大分市
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大分市(おおいたし)は、日本の九州地方の東部、大分県の中部に位置する市で、同県の県庁所在地である。旧大分郡・北海部郡。古くは豊後国の国府が置かれ、府内(ふない)と呼ばれた。中核市に指定されている。
目次 |
[編集] 地理
大分市は、大分県のほぼ中央部に位置する、東九州の中核都市である。
大分川及び大野川が形成した三角州及び沖積平野からなる大分平野と、その周りの丘陵とを抱え、瀬戸内海の別府湾に面する。市の東部には南から大野川が、西部には西から大分川が流れ、瀬戸内海に注いでいる。中心市街は、大分川の河口部西側にある。別府市との境界付近に位置しニホンザルが生息する高崎山地区、及び豊予海峡に浮かぶ高島地区は、瀬戸内海国立公園に指定されている。
近年、市域を東西に貫通する形で大分自動車道、東九州自動車道が開通し、国道10号、国道210号等と接続している。
市内の郊外地域ではショッピングセンターやニュータウンなどの開発により、人口の増加が著しい。
- 東端:東経131度57分46秒
- 西端:東経131度25分07秒
- 南端:北緯 33度04分11秒
- 北端:北緯 33度17分24秒
[編集] 気候
瀬戸内海式気候に属し、年間を通じて温暖、少雨である。平均気温は16.0℃、降水量1677.8mm(平年値) ただし、旧大分郡野津原町の地域は障子岳、御座ヶ岳等の600~800m級の山々が連なり、内陸部への入り口に当たるため内陸性気候に属し、平地より気温が若干低くなる。
[編集] 隣接する自治体
[編集] 歴史
[編集] 古代
古代には、現在の大分市周辺は大分郡(おおきたのこほり)と呼ばれ、大分川下流沿い、現在の市の中心部からやや南に外れた位置(現在の古国府)に、豊後国の国府が置かれたと推測されている。
「大分」の名は、『豊後国風土記』によれば、景行天皇がこの地を訪れた際に「広大なる哉、この郡は。よろしく碩田国(おおきたのくに)と名づくべし」と名づけたもので、これが後に「大分」と書かれるようになったとされる。景行天皇の言葉は、今日では広大な平野の様子ではなく、多数の田が並ぶ様子を描写したものと解されているが、大分平野に古くから田圃が開けていたことを示すものである。
[編集] 中世
鎌倉時代には大友氏が豊後国に下向し、元弘3年(1333年)には豊後国の守護に任ぜられた。室町時代に入ると、第7代当主大友氏泰は、拠城をわずかに北にずらして大分川河口付近に館を構えた(現在の市の中心部の東部で、顕徳町にあたる。)。これが現在の大分市に連なる城下町のはじまりで、町の名を府内といった。現在の大分市街地中心部に残る「府内町」という地名や「府内5番街」という商店街はこの名残である。
戦国時代の府内は、最盛期には九州のほぼ全域を手中に収めた大友宗麟の支配下で、日本で初めての西洋式の病院が開設されるなど、南蛮文化を受容し栄えた。しかし、1586年(天正14年)の島津家久の侵攻によって炎上し壊滅したとされる。
近年、大分駅付近の連続立体交差事業および区画整理事業に伴い、大友氏館跡をはじめとする戦国期府内の遺跡が発掘されており、2001年(平成13年)には大友氏館跡が国指定史跡とされた。
[編集] 近世
宗麟の跡を継いだ大友義統が文禄の役での失態のために改易された後、府内を領地とした福原直高は府内城の築城を開始した。その半ばにして福原氏は関ヶ原の戦いの後改易されたが、その後府内を領地とした竹中重利が築城を続行し、府内城の完成を見ている。
大友氏の改易以後、豊後国は小藩に分割され、府内は府内藩の城下町となる。このため、江戸時代の府内は豊後国に多数ある小さな城下町のひとつにとどまった。1712年(正徳2年)の調査による人口は5,591人であった。
[編集] 近代
明治になって、府内には大分県の県庁が置かれ、1889年(明治22年)の町村制施行により大分町となった。市制施行は1911年。1920年(大正9年)の人口は、4万3,150人であった。
[編集] 戦後・現代
全国の都市の中でも、大分市はここ40年の間に急激に成長した都市のひとつである。
1950年代、大分市は人口10万人程度と、宮崎市とほぼ同規模で、九州(沖縄県を除く)では佐賀市に次いで小さな県庁所在地であった[1]。1960年代に入ると、高度経済成長の波に乗るべく新産業都市指定を目指し、その人口要件を満たすために1963年に鶴崎市や大南町などとの大合併に踏みきり、人口21万人となる。そして、1964年(昭和39年)1月、新産業都市に指定されると、沿岸部に新日鉄などの大工場が進出し、それまでの鄙びた一都市から九州を代表する工業都市として急速に開発が進み「新産都の優等生」と呼ばれた。
