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命名権 - Wikipedia

命名権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

命名権(めいめいけん)は、人間や事物、施設、キャラクターなどに対して名称をつけることのできる権利である。1990年代後半以降、スポーツ文化施設等の名称に企業名を付けることがビジネスとして確立した。また、科学の世界においても、新発見の元素天体に対して、発見者が命名する権利を得る慣習がある。生物学名は、記載者が命名権をもつ。

日本では、このうち特に施設命名権をネーミングライツ(Naming rights)と呼ぶことが多い。

目次

[編集] 人の命名権

世界の多くの地域では、親または親から委託を受けた者が新生児を命名している。

日本でも親が子を命名するのが一般的であるが、その命名権の保有・行使について、命名権は親権に含まれるとする意見がある一方、本人固有の権利であるが親が代行しているとする意見など、議論は分かれており法学的な定説はない。法務行政上は、命名権の濫用と認められる場合、社会通念上不適当と認められる場合には、戸籍の届け出が受理されないことがある(例:悪魔ちゃん命名騒動)。

[編集] スポーツ、文化分野での命名権

従来から、スポーツ大会などにスポンサーの名称を冠する形での命名権ビジネスは存在していたが、1990年代後半頃から、アメリカにおいてスポーツ施設等の名称に企業名を付けるビジネスが広がった。まず、メジャーリーグでクラシカルな新球場が多く建設されたとき、その名称に企業名が命名され始め、高い費用対効果が認められたことから、他のスポーツ種目やヨーロッパのスポーツ界へと広がっていった。日本においては、2000年代前半から赤字の公共施設の管理運営費を埋め合わせる手段のひとつとして導入され、その範囲はスポーツ施設や文化施設、路面電車の停留所などに及んでいる。

施設等の管理者にとっては、命名権を販売することにより収入が得られるメリットがあり、命名権を購入する企業にとっては、スポーツ中継やニュースなどで命名した名称が露出する機会を得られ、宣伝効果が見込まれる。

なお、サッカーに関しては国際サッカー連盟(FIFA)の取り決めで、FIFA主催国際公式戦(ワールドカップ予選も含む)およびパブリックビューイングではFIFAの公認スポンサー企業・団体以外はスタジアムの看板露出や命名権によるスタジアムの改名をすることが禁じられている。陸上競技に関しても、国際陸上競技連盟(IAAF)が同様の規定を設けている。この場合、命名権を導入している施設については施設名に正式名称を使用することが義務付けられる。正式名称そのものが命名権によるものになっているケース等では、別称(例:FIFAワールドカップスタジアム○○(都市名))を付けて対応することとなる。

[編集] 事例

[編集] 日本国外

[編集] 日本国内

  • 北から記載。「期間」をクリックすると時系列で再配列する。
  • 契約期間が終了したものは、背景を灰色とする。
  • 施設内の設備(座席、スタンド等)の命名権は、基本的に同一施設の備考欄に付記する。
命名権による呼称 正式名称・旧称 命名権を取得した企業 期間 主な使用団体(スポーツの場合は本拠地として使用するチーム及びクラブ) 備考
月寒アルファコートドーム 北海道立産業共進会場 アルファコート 2007年
9月1日 - 2010年3月
レラカムイ北海道日本バスケットボールリーグ
真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 真駒内屋内競技場 北海道セキスイハイム 2007年
4月1日 -
真駒内セキスイハイムスタジアム 真駒内屋外競技場 北海道セキスイハイム 2007年
4月1日 -
魚市場通(函館信金本店前)電停 函館市交通局軌道線本線・魚市場通電停 函館信用金庫 2007年1月24日 - 市交通局は軌道線の全26電停に命名権を導入し、その一例目。正式電停名の副呼称として採用
ホットハウススーパーアリーナ 宮城県総合運動公園総合体育館グランディ・21総合体育館) ホットハウス 2007年
4月1日 -
公式略称は「ホットアリーナ」
施設の名称とメインアリーナが同一名称。サブアリーナはホットハウスサブアリーナと称し、仙台89ERSの練習コートの1つ
ENEOSの森 宮城県県民の森に隣接する県有林 新日本石油 2006年10月13日 - 2011年10月12日 「ENEOSの森」は同社と地方自治体もしくは国土緑化推進機構がパートナーシップを結び、森林保全の支援活動などを行う、同社の社会貢献活動のひとつ(宮城県の他、同社の製造拠点がある北海道、神奈川県、奈良県、岡山県、山口県で既に実施)。宮城県は県有林に命名権制度を導入しており、その最初の事例。なお、前出5県の「ENEOSの森」は命名権によるものではない
ユアテックスタジアム仙台 仙台スタジアム(七北田公園仙台スタジアム) ユアテック 2006年
3月 -
ベガルタ仙台
(Jリーグ)
公式略称は「ユアスタ仙台」「ユアスタ」
東京エレクトロンホール宮城 宮城県民会館 東京エレクトロン 2008年
4月1日 -
(5年間)
 
