メタルギアアシッド
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ジャンル | ACID(タクティカルカードゲーム) |
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対応機種 | プレイステーション・ポータブル |
開発元 | コナミコンピュータエンタテインメントジャパン |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | UMD |
発売日 | 2004年12月16日 2005年11月17日(PSP the Best) |
デバイス | メモリースティックDuo対応(128KB) |
売上本数 | 約12万本 |
その他 | バージョン1.00以降対応 リバーシブルジャケット仕様 |
『メタルギアアシッド』(METAL GEAR AC!D)は、2004年12月16日にメタルギアソリッドシリーズの外伝的作品として発売されたプレイステーション・ポータブル用ゲームソフト。
目次 |
[編集] 概要
『メタルギアゴーストバベル』の後の時代を描いている。
今まで発売された小島秀夫監督作品(スナッチャー、ポリスノーツ、ボクらの太陽)や、メタルギアシリーズのテイストがふんだんに盛り込まれている。
本作は、他のメタルギアシリーズと違い、アクションゲームではなく、トレーディングカードを使った戦術級シミュレーションゲームである。
[編集] ゲームシステム
本作はメタルギアの戦略諜報アクションのシステムとトレーディングカードゲームのシステムとの両方のシステムがミックスされており、「戦略諜報カードゲーム」という独自のシステムになっている。
マップを移動し、さまざまなアクションを駆使し、なるべく敵に見つからないように任務を達成(特定の地点まで移動する、ボスを倒すなど)するのが目的。ステージ内を巡回している兵士には「視界」が設定されており、敵の視界に入ると通信によって仲間を次々と呼ばれ不利になる。このため敵兵に発見されないようにやり過ごしたり、発見される前に倒したり、眠らせたりしながら進むことが重要になる。この辺りは「メタルギア」のシステムを継承している。ただし、このゲームではアクションは全て「カード」の形になっている。
ゲーム本編はデッキの編成を行う「インターミッション」と実際にゲームを行う「ミッション」の2つの流れがある。
- インターミッション
- プレイヤーは現在所持しているカードから30~40枚を選び、「デッキ(DECK)」を編成する。このカードはミッション中に手に入れたり、ミッションクリア時にボーナスとして支給されたり、インターミッションのショップでptsと引き換えに購入することで入手できる。また、初心者のために自動的にデッキを作成するオート(AUTO)デッキ生成モードもある。
ミッションクリア時に成績に応じて貰える「ポイント」でカードを購入することもこのモードで行う。
- ミッション
- ゲーム本編。ミッションが開始されると、デッキからカードがランダムに6枚配られ「手札」となる。プレイヤーはこの手札からカードを選び、スネークは1ターンに2回まで、テリコは1ターンに3回まで使用することが出来る(カードの効果により行動回数は最大4回まで増やすことも可能)。行動回数を使い切ると敵のターンとなるが、次にいつ自分のターンが来るかどうかは、自ターンに使ったカードの「コスト」によって変動する。コストが高いカードばかり使うと、自分のターンがなかなか回って来ないため、敵に何度も行動されてしまう。逆に、コストを抑えてプレイすれば、自分の次の行動が早く回ってくるため連続して行動することも可能。もちろん、強力なカードはコストが高いことが多いため、コストのバランスを考えることが重要となる。
- 再び自分のターンになると、手札にカードが2枚補充される。手札が少ない場合は、これを利用するため行動回数が残っていてもターンエンドするという選択もありうる。
- デッキのカードを全て使い切ると自分にコストが10追加され、シャッフル後にデッキが復活する。
- プレイヤーキャラクターすべてのHPが0になるとミッション失敗でやり直しとなる。
[編集] カード
約200種類のカードはWEAPON、ITEM、ACTION、CHARACTER、SUPPORTの5種類に分類され、カードごとに様々な効果がある。このカードの使い方には、独自の効果を発動する(「USE」or「EQUIP」)他に、「MOVE」を選ぶことで、スネークの移動に使うこともできる。なお、このカードはゲーム内では「ナノチップエキスパンション」という戦闘行動支援プログラムという設定。(次作ACID2で明かされた)
- WEAPONカード
- 銃、グレネード、マシンガン、ナイフなどの様々な武器。主に敵を攻撃し、ダメージを与えるのに使う。武器によって射程距離や効果範囲、ダメージが異なる。また、機械を無効化する「チャフグレネード」、人間タイプの敵を眠らせる「M9」などの特殊な武器もある。