人口も1960年代以降急激に増加し、1970年には26万人、1980年代には36万人、1990年代には40万人を突破。前述の1963年の合併から2005年の合併までは市域が変わっていなかった状況を考えると、極めて著しい人口増加といえる。周辺部の丘陵地帯には次々に大住宅地が建設され、城南団地、明野団地、敷戸団地などのニュータウンがスプロール化して連なる特異な郊外環境が誕生した[2]。
また、新産業都市として発展が見込まれたことから1970年代には長崎屋、ダイエー、ニチイ、ジャスコ、西友など関東・関西資本のスーパーが大分駅前に多数進出し、九州では珍しい首都圏の郊外都市のような駅前繁華街が形成される(現在はその大半が業態転換や撤退している[3]。)。
1997年(平成9年)4月1日には、中核市に指定されている。
[編集] 市町村合併
明治の大合併と呼ばれる市町村合併が進む中、1907年(明治40年)に3町村を編入。以後、上記の鶴崎市等との合併を含め、合併を幾度か行っている。詳しくは#行政区域の変遷参照。
平成の大合併では、2004年(平成16年)4月1日に大分市と北海部郡佐賀関町および大分郡野津原町の間で法定合併協議会が設置され、同年7月23日合併協定が調印されて、2005年(平成17年)1月1日、佐賀関町及び野津原町が大分市に編入された。本項目で「旧大分市」と言う場合には、佐賀関町、野津原町の編入以前(2004年12月末日以前)の大分市を指す。
[編集] 行政
[編集] 市長
- 釘宮磐(くぎみや ばん)
[編集] 行政区域の変遷
- 1889年(明治22年)4月1日 町村制施行により、以下に示す各町村が発足。
- 1907年(明治40年)4月1日
- 大分町が西大分町・荏隈村・豊府村を編入。
- 河原内村を竹中村に編入。
- 西稙田村を稙田村に編入。
- 諏訪村を野津原村に編入。
- 1907年(明治40年)6月1日 西大在村と東大在村が対等合併し、大在村となる。
- 1907年(明治40年)7月1日
- 佐賀村と市村が対等合併し、佐賀市村となる。
- 大志生木村と神馬木村が対等合併し、神崎村となる。
- 大分町が西大分町・荏隈村・豊府村を編入。
- 1911年(明治44年)4月1日 大分町が市制施行し大分市となる。
- 1939年(昭和14年)8月15日 八幡村・滝尾村・東大分村を編入。
- 1943年(昭和18年)11月11日 日岡村を編入。
- 1944年(昭和19年)2月11日 桃園村を鶴崎町に編入。
- 1950年(昭和25年)1月1日 川添村・今市村の所属郡を大分郡に変更。
- 1954年(昭和29年)3月31日
- 鶴崎町・松岡村・高田村・明治村・川添村が対等合併し市制施行。鶴崎市が発足。
- 戸次町・判田村・竹中村・吉野村が対等合併し、大南町が発足。
- 1955年(昭和30年)1月1日
- 佐賀関町・神崎村・一尺屋村が対等合併。佐賀関町となる。
- 東稙田村の一部・賀来村の一部を大分市へ編入。
- 1955年(昭和30年)2月1日 稙田村・東稙田村・賀来村が対等合併し、大分村が発足。
- 1955年(昭和30年)3月31日 今市村を野津原村に編入。
- 1957年(昭和32年)4月1日 大分村が町制施行。大分町(2代目)となる。ただし町制施行の際、一部地域は挾間町へ分離。
- 1959年(昭和34年)2月1日 野津原村が町制施行。野津原町となる。
- 1963年(昭和38年)3月10日 大分市・鶴崎市・大分町・大南町・大在村・坂ノ市町が対等合併し、新市制による大分市が発足。
- 2005年(平成17年)1月1日 北海部郡佐賀関町・大分郡野津原町を編入。
[編集] 経済
[編集] 産業
1964年(昭和39年)に新産業都市の指定を受けたことで工業都市へと発展した。近年では、集積回路等の加工組立産業が進出するとともに、物流団地の整備、地域輸入促進計画のもと、物流の拠点としても成長を続けている。
繁華街は大分駅北側に広がっており、大型店のほか、セントポルタ中央町とガレリア竹町というアーケード商店街も有している。九州では珍しく駅前型の繁華街であり、鉄道やバスなど交通の結束点にあることから人通りはそこそこ多い。 また、ガレリア竹町の延長線上にある府内五番街商店街には有名セレクトショップが集まっている。 しかし、近年郊外への大型ショッピングモールの出店に伴い、中心市街地では相次いで大型小売店舗が撤退し、活性化が求められている。シネマコンプレックスも郊外に2つ作られ、市の中心部にあった映画街は衰退している。