デンコードースタジアム泉 東北楽天ゴールデンイーグルス泉グラウンド デンコードー 2006年
3月 - 2008年3月31日
東北楽天ゴールデンイーグルス(プロ野球) ※練習専用施設
デンコードーがケーズホールディングスの子会社になり、店舗名を「K'sケーズデンキ」に変更したため、命名権契約を延長しなかった。
フルキャストスタジアム宮城 宮城球場 フルキャスト 2005年
3月20日 - 2007年
10月4日
東北楽天ゴールデンイーグルス(プロ野球) 公式略称は「フルスタ宮城」「フルスタ」
2007年8月31日、フルキャストが違法派遣に伴う業務停止命令に関連して、命名権の契約解除を宮城県に申し入れた。
クリネックススタジアム宮城 宮城球場 日本製紙 2008年
1月1日 -
(3年間)
東北楽天ゴールデンイーグルス(プロ野球) 公式略称は「Kスタ宮城」。当初の呼称は「日本製紙クリネックススタジアム宮城」であったが、再生紙の古紙配合率偽装のペナルティにより2月15日付で社名を削除。また同年の改修で外野スタンド右翼側に5人掛けのグループシートを新設して命名権をローソンに売却、「Loppiグループシート5」と称する
山形蔵王タカミヤホテルズスタジアム 山形県野球場 高見屋旅館(蔵王温泉 2008年
4月1日 -
(3年間)
東北楽天ゴールデンイーグルス二軍
公式略称は「YZ.タカスタ」
NDソフトスタジアム山形 山形県総合運動公園陸上競技場 エヌ・デーソフトウェア 2007年
4月1日 -
モンテディオ山形
(Jリーグ)
住友金属ゲート 茨城県立カシマサッカースタジアム・第2ゲート 住友金属工業 2006年
4月 -
鹿島アントラーズ
(Jリーグ)
公式略称は「住金ゲート」
常陽銀行ゲート 茨城県立カシマサッカースタジアム・第1ゲート 常陽銀行 2007年
9月 -
鹿島アントラーズ
(Jリーグ)
正田醤油スタジアム 群馬県立敷島公園陸上競技場 正田醤油 2008年
6月1日 -
(3年間)
ザスパ草津
(Jリーグ)
ナックファイブスタジアム大宮 さいたま市大宮公園サッカー場 エフエムナックファイブ 2007年
5月14日 -
(6年間)
大宮アルディージャ(Jリーグ)
インボイスSEIBUドーム 西武ドーム インボイス 2005年
3月1日 -
2006年
12月31日
西武ライオンズ
(プロ野球)
期間中は同球団の二軍のチーム名称の命名権も取得し「インボイス」と称した
グッドウィルドーム 西武ドーム グッドウィル・グループ 2007年
1月1日 -
2008年
1月8日
西武ライオンズ(プロ野球) 期間中は同球団の二軍のチーム名称の命名権も取得し「グッドウィル」と称した。
※当初は2011年末までの5年契約だったが、同グループ傘下のグッドウィルの法令違反問題を巡り、契約を途中解除
フクダ電子アリーナ 千葉市蘇我球技場 フクダ電子 2005年
10月 -
ジェフユナイテッド市原・千葉(Jリーグ)
サロンパス ルーブル丸の内 ルーブル丸の内 久光製薬 2005年
12月 -
映画施設では国内初の命名権導入
シャネルルミエール 東京国際フォーラムガラス棟 シャネル 2004年4月1日 - 2005年3月31日 CHANEL LUMIERE
都は1年間の契約期間中、シャネルに対しガラス棟の副名称の命名権と、棟内の空間を利用した広告活動を行う権利を付与した
JCBホール 東京ドームシティMEETS PORT内ホール ジェーシービー 2008年
3月20日 -
(契約期間非公表)
 
