国鉄ED30形電気機関車 (初代)

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長津田車両工場のED30

ED30形は、かつて日本国有鉄道（国鉄）に在籍した直流用電気機関車である。

[編集] 概要

本形式は豊川鉄道が自社のデキ54形電気機関車として日本車輌製造（車体部分。電気部分は東洋電機）に発注したものだが、製造中の1943年（昭和18年）に豊川鉄道が国有化されたため、1944年（昭和19年）の完成時点から私鉄籍を持つことなく国鉄の電気機関車となった。

低く幅広のボンネットを前後に持つ中型の凸型機関車で、ボンネット前面側面に多数設けられたルーバーも物々しく、非常に力強い外観を備えている。

就役後も引き続いて豊川鉄道の形式番号のまま飯田線で使用されたが、1952年（昭和27年）の改番でED30形（初代。ED30 1）になり、1957年（昭和32年）には宇部線に転属、1961年（昭和36年）に再度改番されED25形（2代。ED25 11）になった。

1963年（昭和38年）、国鉄除籍後に伊豆急行に払い下げられた。伊豆急行はそれまで電車の牽引で貨物輸送を行っていたが運用上難があり、貨物列車牽引用機関車として導入されたものである。番号変更もなく使用されたが、同線貨物廃止後の運用は工事車両牽引等に限られ、1994年（平成6年）に廃車になった。

その後、伊豆急行の親会社である東京急行電鉄に譲渡され、1995年（平成7年）に整備の上、同社長津田工場の場内入換機関車に転用された。ED30 1を再び名乗るようになったが、本線運用がないため鉄道車両としての扱いはされず、構内用の移動機械扱いである。2006年現在も引き続き長津田工場で使用されている。

なお、1961年の改番の際、ED30 1と陽刻された元の砲金製ナンバープレートを裏返して取り付け、ED2511とペンキ書きされた模様で、東急入線の際、取り外したプレートから元の陽刻文字が発見された。機械扱いとなった同機には車番は大きな意味はなさないが、整備の際、陽刻が施された面を表とするよう改められたため、現在は通称というかたちでED30 1を名乗っている。