ソリッド・スネーク
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ソリッド・スネーク(Solid Snake)は、コナミのアクションゲーム『メタルギア』シリーズに登場する架空の人物で、同シリーズの主人公。
日本ではメタルギアソリッド以降、大塚明夫が声優を担当している[1]。英語版の声優はデヴィッド・ヘイター (David Hayter) 。
モデルは1981年のアメリカ映画、『ニューヨーク1997』のスネーク・プリスキン。[要出典]
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
身長182cm、体重75kg。職業は傭兵、もしくは元特殊部隊(FOXHOUND)隊員。日本人とイギリス人の血を引くとされている。IQは180で、六ヶ国語に精通している。1972年、恐るべき子供達計画によって誕生。19歳前後の時に米陸軍特殊部隊グリーンベレー隊員として戦った湾岸戦争が初陣とされる。
いかなる状況下においても任務をこなす、隠密潜入のエキスパート。FOXHOUNDの新人隊員でありながら(仲間のアドバイスを受けていたとはいえ)たった一人で軍事要塞アウターヘブンに潜入、メタルギアを破壊し、これを陥落させた。この一件から、「不可能を可能にする男」と呼ばれるようになる。
FOXHOUND除隊後はCIAのスカウトにより秘匿工作員(ディープ・カヴァー・エージェント)の非公式身分(ノンオフィシャル・カバー)として働くが、局の体制に反発し、約半年でCIAを去る。その後、カナダの奥地で療養生活を送るが「ザンジバーランド蜂起」に際して再び潜入任務を遂行、武装要塞国家ザンジバーランドを陥落させる。
ザンジバーランド騒乱後はアラスカ山脈ツイン・レイクスの湖畔で孤独な隠遁生活を送っていたが、シャドーモセス事件により再び任務を課せられる。
過去3度にわたり、メタルギアの脅威から世界を救った伝説の英雄であるが、シャドーモセス島蜂起事件後、世界中に流出したメタルギアを根絶する為に反メタルギア財団フィランソロピーを組織、所属する。FOXHOUNDを設立したビッグ・ボスの能力を受け継いでいる。
喫煙者で、愛用の煙草は先折り煙草のモスレムだが、メタルギア1、2ではラッキーストライカーを吸っていた。MGS4ではザ・ボスなる銘柄を吸っているが、エンディングで「煙草は止めた。健康に悪いしな」と発言している。父親同様にダンボールの魅力に取り憑かれている。冷静沈着な皮肉屋だが、かなりの女性好きで作戦中でも女性の口説き方などを考えていたりする。但し、口説いているのは無線で話している時だけで実際に面と向かうと大胆になる事はなくなる。
ゲスト出演作品にて明らかになる一面もある。『サルゲッチュ』では六ヶ国語に加えてサル語まで介する事が判明し、隠れんぼは得意だがむしろ嫌いであるとされた。スマブラXではメイ・リンからナルシスト扱いされている。
本名の「デイヴィッド」という名前は、MGSに出た時の名前であり、それ以降は使われておらず実際に本名であるという信憑性は低い。
[編集] 戦闘技術
FOXHOUND所属以前、即ちグリーンベレー時代から、高等落下傘降下、スクーバダイビング、フリークライミングのエキスパートである。多くの銃器、兵器の扱いを習得している他、素手での格闘術にも長けており、ビッグ・ボス直々にCQCを伝授されている。アラスカで犬ぞり使いの経験も獲得している。これらの技術はFOXHOUND隊員として数々の事件に関わった際に役立った。
[編集] これからのソリッド・スネーク
『メタルギアソリッド4』まで『メタルギア』シリーズの監督を務めた小島秀夫は、主役としての出演は『メタルギアソリッド4』が最後であることを公言している。理由は「ソリッド・スネークはキャラクターが立ちすぎていて既に『伝説の傭兵』となっているのに、初心者が『伝説の傭兵』を操作するのはちょっとおかしい話となり、ゲームデザイン的に困る」ためとのこと。これはメタルギアソリッド2で雷電が新たな主人公として登場した理由とも直結している。一方で、「プレイヤーキャラじゃなければいいのかもしれないけど」「自らは今後はプロデューサーとして一歩引いた立場になるので、後を継ぐ若いスタッフが望むのであれば次回作以降も出演するかもしれない」とも語っており、今後も脇役として出演する可能性が残っていることを示唆している[2]。
[編集] 関わった事件
スネークが関わった、一般的に良く知られている事件での行動を時系列順に記す。
[編集] アウターヘブン騒乱
南アフリカの奥地、武装要塞国家アウターへブンに潜入した3人のFOXHOUND隊員のうちの一人だった。新米ではあったが、任務の途中でFOXHOUND総司令官のビッグ・ボスこそが黒幕だったと知り、その野望を打ち砕き、開発中の核搭載二足歩行戦車メタルギアも破壊している。
[編集] ザンジバーランド蜂起
