メタルギアソリッド3
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ジャンル | タクティカル・エスピオナージ・アクション |
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対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | スネークイーター: コナミコンピュータエンタテインメントジャパン サブシスタンス: 小島プロダクション |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | スネークイーター: DVD-ROM 1枚組 サブシスタンス: DVD-ROM 2枚組(通常版) DVD-ROM 3枚組(初回生産版・ヘッドセット同梱版) |
発売日 | スネークイーター: 2004年11月17日 2004年12月16日 2005年3月4日 2005年3月17日 サブシスタンス: 2005年12月22日 2006年3月14日 2006年10月6日 2006年10月13日 |
対象年齢 | CERO: 18歳以上対象(改定後はD: 17歳以上対象) ESRB: Mature PEGI: 16+(サブシスタンスは+18) |
売上本数 | 約397万本[1] |
その他 | スネークイーター: 限定版あり |
『メタルギアソリッド3: スネークイーター』(METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER)は、コナミコンピュータエンタテインメントジャパンが制作したステルスゲームである。
目次 |
[編集] 概要
2004年にメタルギアシリーズ第5作目、メタルギアソリッドシリーズ第3作目にあたるプレイステーション2対応ソフトとして発売された。1987年に発売されたMSX2用『メタルギア』の世界よりも前の世界を描いたものであり、ネイキッド・スネークが新たな主人公として据えられている。
テーマは「SCENE」。前作、前々作のテーマであるGENEとMEMEは、時代や時間軸に伴い変化する価値観によって見方が変わる事を描いている。
[編集] ゲームシステム
操作性は以前のメタルギアソリッドシリーズとほぼ同等ではあるが、過去を舞台とする作品であり、開発年代の合わないソリトンレーダーが廃止された。装備品扱いの動体探知機やアクティブソナーと呼ばれるアイテムがソリトンレーダーに近い仕様を持っているが、バッテリーを消費するだけでなく、小動物などにも反応してしまう。敵側の装備も時代が考慮されており、前作ではほぼすべての兵士が携帯していた無線機が、4~5人に1人の割合の無線兵と呼ばれる兵士のみの装備となっている。この無線兵はリュックサック型の大型の無線機を装備していて、この兵士を倒せば敵部隊の通信能力を奪うことが出来る。
本作では「サバイバルビュアー」を使ったシステムが追加された。これはプレイヤーが負傷した部分を治療したり、捕獲した食料を食べてスタミナを回復させたりすることで、サバイバル感をより演出する効果をもたらしている。重傷を負ってそれが完治すると、治療を行ったか否かに関係なくライフの最大値が増加する。これを利用し、意図的に負傷と完治を繰り返せば最大でスタミナゲージの100%(サブシスタンス版のVERY EASYに相当)までライフの最大値を増加させることも出来る。
サバイバルビュアーの大きな特徴のひとつに「カムフラージュ」がある。これはスネークのフェイスペイントと着ている迷彩服の柄によって、敵兵に発見される危険度が変化するもので、壁や地面などとマッチしている程発見される危険が少なくなる。この危険度は「カムフラージュ率」というパーセンテージで表される。服装だけではなく、発砲や走るなどの目立つ行為を行うとカムフラージュ率は低下する。メタルギアの原点である「見つからないように行動する」というコンセプトをさらに拡張したもの。
また、本作から新たにCQC(Close Quarters Combat、近接格闘)と呼ばれる攻撃手段が導入された。ゲーム内においてCQCは「『特殊部隊の母』ザ・ボスによって考案され、主人公ネイキッド・スネークの協力を得て完成された」という設定になっている。作品中のCQCは、ナイフ及び徒手を使った格闘のみに限定され、相手を掴んで捕縛し、そこからの投げ技や絞め技、ナイフによる殺害などに連携させることができる。また捕縛した敵を盾にして他の敵と銃撃戦を行ったり、ナイフを突きつけて尋問することもできる。これらを使用することによって、幅広いゲームプレイを行うことが可能となった。このCQCは自衛隊等でも用いる歩兵用近接格闘「CQB」(Close Quartars Battle)が元とされている。ゲーム中、CQCは無音で行うことができるという設定になっており、敵を投げ飛ばし地面に叩きつけることで気絶させる技などを行っても、間近にいる敵兵に気取られることはない。
ステージ構成も本作の大きな特徴に挙げられる。本作の舞台は森林、山岳地帯などの自然環境と基地や工場などの人工構造物に分かれるが、自然環境下での行動の割合が比較的高くなっており、野生動物を食料として捕獲する「キャプチャー」や、雨などの気候の変化、ヒルや毒虫への対処、ブービートラップなど、自然の中での作戦遂行を表現する描写が盛り込まれている。
[編集] ストーリー
本作は2部構成になっており、それぞれ「バーチャスミッション」「スネークイーター作戦」と呼ばれる。
[編集] バーチャスミッション(貞淑な作戦)
1964年。正式な部隊編成を賭けて特殊部隊「FOX」に与えられた初の実戦任務は、ソ連の兵器開発者ソコロフの亡命の支援だった。ソコロフが開発していた新型兵器の演習中の隙を突き、「FOX」のエージェントであるネイキッド・スネークは敵地ソ連へ史上初のHALO降下を敢行する。
[編集] スネークイーター作戦
