会社員VX殺害事件
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会社員VX殺害事件(かいしゃいんVXさつがいじけん)とは、1994年12月12日に発生したオウム真理教信者による殺人事件。
[編集] 概要
この事件の被害者は、大阪府大阪市に住む柔道2段の資格を持つ当時28歳の会社員で、オウム真理教のダミーサークル「ヴァジラクマーラの会」に入っていたが、それ以外に教団とは関わっていなかった。
ちょうどこの頃、教団の大阪支部で分派騒ぎがあり、分裂を煽った不審人物として会社員が浮上、「公安警察のスパイ」と決め付けられることになった。
麻原彰晃は、会社員をVXガスで殺害するよう指示した。1994年12月12日に、実行犯グループは大阪市内のホテルに集結した。
同日午前7時10分、会社員が自宅から出てきたので、山形明と新実智光が後を追い、VXガスの溶液を会社員の後頚部にかけた。
会社員はその場で倒れたため、通行人が110番通報し、直ちに大阪大学医学部附属病院に搬送されたが、12月22日午後1時56分に死亡した。
翌1995年のオウム真理教の強制捜査後、この事件を含む一連のVXガスによる襲撃事件が明るみに出、保存されていた被害者の血液を分析したところVXガスの分解物が検出されたことから暗殺が実証された。