エプソン品川アクアスタジアム 品川プリンス アクアスタジアム品川プリンスホテル内) エプソン販売 2005年
4月1日 -
オープンは2005年4月8日
渋谷C.C.Lemonホール 渋谷公会堂 サントリー 2006年
10月1日 -
サントリー東伏見アイスアリーナ 東伏見アイスアリーナ サントリー 1997年 - 2006年 西武鉄道アイスホッケー部(日本アイスホッケーリーグ) 施設としては国内初の命名権導入
ダイドードリンコアイスアリーナ 東伏見アイスアリーナ ダイドードリンコ 2006年
9月23日 -
(3年間)
SEIBUプリンス ラビッツ(アジアリーグアイスホッケー)
味の素スタジアム 東京スタジアム 味の素 2003年
3月1日 -
FC東京東京ヴェルディ
Jリーグ
公営施設として国内初の命名権導入
隣接する補助グラウンドも命名権対象。アミノバイタルフィールドと称する
日産スタジアム 横浜国際総合競技場 日産自動車 2005年
3月1日 -
横浜F・マリノス
横浜FC(Jリーグ)
同じ新横浜公園内にある補助競技場の小机競技場、プール施設のスポーツコミュニティプラザも命名権対象。それぞれ日産フィールド小机日産ウォーターパークと称する。ちなみにサッカーのクラブW杯(通称トヨタカップ)の際は横浜国際総合競技場のままとなる。
ニッパツ三ツ沢球技場 横浜市三ツ沢公園球技場 日本発条 2008年
3月1日 -
2013年2月28日
横浜FC、
横浜F・マリノス
(Jリーグ)
はまぎん こども宇宙科学館 横浜こども科学館 横浜銀行 2008年
4月1日 -
(5年間)
横浜市の施設では3例目、文化施設では初のケース
横浜FC LEOCトレーニングセンター 横浜F・マリノス 戸塚トレーニングセンター レオックジャパン 2007年
2月 -
横浜FC(Jリーグ) ※練習専用施設
TOYO TIRES ターンパイク 箱根ターンパイク 東洋ゴム工業 2007年
3月1日 -
道路への国内初の命名権導入
東京エレクトロン韮崎文化ホール 韮崎市文化ホール 東京エレクトロン 2006年
4月 -
東北電力ビッグスワンスタジアム 新潟スタジアム(ビッグスワン) 東北電力 2007年
3月11日 -
アルビレックス新潟(Jリーグ) 公式略称は「東北電力スタジアム」「東北電力ビッグスワン」「東北電ス」
隣接するサブグラウンドを東北電力スワンフィールドと称する
三條機械スタジアム 三条市民球場 三條機械製作所 2008年
4月1日 -
2011年
3月31日
新潟アルビレックスBCBCリーグ
ダイエープロビスフェニックスプール 新潟県立長岡総合屋内プール ダイエープロビス 2008年
8月1日 -
2013年
3月31日
  トキめき新潟国体水泳競技会場
インテック本社前電停 富山ライトレール富山港線・牛島新町電停(仮称) インテック 2006年
4月29日開業
ライトレール開業時に設置された新電停。永年契約。
粟島(大阪屋ショップ前)電停 富山ライトレール富山港線・粟島電停 大阪屋ショップ 2006年
4月29日開業
同上。正式電停名の副呼称として採用
日華化学前駅 なし(えちぜん鉄道三国芦原線福大前西福井新田塚間福大前西福井寄り新設駅) 日華化学 2007年
9月1日開業
(10年間)
設置計画段階で正式名称として決定。それ以前は新田塚寄りに隣接する新設駅として計画され同時に名称決定・開業した八ツ島駅とともに仮称も無い状態であった
日本ガイシ スポーツプラザ 名古屋市総合体育館 日本ガイシ 2007年
4月1日 -
レインボーホール、レインボープール・アイスアリーナ、サン笠寺の名称は、それぞれ日本ガイシホール日本ガイシアリーナ日本ガイシフォーラムと称する
中京大学文化市民会館 名古屋市民会館 学校法人梅村学園 2007年
7月1日 - 2012年6月30日
学校法人が命名権を取得した初めての事例である。大ホールを「オーロラホール」、中ホールを「プルニエホール」と称する
京セラドーム大阪 大阪ドーム 京セラ 2006年
7月 -
オリックス・バファローズ(プロ野球)
Yahoo!BBスタジアム 神戸総合運動公園野球場(グリーンスタジアム神戸) ヤフーソフトバンクBB 2003年4月 - 2005年3月31日 オリックス・ブルーウェーブプロ野球 プロ野球界としては初の試み
スカイマークスタジアム 神戸総合運動公園野球場(グリーンスタジアム神戸) スカイマーク 2005年
3月 -
オリックス・バファローズ(プロ野球)
ホームズスタジアム神戸 神戸市御崎公園球技場(神戸ウイングスタジアム) ネクスト 2007年
3月1日 -
ヴィッセル神戸
(Jリーグ)
2005年3月からヴィッセル公式戦開催時に限り、観客席に命名権を採用。メインスタンドを楽天スタンド楽天)、バックスタンドをKawasakiスタンド川崎重工業)と称する(詳細は後述)
南公園駅(IKEA前) 神戸新交通ポートアイランド線南公園駅 イケア・ジャパン 2008年
4月1日 -
(3年間)
イケアポートアイランド店(2008年4月14日開店)の最寄り駅。
駅構内設備もイケアの商品を使っての改装が行われた。
開成駒ヶ谷体育館 駒ヶ谷運動公園体育館 ホットライン 2007年
5月1日 -
マツゲン有田球場 有田市立有田市民球場 松源 2007年
11月1日 -
とりぎん文化会館 鳥取県立県民文化会館 鳥取銀行 2008年
4月1日 -
(3年間)
 