バーチャスミッションの失敗から1週間後。敵に連れ戻されたソコロフの奪還、彼が開発していた新型兵器「シャゴホッド」の破壊、GRUのヴォルギン大佐の抹殺、そしてソ連に亡命したザ・ボスの抹殺という任務を帯び、スネークは再び敵地に降り立つ。
[編集] ゲーム難易度
メタルギアソリッド3にも難易度が存在する。 以下は劇中の難易度に関する違い。通常版、サブシスタンス版共に難易度NORMALを基準としている。
- VERY EASY(最低難易度)
-
- ライフゲージはスタミナゲージの75%。サブシスタンス版では100%。
- 最初からEZGUNと呼ばれる消音麻酔銃を所持しており、無限の弾薬、スタミナ自然回復、レーザーポインター、カムフラージュが常時80%を維持といった特典を得られる。
- 敵兵の攻撃力がEASYより低い。
- 麻酔銃をどこに打ち込んでも一瞬で眠る。
- EASY(低難易度)
-
- ライフゲージはスタミナゲージの約75%。
- 自然回復力が早くなる。
- 武器や装備品の最大装弾数が多くなり、アイテムボックス1つから入手できる弾薬が多くなる。
- スタミナの減りがNORMALより遅くなる。
- 敵兵のライフやスタミナが低い。
- 敵兵の数が少なくなる。
- 敵兵の視界が悪くなる。
- 敵兵の攻撃力が低い。
- ボスの攻撃力やライフ、スタミナが低い。
- NORMAL(標準難易度)
-
- ライフゲージはスタミナゲージの約50%。
- 難易度NORMALは小島秀夫監督自身がプレイしてクリアできたのをNORMALと定めているとラジオ内で語っている。[要出典]
- HARD(高難易度)
-
- ライフゲージはNORMALと同じ50%。
- 自然回復力が遅くなる。
- 武器や装備品の最大装弾数が少なくなり、アイテムボックス1つから入手できる弾薬が少なくなる。
- 敵の位置を感知するアイテムが生体センサーのみになり、アクティブソナーや動体探知機が無くなる。
- スタミナゲージがNORMALより減りやすい。
- 敵兵の視界がNORMALより鋭い。
- 敵兵の数が多くなる。
- 敵兵の攻撃力が高い。
- 一部敵兵の巡回ルートが変化する。
- 一部ボスのライフやスタミナ、攻撃力が高い。
- EXTREME(最高難易度)
- 条件を達成すると選べるようになる最高難易度。
- ライフゲージがスタミナゲージの約32%。(NORMAL・HARDの約2/3)
- 自然回復力が非常に遅くなる。
- 武器や装備品の最大所持数がさらに少なくなり、アイテムボックス1つから入手できる弾もさらに少なくなる。
- 敵の位置を感知するアイテムが存在しない。
- スタミナゲージがかなり減りやすい。
- 敵兵の視界が非常に鋭い。
- 敵兵の数がかなり多くなる。
- 敵兵およびボスのライフやスタミナ、攻撃力が非常に高い。
- EUROPEAN EXTREME(海外版最高難易度)
- サブシスタンスで追加された難易度で、特定の条件を達成する必要がある。
- 敵兵に発見されると即ゲームオーバー(MISSION FAILED)になる。
- それ以外のシステムはEXTREMEと変わらない。
[編集] 派生版
[編集] サブシスタンス
2005年12月22日に、同作の完全版にあたる『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』が発売された。調整が加えられたスネークイーター本編、『メタルギアオンライン』や、『猿蛇合戦 完全版』、MSX2版『メタルギア』、『メタルギア2 ソリッドスネーク』、シークレットシアターなどがディスク2枚にわたるボリュームで収録され、初回生産版にはポリゴンデモを再編集したストーリーか観賞用ディスクも付属する。リアルタイムデモが変更されている場面があるなど、細かな部分で改良が加えられている。これまでの完全版と銘打った作品は全て音声が英語であったが、今作では日本語音声となった。ソ連潜入の世界観が味わえる「英語/ロシア語音声」を望んでいたファンもいる。また、スネークイーターで問題となった、無線などのロード時間の遅延もこのサブシスタンスで修正されている。
サブシスタンスに初搭載となる3Dカメラとオンラインモードは試作的な意味合いもあり、問題点が見つかればMGS4にフィードバックされる事になるが、メタルギアソリッドポータブルオプスでは、このサブシスタンスの3Dカメラが採用されている。
[編集] メタルギアオンライン
詳細はメタルギアオンラインを参照
「メタルギアソリッド3 サブシスタンス」に同梱されている、オンライン対戦ゲーム。費用は無料で、最大8人が同時対戦できる。キーボードでのチャットやボイスチャットにも対応している。オンラインサービスは2006年12月25日で終了した。終了日の1時間のみ、兵士全員の声が小島秀夫になるというサービスを行った。
発売当時はまだプレイ人数も少なかったが、年明けとともに上昇した。オンラインモードには開発スタッフが参加しており、プレイヤーとスタッフが交流することができた。
オンラインでもスネークイーター本編と同様にCQCが導入されており、オセロットはおろか一般の兵士ですら、スネークとほぼ同様のCQCを扱うことが出来る。しかし、スネークのものと比べて威力が格段に低い上、使用後バランスを崩してよろけるため、拘束も行なえないという仕様となっていた。
[編集] メタルギア20周年記念版
2007年7月に、メタルギア生誕20周年記念として廉価版である「METAL GEAR 20th ANNIVERSARY METAL GEAR SOLID BEST PRICE」が発売された。ディスクは二枚組で、一枚目にはサブシスタンス版のスネークイーター本編が収録されており、二枚目には「メタルギア」と「メタルギア2 ソリッド・スネーク」が録されている。サブシスタンスに収録されていた「メタルギアオンライン」、「猿蛇合戦」及び「シークレットシアター」は未収録となっている。
[編集] 付加要素
[編集] シークレットシアター
公式ページでは、本作品のモーションやボイスを流用したパロディムービーがシークレットシアターとして数本公開されている。