[編集] 市内中心部の主な商業施設
- トキハ本店 - 百貨店・地元資本。
- 大分パルコ - ファッション専門店ビル。大分ロフト、無印良品などが入居。
- 大分フォーラス - ファッション専門店ビル。タワーレコード、ジュンク堂書店などが入居。
- 大分サティ - 総合スーパー。
- Dプラザ(大分駅から約1.2km) - 複合商業施設。ドン・キホーテなどが入居。
- フレスポ春日浦(大分駅から約1.5km) - 複合商業施設。トキハインダストリー、HIヒロセなどが入居。
[編集] 郊外の主な大型商業施設
[編集] 主な産業
(旧大分市の市域においての産業別事業所数上位5位まで。カッコ内は構成比。2001年調査より。)
- 卸売・小売業・飲食店 9,139 (43.0%)
- サービス業 6,825 (32.1%)
- 建設業 2,248 (19.5%)
- 製造業 883 (4.2%)
- 不動産業 803 (3.8%)
[編集] 産業人口
(大分市※の市域における産業別就業者数上位5位まで。単位、人。カッコ内は構成比。2000年国勢調査報告より。)
- サービス業 64,264 (29.8%)
- 卸売・小売業・飲食店 53,951 (25.0%)
- 建設業 28,600 (13.3%)
- 製造業 26,602 (12.3%)
- 運輸・通信業 13,591 (6.3%)
※旧大分市、旧佐賀関町、旧野津原町のデータの合計。
[編集] 農林漁業
主要農産物生産量(2004年(平成16年)。旧大分市。単位、トン(t)。「大分市の統計」より。)
- 水稲 7,040
- にら 1,545
- みつば 1,243
- 温州みかん 920
- ごぼう 753
畜産物生産数(2004年(平成16年)。旧大分市。単位、トン(t)。「大分市の統計」より。)
- 牛乳 13,958
- 肉豚 265
- 鶏卵 1,224
[編集] 工業
1964年(昭和39年)に新産業都市の指定を受け、鉄鋼、化学、石油等基礎素材産業が進出したことによりし、大分・鶴崎工業地帯を中核に工業都市へと発展した。近年では、集積回路等の加工組立産業が進出するとともに、物流団地の整備、地域輸入促進計画のもと大分港大在コンテナターミナルが設置され、物流の拠点としても成長を続けている。
[編集] 市内にある主要企業
[編集] 製造業
- 旭化成ケミカルズ(大分工場)
- 旭化成メディカル(大分製造所)
- 朝日ソーラー(本社)
- 大分キヤノン(大分事業所)
- 大分キヤノンマテリアル(大分事業所)
- 九州石油(大分製油所)
- 九州乳業(本社)
- 昭和電工(大分事業所)
- 新日本製鐵(大分製鐵所) - 第2高炉は世界最大。
- 住友化学(大分工場 : 農薬、薬品)
- 大日本住友製薬(大分工場 : 薬品)
- 東芝(大分工場) - システムLSIの生産拠点。
- 大分ティーエスセミコンダクタ - 東芝とソニーの合弁企業。PS2のCPU (Emotion Engine)、PS3のGPUを生産。
- 西日本電線(本社、大分事業所)
- 日鉱製錬(佐賀関製錬所 : 非鉄金属)- 東洋一とも言われる大煙突がある。
- 三井造船(大分事業所 : 建設用金属製品、一般機械器具)
- 大分三井造船(橋梁、各種クレーン)
[編集] 卸売・小売業・飲食店・サービス
- アステム(本社)
- 小野建(本社)
- ジョイフル(本社)
- トキハ(本社)
- トキハインダストリー(本社)
- ホームインプルーブメントひろせ(本社)
- マルショク(本社)
[編集] 電気
[編集] 情報通信業
- エフエム大分
- 大分ケーブルテレコム
- 大分ケーブルネットワーク
- 大分合同新聞
- 大分朝日放送
- 大分放送
- コアラ(大分本社:インターネット接続事業等)
- テレビ大分
- 富士通大分ソフトウェアラボラトリ(富士通のグループ会社)
[編集] 金融
- オーシー
[編集] 姉妹都市・提携都市
- 姉妹都市
- 友好都市
- 交流促進都市
[編集] 地域
[編集] 教育
学校名等は基本的に五十音順で記載している。
[編集] 小学校
- 国立
- 大分大学教育福祉科学部附属小学校
- 公立
