メタルギアソリッド
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ジャンル | ステルスゲーム |
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対応機種 | プレイステーション ニンテンドーゲームキューブ(ザ・ツインスネークス) Microsoft Windows |
開発元 | メタルギアソリッド / インテグラル: コナミコンピュータエンタテイメントジャパン ザ・ツインスネークス: コナミコンピュータエンタテインメントジャパン・シリコンナイツ |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM2枚組み CD-ROM3枚組み(インテグラル) GC用光ディスク2枚組み(ザ・ツインスネークス) |
発売日 |
1998年9月3日 |
対象年齢 | ESRB: Mature CERO: C |
売上本数 | 約559万本[1] |
その他 | メタルギアソリッド: 限定版あり ザ・ツインスネークス: ゲームキューブ同梱版あり |
『メタルギアソリッド』は、コナミコンピュータエンタテイメントジャパンが開発、コナミから発売された戦略諜報アクションゲームであり、メタルギアシリーズの3作目となる作品である。
目次 |
[編集] 概要
MSX2用として発売された前2作品とは異なりポリゴンを用いた3次元描写による潜入アクションゲーム。「メタルギアソリッド(MGS)」シリーズの第一作にあたる。
テーマは遺伝子を意味するGENE。
本作品のシナリオは、米国のフォーチュン誌にて「20世紀最高のシナリオ」と称されている。ハード性能を活かした映像の他、兵士の吐く白い息等などの描写で極寒のアラスカへの潜入の演出、詳細な人物設定にも定評がある。また、コントローラー端子を切り替えてボスに対処する、テレビのビデオ状態を再現してプレイヤーを混乱させるなどのジョーク要素も話題となった。ハードの移行により大きな進展を見せた本作は、ポリゴンによる3次元描写となった事に加え、3次元でなければ不可能な演出を豊富に盛り込んでいる。
[編集] 開発及び発売年表
- 1994年 - メタルギアシリーズ第3作目として「メタルギア3(仮)」として開発開始。当初の発売予定ハード機はプレイステーション用ではなく、『メタルギア』と『メタルギア2 ソリッドスネーク』でのMSX2で信頼があった松下電器の3DO用ソフトでの発売予定であったと、HIDECHAN! ラジオ内で小島秀夫監督が語っている。
- 1995年1月17日 - 阪神・淡路大震災発生及びコナミ神戸本社(当時)の震災で開発中断、及び無期開発発売延期を発表。
- 1996年 - 震災の痛手から立ち直り、開発再開。しかし、松下電器がハードゲーム機産業から撤退したのに伴い、3DO用ソフトからライバル会社だったソニーコンピュータエンタテイメントのハード機プレイステーション用のソフトに変更された。その後、東京ビッグサイトで開催された東京ゲームショウ'96のコナミブースでプロモーション動画が初公開された。
- 1998年9月3日 - 発売。発売当日、秋葉原のゲームショップでは限定版を求めて100人近い行列ができ、昼過ぎには限定版が完売。すべての店に完売の文字が並んだ。
- 1999年6月24日 - プレイステーション用ゲームソフト『メタルギアソリッド インテグラル』が発売。音声が全て英語吹き替えになり、難易度設定が追加され、全300ステージのVRトレーニングを収録した「VRディスク」が新たに追加されCD3枚組になった。新たなキャラクター遺伝子怪獣ゲノラも登場。ポケットステーションにも対応している。VRディスクではMGSのトレーラー映像を見ることも出来る。
- 2000年 - Microsoft Windows用ソフトとして発売されたが、アメリカなどでの販売にとどまり、日本では発売はされなかった。