MGS3の制作完了後、スタッフの打ち上げパーティーにて、MGS3デモ班が密かに制作したシークレットシアターが披露された。これを観た小島監督は公開を決断、急遽MGS3公式サイトにて配信が決定されたという。見事に本編の感動をぶち壊したシークレットシアターはファンの間でも笑いと賞賛をもって迎えられた。その後、MGS3のホームページにてシークレットシアターのネタ募集をかけるなど、徐々に数は増えていった。 完全版(上記参照)には公式ページにて公開されたシークレットシアターの高画質版に加え、完全版に向けて制作された新しいシークレットシアターが収録された。音声の殆どは作中の物を編集して使用しているが、スネークや雷電が作中で喋っていない台詞を使うなど、新規収録が行われている。
[編集] 猿蛇合戦
ソニー・コンピュータエンタテインメントのサルゲッチュとのコラボレーションで実現したミニゲーム。スネークが遠足中のカケルやヒカルの代わりにピポサルを捕まえる。各ステージのタイトルは映画のパロディとなっている。
ここに登場するスネークはソリッド・スネークで、ロイ・キャンベル大佐も登場する。
2005年に発売された『サルゲッチュ3』では、隠しゲームとして「メサルギアソリッド スネークエスケープ」が作られ、そのゲームはピポサルがソリッド・スネークを探し出すものとなっている。ストーリーやゲームシステムは「メタルギアソリッド」のパロディ。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 登場人物
[編集] FOXとその関係者
- ネイキッド・スネーク(声:大塚明夫、モーションアクター:吉田瑞穂)
- 本作の主人公。後のビッグ・ボス。ゼロ少佐やザ・ボスからはジャックの愛称で呼ばれ、本名はジョンとされる。パラメディックには英語圏で身元不明の男性死体を指し「名無しの権兵衛」にあたる「ジョン・ドゥ」と名乗り、逆に彼女の名前を聞いた際には身元不明の女性死体を指す「ジェーン・ドゥ」と切り返されている。
- ザ・ボスの最後の弟子であり、彼女と共に編み出したCQC(クロース・クォーターズ・コンバット)をはじめとするあらゆる戦闘技術を授けられた。スネークイーター作戦完遂後はFOXのノウハウを活かし、特殊部隊FOXHOUNDを設立する。また1972年の恐るべき子供達計画(Les Enfants Terribles / レザンファン・トゥリブル)によって、彼のクローンであるソリッド・リキッド・ソリダスの3人のスネークが生み出された。ヴォルギンによる拷問中、オセロットの撃ったシングル・アクション・アーミーの銃弾が右目を掠め失明。これがその後のトレードマークである眼帯の理由である。
- 戦闘能力は非常に高く、屈強な体格を持った兵士。CQCの基本としてナイフと拳銃を同時に構えるスタイルを多用する。戦いにおいては効率性を最優先し、精神論や根性論は廃する戦争観を持つ。トップクラスの実力を持つ兵士であるが、ザ・ボスいわく、戦場や戦うという事に対して自分の考え方や立ち位置が確立できていない「未熟者」であるらしい。
- ビキニ環礁で被爆した結果生殖能力を失ったが、女性には非常に関心がある。本人は否定しているが何故か吸血鬼を怖がっており、ドラキュラと聞いただけで夢に出てくると言っている。ゲーム中、あることをするとその悪夢をプレイヤーも見ることができ、この悪夢は「ガイ・サベージ」というアクションミニゲームとして遊べる。
- 優れた兵士である半面、任務中にタキシードを着て自信満々に似合っているかどうかを聞いたり、露出狂の気を口にしてシギントに呆れられたり、ワニキャップをかぶって相手の突っ込みを待ったり、段ボールについて熱く語るなどお茶目な一面を持つ。また食欲旺盛で雑食極まりなく、パラメディックに採取した動植物に対して質問する際は必ず味について言及し、毒があると彼女に前置きされたとしても味について訊くほどであり、極めつけは糞の味までをも聞こうとしていた。パラメディックなどの話で、理解できない事や面倒くさい話はほとんど聞かず、無線中、あらぬ方向を向いて頬をかいたり、頭を抱えたりする。タバコと葉巻の違いにはうるさい反面、葉巻は肺まで煙を吸わないからタバコと違って安全だと言うことを本気で信じていたが、実際はガンのできる場所が肺から咽喉周辺に変わるだけ。
- EVA(エヴァ、タチアナ、ターニャ)(声:渡辺美佐、モーションアクター:大黒優美子)
- KGBの諜報員。28歳。元はNSAの暗号解読員で、1960年にADAMとともにソ連へと亡命した。スネークへの情報提供とサポート、シャゴホッドのデータ奪取のためフルシチョフに派遣され、任務を遂行する。バイク好きで、即席ラーメンが大好物。ダイエットに気を使っている。巨乳だが、これは豊胸手術による。ヴォルギンに近寄るために眼鏡を掛けたか弱い女性のタチアナを演じている。また、タチアナはソコロフの愛人とも噂されているが、実際は彼女を発見したオセロットとその報告を受けたヴォルギンの思い込みで、タチアナとソコロフに恋愛関係は無い。
- 工作員候補生時代にザ・ボスが教官を務めていた関係で彼女に正体を見破られ、結果彼女から事の全容を打ち明けられ、スネークに事態の真相を伝える役割も果たす。
- その正体はKGBと偽った中華人民共和国人民解放軍総参謀部第2部のスパイで、フルシチョフが派遣した本物のEVA(男性)とすり代わって活動していた。本名は不明。戦前に「賢者達」が当時の中華民国に設立した対米諜報工作員養成所に工作員候補生として世界中から集められてきた子供達の1人で、アメリカ生まれの白人。使用する銃は中国製のコピー品で、銃を横に構えて流し撃ちを行う「馬賊撃ち」の使い手。目的は大佐のもつ莫大な資金『賢者の遺産』の在処を探ること。また、EVAが奪った賢者の遺産のデータは彼女の正体を見破っていたオセロットがすり替えた偽物である。これとは別に、中ソ対立の影響で中断していた中国の原水爆・宇宙ロケット開発計画「両弾一星」を推進すべく、ソコロフからシャゴホッドのデータを受け取り持ち帰る(結果中国はタクラマカンにて核実験に成功し、核保有国となった)。