「メタルギア2 ソリッドスネーク」(1990年発売)
アウターヘブンを瀕死の重傷で生き延び、独立武装要塞ザンジバーランドの首領となっていたビッグ・ボスを討つべく、FOXHOUNDの新司令官ロイ・キャンベルの要請でザンジバーランドに潜入する。かつての戦友グレイ・フォックスとの対決やメタルギアとの戦いを制してビッグ・ボスを倒し、ザンジバーランドを陥落させた。
この後、いったんはFOXHOUNDを除隊、CIAのスカウトを受け、特殊工作員となったが、当局の体制に不満を抱き半年で退職、その後はアラスカで隠循生活をおくる。
[編集] シャドー・モセス事件
「メタルギアソリッド」(1998年発売)「メタルギアソリッドインテグラル」
隠遁生活中、元FOXHOUND司令官ロイ・キャンベル大佐から拉致同然の手段で強引に召喚され、新型のメタルギアREXを奪取したFOXHOUND実験部隊による武装蜂起が発生した核兵器廃棄処理施設シャドー・モセス島に単独潜入することになる。
各分野のスペシャリストによる無線での支援、メタルギア開発者のハル・エメリッヒ博士(通称オタコン)、キャンベル大佐の姪メリルらのサポートを受けながら、ビッグ・ボスの遺伝子を受け継ぐゲノム兵やFOXHOUND隊員との死闘を繰り広げる。
サイボーグと化したかつての戦友グレイ・フォックス(フランク・イェーガー)とも戦う事になったが、後に彼の命がけの援護を受けてメタルギアREXの破壊に成功、事件の首謀者である、ビッグボスの遺伝子を受け継ぐもう一人の蛇リキッド・スネークとの対決に臨む。
[編集] タンカー沈没事件(タンカー編)
「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」(2001年発売) 「メタルギアソリッド2サブスタンス」
シャドーモセス島事件の2年後(AD.2007年)で、反メタルギア組織フィランソロピーのメンバーとして活動しており、極秘裏に開発された新型メタルギアの情報を得て、海兵隊の偽装タンカーに潜入する。新型メタルギアの存在を確認することには成功したが、リボルバー・オセロットの策略によってメタルギアは奪われ、タンカーは爆破されてしまう。スネークはこれに巻き込まれて死亡したとされたが、実際にはオタコンの用意した救命艇で生き延びている。
[編集] プラント占拠事件(プラント編)
「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」(2001年発売) 「メタルギアソリッド2 サブスタンス」
タンカー沈没事件から2年後(AD.2009年)。愛国者達の思惑によって建造された海洋除染プラント「ビッグシェル」に潜入することになる。
プラント編の主人公である雷電の前では、当初ネイビーシールズ隊員に変装し、「イロコィ・プリスキン」という偽名を使っていた[3]。劇中では無線で連携しながら雷電と別行動を取り、爆弾処理やビッグシェルの実態調査を進めた。
ビッグシェルの正体が新型メタルギア「アーセナルギア」であることを突き止めた後は、雷電を囮に使い、オルガの協力を得てアーセナルギアに潜入する。オセロットの意思を乗っ取ったリキッド・スネークがメタルギアRAYで逃走した際には発信機を取り付けている。ソリダスとの戦いに勝利した雷電にメッセージを残し、「愛国者達」に攫われたというオルガの子供を救出すると残して姿を消した。
[編集] リキッド・オセロット決起事件
「メタルギアソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」(2008年発売)
40代とは思えないほど老化しており、白髪に髭を生やした姿となる。低下した身体機能はマッスル・スーツを兼ねる新型スニーキングスーツで補い、リキッド・オセロットの抹殺を遂行すべく世界各地の戦場を転戦した。リキッド・オセロットの死後、ザ・ボスの墓前で口に銃を当て自殺しようとするが失敗し、死んだはずのビッグボスと再会。彼の口から事の全ての真実と既に戦う必要が無い事を告げられた直後、FOXDIEによる発作で苦しみ死に逝くビッグボスを看取った。その後、残りの余命を生きるべく煙草を止めた後、オタコン、サニーと共に行方を暗ました。
[編集] その他の出演作品
メタルギアシリーズ(狭義)、MGSシリーズ(本編)以外の出演作品を記す。コナミを代表するキャラクターということもあり、他社の作品にゲスト出演する事も多い。
- 『METAL GEAR Ghost Babel』、『METAL GEAR AC!D』(コナミ)
- 主人公として登場している[4]。
- 『サルゲッチュ』シリーズ(SCE)