- 武器には「USE型」(ユーズ型)と「EQUIP型」(イクイップ型)の2種類がある。USE型は使うとその場でそのカードを消費して発動する。EQUIP型はそのままでは使えず、装備欄に「装備」した後に、同じ口径を持つカードをそのカードに重ねることで初めて使用できる。このためEQUIP型は最低2枚同じ口径を持つカードを持っていないと使えないためUSE型に比べやや使いづらい。EQUIPしている武器は敵から攻撃を受けた際に自動的にそのカードを使って反撃できるというメリットがある。また、基本的にEQUIP型の方が威力のあるカードが多い。
- ACTIONカード
- 特殊なアクションをするカード。一度に装備できるアイテムの数を2から4に増やす「EQUIPMENT LV.2」、EQUIP型の武器カードに重ねて使用することで様々な特殊効果を付加できる「転倒付加」「ヘッドショット」など、また、単体でアクションを行う「回し蹴り」もある。
- ITEMカード
- 回復や行動の補助を行うアイテムのカード。自分の体力を回復する「レーション」、味方の体力を回復する「サバイバルキット」、ダメージを軽減する「ボディ・アーマー」などがある。
- CHARACTERカード
- メタルギアシリーズに登場したキャラクターのカード。カードごとに移動に使えるカード、攻撃に使えるカード、サポートに使えるカードなど様々な効果がある。メタルギア以外にも「ポリスノーツ」「スナッチャー」「ボクらの太陽」からのキャラクターカードも存在する。
- SUPPORTカード
- 攻撃のサポートや回避、状態異常回復、コストの回復を行うカード。特にコストを減らすカードは重要。
[編集] 状態異常
キャラクターはカードやトラップの効果などによって様々な状態異常に陥ることがある。
- 睡眠
- 「ZZZ」といういびきのマークが表示される。「M9」などの麻酔銃で攻撃することでこの状態にすることができる。一定のコストが経過するまで行動不能。敵兵をこの状態にすることで気づかれること無く先に進むことが出来る。
- 気絶
- 「★」のマークが表示される。パンチやグレネードなどで「転倒」すると手札を1枚失うが、これによって手札が0枚になると気絶状態になり、一定コストが経過するまで行動不能になる。敵兵をこの状態にすることで気づかれずに先に進める。
- 出血
- 赤い血液のマークが表示される。ナイフなどの刃物で攻撃されるとこの状態になり、1コストごとに5ずつダメージを受ける。合計50ダメージで自然回復する。ITEMカードの「止血剤」でも回復できる。
- 引火
- 炎のマークが表示される。M15白燐手榴弾やニキータミサイルなどの攻撃を受けると発火しこの状態になる。1コストにつき10のダメージを受け、隣にキャラクターがいるとそちらにも引火する。5ブロック移動するかダンボールをかぶる事などで回復。
[編集] 他作品との関係
登場人物などに一部共通点はあるが、メタルギアソリッドシリーズの外伝である。本作と『メタルギアアシッド2』、およびゲームボーイカラー版の『Ghost Babel』の3作品は世界観を共有している。物語上の時間軸はGhost Babel→本作(2016年)→アシッド2(2018年頃)であると推測される。一方、PSP版の『メタルギアソリッド ポータブル OPS』はメタルギアソリッドの正伝に当たるシリーズに位置づけられるため、アシッドシリーズとは世界観を共有しない。
なお、これら外伝3作のディレクターは小島秀夫ではなく、野尻真太である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
舞台となるのは2016年のアメリカ合衆国。次期大統領とも噂されたヴィゴ・ハッチ上院議員を乗せたジェット機がハイジャックされる。正体不明の犯人が要求するのは「ピュタゴラス」の譲渡。しかし、「ピュタゴラス」とは何なのか、米国政府に知るものはいなかった。もし譲渡されない場合は、臭化ベクロニウムにより、乗員が殺害されてしまう。
合衆国政府は「ピュタゴラス」について調査を進め、それがアフリカ南部のモロニ共和国領、ロビト島にある研究所のプロジェクトであることを突き止める。米国政府はモロニ共和国と接触するが不調に終わる。とうとう特殊部隊HRTをロビト島に突入させるが、彼らも謎の武装集団に襲われ、行方不明となってしまう。
ほぼ手段に行き詰まってしまった合衆国政府は、ある男を呼び寄せる。伝説の傭兵ソリッド・スネークである。彼の目的はロビト島に単独潜入し、ピュタゴラスについての詳細を持ち帰ること。しかし、スネークを待ち受けていたのは予想を超えるものだった。
メインシナリオ担当は、とちぼり木(放送作家とちぼり元の実弟で、舞台やテレビの演芸作家)。 メタルギアソリッド4のディレクター村田周陽がシナリオ補佐をつとめた。 メタルギアシリーズの中でもミステリー色が強い作風になっている。