- ゼロ少佐(トム少佐)(声:銀河万丈、モーションアクター:久保隆)
- 本名デイヴィッド・オウ。イギリス人で55歳。元SASで、所属していた当時ザ・ボスと同期だった。特殊部隊「FOX」の司令官で、スネークの上官。バーチャスミッションおよびスネークイーター作戦を指揮する。バーチャスミッションでは、映画「大脱走」で捕虜が掘った脱出トンネルの名前にちなんで「トム少佐」のコードネームを使用していたが、、トムは実は途中でナチスに発見された縁起の悪いトンネルだった。映画007シリーズがお気に入りで、英国文化に誇りを持っており、通信中にも紅茶やSAS時代の自慢話を披露する。コーヒーを嫌って泥水呼ばわりし、「だったら何を飲むんだ?」と聞かれたときに、「無論、紅茶だ」と答えている。
- こんな彼を筆頭にFOXは変人しか居ないと言われている。ちなみにかなりの機械音痴。パラメディックいわく007のことになると、無線を切ったあと一時間は講義が続くらしい。
- パラメディック(声:桑島法子、モーションアクター:平田絵里子)
- スネークの作戦サポート要員の一人。28歳。医師の資格を持っており、スネークの作戦中の体調管理をサポートする。また、ソ連の動植物等についても、ややいい加減な資料に基づいて解説してくれ、セーブも担当する。SF・ホラー・ファンタジーもののB級映画を好み、これは小島監督の趣味でもある。劇中から見て未来にあたるMGSやMGS2を連想させることも話してくれる。コードネームの由来は救急救命士(en:Paramedic)。通信中、あだ名が「ヤブ医者」だとのエピソードが出てくるが、これはこれはアヒルの擬声語で「やかましい人」を意味し、「ヤブ医者」という意味ももつ“quack”を掛けた英語のジョークで、医師としての腕が優秀であることは少佐のお墨付きである。キャラクターのガーコが好き。スネークに葉巻の注意を無理やり聞かせたり、いきなり「犬を食べるな」などと単刀直入に言うところがある。本人は知っているつもりだが、ほとんど間違っているエセ日本通(日本人はオットンガエルを刺身やすき焼きにして食べる、日本では扉が開かない時は扉の前でお祭りをする等)でもある。カニが苦手。2人の兄がいるらしい。ガーコやゾンビを知らないスネークやシギントに対して、「モノを知らない人たちね」と言い、解説を始めたりする。スネークに段ボールを使った偽装を提案した張本人でもある。
- 後々、続作MGS4において、彼女の本名と素性が明らかになる。
- シギント(声:藤原啓治)
- スネークの作戦サポート要員の一人。24歳。スネークイーター作戦から参加する。兵器や軍事技術の専門家で、「特別にスゴい専門家」を自称する。スネークが使用する武器や装備品を開発した人物でもある。シギントとは、シグナル・インテリジェンスの略で、電子機器を使った諜報活動を意味する。彼も装備に関してはかなり変わったこだわりを持っていて、その事でパラメディックに変人呼ばわりされている。ただし、自分ではまともだと思っており、ゼロ少佐やパラメディック達を変人だと思っている。また、スネークが上半身裸になったときやダンボールをかぶったままで彼に無線すると、スネークのことも変人扱いする。変わり者であることからCIAに入るまでは様々な所にて門前払いを食らっていたとされるが、劇中の1960年代は、アメリカにおいて人種差別が根強く残っていた時代で、シギント本人は黒人に対する人種差別が原因と述べている。CIA内の非公認組織「UMA探求クラブ」の副会長(会長はゼロ少佐)でもあり、仕事場で会報を作っている。スネークイーター作戦後、人種を問わずに活動できるネットワーク世界を目指して、インターネットの前身であるARPANETの立ち上げに参加する。
- MGS4では、MGS1に登場したDARPA局長のドナルド・アンダーソンであることが判明する。ただし、MGS4発売以前から彼がDARPA局長であると言う説は唱えられていた。
- リンドン・ベインズ・ジョンソン(声:中江真司)
- アメリカ合衆国第36代大統領。ザ・ボスの偽装亡命を否定するが、その実は裏を知っていた。ラングレーのCIA本部にてCIA長官やゼロ少佐達が列席する中スネークに、ザ・ボスを超える称号として「ビッグボス」の称号と、その証である勲章を授けた。その直後、敬礼するスネークに握手を求めたが、スネークは敬礼の姿勢を崩さぬことで拒否した。最後には握手をし、その様子は居合わせたカメラマンによって写真に撮られた。ジョンソン大統領自身は実在の人物であるが、ゲーム内事象はフィクションである。
- CIA長官
- 表向きはCIAの責任者としてバーチャスミッションやスネークイーター作戦の立案・許可を行うが、実はアメリカの「賢者達」の一人であり、ヴォルギンが掌握している「賢者の遺産」を回収するためにザ・ボスやオセロットを使って今回の一連の作戦で裏から糸を引いていた人物。最終的にオセロットによってヴォルギンの「賢者の遺産」は回収されるが、KGBも「賢者の遺産」の1部を保持していたので、引き続きオセロットに回収を託す。
彼はゲーム中では名前が出ないが、歴史上の在職期間が一致する実在のCIA長官はジョン・マコーンである。
[編集] ソ連
- エヴゲニー・ボリソヴィッチ・ヴォルギン(声:内海賢二、モーションアクター:マーク武蔵)