とりぎんバードスタジアム 鳥取市営サッカー場(バードスタジアム) 鳥取銀行 2008年
4月1日 -
(3年間)
ガイナーレ鳥取
JFL
コカ・コーラウエストスポーツパーク 鳥取県立布勢総合運動公園 コカ・コーラウエストホールディングス 2008年
4月1日 -
(3年間)
コカ・コーラウエスト広島総合グランド 広島県総合グランド コカ・コーラウエストホールディングス 2008年
4月1日 -
(3年間)
ALSOKホール 広島県立文化芸術ホール 広島綜合警備保障 2007年
7月1日 -
(5年間)
アルファあなぶきホール 香川県県民ホール 穴吹興産 2008年
4月1日 -
(3年間)
設置者の香川県が愛称に対する命名権を募集。正式名称も呼称として併せて使用する。
サーパススタジアム 香川県営野球場(オリーブスタジアム) 穴吹工務店 2007年
5月1日 -
香川オリーブガイナーズ
(四国アイランドリーグ)
旧愛称「オリーブスタジアム」に代わる愛称として募集。愛称に対する命名権であり、正式名称も呼称として引き続き使用する
鳴門・大塚スポーツパーク 徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場 大塚製薬 2007年
5月12日 -
徳島ヴォルティス(Jリーグ)
徳島インディゴソックス(四国アイランドリーグ)
陸上競技場、野球場、体育館、武道館にそれぞれポカリスエットスタジアムオロナミンC球場アミノバリューホールソイジョイ武道館と称する。
アグリあなんスタジアム 徳島県南部健康運動公園野球場 阿南農業協同組合 2007年
5月20日 -
同年の開場にあたり、愛称に対する命名権を募集。正式名称も呼称として併せて使用する
ニンジニアスタジアム 愛媛県総合運動公園陸上競技場 ニンジニアネットワーク 2008年
3月1日 -
2011年2月28日)
愛媛FC
(Jリーグ)
福岡Yahoo!JAPANドーム 福岡ドーム ヤフー 2005年
3月1日 -
福岡ソフトバンクホークス(プロ野球) 公式略称は「ヤフードーム」
2006年、一・三塁側のファウルエリアにフィールドシートを新設した際にも命名権の対象とした。コカ・コーラウエストジャパンとの契約により、コカ・コーラ フィールドシートと称する
レベルファイブスタジアム 博多の森球技場 レベルファイブ 2008年
3月1日 -
2011年2月28日
アビスパ福岡
(Jリーグ)
公式略称は「レベスタ」
ベストアメニティスタジアム 鳥栖スタジアム ベストアメニティ 2008年
1月1日 -
2010年12月31日
サガン鳥栖
(Jリーグ)
コカ・コーラウエスト鳥栖市民の森 鳥栖市民の森 コカ・コーラウエストホールディングス 2008年
6月1日 -
(3年間)
崇城大学市民ホール 熊本市民会館 学校法人君が淵学園
崇城大学
2008年
7月1日 -
2012年
3月31日
熊本市では初のケース
iichiko総合文化センター 大分県立総合文化センター 三和酒類 2005年
4月1日 -
センター内の各設備についても命名権の対象とし、大ホールをiichikoグランシアタ、小ホールをiichiko音の泉ホール、練習室・映像小ホール・県民ギャラリーをiichiko Space Be、正面エントランスをiichikoアトリウムプラザと称する
九州石油ドーム 大分スポーツ公園総合競技場(ビッグアイ) 九州石油 2006年
3月 -
大分トリニータ
(Jリーグ)
同じ大分スポーツ公園内にある各施設も命名権の対象。サブ競技場、投てき練習場、野球場にそれぞれ同社のブランド名「ストーク」を冠してストークグラウンドストークフィールドストーク球場と称する
メディキット県民文化ホール 宮崎県立芸術劇場 メディキット 2008年
4月1日 -
2011年
3月31日
宮崎市では初のケース
宝山ホール 鹿児島県文化センター 西酒造 2006年
4月 -
チェスト小鶴ドーム 伊集院総合運動公園屋内運動場(伊集院ドーム) 西酒造 2006年
9月 -
西酒造にとっては、宝山ホールに続いて2例目