- 2004年3月11日 - 本作を原案に、システムや演出、グラフィックやアクション性などを『メタルギアソリッド2』と同じレベルまで向上させたゲームキューブ用ソフト『メタルギアソリッド ザ ツインスネークス』が発売された。『ツインスネークス』には『メタルギアソリッド2』から登場した麻酔銃なども存在するが、サイコ・マンティスなど一部のキャラクターは、ストーリーの関係上、麻酔銃で撃退しても死亡する結果となる。ゲームキューブ本体同梱版にはファミコン版『メタルギア』が収録されたディスクが付属していた。
- 2008年3月21日 - ゲームアーカイブスよりプレイステーション3、PSPへの販売を開始。
- 2008年5月 - 本作の完全ノベライズが角川文庫より発売。後に発売されたメタルギアソリッドシリーズの設定に基づいた会話等の描写が増えている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
[編集] シャドー・モセス島事件
AD2005年アラスカ・フォックス諸島沖の孤島、シャドーモセス島に於いて、ハイテク特殊部隊「FOXHOUND」と彼等率いる次世代特殊部隊が突如として蜂起、同島の核兵器廃棄所を占拠した。彼等は「ビッグボスの息子達」を名乗り、米政府に対して10億ドルとビッグボスの遺体の引き渡しを要求。それが24時間以内に受け入れられない場合、核を発射すると通告した。
政府は、元FOXHOUND司令官ロイ・キャンベル退役大佐をこの鎮圧作戦の司令官として招集。それに従い、キャンベルは元FOXHOUND隊員ソリッド・スネークを呼び戻した。スネークに依頼された任務は二つ。核兵器廃棄所に単身潜入し、人質として囚われた国防省付属機関先進研究局、通称DARPAの局長ドナルド・アンダーソンとアームズ・テック社社長のケネス・ベイカーの2名を救出。そして、テロリストの核発射能力の有無を調査し、事実ならばそれを阻止する事。伝えられた任務内容にきな臭いものを感じつつも、スネークは渋々任務を承諾する。アラスカ上空では強烈なブリザードが吹き荒れる為、パラシュートでの降下は不可能。潜水艦で廃棄所付近まで接近した後、小型潜水艇(SDV)を射出。島に最接近した所で潜水艇を破棄し、後は泳ぎで島に上陸する。スネークはいつものように単独でのスニーキング・ミッション(潜入任務)を開始する。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公とその関係者
- ソリッド・スネーク(声:大塚明夫)
- 本作の主人公。元FOXHOUND隊員。本名デイヴィッド。武装要塞国家「OUTER HEAVEN」や「ザンジバーランド」に単身潜入し壊滅させるなど、過去二度に渡り世界をメタルギアの脅威から救った伝説の英雄。FOXHOUND除隊後はCIAのスカウトにより秘匿工作員(ディープ・カヴァー・エージェント)の非公式身分(ノンオフィシャル・カバー(NOC))として働くが、局の体制に反発し、約半年でCIAを去り、カナダの奥地で療養生活を送る。その後に起きた「ザンジバーランド騒乱」を解決した後はアラスカ山脈ツイン・レイクスの湖畔で孤独な隠遁生活を送っていたが、今回のシャドーモセス事件解決の為にキャンベルに半ば強引に呼び戻される。ダンボール箱に異様なまでの愛着を持っている。先折り煙草モスレムを愛用している。
- メリル・シルバーバーグ(声:寺瀬今日子)
- キャンベル大佐と、彼の弟の妻との不倫関係の間に生まれた娘。湾岸戦争で両親を失った為にキャンベルの保護を受けている。祖父母の代からの軍人一家に育ち、物心ついた頃から軍人を目指していた。FOXHOUNDとともに蜂起した次世代特殊部隊の補欠隊員だったが、蜂起への参加を拒んだために人質となる。素質はあるのだが、勝ち気な性格の為窮地に立たされ易い。通信塔入り口でウルフの狙撃により重傷を負い、その後、彼等に監禁される。プレイヤーの行動で生死が分かれる。
- ハル・エメリッヒ(オタコン)(声:田中秀幸)