- GRUに所属するソ連のタカ派、ブレジネフ派の軍人で、階級は大佐。西側でのコードネームはサンダーボルト。元ボクシングの世界ヘビー級チャンピオンで、無類の拷問マニア。バイセクシャルで、愛人には、女性のタチアナ(EVA)と男性のライコフがいる。ソ連の諜報関係者の中でも最も冷酷且つ残忍な人物として知られており、拷問で死亡したグラーニンを殴り続けたり、悪名高きカティンの森での虐殺にも関わっていた。しかし、愛人ライコフに変装したスネークに敏感な反応を示したり、苦手な動物であるアマガエルやザ・ボスに怯むなど、単純な面もある。「賢者達」のマネーロンダリングを担当していた父から「賢者の遺産」を違法に相続しており、それによって大要塞グロズニィグラードや秘密設計局OKB-812を建設、「引き裂かれた世界を1つにする」という意思の下に行動する。「賢者の遺産」の総額は不明だがヴォルギン曰く第二次世界大戦を4~5回は繰り返せる程の資産らしく、各国の諜報組織から狙われている。1964年にはGRUを率いてソコロフとシャゴホッドを奪取し、用済みとなった秘密設計局OKB-754に核を撃ち込むなどの凶行にも至った。1000万ボルトもの電圧を帯電できる特異体質の持ち主であり、ボクシングで鍛えた鋼の肉体と、それから発せられる電撃を武器としている。また、電気を利用して体にまいたライフル弾を銃無しに放ち、ライフル弾を指の間に挟み、その拳で相手を殴ると同時に発射するという必殺技も持つ。
- 口癖は、雷を避ける御呪いの「くわばら、くわばら」で、雨や、雨を連想させるものを嫌う。CQCのことをジュウドーと呼ぶ。1対1の対決でスネークに敗北、死亡したと思われていたが、C3爆弾による破壊を免れたシャゴホッドに乗ってスネークを追い、シャゴホッドを破壊されるも、今度は自身の体にある電気でシャゴホッドを動かすという荒業で襲い掛かってくる。最期は落雷を受け、体に巻かれていた弾薬が引火し次々と破裂して死亡した。
- オセロット(声:山崎たくみ、モーションアクター:金澤大朗)
- 後のリボルバー・オセロット。本名はアダムスカ。山猫部隊の隊長で、階級は少佐。10代と若いものの、CQCを数日で会得するなど戦士として優れた資質を持っており、特に射撃技術には天賦の才を持つ。同時に若さゆえの傲りを持っており、自信過剰な面がある。それが元でスネークとの初対決には惨敗を喫し、以降、執拗にスネークを付け狙うようになる。だがそれが彼を徐々に戦士として成長させてゆき、また敵であるスネークに対して憧れにも近い感情を抱かせてゆく。スネークも敵ながら好感を抱き、攻撃可能な状況においてもあえて攻撃しない場面もあった。GRUの上官であるヴォルギンに対しては従順な態度を示していたものの、スネークと戦闘中のヴォルギンの目の前でスネークを援護するなど、終盤には見放すような言動を取った。
当初はオートマチック拳銃マカロフを使用していたが、スネークから与えられたアドバイスにより、リボルバー拳銃のコルト・シングル・アクション・アーミーへと転向した。
彼の正体は1960年にEVAとソ連へ亡命したADAMであり、ザ・ボスとザ・ソローとの間に生まれた息子であった。表向きはGRU所属だが、KGB局長やCIA長官とも連絡を取っていた三重スパイである。後のシリーズにも登場する人物であるため、彼を殺害するとタイムパラドックスを引き起こしたことになり、ゲームオーバーとなってしまう。劇中での決闘では戦闘が中断されるか、気絶させての終了となる。彼もヴォルギン同様、CQCを「ジュウドー」と呼ぶ。話すときに手振りをつける癖がある。 - イワン・ライデノヴィッチ・ライコフ(声:堀内賢雄)
- GRUに所属する軍人で、階級は少佐。ヴォルギンの愛人で、大要塞グロズニィグラード内では特別にヴォルギンと同等の権限を与えられている。ライコフに変装した状態だと、ダンボールから出てきても疑われず、気絶させた敵を引きずっても不審がられないうえ、殴りつけたりホフク状態で敵の下に潜り込んでも敬礼される。食い意地が張っており、道ばたに落ちているものでも平気で拾い食いするため、度々、腹を壊してトイレに駆け込んでいる。彼をCQCで捕らえて尋問すると、さまざまな話を聞くことが出来る。「ライデノヴィッチ」とは「ライデンの子」といった意味で、前作の主人公である雷電と瓜二つの容姿を持つ。関係は不明で、彼を殺害してもタイムパラドックスによるゲームオーバーは発生しない。ゲーム中のアクションも雷電そのものだが、雷電と違って女嫌い。必殺技は相手の股間を握り潰す「股間つぶし」。
- ニコライ・ステパノヴィッチ・ソコロフ(声:龍田直樹、モーションアクター:久保隆)
- ソ連有数の兵器開発者で、秘密設計局OKB-754(通称ソコロフ設計局)の局長。もともとはロケット技術者であり、その技術を応用してシャゴホッドを設計した。兵器開発に手を染めた自らの過ちを悔い西側へ亡命を図るが、キューバ危機を巡る米ソの密約によりソ連へ送還され、シャゴホッドの開発を続けさせられていた。頼りない言動を見せる場面もあるが、家族のことを気にし続ける優しい男性。グロズニィグラード西棟でスネークと接触したことでヴォルギン大佐の疑いを買い、最期は拷問中に逆上した大佐に殺害されたが、スネークやEVAのことは一言も喋らなかった。スネークやゼロ少佐、EVAも彼の死を惜しんだ。
- 劇中の描写から死亡したとされていたが、実際には生存しており、MPOでは「ゴースト」と名乗って再登場する。
- アレクサンドル・レオノヴィッチ・グラーニン(声:青野武、モーションアクター:久保隆)
- ソコロフと並ぶソ連の兵器開発者で、秘密設計局OKB-812(通称グラーニン設計局)の局長。道路移動型弾道ミサイルシステムR-17(SS-1C)の発射台部分を設計した男で、ソ連最高の栄誉であるレーニン勲章や社会主義労働英雄などの称号を得ている。自身をソ連最高の兵器開発者であると語り、競合相手のソコロフを敵視していた。ソコロフが設計したシャゴホッドに対抗し、二足歩行戦車を考案した。この戦車の設計図は後にオセロットによってアメリカの「賢者達」(後の愛国者達)の元へ渡って「メタルギア」として完成されることになり、MGS2では、オセロットがメタルギアRAY奪う際に「返してもらう」と発言している。スネークに塹壕の鍵を渡した後、間もなくヴォルギン達にスパイ容疑をかけられて連行された。グロズニィグラードで、ドラム缶の中でヴォルギンの電撃パンチを受け続ける拷問を受け死亡している。
- EVA扮するタチアナによって靴をプレゼントされていたが、その靴には監視用に踵部分に発信機が仕込まれていた。
- ニキータ・セルゲーエヴィッチ・フルシチョフ(声:塩屋浩三)
