TVピープル
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『TVピープル』(てぃーびーぴーぷる)は、村上春樹の短編小説、及びそれを表題とする短編集。
目次 |
[編集] 概要
1989年『par AVION』6月号(終刊号)に「TVピープルの逆襲」として掲載された。1990年1月には短編集『TVピープル』が文藝春秋より刊行、収録の際に改題された。
ヨーロッパ滞在中、ローマ市内のアパートにて執筆。MTVでルー・リードのビデオクリップ"Original Wrapper"が流れるのをソファでぼんやりと一人で見ているうちに突然書きたい衝動にかられ、すぐさま机に向かいそのまま一気に書き上げた。
[編集] 村上作品における本短編小説の位置づけ
『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』という2つの長編小説を発表、それが本人曰く思いもよらないようなベストセラーになった1988年頃、村上は精神的な落ち込みに襲われ、翻訳を除いて自前の文章を書けない状態が続いていた。そのような停滞期を1年程過ごしたのち執筆した短編小説が「TVピープル」であり、それが復帰の瞬間だったと村上自身述べている。
また『ザ・ニューヨーカー』誌(1990年9月10日号 アルフレッド・バーンバウム訳)に初めて掲載された作品であり、村上はこのことを「どんな文学賞をもらうよりも嬉しかった」と述懐している。これを皮切りに「ねじまき鳥と火曜日の女たち」(1990年11月26月号)「象の消滅」(1991年11月18日号)「眠り」(1992年3月30日号)「納屋を焼く」(1992年11月2日号)と掲載された。
[編集] 短編集『TVピープル』収録作品
- TVピープル
- 飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか
- 我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史
- 加納クレタ
- ゾンビ
- 眠り
[編集] 参考文献及び出典
『「象の消滅」 短篇選集 1980-1991』(新潮社、2005年)の前書き、および『村上春樹全作品1990~2000 第1巻短編集1』(講談社、2002年) 解説。
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長編小説 | 風の歌を聴け - 1973年のピンボール - 羊をめぐる冒険 - 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド - ノルウェイの森 - ダンス・ダンス・ダンス - 国境の南、太陽の西 - ねじまき鳥クロニクル - スプートニクの恋人 - 海辺のカフカ - アフターダーク |
短編小説集 | 中国行きのスロウ・ボート - カンガルー日和 - 象工場のハッピーエンド - 螢・納屋を焼く・その他の短編 - 回転木馬のデッド・ヒート - パン屋再襲撃 - 夢で会いましょう - ランゲルハンス島の午後 - TVピープル - レキシントンの幽霊 - 夜のくもざる - 神の子どもたちはみな踊る - 東京奇譚集 |
エッセイ集 | 村上朝日堂 - 村上朝日堂の逆襲 - The Scrap 懐かしの一九八〇年代 - 日出る国の工場 - 村上朝日堂はいほー! - やがて哀しき外国語 - 使いみちのない風景 - うずまき猫のみつけかた - 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか - 若い読者のための短編小説案内 - Portrait in Jazz - 翻訳夜話 - Portrait in Jazz2 - 村上ラヂオ - 翻訳夜話2 サリンジャー戦記 - 意味がなければスイングはない - 走ることについて語るときに僕の語ること - 村上ソングズ |
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