- アームズ・テック社の技術者で、メタルギアの開発チーフ。学校に通わず、インターネットによる独学でMITに入学、若くして博士号を授与された。プリンストン大学でも学士号、修士号を取得している。学生の頃、FBIにスカウトされ、ERF(エンジニアリング・リサーチ・ファシリティ)技術開発研究所に所属していたが、覗きとハッキングが発覚し、FBIを追われてアームズテック社に入社した経緯を持つ。和製アニメのファンで、彼が技術者の道を選んだのもアニメのようなロボットを創りたかったから。「科学は人の生活を助ける」を信条としている。メタルギアの演習参加中にFOXHOUNDの蜂起に巻き込まれ、最終調整のために協力を強いられていた。スネークと合流後は、無線で彼をサポートするようになる。愛称のオタコンは、オタク・コンベンションの略であり、彼がその常連であることに由来する。スナイパー・ウルフに好意を抱いており、スネークからは「ストックホルム症候群」だと言われていた。この事件後、スネークの相棒となり、反メタルギア財団『フィランソロピー』を立ち上げ彼をサポートする。
- ロイ・キャンベル(声:青野武)
- 旧FOXHOUND司令官。USMC(アメリカ海兵隊)、グリーンベレー、デルタフォースを経て旧FOXHOUNDに入隊、実戦から裏付けられた戦略立案能力を買われ副司令官となる。OUTER HEAVEN蜂起後、ビッグボスが除隊し、司令官へと昇格。ザンジバーランド騒乱後に退役していたが、シャドーモセス事件発生により現場へ復帰し、かつての部下であり友人でもあるスネークを呼び戻して作戦遂行を依頼する。彼がこの作戦に復帰した裏にはある秘密が有り、それを隠さざるを得ないでいる。姪と偽った娘メリルの事を気にかけている。作中では、アメリカ海軍のオハイオ級原子力潜水艦ディスカバリー」に乗艦し、そこからスネークに指示をしていた。
- ナオミ・ハンター(声:鶴ひろみ)
- スネークの作戦サポート要員の一人。FOXHOUNDのメディカルスタッフを務める遺伝子治療の専門家で、ATGC社社員の民間人だが、FOXHOUND隊員やゲノム兵の遺伝子治療を担当している。ベクターとなる転移遺伝子を発見し、遺伝子ターゲット法を考案。遺伝子治療の分野に貢献した功績がある。敵情に最も詳しい人物として作戦に参加するが、実はFOXHOUND側のスパイでもある。ローデシア独立戦争期のジンバブエにおいて両親を失い、そこで少年兵だったグレイ・フォックスに拾われた後、ビッグボスの手でアメリカに移住した。幼少期に親を亡くした為に自身の出生を知らず、遺伝子から自らのルーツを探ろうと遺伝子分野に進み、中東で行方不明になったアメリカ人女性「ナオミ・ハンター」の戸籍を入手した。フォックスによるクラーク博士の殺害事件を隠蔽して彼を匿い、作戦前にフォックスに由来する怨恨で、不凍液注射の際に独自に調整を施した暗殺ウィルスFOXDIEをスネークに注射していた事も分かる。しかし、スネークと接していく内に、スネークのことやスネークとフォックスの関係について触れ、スネークへの心象が変わってゆく。
- 『シャドーモセスの真実』によると、彼女はスネークへの復讐の為DIAが極秘に開発していた暗殺用ウィルス兵器であるFOXDIEの開発計画に自ら売り込みをかけ、開発に関わっていたリチャード・エイムズと利用目的で関係を結び、自らの知識や技術を用いて当時開発が頓挫していたFOXDIEを完成させたとされている。MGS4の発売前段階で、彼女がスネークに助けを求めてくる映像が公開されている。
- メイ・リン(声:桑島法子)
- スネークの作戦サポート要員の一人である中国系アメリカ人。マサチューセッツ工科大学の現役学生。画像・データ処理の専門家で、スネークが使用するソリトンレーダーや無線機の開発者でもある。キャンパス・ライフの傍らでフォートミードのNRO(国際偵察局)、ENPIC(国際写真解析センター)の技術者と共に画像処理や人工衛星によるエリント(電子諜報)やシギント(通信諜報)に携わる。ゲーム中ではセーブを担当。諺に詳しい。元はパイロット志望であり、MIT在学時に空軍のROTCを受けていたが、視力が低かった為に断念している。MGS4では戦艦ミズーリの艦長に就任している。
- マクドネル・ミラー(マスター・ミラー)(声:銀河万丈)
- スネークの作戦サポート要員の一人。本名マクドネル・B・ミラー。日系三世。SAS(英国特殊空挺部隊)、グリーンベレー、海兵隊のブーツ・キャンプ、FOXHOUNDのサバイバル教官を務め、現在はアラスカで隠居生活中。FOXHOUND時代は鬼教官と言われ、隊員達から敬意を込めてマスター・ミラーと呼ばれていた。サバイバル技術や、アラスカの動植物や環境に詳しい。
