東海道・山陽新幹線
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東海道・山陽新幹線(とうかいどう・さんようしんかんせん)とは、東海道新幹線と山陽新幹線の新幹線2路線を総称した呼び方である。区間は東京-博多間で総延長1069.1km(営業キロ:1174.9km)と日本一長い運転系統となる。
正式には、新大阪駅を境に、東側が東海旅客鉄道(JR東海)の運営する東海道新幹線、西側が西日本旅客鉄道(JR西日本)の運営する山陽新幹線である。日本国有鉄道(国鉄)時代は一体的な運用がなされていたことや、現在でも相互直通運転を行う列車が多いことから、まとめてこう呼ぶようになったとされる。
[編集] 名称について
地図帳や案内表示には「東海道・山陽新幹線」とそのまま表現されることもしばしばあり、公式に多く用いられている事があるため、利用者等から正式名称のように思われることがある。国鉄時代の「国有鉄道線路名称」上では並行する在来線の線増という扱いだったので、東海道新幹線は東海道本線、山陽新幹線は東海道本線・山陽本線・鹿児島本線の一部(別線)であり、「東海道・山陽新幹線」はもちろん、「東海道新幹線」・「山陽新幹線」という名称すら案内上の呼称でしかない。またJR発足時に当時の運輸省に提出された事業基本計画や国土交通省監修の『鉄道要覧』では、東海道新幹線と山陽新幹線はそれぞれ別の路線として掲載されており、事業基本計画の通り「東海道新幹線」・「山陽新幹線」の単一名称が正式で、「東海道・山陽新幹線」は正式な線路名称ではなく、運転上の通称でしかない。
なお、山陽新幹線が東海道新幹線を延伸していく形で建設されたことや、開業当初の「東京中心」の運転形態、運賃計算を行なうMARSシステムの上ではまとめて一つの線区として扱われていることや、また当時は他に新幹線の路線がなかったといった歴史的経緯により、乗車券の券面の経由表示には東海道・山陽の2路線ともに、「新幹線」だけ記される。また、キロポストは博多総合車両所まで東京駅からの通算である。
また、東日本旅客鉄道(JR東日本)では、公式文書でこの2路線を「東海道・山陽新幹線」と呼称することがある。
運行形態や沿革などの詳細は、各路線と新幹線の記事を参照のこと。
[編集] その他の名称について
国鉄分割民営化後、JR西日本は「山陽・東海道新幹線(さんよう・とうかいどうしんかんせん)」という博多駅基点の表記を自社刊行の時刻表や、博多駅などの案内表示で使っている。しかし、東京駅・新大阪駅の改札口など、一般的に案内板には「東海道・山陽新幹線」と掲示されており、「山陽・東海道新幹線」と掲示している駅はあまりなく(2008年現在、博多駅で確認されている)、ほとんどの場合単に「東海道・山陽新幹線」と表記されており、利用客に定着しておらず一般的ではない。
しかし、同社発行の時刻表は2008年発行分から「東海道・山陽新幹線」の通常の表記に戻され、時刻表から「山陽・東海道新幹線」の表示は姿を消した。現在は博多駅を除き使われなくなった。
[編集] 関連項目
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現行路線 |
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整備新幹線 | 北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 | ||||
基本計画線 | 北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・奥羽新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線・山陰新幹線・中国横断新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 | ||||
未成線 | 成田新幹線 | ||||
現行列車 | はやて・やまびこ・なすの・とき・たにがわ・あさま のぞみ・ひかり(ひかりレールスター)・こだま・つばめ 新幹線直行特急:つばさ・こまち |
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廃止列車 | あさひ・あおば | ||||
営業用車両 | 0系・100系・200系・300系・400系・500系・700系・N700系・800系・E1系・E2系・E3系・E4系 | ||||
試験用車両 | 1000形・951形・961形・962形・STAR21・WIN350・300X・FASTECH 360 S・FASTECH 360 Z・軌間可変電車 | ||||
事業用車両 | 911形・912形・ドクターイエロー・East i | ||||
車両形式・記号 | 車両形式・編成記号 | ||||
車両基地・車両工場 |
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元となる計画 | 日本の改軌論争・東海道新線・弾丸列車 |