- ソ連共産党中央委員会第一書記(後に書記長に改称)。ツェリノヤルスクでの核爆発を受けて、ジョンソン大統領へホットラインを接続する。アメリカが核爆発に関わっていないという身の潔白を求め、ヴォルギン大佐とザ・ボスの抹殺を依頼する。ゲーム内に登場する事柄はフィクションだが実在した人物。スネークイーター作戦の約2か月後に失脚し、後任の第一書記にはブレジネフが、首相にはコスイギンが就任した。
- ジョニー(声:今村直樹)
- GRU特殊部隊スペツナズ隊員。大要塞グロズニィグラードの独房看守を務める。被っている目出し帽に「J」の文字を刺繍している。MGS、MGS2の2作に登場したジョニー佐々木の父あるいは祖父で、彼の一族は長男に代々「ジョニー」と名付ける事になっている。冷戦が始まる前はアメリカに居住しており、同国に妻と息子のジョニーがいる。アメリカ人であるスネークに身の上を語り「なんで冷戦なんだろうな…」と現状を憂えていた。食い意地が張っていて、過去に厨房から食料を盗み食いして処罰されたことがある。佐々木と同じく、下痢が持病。なお、既に後に繋がるジョニーが誕生しているためオセロットと違い、彼を殺害しても、タイムパラドックスによるゲームオーバーは発生しない。
- 牢内に食事を投げ入れてくれるなどスネークに対しては友好的で、事前に煙草型小型麻酔銃を手に入れていると、ジョニー自身はそうと気づかないまま、ヴォルギンからくすねた煙草だと言って渡してくれる。
[編集] コブラ部隊
- 無上の歓喜 ザ・ジョイ(ザ・ボス)(声:井上喜久子、モーションアクター:平田絵里子)
- コブラ部隊の元リーダーにして、東西にその名を轟かせる伝説の英雄。戦場で「喜び」を見出した人物。墓標に「192X-1964」とあるため、35~44歳と見られる。あらゆる知識と技術に通じた才媛で、第二次世界大戦中にはコブラ部隊を組織、訓練して連合軍の特殊任務に従事し、多大な戦果を上げて同軍を勝利に導いている。またゼロ少佐と共にSASの立上げにも関わっており、戦中の活躍も含めて西側からは「特殊部隊の母」、東側では「ヴォエヴォーダ(ロシア語で戦士、あるいは女性騎士)」の通り名で呼ばれる。戦争終結後はコブラ部隊を解散、スネークを弟子として引き取り、10年という長い時間をかけて育て上げた。その一方でHALO降下を考案したり、第2次大戦中に行った捕虜確保任務にて銃を使わず敵将校に気付かれないまま接近して捕虜にする為に発案した技術を元に、スネークと2人でCQCを考案した。
- 1964年、スパイリングを通じて伝えられたヴォルギン大佐の意思に同調し、無反動小型核弾頭「デイビー・クロケット」を手土産にソ連へ亡命。その核が大佐によってツェリノヤルスクで使用されたことからソ連・アメリカの二国から命を狙われることになる。WIGの発射地点であるロコヴォイ・ビエレッグの闘いでスネークに敗れ、「賢者の遺産」と愛銃のパトリオットを渡した後、スネークに自身の殺害を嘆願。スネークもこれを了承し最期はスネークの手で殺害された。アメリカ側のスネークによってソ連側のボスが倒されたことによって、両者の任務は達成された。彼女の亡命の真相は偽装亡命であり、目的はヴォルギンの手にある「賢者の遺産」を手に入れることであった。このことはザ・ボスがEVAにのみ語り、彼女の死後、EVAを介してスネークに伝えられた。
- ザ・ボスは戦前「賢者達」によって当時の中華民国で米中ソ共同出資により作られた、対米諜報工作員養成所にて教官を務めており、EVAは養成所に工作員候補生として世界中から集められていた子供達の1人で、ザ・ボスの教え子とも言える存在であった。そのため、彼女はEVAの正体を察し、その上でEVAにスネークに直接伝えることが禁じられていた真相を語り、その全てをスネークに伝えるよう頼んだ。その事をEVAはスネークに向けたメッセージをテープに録音する中で、「これは歴史に残らない、スネークの胸の中にだけ残る、彼女の最後のデブリーフィング(帰還報告)」であると、涙ながらに語った。
- 小島監督は、容姿は女優シャーロット・ランプリングをモデルとしたとしている。
- (注:本作におけるCQC/SASについての記述はあくまでフィクションであり、実際にはCQCは銃火器を使わずに戦闘を行うために80年代に考案されたといわれ、SASは陸軍将校デビット・スターリングが戦闘で負傷して入院した先の病院のベッドの上で考案した)
- 深淵なる悲哀 ザ・ソロー(声:堀之紀、モーションアクター:益田康弘)
- コブラ部隊の元隊員。霊媒兵士。戦場で「哀しみ」を見出した人物。霊媒能力に長け、死者との会話のほか、、降霊によって死者の能力を獲得できる。大戦中はザ・ボスの最高のパートナーだった。第二次世界大戦後は、コブラ部隊解散により祖国ソ連に帰国し、ソ連軍に復隊。1962年に所属の関係と「賢者達」の陰謀により、敵対することになったザ・ボスに自ら望んで殺害される。現場はゲーム中に登場するドリノヴォドノの吊橋であり、バーチャスミッション終了直前でも彼の亡骸を見ることができる。その霊は今なお陰ながらザ・ボスに寄り添う。劇中でも度々亡霊として登場し、スネークにヒントやメッセージを与えたが、ザ・ボスの死後、ボスと共に去っていく。小島監督は「眼鏡を外すとエド・ハリスに似ている」と語る。グロズニィグラード鉄橋でのヴォルギン戦後のデモではEVAの背後に立っていたり、格納庫でのヴォルギン戦前のデモではザ・ソローがC3爆発までのタイムリミットを書いたカードを持ってザ・ボスの背後に浮かんでいたりと、登場回数は他のコブラ部隊員より多い。彼との戦闘時には、「お前達は息子達に殺される」など意味深長な言葉が聞ける。
ザ・ソローとの戦闘中に無線連絡を行うと、仲間のセリフはスネーク死亡時(ゲームオーバー)のセリフになっている。
- 至高の痛み ザ・ペイン(声:江川央生、モーションアクター:益田康弘)
- コブラ部隊の元隊員。戦場で「痛み」を見出した人物。蜂兵士と呼ばれ、腰のポシェットに女王蜂の入った蜂の巣を持ち、大量の蜂を自在に操るほか、体内で飼っている特殊蜂バレットビーを発射して相手の体内を食い荒らさせる。銃はトミーガン(トンプソン)を使う。普段は目だし帽をかぶっているが、顔は蜂に刺されたことにより激しく腫れあがっている。