- ナスターシャ・ロマネンコ(声:山田栄子)
- スネークの作戦サポート要員の一人。フリーの軍事アナリスト。ウクライナ共和国出身で、チェルノブイリ原子力発電所事故での被爆を経験している。その体験から、核兵器や武器について詳しい。核廃絶を願い国防省に入り、START等の戦略核削減案を否定し、一貫して核兵器廃絶を訴える。その後、DIA(米国国防総省国防情報局)担当官を経てNSA(国家安全保障局)にも身を置くが、冷戦後は役割を失い退局し、フリーの軍事評論家となる。現在は各種情報専門誌や米海軍雑誌等で執筆している。1996年には非核世界へ向けての現実的な方策を提言したキャンベラ委員会にアドバイザーとして参加した。スネーク同様タバコを愛する。因みに、「メタルギアソリッド2」に登場するエイムズの元妻である。シャドーモセス事件後、『シャドーモセスの真実』を執筆し、「メタルギアソリッド2」に200ページ超というボリュームで内容が収録された。
- サイボーグ忍者(声:塩沢兼人)
- スネークの前に度々現れる謎の人物。全身に強化骨格を纏い、高周波ブレードと超人的な運動能力で、弾丸をも刀で斬り落とす。また、ステルス迷彩で姿を消すことができる。無線通信ではウォーターゲート事件の内部告発者である「ディープ・スロート」を名乗り、スネークに助言を与え、一方では彼に決闘を挑むなど、その目的は不明である。
- ビッグ・ボス
- FOXHOUND初代司令官にして、同部隊の創設者。20世紀史上、最強と謳われた伝説の戦士。ザンジバーランド騒乱で既に死亡しており、本作では遺伝子治療の研究のための細胞標本としてその名が登場するのみである。テロリストは彼の遺体の引渡しを要求した。
- ドナルド・アンダーソン(DARPA局長)(声:佐藤正治)
- DARPA(国防省付属機関先進研究局)の局長。メタルギア開発計画の関係者の一人。メタルギアの演習に参加していたが、FOXHOUNDの蜂起により人質となる。スネークと会話していたのはFOX HOUND隊員のデコイ・オクトパスであり、本物はスネークの作戦開始前に既に死亡している。オセロットの拷問が行き過ぎたというのは表向きの話であり、実際はオセロットが自分の正体を隠す為に殺害していた。
- ケネス・ベイカー(声:藤本譲)
- メタルギアの開発元であるトップ軍需企業、アームズ・テック社の社長。メタルギアの演習に参加していたが、FOXHOUNDの蜂起により人質となる。ワイヤーに触れると爆発するC4トラップでオセロットに拘束されていた。忍者がオセロットの腕を切断したと同時に彼を縛っていたC4トラップが解除されるが、スネークに演習データの入った光ディスクを渡して会話を交わした後、FOX-DIEにより絶命する。業績悪化 会社の存続が危ぶまれていたため、新型メタルギア計画を推進していた。
- ジム・ハウスマン(声:麻生智久)
- 国防長官。作戦終盤、キャンベルの身柄を拘束して自ら作戦指揮に乗り出し、核攻撃によるあらゆる証拠の隠滅という暴挙に出る。しかし、それは失敗し、結局は首謀者として逮捕される。『シャドーモセスの真実』によると、事件数日後に自殺したと報じられたが、実際は「愛国者達」の意により責任を取るよう要求されたがそれを断った結果暗殺され、家族や部下には精神的に衰弱していたと自殺の兆候があったように証言をさせる偽装工作が図られたとされている。
- ジョニー佐々木(声:今村直樹)
- FOXHOUNDとともに蜂起した次世代特殊部隊の隊員。独房の看守を務める。下痢気味で、度々トイレに立つ。名前自体は攻略本の小ネタコーナーに紹介されていたが、ゲーム中に名前が出たのはインテグラルが最初。
- モデルは、テクスチャーデザイン担当スタッフの佐々木英樹で、当初の呼び名は「ササヤン」だったが、佐々木氏本人の希望で「ジョニー」に変更された。映画「ジョニーは戦場へ行った」とかけてゲームへの登場に至る。
[編集] FOX HOUND(フォックスハウンド)
- リキッド・スネーク(声:銀河万丈)