[編集] 主なキャラクター
- ソリッド・スネーク
- 過去に何度もメタルギアの脅威から世界を救ってきた伝説の英雄。アラスカに戻って細々と暮らしていたが、ロジャー・マッコイに呼び戻され、再びスニーキングミッションを始める。しかし、ウィリアム・L・フレミングの「あなたがメタルギアを作った首謀者、『ハンス・ディヴィス』だ」との指摘、そして突如現れたハンスの記憶により、自分の存在に不安を感じ始める。
- テリコ・フリードマン
- HRT潜入部隊の唯一の生存者である女性兵士。ハーフだが、日本名が『照子(てるこ)』である事にコンプレックスを持っていた。しかし、HRTに入るときに、事務員が間違って『TELIKO』としてデータを作成してしまい、それを本人がこれ幸いと訂正しなかった為に『テリコ』という名になってしまった。因みに祖母の名前は「亀」というらしい。
- アリス・ヘイゼル
- イギリス人。サイ能力を持つ十代の少女。遠隔透視と予知現象を元にスネークをサポートする。
- ロジャー・マッコイ
- CIA所属。階級は大佐。ロイ・キャンベルの旧友であり、スネークに作戦参加を依頼、作戦の指揮を取る。
- レオーネ大尉
- 研究所を占拠した傭兵部隊の隊長。本名ジェフ・ジョーンズ。彼の部隊は合衆国に怨恨を抱き合衆国を撃ち滅ぼすという意思を持つ者たちで構成されている。常人が撃つと肩の骨が砕けると言われるほどの反動、威力を持つ大型対戦車ライフル『シモノフ』を片手で操る。
- ゲリー・マーレー
- スネークが任務の途中で出会う研究員。 レオーネ部隊の占拠から何とか逃げ出したと本人は主張しているが…
- ラ・クラウン
- 変装、催眠術の達人である女性兵士。何者かに雇われロビト島で暗躍する。
- フランシス&エルジー
- ハイジャック犯として登場する姉妹の操り人形。緊張感がなく、とぼけた雰囲気の会話しかしないが、その行動はシビア。
- ヴィゴ・ハッチ
- 次期大統領候補の上院議員。ハイジャックに遭う。
- レナ・アロー
- ヴィゴの秘書兼SPの女性。ヴィゴと共にハイジャックに遭う。
- ミネット・ドネル
- ヴィゴ・ハッチの後席に乗り合わせた少女。離れて暮らす父の元に向かう途中、ハイジャックに巻き込まれる。
- チャールズ・シュマイザー
- CIA所属。ロジャーの直属の部下。以前から独自にBEAGLEを追っており、今作戦に乗じてベールに包まれているBEAGLEの実体を暴こうとする。
- エミリオ
- 巨大複合企業BEAGLEの幹部で、絶大な力を持っているとされる。今回の黒幕。またテリコの父の暗殺に関与した。
- ハンス・ディヴィス
- ロビト理化学研究所の所長で、フレミングとともに機密の研究に関わる。その正体は全くの謎。
[編集] 用語
- NEKAL
- 乳製品や寝具を扱う企業。裏でBEAGLEと繋がっており、No.16の最終目的の基盤として使われようとしていた。ここが販売する「シルク・パウダー」にはACUAが混入されている。
- ピュタゴラス
- メタルギアKODOKUQの別名。
- ロビト島
- 本作の舞台。研究所、発電所、電波塔の他、遺跡跡も存在する。
- BEAGLE
- 巨大複合企業。名前は幹部6人の偽名の頭文字を並べたもの。
- FAR
- 限られた科学者しか入ることのできない工場。地下ではメタルギアKODOKUQの開発が行われている。
- ACUA
- ネオテニー(アリス=No.16)による網陣の触媒となる薬。「Acid Cell Under Alice(アリス支配下の不機嫌な細胞)」の略語。投与された名を識る者はネオテニーの操り人形(他者の記憶を植え付けたり、ありもしない幻を見せることができる存在)となる。ゲーム後半、この薬を投与されたACUA兵がザコ敵として現れる。
- ネオテニー
- 魂の分離によって構成される多重複合思念。及びその統括者。
[編集] その他
- ゴーストバベルと同じく本作にも、謎の人物(最後の最後に名前が出てくるが)による謎の会話を2周目クリア時に聞くことができるが、ゴーストバベルの謎の会話と同様にこちらもAC!D2で解決されていない。(触れられてさえない)
- ネットでは「ゆったり遊べる」メタルギアという点、そして本編並に緻密なストーリーのおかげで一定の評価を受けているが、移動時に1マスずつ進むのではなく進む前にルートを選択するシステム、またそれのせいで移動中に匍匐や張り付きができないといった操作性や、後半の火力発電所は最短でも片道500マス以上の長いステージもあるなど、問題点もある。
- ちなみに上記の問題はAC!D2では解決されているが、代わりにストーリー性が失われたという声も多い。
[編集] 外部リンク
- ※現在は小島プロサイトTOPにリダイレクトされる。
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