大井川鐵道大井川本線
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大井川本線(おおいがわほんせん)は、静岡県島田市の金谷駅と静岡県榛原郡川根本町の千頭駅とを結ぶ大井川鐵道の鉄道路線である。
蒸気機関車 (SL) の動態保存・運行が行われている路線として知られる。また、元京阪・元南海・元近鉄の特急用車両が移管前の塗色のままで運行されている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):39.5km
- 軌間:1067mm
- 駅数:19駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:スタフ閉塞式(金谷~新金谷間)、自動閉塞式(新金谷~千頭間)
[編集] 運行形態
普通列車は日中は1時間~1時間半間隔で運行され、全線通しの運転のほか金谷~新金谷間の区間系統もある。
SL列車は「かわね路号」の名で、臨時列車の扱いだが原則毎日金谷駅~千頭駅間に1日1往復運転される。休日など期間によっては2往復に増便、また逆に、主に冬季には検査などで運休になる日も存在する。急行料金500円(2007年11月現在)が必要。
かつては東海道本線と線路が繋がっており、実際に国鉄(現・JR)の列車の乗り入れに使用されていた。ここから東海道本線直通の快速列車(静岡発着は「奥大井」、浜松発着は「すまた」)やジョイフルトレインが乗り入れていたことがあったほか、大井川鐵道への譲渡車両を国鉄路線経由で搬入する際の入り口にもなっていた。現在ではこの線路は撤去されており、譲渡車両の搬入には陸路を使用している。
また、急行料金を要する電車急行も運転されていたが、2003年8月の土砂災害以来運転されなくなり、事実上の廃止となった。急行料金は2003年時点で150円だった。
[編集] 車両
- 元近鉄16000系電車
- 元京阪3000系電車
- 元近鉄420系電車
- 元南海21001系電車
- C10型 8号機
- C11型 190号機
- C11型 227号機
- C12型 164号機(日本ナショナルトラストの所有)
- C56型 44号機
- E10形電気機関車
- オハ47形客車
- スハフ42形客車
- オハ35形客車
- オハフ33形客車
- スハフ43形客車(日本ナショナルトラストの所有)
- オハニ36形客車(日本ナショナルトラストの所有)
- ナロ80形客車(元西武501系電車)
- スイテ82形客車(元西武501系電車)
[編集] かつて使用されていた車両
- 元北陸鉄道6010系電車(2001年引退。2005年8月、かつて同車が走っていた石川県山中町に譲渡され、道の駅山中温泉 ゆけむり健康村で静態保存されている)
- 元名鉄モ3300形・モ3350形電車(1980年引退)
- 元小田急3000形「SSE車」(1987年引退)
- 312系電車(元西武351系電車)
- 元伊豆箱根鉄道1000系電車(通称「赤電」。1998年に脱線事故により休車となった後に廃車)
- C11型 312号機(2007年9月引退。動態保存機として運行されていたが、老朽化により再び廃車)
[編集] 歴史
- 1927年(昭和2年)6月10日 金谷~横岡(現在廃止)間開業(1067mm、蒸気動力)。
- 1928年(昭和3年)7月20日 横岡分岐点~居林(現在廃止)間開業。
- 1929年(昭和4年)12月1日 居林~家山間開業。
- 1930年(昭和5年)7月16日 家山~地名間開業。
- 1930年(昭和5年)9月23日 地名~塩郷間開業。
- 1930年(昭和5年)10月9日 内燃動力の併用を開始。
- 1931年(昭和6年)2月1日 塩郷~下泉間開業。
- 1931年(昭和6年)4月12日 下泉~青部間開業。
- 1931年(昭和6年)12月1日 青部~千頭間開業。
- 1931年(昭和6年)12月2日 横岡分岐点~横岡間廃止。
- 1949年(昭和24年)11月18日 金谷~千頭間1500V電化。電気運転開始。
- 1951年(昭和26年)8月8日 電車運転開始。
- 1965年(昭和40年)9月16日 代官町駅開業。
- 1969年(昭和44年)7月1日 大和田駅開業。
- 1971年(昭和46年)1月1日 電車急行を運転開始。
- 1976年(昭和51年)7月9日 蒸気機関車列車の運行を再開。
- 1983年(昭和58年)10月1日 貨物営業廃止。
- 1984年(昭和59年)12月6日 一部列車をワンマン運転化。
- 1985年(昭和60年)7月23日 日切駅開業。
- 2003年(平成15年)8月17日 神尾駅構内で土砂崩れが発生し、金谷~福用間が運休。蒸気機関車・電車急行も運転中止。
- 2003年(平成15年)9月25日 福用~千頭間で蒸気機関車列車の運行を再開。
- 2003年(平成15年)10月1日 笹間渡駅を川根温泉笹間渡駅に改称。
- 2003年(平成15年)10月25日 五和~神尾間に横岡(仮)駅が仮配置され、金谷~横岡(仮)駅の運行が再開。
- 2004年(平成16年)3月18日 横岡(仮)~福用間の復旧工事が完了したため、午前をもって横岡(仮)駅の営業を停止。
- 2004年(平成16年)3月19日 全線での運行が再開。
[編集] 駅一覧
- ●:停車、◇:金谷行のみ停車、|:通過
- 普通列車は省略(各駅に停車)
駅名 | 営業キロ | SL急行 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
金谷駅 | 0.0 | ● | 東海旅客鉄道:東海道本線 | 静岡県 | 島田市 |
新金谷駅 | 2.3 | ● | |||
代官町駅 | 3.8 | | | |||
日切駅 | 4.3 | | | |||
五和駅 | 5.0 | | | |||
神尾駅 | 9.8 | | | |||
福用駅 | 12.3 | | | |||
大和田駅 | 14.8 | | | |||
家山駅 | 17.1 | ● | |||
抜里駅 | 18.8 | | | |||
川根温泉笹間渡駅 | 20.0 | ◇ | |||
地名駅 | 22.9 | | | 榛原郡川根本町 | ||
塩郷駅 | 24.3 | | | |||
下泉駅 | 27.4 | ● | |||
田野口駅 | 31.0 | | | |||
駿河徳山駅 | 34.1 | ● | |||
青部駅 | 36.1 | | | |||
崎平駅 | 37.2 | | | |||
千頭駅 | 39.5 | ● | 大井川鐵道:井川線 |