタル彩色:HeeWon Entertainment
- 動画検査:上野美穂、川島邦明
- 美術監督:河合伸治
- 美術:河合伸治、金子ともえ
- 背景:スタジオ・ユニ、スタジオじゃっく、Art Max
- 色彩設定:新垣純子
- 色指定・検査:新垣純子、岡崎順子
- 特殊効果:最相茂
- 撮影監督:館真一郎
- コンポジット・3Dデザイン:グループ・タック デジタルチーム
- 編集:岡祐司
- ビデオ編集:鈴木正実、小池雅輝
- ビデオ編集スタジオ:三友VTC
- 音楽:SUPER BELL''Z、渡部チェル
- 音楽プロデューサー:安藤岳
- 音楽ディレクター:吉田聖
- 音楽制作:アティック・アーケード
- 音響監督:小川信寛
- 音響効果:小山恭正
- 録音調整:山下裕康
- 録音効果:野月貴弘
- 録音助手:木澤秀昭、吉原裕美
- 録音スタジオ:スタジオT&T
- 音響制作:神南スタジオ
- 宣伝:ファミリー劇場(大寺豊、小池田慎二、久竹康代)、東映ビデオ(小田元浩、小林渉)
- 宣伝協力:備前島幹人(小学館)、K PRESS
- オフィシャルサイト:小原千枝
- Special Thanks:池田英司、南田祐介、豊田巧、佐藤陽子、いちに~(13旅のみ)、K-mura(8旅と13旅)※この二人はスーパーベルズの鉄音アワーにて行われた効果音募集で最も評価が高かったためスタッフとしてクレジットされた。なお、この名前はペンネーム(ラジオ内では鉄オタネーム)である。
- 鉄道アドバイザー:野月貴弘
- 設定制作:関原幸枝
- 制作進行:小澤俊仁、久保紀之 他
- プロデュース補:小川昭芳、夏井佳奈子、増田将
- プロデューサー:嶋津毅彦、山根博行、山崎愛理、小原千枝、桜井宏、小川健
- アニメーションプロデューサー:大西力
- アニメーション制作協力:スタジオマトリックス、drop(第4話)、スタジオロン(第10話)、ドリーム・フォース(第13話)
- アニメーション制作:グループ・タック
- 制作協力:鉄道ファン(交友社)、TOMIX、ジョルダン、ホリプロ、ギルドB
- 製作:『鉄子の旅』製作委員会(東映ビデオ、小学館、東北新社、アティック・アーケード、グループ・タック、小学館プロダクション)
[編集] 主題歌
[編集] 放映リスト
話数 | サブタイトル | 原作エピソード | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
第1旅 | 久留里線全駅乗下車 | 第1旅(1巻) | 永岡昭典 | はしもとなおと | 長坂寛治 |
第2旅 | 130円・一都六県大回り | 第2旅(1巻) | 福田貴之 | 竹内昭 | |
第3旅 | 土合・湯檜曽…鉄子流デートコース | 第5旅(1巻) | 平田豊 | 三家本泰美 | Jo Eun-ju Ryu Dong-gyun |
第4旅 | 南東北・横見スペシャル | 第22旅(3巻) | 鴨野彰 | 久保山英一 | Jang Haen-gen |
第5旅 | 岩手県の自然を味わう旅 | 第7旅(1巻) | 辻伸一 | はしもとなおと | 長坂寛治 |
第6旅 | わたらせ渓谷鐵道と廃線跡歩き | 第13旅(2巻) | 福田貴之 | 竹内昭 | |
第7旅 | 海底駅そして北海道初上陸 | 第14旅(2巻) | 小林治 | 佐藤豊 | 吉崎誠 |
第8旅 | 飯田線・秘境駅巡り | 第15旅(2巻) | 七条寺貴 | 奥野耕太 | 服部憲知 |
第9旅 | まだ間に合う! くりはら田園鉄道 | 第30旅(4巻) | 小林治 | 成川武千嘉 | 遠藤靖裕 |
第10旅 | 祝・鉄子ご一行様四国初上陸 | 第16旅(2巻) | 辻伸一 | 安藤健 | 松岡謙治 |
第11旅 | 長野電鉄の魅力を味わう | 第19旅(3巻) | 小林治 | 井上茜 | 河内日出夫 |
第12旅 | 見どころ満載、肥薩線 | 第27旅(4巻) 第28旅(4巻) |
ヤマトナオミチ | 吉本毅 | 服部憲知 |
第13旅 | これが北海道だ! | 第23旅(3巻) 第24旅(3巻) |
永岡昭典 | 福田貴之 | 竹内昭 |
[編集] DVD
レンタルは2007年9月14日より、一般販売は2007年9月21日から順次開始。
鉄子の旅 Vol.1は通常版と初回限定生産版の2種類がある。初回限定生産品には鉄道コレクションの長野電鉄2000系現行塗装(鉄道コレクション5弾では旧塗装のりんご色)、鉄子の旅外伝〜アニメ製作地獄〜、鉄分サプリ増補完全版、旅の思ひでポストカードが収録された。なお、旅の思ひでポストカードに限っては、通常版の初回生産分にも収録されている。Vol.2以降は全て同じものの予定。なお、ファミリー劇場で放送されているCMのナレーターは石丸謙二郎が担当している。DVDではファミリー劇場で放送したものを一部修正しているシーンが多数ある。
[編集] 鉄子の旅プロデュース日本縦断弁当
菊池がプロデュースする鉄子オリジナルの弁当。包装は菊池の書き下ろし。菊池が弁当を企画する過程を描いた漫画が封入されている。2007年11月25日から2008年1月末まで、東京駅、上野駅、新宿駅、品川駅、大宮駅などの日本レストランエンタプライズの売店で北海道編が発売された。2008年2月からは第2弾の東日本編になり、1月25日から鉄道博物館で先行販売された。同年5月26日から第3弾の東海編が発売された。
[編集] 関連項目
- 月館の殺人 - 『IKKI』の「鉄道マンガ三部作」のひとつ
- 阿房列車 - 『IKKI』の「鉄道マンガ三部作」のひとつ
- 鉄道ファン
- 鉄道旅行
- 駅弁
- 仮乗降場
- 名物!たびてつ友の会
- 特急田中3号
- 酒井順子 - 流行語大賞の「鉄子」ノミネートは菊池と酒井の影響ということになっている。
[編集] 外部リンク
- 横見浩彦WEB鉄道 - 横見の運営するサイト
- 鉄子の旅(IKKIの公式HP内)
- アニメ「鉄子の旅」公式サイト
- I love Switch Back - 編集長の運営するサイト
- 豊岡真澄(本人ブログ)
- バー銀座パノラマ
- <特別企画>菊地直恵書下ろしマンガ!!! TAITO新作鉄道ゲームに『鉄子の旅』一行が挑戦!!
- 小学館|鉄道コレクション