[編集] 施設以外のもの

[編集] 問題点

  • 同一の施設でありながら、突然名前が変わる点には注意する必要がある。施設の歴史がわかりにくくなるデメリットがある。
  • 命名した企業の不祥事のため名前が変わることもあり、命名主の信用に左右されるなどのデメリットがある。

[編集] 注意事項

  • 興行により名称の変更がなされる事例
    • 国際サッカー連盟(FIFA)や国際陸上競技連盟(IAAF)など国際競技団体の一部は、「企業名・商標名を冠する競技施設では公式戦を開催できない」と規定している。また大会・興行のスポンサー以外の企業名称が使用できない場合や、命名権を取得している企業の同業他社がスポンサーに付くケースもあるが、これらのケースにおいては施設名には正式名称(旧称)を使用する。また必要に応じて、場内に掲出されている企業名のロゴを覆い隠す措置を執ることもある。
    • 神戸市御崎公園球技場(神戸ウイングスタジアム)では、Jリーグのヴィッセル神戸の主催ゲーム限定で2005年3月より観客席の名称に命名権を採用しており、メインスタンドを「楽天スタンド」、バックスタンドを「Kawasakiスタンド」と称している。施設全体に企業名を冠する場合とは異なり、スタジアムではなく、興行主のヴィッセル神戸(運営会社クリムゾンFC)に2社から広告料が支払われる。
    • 阪神甲子園球場 2008年からプロ野球開催日のみ、新設されたフィールドシートに「みずほ銀行シート」(1・3塁側)「東芝シート」(バックネット裏)の命名権が取り付けられた。球場そのものの命名権は現在予定されていない。