- 『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER』 (MGS3) のエクストラ(おまけ)モード“猿蛇合戦”にて、『サルゲッチュ』のキャラクター・ピポサルを追いかけるミッションに参加した。また、『MGS3』と同時期に発売された『サルゲッチュ3』ではスネークの能力を移植されたピポサル“ピポスネーク”が活躍するミニゲーム“メサルギアソリッド”にも登場しているが、MGS3のデータを流用しているため、外見はネイキッド・スネークと同じになっている[4]。
- 『ボクらの太陽』シリーズ(コナミ)
- ソリッド・スネークと同じ大塚明夫が声を担当し、「異世界から来たのでは」「潜入任務が得意」という特徴を持つ記憶喪失の男性「???(ハテナ)」が登場する。正体については明言されておらず、あくまで「謎の人物」とされている。
- 『Evolution Skateboarding エヴォリューションスケートボーディング』(コナミ)
- 雷電と共に操作キャラとして参加している。『MGS2 SUBSTANCE』収録の「SKATEBOARDING」モードに近い。
- 『ドリームミックスTV ワールドファイターズ』(ハドソン)
- コナミ、タカラ、ハドソンの共同制作。コナミキャラクターの誰かでクリアすると出現する隠しキャラクターとして登場している。スネーク独自のストーリーなどは無いが、カラーチェンジでイロコィ・プリスキン、タキシード姿、『MGS1』バージョンの服装を選べる。攻撃手段は主に格闘とC4爆弾のみ[5]。
- 『大乱闘スマッシュブラザーズX』(任天堂)
- 隠しキャラクターとして登場。『スマブラX』のゲスト出演は小島が桜井政博に直々に嘆願したことから実現したもので、任天堂キャラクターの祭典である同作への出演は大きな話題を呼んだ。また、セガから同じくゲスト出演したソニックとも異色の共演を果たしているものの、作品中では好きになれないとの発言をしている。その理由は不明だが、ユーザーからは「唯一の他社ゲストでなくなったことへの不満」、「コナミとセガの関係が悪いため」、「いわゆる声優ネタ[6]」などの説が唱えられている。
- MGSシリーズ本編での数多くの特徴が再現されているが、ネイキッド・スネークの特徴もいくつか取り入れられている[7]。
- 攻撃手段はCQCでの格闘戦のほか兵器も使用するが、ナイフや銃器は海外における対象年齢の規制により使用できないため、代わりにロケットランチャーや手榴弾などの爆発物を使用する。攻撃力はかなり高いが火器による攻撃は一部自爆の危険性があり、また元が潜入任務のゲームということもあり運動性能が低くトリッキーなキャラとなっている。ステージ『シャドーモセス島』でアピールボタンを素早く押すと、対戦中の敵のプロフィールなどをシリーズのキャラクターに通信で質問し、通信にはロイ・キャンベル大佐、オタコン、メイ・リンの3人が出演する。「最後の切りふだ」は画面手前からグレネードランチャー(ダネルMGL)で狙いを定め、攻撃するというもの。
- アドベンチャーゲーム「亜空の使者」では戦艦ハルバードにおなじみのダンボール箱に隠れて潜入していた。後から乗り込んできたメタナイトとルカリオと協力し、捕らえられていたピーチとゼルダを救出した後、操舵室を占拠していたMr.ゲーム&ウォッチ達が変貌したデュオンを撃退する。劇中では、メタナイトとルカリオが走って来る足音を聞いてダンボールに隠れるも、ルカリオに波導を感知され見抜かれてしまうという場面もある。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 大塚が起用された経緯は、小島秀夫監督が「『機動戦士ガンダム0083』で(大塚が声を当てていた)アナベル・ガトーを見て決めた」とのこと(ネットラジオでの発言より [要出典])。
- ^ トロ・ステーション 2008年6月14日付
- ^ 「イロコィ」とはネイティブ・アメリカンの言葉で「蛇(=スネーク)」を意味する。
- ^ a b これらの作品での行動はメタルギアシリーズ(広義)では外伝的なエピソードとされ、正規のストーリーからは分けて扱われる事が多い。
- ^ ダンボールなどは使用しないが、勝利メッセージのひとつで「ダンボールがあればもっと楽かもな…」などの発言をしていた
- ^ スネークの声を演じている大塚明夫の父親大塚周夫が、ソニックの敵であるDr.エッグマンの声を演じていることから。なお、海外でスネークの声を演じているデヴィッド・ヘイターの父親が、海外でDr.エッグマンの声を演じてきた歴代の声優の中にいるということは勿論ない。それにも拘らず、海外版のスマブラXにおいても、スネークはソニックに対して日本版と同様の発言をしている。
- ^ ヨッシーの説明を聞き「試しに捕獲(キャプチャー)して味見してみるか?」と発言する、食べ物を食べると稀に「うますぎる」「もっと食わせろ」と叫ぶ、C4爆弾が稀に蝶の形になるなど。また、カラーチェンジした場合の服装は3に登場したユニフォームである。
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