新幹線E1系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新幹線E1系電車 | |
---|---|
新幹線E1系電車 |
|
起動加速度 | 1.6km/h/s |
営業最高速度 | 240km/h |
減速度 | 2.69km/h/s(常用最大) |
編成定員 | 1,133人(普)+102人(グ)=1,235人 |
全長 | 26,050 (25,000)mm |
全幅 | 3,380mm |
全高 | 4,485mm |
編成重量 | 692.3t |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 交流25,000V 50Hz |
編成出力 | 410kW×24=9,840kW |
駆動装置 | WNドライブ |
制御装置 | VVVFインバータ制御(GTO) |
ブレーキ方式 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重装置付き) |
保安装置 | ATC-2型、DS-ATC |
このテンプレートは試行中です ■Template / ■ Notes |
新幹線E1系電車(しんかんせんE1けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の新幹線車両。1994年(平成6年)7月15日に営業運転を開始した。
Multi Amenity Expressを略したMaxという車両愛称がある。試運転の時点ではこの愛称が決まっておらず、暫定的にDouble Decker Shinkansenを略したDDSと形式称号である「E1」が表記されたロゴステッカーが車体側面に貼付されていた。
設計時点では600系の形式称号を付与する予定であったが、JR東日本が新幹線の車両番号付番方法を変更したため、JR東日本の英文社名表記East Japan Railway CompanyのEast(東)の頭文字を取って「E1系」の形式称号を付与することになった。そのため、600系は幻の形式称号となった。
目次 |
[編集] 概要
編成記号は「M」で、2007年現在M1 - M6の12両編成6本(72両)が在籍する。
通勤・通学輸送をはじめとする東北・上越新幹線の需要増加に対応するべく、速度よりも大量輸送(1編成の座席定員は1,235名)に重きを置いた設計がなされている。そのため、全車両が2階建車両とされ、自由席として使用される車両の東京駅方向1~4号車の2階座席は横3+3配列で、リクライニング機構・肘掛なしとなっている。
車体は普通鋼製で、2階建車両のため通常床下に搭載する走行機器を車端部の床上に搭載する。JR東日本の新幹線車両の中では1両あたりの重量および編成重量が最も重い。主回路制御にはJR東日本の新幹線電車では初めてVVVFインバータが採用され、主変換装置の制御素子はGTOサイリスタである。編成中の電動車 (M) と付随車 (T) の構成(MT比)は6M6Tである。通常の新幹線車両と比較すると動力車の比率が低いため、主電動機出力は410kWに増強され、200系と同等の起動加速度1.6km/h/sを確保している。ブレーキシステムは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキであり、回生ブレーキはJR東日本の新幹線車両では初採用となった。付随車のブレーキシステムは空気ブレーキのみであり、300系などの付随車で採用された渦電流式ディスクブレーキは装置の重量が電動車の誘導電動機よりかさむことと、高速域からの減速では電動車の回生ブレーキで付随車のブレーキ力も負担する遅れ込め制御を導入したことから、本系列および以後登場するJR東日本の新幹線車両では採用していない。
また、このE1系の登場はフランス国鉄 (SNCF) のTGVにも影響を与え、1996年に両端の動力車以外の全車を2階建車両とした高速列車「TGV-Duplex(デュプレ)」の登場につながったといわれる。
2003年(平成15年)度から2004年(平成16年)度にかけて内外装のリニューアルが施工され、最初に施工された編成は同年11月28日より営業運転を開始した。車体塗装はE2系、E4系と同様白と青の2色を中心に境目に「朱鷺(とき)色」と称されるピンクの帯を配したものに変更された。あわせてロゴにも朱鷺のイラストが加えられた。また、自由席車2階部分の3人掛け座席のうち中央の座席の背もたれ部分にくり抜かれていた肘掛けの代用品は廃止され、E4系と同じ座席に交換された。
[編集] 運用
1994年の営業開始時点では仙台総合車両所(現・新幹線総合車両センター)に配置され、東北新幹線「Maxやまびこ」「Maxあおば」、上越新幹線「Maxあさひ」「Maxとき」に運用された。
その後、東北新幹線では途中駅において分割・併合を行う列車が増えたことから、全車2階建車両であるが他系列などとの相互連結を考慮して8両編成としたE4系を投入し、東北新幹線での本系列の運用は消滅した。
2007年現在は新潟新幹線車両センターに配置され、上越新幹線の「Maxとき」「Maxたにがわ」で運用されている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
|
|||||
---|---|---|---|---|---|
現行路線 |
|
||||
整備新幹線 | 北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 | ||||
基本計画線 | 北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線・山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 | ||||
未成線 | 成田新幹線 | ||||
現行列車 | はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ 新幹線直行特急:つばさ・こまち |
||||
廃止列車 | あさひ・あおば | ||||
営業用車両 | 0系・100系・200系・300系・400系・500系・700系・N700系・800系・E1系・E2系・E3系・E4系 | ||||
試験用車両 | 1000形・951形・961形・962形・STAR21・WIN350・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 | ||||
事業用車両 | 911形・912形・ドクターイエロー・East i | ||||
車両形式・記号 | 車両形式・編成記号 | ||||
車両基地・車両工場 |
|
||||
元となる計画 | 日本の改軌論争・東海道新線・弾丸列車 |