[編集] 日本プロ野球での状況

日本のプロ野球でもチーム名の命名権が取り入れられた例がある。

  • その最初の例が1937~40年の「ライオン野球軍」である。前身の大東京軍の運営から國民新聞社が撤退。その後田村駒治郎が運営する大阪の繊維メーカー・田村駒商店が球団の主体となったが、資金面強化のため東京のライオン歯磨(現・ライオン)が冠スポンサーとなりこのチーム名となる。1940年の太平洋戦争の戦局悪化に伴って英語名が使用禁止になってしまうが、ライオンだけはスポンサーであることから抵抗した。しかし、結果的にその年のシーズン終了後にスポンサーから撤退(朝日軍に変更)した。
  • 続いて1955年に高橋ユニオンズトンボ鉛筆とのスポンサー提携を結んだ。高橋は高橋龍太郎の個人経営による野球チームとして1954年に設立されたが、資金面に乏しく選手の質もあまりよくなかった。そこで大手企業に球団名を売却してチームの運営資金にしようとトンボが冠スポンサーとなったが、結果的に改善の見込みが立たずこの年1年で撤退した。チームは1957年に大映スターズと合併し大映ユニオンズとなる。
  • 1969年には、その大映ユニオンズと毎日オリオンズが1958年に合併して出来た毎日大映球団・東京オリオンズに菓子メーカー・ロッテが冠スポンサーとして付いて「ロッテ・オリオンズ」とチーム名を改めた。この後経営の主軸だった大映が経営悪化から経営撤退、1971年1月に球団経営権は正式に譲渡され、新会社「株式会社ロッテ・オリオンズ球団」が設立される。
  • 1973年には福岡野球株式会社(旧・西鉄ライオンズ)が設立されたが、これは前年までロッテ・オリオンズのオーナーだった中村長芳の個人出資で設立された球団だった。中村個人では当然経営が安定しないと見越し、ゴルフ場経営の太平洋クラブに資金援助を実施してもらって「太平洋クラブ・ライオンズ」となった。更に1977年にはクラウンガスライターと提携し「クラウンライター・ライオンズ」と改めるが、この際ユニフォームにはクラウンライター、太平洋クラブ両社のロゴマークが併用されていた。1978年シーズン終了後、西武鉄道国土計画の企業グループを母体とした「西武ライオンズ」が誕生。本拠地を福岡県から埼玉県に移した。
  • 2004年のシーズン開幕前には大阪近鉄バファローズが、球団名をネーミングライツで切り売りする構想が計画された。近鉄が本業の鉄道事業の経営改善強化策の一環として実施する予定だったが、他球団からの反発からこれは結果的に認められず実施とは至らなかった。この年6月にオリックス・ブルーウェーブと合併する構想が発覚。9月のオーナー会議で両チームの合併(オリックス・バファローズの移行)が認められ、近鉄は55年の歴史にピリオドを打つことになった。
  • 上記の大阪近鉄の例のように、現在は一軍のチーム名称については命名権は事実上認められていないが、二軍については複数のチームが採用している。オリックスは2000年から、二軍のチーム名称のスポンサーを募集し、香川県高松市に本社を置く建設・不動産関連の穴吹工務店と契約し、チーム名を「サーパス神戸」とした。当初は2002年の契約切れを持ってサーパスの使用も打ち切る予定だったが、2003年度からスポンサーとなったIT関連企業・サイバーファーム社(沖縄県)が穴吹工務店の了承を得てチーム名を継続使用している。
  • また西武ライオンズも二軍のチーム名称について命名権を採用し、2005年から西武ドームと同じインボイス社が3年契約でスポンサーとなり、「インボイス」に改称。インボイス社は当初、長期契約を希望していたが、ドームの契約が満了となる2006年末以降は契約を更新しない旨が西武側から通達され、結局更新を断念し、施設名、二軍の名称とも同年末を以って契約を終了した。翌2007年からはグッドウィル・グループが5年契約で新たにスポンサーとなることが決まり、チーム名をグッドウィルに改称することになったが、2007年12月、グッドウィルが違法な派遣業務を行っていたことが発覚。グッドウィルは厚生労働省から事業停止命令の行政処分が通告された。このため、同社は西武球団に命名権の契約解除を申し入れ、同球場を所有する西武鉄道とライオンズ球団側もそれを受け入れ、命名権取得契約を解除することを決めた。2008年1月8日、正式に命名権契約の解除が発表され、1月9日より、本拠地名称が西武ドーム二軍のチーム名称が埼玉西武ライオンズとなることとなった。(詳細は各項参照)

[編集] 日本プロバスケットボールでの状況

[編集] 命名権募集中・検討中

[編集] 施設以外のもの

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

他の言語


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