- 至純の恐怖 ザ・フィアー(声:田中和実、モーションアクター:大橋明)
- コブラ部隊の元隊員。生まれつき腕の関節が二重関節になっており、それを利用した奇怪な移動が出来ることから蟻蜘蛛兵士と呼ばれる。戦場で「恐怖」を見出した人物。迅速・柔軟な肉体と、威力に優れる「リトルジョー」と、連射力に優れる「ウィリアムテル」という2丁のボウガンを武器とする。矢にはクロドクシボグモの毒、発火装置、グレネードをつけて攻撃し、トラップも駆使するほか、スネークが仕掛けたTNTなどのトラップを見破ってしまう。スタミナを消耗して効果を発揮する特殊なステルス迷彩を装備しており、ほぼ透明になることができるが、常に空腹で、毒や腐った食べ物でも口にしてしまう。
- 真実の終焉 ジ・エンド(声:阪脩、モーションアクター:大橋明)
- コブラ部隊の元隊員。老齢の狙撃兵であり、その年齢は100歳を超える。狙撃と偽装のエキスパートで、現代狙撃技術の考案者。戦場で「終焉」を見出した人物。体内に寄生している苔による光合成能力を持ち、何も食べなくてもスタミナは無尽蔵。そのため普段は自らを仮死状態にしておき、戦闘になると蘇生する。戦闘中は光合成能力を用いて肉体年齢を50代前半まで若返らせる。森と会話することができる。麻酔銃に改造したモシン・ナガンを使う。肩に飼っているオウムを大切にしており、オウムを殺したり食べたりすると激怒する。また、オウムを殺すとジ・エンド戦終了後のデモムービーのオウムも亡霊になっている。非常に高齢な為、スネークと対峙した時には残りの寿命が一週間まで迫っており、戦闘開始からPS2の内蔵時計が一週間進むと寿命で死亡してしまう。ジ・エンドと対峙前に車椅子の状態で登場するが、その際に彼を狙撃して倒すことが可能。倒した場合、ジ・エンドと対峙するソクロヴィエノには山猫部隊が待ち構えている。
- 無限の憤怒 ザ・フューリー(声:平野正人、モーションアクター:益田康弘)
- コブラ部隊の元隊員。火焔兵士。元宇宙飛行士。憤怒は「ふんど」と読む。戦場で「怒り」を見出した人物。第二次世界大戦後、非公式に宇宙空間へと旅立つが、大気圏突入時の事故により身体中に大火傷を負い、それ以来痛みを感じなくなる。
ソ連製の宇宙服を応用した防火服に身を固め、ロケットブースターで空を飛び、通常の燃料(ナパームとガソリンの混合燃料)ではなくロケット用の液体燃料(非対称ジメチルヒドラジンとテトラニトロキシドの混合燃料)を使用した特別製の火炎放射器を使う。その威力は通常の数十倍以上。
正面に「БЕИ」(ロシア語で「撃て」の意味)と書かれたヘルメットを被っていたり、「俺はここにいるぞ!」などと叫んで挑発してくることもある。
他のコブラ部隊員が、各々特別な感情を戦場にて見出し、それを自らのコードネームとしているのに対して、彼だけ憤怒を見出したのは戦後の帰還事故の最中だと語っている。
各隊員が最後に爆発するのは自決用の小型爆弾によるもので、コブラ部隊本来の「公にできない任務」を行う性質上、捕虜に取られたり自らの死体を残したりしないようにするためである。今回も爆弾を持っていた理由については、スネークは「戻る部隊も国もない」という覚悟の表明ではないかと推察している。なお、この演出は『仮面ライダー』で敵役の怪人が倒された後に爆発する演出へのオマージュとなっている。
[編集] コラボレーション
- ケロタン
- 人形が登場。撃つなどの攻撃を加えると鳴く。全てのケロタンを発見して鳴かせると、『メタルギアアシッド』とリンクするか、敵兵に1度も見つからずにクリアした場合のみ入手できる隠しアイテムのステルス迷彩を入手できる。
- ガーコ
- 迷彩服の柄のひとつ「ガーコ」として登場。撃っていないケロタンが近くにあると鳴いて知らせる能力を持つ。
- ツチノコ
- 幻の珍獣。本編にて捕獲する事が可能。捕獲したままクリアすると無限フェイスペイントを入手できる。食料として食べる事も可能で、カロリーメイトや即席ラーメンと同じく、スタミナが最大まで回復する。EVAの食履歴を見ると、彼女もツチノコの料理を食べていたことが分かる。捕獲した状態で通信を行うと、UMAマニアである少佐たちが狂喜乱舞する様子が見られる。
- ゴジラ(東宝から)
- 無線でセーブすると、パラメディックがゴジラについて解説してくれる。これはゲームキューブ版「メタルギアソリッド ツインスネークス」のポリゴンデモの演出を担当した映画監督北村龍平、キャラクターデザイン担当の新川洋司、本シリーズのオープニングタイトル制作を担当しているカイル・クーパーが2004年の映画『ゴジラ FINAL WARS』にてそれぞれ監督・メカニック&キャラクターデザイン・オープニングタイトル制作で関係している為。また、小島監督自身ゴジラや特撮映画のファンである。
- 雑誌
- ファミ通、Newtype、週刊ヤングサンデー、ぴあなどの雑誌が登場する。ゲーム雑誌のほとんどが、メタルギアソリッドに関係する記事を載せているが、よく見ると3の時代から見ると未来にあたるメタルギアソリッド1、2に関係する内容が書かれている雑誌がある。
- ピポサル(ソニー・コンピュータエンタテインメントから)
- サルゲッチュとのコラボレーションで登場。詳しくは、上記の「メタルギアソリッド3」の項目を参照。
- カロリーメイト(大塚製薬から)
- 食料として登場。ゲーム内では、おなじみの黄色いパッケージがところどころに置いてあり、手に入れるとパッケージを観察することもできる。チョコレート味。製作者側によれば、箱の形、外観、サイズ等、全て実際の製品と同じように作られているとのこと。味に関しては最高級の評価が与えられており、食べると、スネークの「美味すぎる!」「最高だ!」「もっと食わせろ!」等の台詞を述べてスタミナが全回復する。その上、保存食なので絶対に腐らない。パラメデックに無線すると詳しく紹介してくれる。ただし後に装備した状態でEVAに無線すると一部は間違った情報だと訂正される。この無線とワニCAPの無線の2つのみ、ザ・ソロー戦でも可能となっている。このコラボレーションはゲーム内に実際の製品を登場させ身近なアイテムとして扱うと同時に、ゲーム内広告としての重要な役割も果たした。インターネットゲーム以外でこのようにゲーム内広告を採用したゲームは珍しく、同じような例にスターオーシャン Till the End of Timeにおけるうまい棒やパラサイト・イヴ2におけるコカコーラなどがある。ゲームの時代設定は1964年、カロリーメイトが最初に発売されたのは1983年である。