- FOXHOUND実戦部隊リーダー。今回のテロ事件の首謀者。スネークと同じ暗号名を持つ男。声や肌の色こそ違うが、容姿はソリッド・スネークと酷似している。元SIS出身で、10代で英特殊空挺部隊SASとして湾岸戦争に参加し、スカッドミサイルの移動発射台を破壊する特殊任務に就く。一時はイラクの捕虜となるが、救出された後、FOXHOUNDに入隊する。今回のテロに於いて同族の遺伝子が絶滅傾向にあると知り、原因と対処法を調べる為に米政府にビッグ・ボスの遺体を要求。冷戦が終結し、紛争が減りゆく時代に戦士が生かされる場所を望み、ビッグ・ボスの遺志でもある「アウターヘブン」の実現を決意する。ビッグ・ボスの優性遺伝子を集約され、その父親を自らの手で殺めたソリッドに対し、リキッドはビッグ・ボスの遺志を実現させる事で、運命への抗いを試みる。戦士として卓越した素質と能力を持っており、その戦闘能力はソリッド・スネークに匹敵する。劇中ではハインドで、F-16戦闘機を2機撃墜するなどの離れ業をやってのける。終盤、スネークと格闘の末にREXの上から転落するも生還し、スネークをあと一歩の場所まで追い詰めるが、スネークとの接触で感染したFOX-DIEにより絶命した。実際には、これはFOX-DIEではないことがメタルギアソリッド2のタンカー編で語られている。本人はビッグ・ボスの劣性遺伝子ばかりを受け継がされたと思い込んだまま息絶えるが、実際に優性遺伝子を受け継いでいたのはリキッドだった。
- リボルバー・オセロット(別名:シャラシャーシカ)(声:戸谷公次)
- FOXHOUND隊員。元スペツナズ所属。跳弾を自在に操る拳銃の名手であり、強制収容所の拷問特別顧問として参加したことがある程の拷問マニア。リキッドの補佐的存在。ソ連崩壊後、オモン特別任務民警支隊を経てロシア税務警察の突撃隊に身を置く。後にKGB第一管理本部を前身とするSVR(ロシア対外情報本部=スルージバ・ヴェネシュニイ・ラズウトキ)の特殊作戦部門に入るが、旧KGB体制に適応できずアメリカFOXHOUNDにスカウトされた。ソ連のアフガニスタン侵攻にも参加したことがあり、当時のアフガンゲリラからは「シャラシャーシカ」の通り名で恐れられる。西部劇やマカロニ・ウェスタンをこよなく愛すガンマニアであり、愛丁は西部劇でおなじみのコルト・シングル・アクション・アーミーである。彼はこの銃を「世界でもっとも高貴な銃」と言う。スネークと対決するも、乱入したサイボーグ忍者によって利き腕の右手を切り落とされて逃亡。今回の事件の実質的首謀者だったが、これは予想外の事態だった。
- バルカン・レイブン(声:堀之紀)
- FOXHOUND隊員。ネイティブ・アメリカンとイヌイットの混血で、アラスカ大学出身の巨漢のインテリ。バルカン砲をも振り回す怪力と、それを背負ったまま走れる体力、シャーマンとしての超自然的能力を有する。アラスカのブルックス山脈等、人跡未踏の奥地で罠漁師(トラッパー)として狩りをするのが趣味。旧ソ連時代に極秘特殊部隊ヴィンペル部隊と共に特殊任務を行った経験があるが、93年のモスクワ騒乱事件で、大統領に左遷された多くのヴィンペル隊員と同じくロシアに見切りを付ける。その後OUTER HEAVENに参加しオセロットの紹介でFOXHOUNDにスカウトされる。額にワタリガラス(レイブン)の痣があり、全身にペトログリフィス(二千年前からネイティヴ・アメリカンの文化として残されている模様)の入墨を施している。本来、戦闘機に搭載されるM61A1機関砲を個人携行用に改造したものを武器とする。M1戦車戦では戦車を破壊され、部下の機銃手も全滅し、撤退。地下倉庫の戦闘でスネークに敗れ、真実の断片を語った後、自らの部下であるカラス達に亡骸を食わせた。
- サイコ・マンティス(声:曽我部和恭)
- FOXHOUND隊員。ソ連時代のロシアにて生まれるが、出産時に母親を失う。強力な念動能力と読心能力、対象の視界を操作する能力を持つ。元はKGBの超能力諜報部員で、ソ連崩壊後はアメリカに渡り、FBIに籍を置いてサイコメトラーとして幾つかの事件を担当していたが、捜査中に連続殺人者の精神に没入・同化し、その結果、猟奇殺人を犯してしまう。以降はフリーの諜報専門エージェントに転向、後にFOXHOUNDにスカウトされた。初めて他人の心にダイブした相手は実の父親だった。しかしその中には彼の出産が原因で妻を失ったという思いから、彼に対する殺意しかなく、殺意への恐怖から衝動的に父親を殺して村を焼き払う。他人の思念が入り込むのを防ぐ為、常時、マスクを着用している。特殊な音楽でメリルにダイブ(乗り移り)し、スネークと対峙させた。超能力が優れている半面、肉体的には鍛えられておらず、弱点を見切ったスネークに敗れ、隠し通路の扉を開いた後、静かに息を引き取った。