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[編集] 中学校
- 国立
- 大分大学教育福祉科学部附属中学校
- 公立
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[編集] 高等学校
[編集] 高等専門学校
[編集] 短期大学
- 公立
- 私立
[編集] 大学
[編集] その他の学校
[編集] 文化施設
- OASISひろば21
- アートプラザ(旧大分県立図書館の建物を、市が新たに活用。)
- 大分市美術館
- 豊の国情報ライブラリー(大分県立図書館、大分県立先哲資料館、大分県公文書館)
- 大分市民図書館
- 大分文化会館
- 大分県立芸術会館
- コンパルホール
- 平和市民能楽堂
[編集] スポーツ関連施設
- 大分市営陸上競技場
- 大分県立大洲総合運動公園(新大分球場・大分県立総合体育館)
- 大分スポーツ公園(九州石油ドーム・ストーク球場・大分スポーツクラブ)
[編集] 歴史施設
- 大分市歴史資料館
- 亀塚古墳公園海部古墳資料館
[編集] 研修施設
[編集] 交通
[編集] 空港
- 空港特急バス大分交通「エアライナー」
- 大分ホーバーフェリー(所要時間は20分)
[編集] 鉄道路線
なお、1900年~1972年には路面電車の豊州電気鉄道→大分交通別大線が、別府市との間を結んで運行を行っていた。
[編集] 路線バス
[編集] 航路
- ダイヤモンドフェリー : 大分港
- 関西汽船 : 大分港
- 国道九四フェリー : 佐賀関港
- 大分ホーバーフェリー : ホーバーのりば
[編集] 道路
[編集] 高速道路・有料道路
[編集] 一般国道
[編集] 県道
- 主要地方道
- 一般県道
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(stub)
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集] 主な史跡・旧跡等
[編集] 観光
[編集] 祭り
- 大分七夕まつりの催しの一つ。中央通り - 昭和通りで開催。(開催期間は毎年8月の第1金曜日、19時30分から21時30分の2時間。)
[編集] スポーツ
[編集] スポーツチーム
[編集] スポーツ関連の大会・試合
- 毎年開催されるもの
- Jリーグ大分トリニータ公式戦
- Fリーグバサジィ大分公式戦(2007年~)
- 別府大分毎日マラソン
- 大分国際車いすマラソン大会
- 過去に開催されたことがあるもの
- 第21回国民体育大会(1966年)
- キリンカップサッカー(2001年)
- 2002 FIFAワールドカップ(2002年)
- キリンチャレンジカップ(2003年、2006年、2007年)
- Jリーグオールスターサッカー(2005年)
- 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会(2006年)
- 開催予定のもの
- チャレンジ!おおいた国体(2008年開催予定)
[編集] 大分市出身の有名人
[編集] 大分市を舞台とした作品
- ただいま零匹(火野葦平、1956年) - 高崎山の観光開発を題材としている。
- 生命燃ゆ(高杉良、1983年) - 大分臨海工業地帯のコンビナート建設を題材としている。
- 県立地球防衛軍(安永航一郎、1983年-) - 漫画作品で舞台のモデルは大分市とされる。作者は大分舞鶴高等学校出身。
- チューロウ(盛田賢司、1994年) - 大分市を舞台のモデルに描かれた作品。実在の高校・地名が類推される部分がある。
[編集] その他
- 市外局番 097(市内全域)
[編集] 脚注
- ^ 石黒正紀、「戦後における九州地方の人口構造変化」、福岡教育大学紀要,第55号,第2分冊,1-7(2006)(pdfファイル)
- ^ 大分県内の(住宅)団地開発について
- ^ 長崎屋・ダイエー:撤退、ニチイ:サティとして存続、ジャスコ:1993年11月にフォーラスに業態転換、西友:1977年4月にパルコに業態転換。
[編集] 外部リンク
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東国東郡 | 姫島村 |
速見郡 | 日出町 |
玖珠郡 | 九重町 | 玖珠町 |
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