約束された場所で
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『約束された場所で―underground 2』は、村上春樹のノンフィクション文学作品。
[編集] 概要
1998年11月、文藝春秋刊。2001年文春文庫刊。
1995年3月20日、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の信者、元信者8人に村上春樹自身がインタビューをし、それを中心にまとめた。インタビューは『文藝春秋』1998年4月号から11月号に掲載された。
『アンダーグラウンド』とは、対になる作品である。
[編集] インタビュー
『アンダーグラウンド』を書き終えた時点で、村上はオウム真理教信者の存在を抜きに、この事件を考えることは出来ないと言う結論に至る。そのために、在家信者・元信者などにインタビューをする。
『アンダーグラウンド』と同様に、1人ずつ面接方式でインタビューが行なわれている。まず、簡単な育ち、家族関係、入信前の育ち様、入信後のオウムでの役割、事件後の職業と生活状況、最後に村上春樹の感じた風貌という順にまとめられている。
そして「インタビュー」。それぞれの出身、育ち、学歴など、そしてオウムとの出会い、入信の過程、その後の活動、オウム事件の前後の活動、その後のオウムをどのように思っているかなどをまとめている。
ただし、オウムの教義などの話し等になったりするために、村上春樹もただ聞き手ではなく、質問を積極的に行なったり、発言をしたりしている。
[編集] 河合隼雄氏との対話
これらのインタビューを終えた後、村上は、オウム信者の人間としての苦悩や精神構造は似たものであるとして理解できたが、より深くオウムや現在の日本人を理解するために、河合隼雄氏との対話をすることになる。
河合隼雄氏とは、アメリカ在住時代からの面識があり、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』の共著がある。
|
|
---|---|
長編小説 | 風の歌を聴け - 1973年のピンボール - 羊をめぐる冒険 - 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド - ノルウェイの森 - ダンス・ダンス・ダンス - 国境の南、太陽の西 - ねじまき鳥クロニクル - スプートニクの恋人 - 海辺のカフカ - アフターダーク |
短編小説集 | 中国行きのスロウ・ボート - カンガルー日和 - 象工場のハッピーエンド - 螢・納屋を焼く・その他の短編 - 回転木馬のデッド・ヒート - パン屋再襲撃 - 夢で会いましょう - ランゲルハンス島の午後 - TVピープル - レキシントンの幽霊 - 夜のくもざる - 神の子どもたちはみな踊る - 東京奇譚集 |
エッセイ集 | 村上朝日堂 - 村上朝日堂の逆襲 - The Scrap 懐かしの一九八〇年代 - 日出る国の工場 - 村上朝日堂はいほー! - やがて哀しき外国語 - 使いみちのない風景 - うずまき猫のみつけかた - 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか - 若い読者のための短編小説案内 - Portrait in Jazz - 翻訳夜話 - Portrait in Jazz2 - 村上ラヂオ - 翻訳夜話2 サリンジャー戦記 - 意味がなければスイングはない - 走ることについて語るときに僕の語ること - 村上ソングズ |
対談 | ウォーク・ドント・ラン - 映画をめぐる冒険 - 村上春樹、河合隼雄に会いにいく |
ノンフィクション | アンダーグラウンド - 約束された場所で |
紀行 | 遠い太鼓 - 雨天炎天 - 辺境・近境 - もし僕らのことばがウィスキーであったなら - シドニー! - 東京するめクラブ |
写真集 | 波の絵、波の話 - PAPARAZZI |
絵本 | 羊男のクリスマス - ふわふわ - ふしぎな図書館 - またたび浴びたタマ |
カテゴリー | 村上春樹 - 小説 |