新幹線E4系電車
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新幹線E4系電車 | |
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新幹線E4系電車 |
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起動加速度 | 1.65km/h/s |
営業最高速度 | 240km/h |
減速度 | 2.69km/h/s(常用最大) 4.04km/h/s(非常) |
編成定員 | 763人(普)+54人(グ)=817人 |
全長 | 25,700(25,000)mm |
全幅 | 3,380mm |
全高 | 4,485mm |
編成重量 | 428.0t |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 交流25,000V 50Hz(一部編成は50Hz/60Hz) |
編成出力 | 420kW×16=6,720kW |
駆動装置 | WNドライブ |
制御装置 | VVVFインバータ制御(IGBT) |
ブレーキ方式 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重装置付) |
保安装置 | ATC-2型、DS-ATC |
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新幹線E4系電車(しんかんせんE4けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の新幹線車両。
目次 |
[編集] 概要
200系の老朽取替とE1系導入後も増え続ける旅客需要に対応するために製造された。E1系と同様に全車2階建車両で「Max」の愛称が与えられている。また、そのユニークな先頭形状から鉄道ファンからは「カモノハシ」とも呼ばれている。
最高速度は240km/h。8両編成で定員は817人。2本連結した16両の定員は1634人で高速車両としては世界最大級。E1系の12両編成から8両編成としたのは需要の関係により必ずしも12両編成で運行する必要がないことがあり、逆に輸送需要の多い時間帯の列車については2本連結した16両編成として、需要の多寡に応じた運用を可能とするのと、東北新幹線の場合、「つばさ」・「こまち」といったミニ新幹線車両を併結する場合にプラットホームなどの地上設備が新幹線車両の標準である25m級車両16両分であることから、併結相手の車両運用についても冗長性を持たせるためでもある。一部、北陸新幹線(長野新幹線)の急勾配区間走行に対応した編成や、それに加えて軽井沢以西の商用電源周波数60Hzに対応した編成が存在する(後述)。
定員確保の観点から、E1系と同様に東京寄り3両(1 - 3号車)の階上部分の座席は横3列+3列の配置になっている。過去に数度繁忙期にこの部分も指定席として使われたことがあるが、基本的に自由席としてのみに使われる。この3両の新潟・八戸方のデッキには"ジャンプシート"と称する通常は収納されている補助席が1両につき2席ずつ設置されている。
車内販売はE1系では階段がある関係でワゴンが使用できないためにバスケットを使用していたが、各車両に昇降機が設けられたことで他の車両と同様にワゴンを使用することが可能になった。
バリアフリー対応として、8号車のエレベーターは車内販売用ワゴンだけでなく車椅子にも対応する大型のものとなっている。さらに、6号車1階席と8号車2階席に車椅子を固定することが可能な座席が、5号車と8号車に多機能トイレが設置されている。
E4系ではE1系同様、通常床下に搭載する走行機器を床上車端部に配置している。また、主回路制御方式はE1系同様VVVFインバータだが、主変換装置の制御素子はGTO(ゲートターンオフサイリスタ)からIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)に変更された。電動車 (M) と付随車 (T) の構成比率(MT比)はE1系と同一の1:1であり、新幹線車両としては付随車比率が高い編成構成であるため、主電動機の定格出力は420kW(E1系は410kW)と高めに設定されている。
E1系に対して編成中の電動車の絶対数が減少しているため(E1系:6両、E4系:4両)、故障等の非常時に冗長性を持たせることを目的に、モーター制御を従来の1両単位での制御から台車単位での制御に変更し、8両編成中の電動車1.5両(3台車分)をカットした状態で(2.5M5.5Tの状態)、25パーミル上り勾配での起動を可能としている。
車体はE1系では普通鋼製であったが、本系列は大型押し出し型材によるアルミ合金製である。トンネル微気圧波現象(トンネルドン)および高速走行時の騒音対策で先頭車両の前頭部はE1系よりロングノーズになった(ノーズ長E1系:9.4メートル、E4系:11.5メートル)。車体塗装は白と青のツートーンでその境目に黄色の帯が入る。標識灯にはHIDランプを使用している。
2007年現在、東北新幹線(仙台以南、ただし臨時列車では盛岡まで入線)・上越新幹線で使用されている。全編成がデジタルATCに対応する。
[編集] 編成
- P1~P22編成 - 東北新幹線・上越新幹線で運用されている。
このほか以下の編成に限り長野新幹線への乗り入れが可能である。
- P51編成・P52編成 - 30‰の急勾配区間走行に対応し、軽井沢まで入線可能。
- P81編成・P82編成 - 急勾配対応のほか、軽井沢 - 佐久平間の電源周波数切り替え装置を搭載し、この編成のみ長野まで入線可能。ただし、60Hz対応とはいえ、関連機器は全て50Hzでの使用を考慮しているため、長時間の運転や頻繁に入線することはほぼ不可能で、60Hz対応なのはあくまで緊急時に長野に乗り入れるためとされている。このほか階段付近にのみ、駅停車時に「まもなく止まります。手すりにおつかまりください」などと注意を促すアナウンスを流すことが可能である。
[編集] 営業運転の変遷
- 1997年(平成9年)12月20日:東北新幹線で営業運転開始。
- 1999年(平成11年)4月29日:山形新幹線「つばさ」と併結運転開始。
- 2001年(平成13年)5月7日:上越新幹線で営業運転開始。
- 2001年(平成13年)7月22日:長野新幹線の臨時列車で東京 - 軽井沢間営業運転開始。
- 2005年(平成17年)12月10日:東北新幹線仙台 - 盛岡間で、定期列車運用から撤退。
[編集] 関連商品
Nゲージ鉄道模型はトミーテック (TOMIX) と関水金属 (KATO) から販売されている。TOMIXの製品はE3系などやE4系同士の連結も可能となっている。KATOの製品も同社のE2系1000番台と同様に、先頭部連結機構を搭載している。
2006年6月から、カゴメの麦茶に本系列を含むJR東日本の新幹線車両11種の缶バッジを食玩として添付した商品がJR東日本系のコンビニエンスストア「NEWDAYS」で限定販売されていた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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現行路線 |
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整備新幹線 | 北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 | ||||
基本計画線 | 北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線・山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 | ||||
未成線 | 成田新幹線 | ||||
現行列車 | はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ 新幹線直行特急:つばさ・こまち |
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廃止列車 | あさひ・あおば | ||||
営業用車両 | 0系・100系・200系・300系・400系・500系・700系・N700系・800系・E1系・E2系・E3系・E4系 | ||||
試験用車両 | 1000形・951形・961形・962形・STAR21・WIN350・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 | ||||
事業用車両 | 911形・912形・ドクターイエロー・East i | ||||
車両形式・記号 | 車両形式・編成記号 | ||||
車両基地・車両工場 |
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元となる計画 | 日本の改軌論争・東海道新線・弾丸列車 |