滝本弁護士サリン襲撃事件
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滝本弁護士サリン襲撃事件(たきもとべんごしさりんしゅうげきじけん)とは、1994年5月9日に発生したオウム真理教信者による殺人未遂事件。
[編集] 概要
この事件の被害者である滝本太郎弁護士は、失踪(後にオウム真理教による殺害と判明)した坂本堤弁護士に代わり、オウム真理教被害者対策弁護団の中心人物として教団に対する訴訟を行う傍ら、信者に対するカウンセリングを行っていた。滝本太郎は「空中浮揚なら自分でもできる」と、自ら空中浮揚した写真を撮り信者に見せていた。彼が手がけた信者は、ほとんど全員が脱会したという。
麻原彰晃は、これに危機感を抱き、滝本太郎をサリンで殺害するよう指示した。遠藤誠一と中川智正は、アンモニアを使って実験を行い、車のフロントガラスにかけるのが効果的であると報告した。
1994年5月9日、甲府地方裁判所の駐車場に駐車していた滝本の車のフロントガラスに、麻原の愛人のマハームドラー・ダーキニー(当時未成年)と富永昌宏がサリンを噴霧した。
滝本太郎は若干視力が弱まるなどの被害を受けたが命に別状はなかった。一連の事件発覚まで、気が付かなかったという。