- 日ノ本零子・麗琥(『ランブルローズ』から)
- MGS3 SUBSISTENCEのオンライン対戦でプレイヤーキャラとして登場。
- ヨドバシカメラ
- ヨドバシカメラのロゴが描かれたカムフラージュ「YODOBASHI」をダウンロードできる。足元には「10%ポイント還元」と書いてある。
- みずしな孝之
- 彼がデザインしたカムフラージュ「E-DEN」をダウンロードできる。
- 和田アキ子
- 主題歌の日本語版のボーカル。予約特典CDにのみ収録され、ゲーム内では未使用。
- インスタントラーメン
- 個別の商品名は出なかったが、開発当時日清食品とのコラボレーションをしようとして結局無しになったと小島監督が自身のラジオ124回目の放送で語っている。ゲーム中では即席ラーメンと呼ばれる。カロリーメイトと同様、食べるとスタミナが全回復し、腐らない。登場のきっかけは、開発者達が森でのサバイバル訓練を行った際にまともな食べ物が無い中、隠し持ってきていたインスタントラーメンを食べた事でラーメンの味をありがたく思ったことから。
- WonderGoo
- WonderGooでのMGS3購入者向けに特典として用意されたオリジナルカムフラージュ。WonderGoo店頭にメモリーカードを持参し、データをその場で直接コピーしてもらう方式で配布された。
- ポスター
- スネークイーターでは、秋山莉奈、大久保麻梨子、下村真理、花井美里が、サブシスタンスでは、かでなれおん、浜田翔子、矢吹春奈、山崎真実が、また両作で菊地由美が、ゲーム内のポスターでグラビアを披露している。
- 「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」
- 小島監督率いる開発チームによるロボットアクションゲーム。グラーニンとのイベント会話中、グラーニンの後ろに主人公機である「ジェフティ」のフィギュアが飾られている。
[編集] 地名
- 本作に登場するソ連の地名はすべて架空のものである。地名の意味は無線でEVAが教えてくれる。
- ツェリノヤルスク(Tselnoyarsk)
- バーチャスミッション及びスネークイーター作戦時にスネークが降下した場所。ロシア語で「処女地のある絶壁」という意味。
- ドレムチイ(Dremuchij)東部、南部、北部、沼沢部
- ゲーム開始時にスネークがいる場所。ロシア語で「未踏の森」。また、屋久島がモデルになっている。
- ドリノヴォドノ(Dolinovodno)川岸、吊り橋
- 「渓谷の森」というロシア語が由来。
- ラスヴィエット(Rassvet)廃工場
- ロシア語で「夜明け」という意味の場所。ソコロフが監禁されていた廃工場がある。
- チョルニプルド(Chyornyj prud)
- インドガビアルが生息する、「黒の水辺」という意味の場所。
- ボルシャヤ・パスト(Bolshaya past)南部、中継基地、クレバス
- 中継基地の北にあるクレバスにちなんで「大いなる口腔」という意味がある。
- チョルナヤ・ピシェラ(Chayornaya peschera)支洞、主洞、洞口
- ボルシャヤ・パストクレバスの中にある洞窟。火山活動時に形成されたため、「黒の風穴」という意味がある。
- ポニゾヴィエ(Ponizovie)水路、西部、倉庫
- マングローブの生えた水路がある川。そのため地名には「川下の地」という意味がある。上流にはGRUの倉庫がある。
- グラーニニ・ゴルキー(Graniny gorki)南部、研究所
- 北側にグラーニン設計局が存在する地。ロシア語で「グラーニンの山」という意。
- スヴィヤトゴルニ(Svyatogornyj)東部、西部、南部
- 東部に、将校用の別荘がある。「聖き山径」という意味。
- ソクロヴィエノ(Sokrovenno)北部、西部、南部
- ジ・エンドとの戦闘になる森。「至聖の聖域」という意である。
- クラスノゴリエ(Krasnogorje)坑道、山腹、山麓、山頂
- ロシア語で「赤の山稜」という名の山。山頂にはグロズニィグラードがある。
- グロズニィグラード(Groznyj grado)地下壕、地下水路、南西部、南東部、北東部、兵器廠東棟、本棟、格納庫、鉄橋
- 「恐るべき要塞」という意味。文字通り、警備が厳重な巨大軍事基地がある。
- ティホ・ゴルヌイ(Tikhogrnyj)滝川
- 「静謐の山柴」という意味の場所。生物(スネークにとって食糧)が豊富に生息している。
- ラゾレーヴォ(Lazorevo)南部、北部
- グロズニィグラードの北にある、山岳地帯。「青く繁る大地」という意味がある。
- ザオジオリエ(Zaozyorie)西部、北部
- ラゾレーヴォより少し北にある森林地帯。ロシア語で「湖の近く」。
- ロコヴォイ・ビエレッグ(Rokovoj bereg)湖、花畑
- ザ・ボスとの決闘の場である地。ゲーム中で最後の場所で、ミッション成功か失敗かという意味を込めて「運命の水辺」という名を冠している。
[編集] 関連項目
- 核兵器
- 冷戦
- キューバ危機
- アラモの戦い
- 新川洋司 - シリーズにおけるキャラクター及びメカニックのデザインを担当
- 小島秀夫 (ゲームデザイナー)
- ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ 作曲家。本シリーズの楽曲を担当している。
[編集] 外部リンク
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