- スナイパー・ウルフ(声:中村尚子)
- FOXHOUND隊員。隊の紅一点で、北方アーリア系の血を引く金髪碧眼の美女で、クルド人。ネパール出身のグルカ兵から学んだ超人的な狙撃技術と持久力を持つ天才狙撃手。実に一週間もの間、狙撃姿勢を保ち続けることができる。弾丸に水銀を詰めた特製マーキュリーチップを使用し、抗不安薬を服用している。紛争地帯で生まれ、ビッグボスに拾われてアメリカへ渡った後、スナイパーとして傍観者の立場となり、FOXHOUNDへと入隊する。狼犬(ウルフドッグ)を家族とみなし、世話している。初戦である通信塔での狙撃戦には敗退するも、間もなく背後を取ってスネークを捕らえる。二度目の戦いとなった雪原で肺を狙撃され致命傷を負う。敵ながらメリルを丁重に扱う彼女に対して、スネークも最期まで優しく接した。また、優しく接してことからオタコンから愛されていた。プライドから、緩慢な死より一瞬で死ぬことを望み、スネークに頭を撃たせて最期を迎える。
- デコイ・オクトパス
- FOXHOUND隊員。経歴は不明。変装の達人で、その徹底ぶりは声や姿はおろか、血液までも変装目標のそれに偽装してしまうほど。スネークから情報を引き出すべく、死亡したDARPA局長に化けていたが、独房にてスネークと接触したことにより、FOX-DIEに感染して絶命した。
[編集] 作品中のジョーク要素
小島作品名物の『隠しイベント』も多数存在する。シリーズで多く見られるお約束やゲームならではの遊び心と言えるものなども多い。
- 味方への攻撃
- パートナーや救出対象(メリルやベイカーなど)への攻撃が可能。スネークと同様にLIFEゲージが表示され、攻撃を加え続けることで殺害も可能だが、その場合はゲームオーバーとなる。場合によっては無線などで批判を受ける。また、パートナーからの反撃で自分がやられてしまうこともある。後のシリーズにも導入されている。
- システムに関連した事柄
- 特定の状況下で、音声設定やメモリーカードのセーブデータの内容に対して作中の人物が反応してくる。
- 装備品の反映
- 装備品による外見や視界の変化などは、イベントシーンにも反映される。
- 心霊写真
- 特定のポイントを撮影することにより、心霊写真が撮れる。
- ダンボール
- シリーズおなじみの装備品となっているダンボールは、作中の人物から様々な反応があったり、トラックの荷台にまぎれて別の場所へ移動するなど様々なイベントが用意されている。ダンボールを被るという行動は安部公房著の『箱男』のオマージュ。[要出典]
- キャラクターの名前
- 自分の本名が「デイビッド」で、オタコンの本名が「ハル」と知ったスネークが「まるで木星に行けそうなコンビだな」と語る。これは映画『2001年宇宙の旅』に登場する宇宙船の船長が「デビッド・ボウマン」で、コンピュータが「HAL9000」、目的地が木星だったことに掛けたセリフとなっている。
- 小島監督作品の一つであるポリスノーツに、「メリル」とその相棒「デイブ」が登場するが、本名を名乗った直後のスネークも「デイブ」と呼ばれるシーンがある。
[編集] 業界初の試み
ステージ構築やシステム面、販売戦略などで、複数の業界初の試みが行われている。
従来の2次元描写では平面図形を用いて紙にステージ構成を書き上げる事が出来たのに対し、今作では3次元という立体が扱える為、空間の構成がより複雑になった。そこでレゴブロックが急遽採用され、CCDカメラによる角度等の細部の研究が為された。これらが当時業界初である「複数のアングルを自由に切り替えられる」といったシステムを実現している。また、2次元ハードの時代から受け継がれている「視覚や聴覚に訴える手段」に於いても大幅にバリエーションが増した。詳細に関しては小島秀夫監督が自身のネットラジオで語っている。後続のシリーズでは更なるハードの進歩により一層複雑な表現が可能となり、以後レゴブロックの採用は見送られている。
当時主流であったCGムービーによるデモシーンを採用せず、ゲーム画面と同じクオリティで劇を展開する事に徹し、ムービーが無くなる日を想定したとされる。またモーションキャプチャーを採用せずポリゴンが荒い為、表情の細部を描写することが出来ず、キャラクターの会話中の感情等は陰影と首の動きによって表現している。メタルギアソリッドより発足したポリゴンデモは後続のシリーズでも健在である。虚構と史実の区別が図られており、史実部分のみ実写ムービーが採用されている。
通常、プレイステーション用ソフトのパッケージは横向きであるが、メタルギアソリッドは初の縦置き仕様が採用された。MOOK本の先行発売が行われ、これも業界初の試みだった。更に、コナミの実況パワフルプロ野球という全く異なるジャンルの作品に体験版を付属し、新たなユーザー開拓を試みた。これ等は全てメタルギアシリーズが前評判を得る前のものだった。
[編集] コラボレーション
- マリオとヨッシー(任天堂から)……人形で登場。撃つとボイスが聞ける。(TTSのみ)
- ゲームキューブ本体とウェーブバード……上記のマリオの人形と同じ部屋にある。(TTSのみ)
- 大乱闘スマッシュブラザーズX……主人公のスネークがゲストキャラとして参戦。作中で行える無線ではキャンベル、メイ・リン、オタコンも登場し、無線画面はPS版のものが流用されている。その他、アイテム関連で多数のキャラや兵器が登場する。
[編集] ラジオドラマ
文化放送系のアニラジ番組CLUB dbの枠にて、本作のラジオドラマ版が1998年10月24日から1999年1月9日にかけて放送された。監督は小島組の村田周陽が担当している。
脚本はゲーム本編の軍事アドバイザーを担当した毛利元貞が手がけた。スネークやメイ・リン、メリル、キャンベル大佐といったおなじみのキャラクターは登場するものの、ゲーム本編のストーリーとはほとんど関係ないうえ、メタルギアシリーズの特徴である「無線で指令や補佐を受けつつ、単独で潜入任務をこなす」というシチュエーションにもあまりこだわっていない。
[編集] スタッフ
[編集] 独自の登場人物
[編集] ノベライゼーション
『METAL GEAR SOLD 4』発売に先立ち、ノベライゼーションが角川文庫より2008年5月発売。 執筆担当は007シリーズのレイモンド・ベンソン。
[編集] 関連項目
- 核兵器
- ヒトゲノム
- 戦略兵器削減条約
- 新川洋司 - シリーズにおけるキャラクター及びメカニックのデザインを担当
- 北村龍平 - 『メタルギアソリッド ツインスネーク』のポリゴンデモパートの演出を担当
- ソリダス・スネーク
- リキッド・スネーク
- ネイキッド・スネーク
- 小島秀夫 (ゲームデザイナー)
- コナミ
- 自由の息子達 - アメリカ独立戦争以前の史実。愛国者(Patriot)が自由の息子達(Sons of Liberty)と名乗った。
- ニューヨーク1997 本作の原案とされている作品[1]。
- ザ・ロック MGS開発時に影響を受けたとされる作品
- 007シリーズ MGS開発時に影響を受けたとされる作品。特に舞台ロケーションやキャラクターなどにゴールデンアイからの影響が見られる。
- MGS2
- 3DO-当初MSXに続き、続編を「メタルギア3」として出そうとしていたプラットフォーム
- 大乱闘スマッシュブラザーズX
[編集] 脚注
- ^ 『METAL GEAR SOLID naked』 角川書店、2004年、73頁。
[編集] 外部リンク
- METAL GEAR SOLID 公式サイト
- METAL GEAR SOLID INTEGRAL 公式サイト
- METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES 公式サイト
- 小島プロダクション公式サイト
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