メタルギアアシッド2
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ジャンル | タクティカルカードゲーム |
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対応機種 | プレイステーション・ポータブル |
開発元 | コナミ・小島プロダクション |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人~2人(対戦時) |
メディア | UMD |
発売日 | 2005年12月8日 2006年11月16日(Best版) |
価格 | 4,980円(税別) 2,800円(Best版) |
デバイス | メモリースティックDuo対応(352KB) SOLID EYE「とびだシッド」同梱 |
その他 | 無線LAN(アドホックモード)対応 |
『メタルギアアシッド2』(METAL GEAR AC!D2)は、2005年12月8日に、『METAL GEAR AC!D』の続編として発売されたプレイステーション・ポータブル用ゲームソフト。略称は「MGA2」または「アシッド2」。
目次 |
[編集] 概要
戦略諜報カードゲーム「メタルギアアシッド」のシステムを踏襲しながらも、様々な点が進化している。操作系が改良され、前作よりもアクションが高速化され快適になっている。描写が前作とは違い、迫力のあるアニメ調となっている。カードは全500種類に増え、ボス戦の機会も多くなった。
また、「とびだシッド」という組み立て型のスコープが付属されていて、これにより、「飛び出す画像」をよりリアルに楽しめるようになった。ただし、とびだシッドを使用しなくても、コツをつかめば裸眼でも、ステレオグラムの要領で飛び出す画像を楽しむことはできる。とびだシッドを採用した理由は野尻真太いわく、「カードが増えたりシステム面が改善されるのは予想がつくので、予想外のシステムを採用してみたかった」とGAMEwatchのインタビューにて語っている。
「リンクバトル」の追加によりアドホックによる通信対戦が可能になった。また、アリーナモードでCPUキャラとの対戦も可能になっている。
AC!D1の続編だが、ストーリー的には前作とは完全に独立しているため2のみでも楽しめる。
[編集] ゲームシステム
本作はメタルギアの戦略諜報アクションのシステムとトレーディングカードゲームのシステムとの両方のシステムがミックスされており、「戦略諜報カードゲーム」という独自のシステムになっている。
マップを移動し、さまざまなアクションを駆使し、なるべく敵に見つからないように任務を達成(特定の地点まで移動する、ボスを倒すなど)するのが目的。ステージ内を巡回している兵士には「視界」が設定されており、敵の視界に入ると通信によって仲間を次々と呼ばれ不利になる。このため敵兵に発見されないようにやり過ごしたり、発見される前に倒したり、眠らせたりしながら進むことが重要になる。この辺りは「メタルギア」のシステムを継承している。ただし、このゲームではアクションは全て「カード」の形になっている。
また前作メタルギアアシッドの不満点であった移動方法は、移動ルートを決めてから行動するのではなく、一マスずつ移動でき、途中で壁に張り付いたりホフク状態になることも出来るようになっている。 この他にもカードの売却やグレードアップなどの要素、戦闘でも装備カードを任意で着脱が可能になったり、一定の状態でターゲットを攻撃すると発動する「援護射撃」システムなどの様々な要素が追加され、システムはほぼ完成したといってもいい。
ちなみに今作は、敵から攻撃をうける、援護射撃のアクションを行なうなどすると声が出るようになっている。
ゲーム本編はデッキの編成を行う「インターミッション」と実際にゲームを行う「ミッション」の2つの流れがある。
- インターミッション
- プレイヤーは現在所持しているカードから30~40枚を選び、「デッキ(DECK)」を編成する。このカードはミッション中に手に入れたり、ミッションクリア時にボーナスとして支給されたり、インターミッションのショップでptsと引き換えに購入することで入手できる。また、初心者のために自動的にデッキを作成するオート(AUTO)デッキ生成モードもある。2から新たに加わった要素として、不要なカードの売却と、PTS[1]を使うことでカードの「グレードアップ」ができるようになった。
- ミッション
- ゲーム本編。ミッションが開始されると、デッキからカードがランダムに6枚配られ「手札」となる。プレイヤーはこの手札からカードを選び、1ターンに2回まで使用することが出来る(カードの効果により行動回数は1ターンに最大4回まで増やすことも可能)。行動回数を使い切ると敵のターンとなるが、次にいつ自分のターンが来るかどうかは、自ターンに使ったカードの「コスト」によって変動する。コストが高いカードばかり使うと、自分のターンがなかなか回って来ないため、敵に何度も行動されてしまう。逆に、コストを抑えてプレイすれば、自分の次の行動が早く回ってくるため連続して行動することも可能。もちろん、強力なカードはコストが高いことが多いため、コストのバランスを考えることが重要となる。
- 再び自分のターンになると、手札にカードが2枚補充される。手札が少ない場合は、これを利用するため行動回数が残っていてもターンエンドするという選択もありうる。
- デッキのカードを全て使い切ると自分にコストが10追加され、シャッフル後にデッキが復活する。
- プレイヤーのHPが0になるとミッション失敗でやり直しとなる。
- ^ PTS
- 「ポイント」。ミッションクリア時に成績に応じて貰えるポイント。カード購入やグレードアップ等に使用できる。
[編集] カード
550種類のカードはWEAPON、ITEM、ACTION、CHARACTER、SUPPORT、そして新属性のTRAP、LINKAGEの7種類に分類され、カードごとに様々な効果がある。このカードの使い方には、独自の効果を発動する(「USE」or「EQUIP」)他に、「MOVE」を選ぶことで、スネークの移動に使うこともできる。なお、このカードはゲーム内では「ナノチップエキスパンション」という戦闘行動支援プログラムという設定。
- WEAPONカード
- 銃、グレネード、マシンガン、ナイフなどの様々な武器。主に敵を攻撃し、ダメージを与えるのに使う。武器によって射程距離や効果範囲、ダメージが異なる。また、機械を無効化する「チャフグレネード」、人間タイプの敵を眠らせる「Mk22」などの特殊な武器もある。
- 武器には「USE型」(ユーズ型)と「EQUIP型」(イクイップ型)の2種類がある。USE型は使うとその場でそのカードを消費して発動する。EQUIP型はそのままでは使えず、装備欄に「装備」した後に、同じ口径を持つカードをそのカードに重ねることで初めて使用できる。このためEQUIP型は最低2枚同じ口径を持つカードを持っていないと使えないためUSE型に比べやや使いづらい。EQUIPしている武器は敵から攻撃を受けた際に自動的にそのカードを使って反撃できるというメリットがある。また、基本的にEQUIP型の方が強いカードが多い。
- ACTIONカード
- 特殊なアクションをするカード。一度に装備できるアイテムの数を2から4に増やす「EQUIPMENT LV.2」、EQUIP型の武器カードに重ねて使用することで様々な特殊効果を付加できる「転倒付加」「ヘッドショット」などがある。
- ITEMカード
- 回復や行動の補助を行うアイテムのカード。自分の体力を回復する「レーション」、味方の体力を回復する「サバイバルキット」、ダメージを軽減する「ボディ・アーマー」などがある。
- CHARACTERカード
- メタルギアシリーズに登場したキャラクターのカード。カードごとに移動に使えるカード、攻撃に使えるカード、サポートに使えるカードなど様々な効果がある。
- SUPPORTカード
- 攻撃のサポートや回避、状態異常回復、コストの回復を行うカード。特にコストを減らすカードは重要。
- TRAPカード
- トラップ。配置することで、そのマスに特殊な効果を付加するカード。TRAPカードの配置されたマスを踏むことで効果が発動する。落とし穴のように相手にマイナスの効果を与えるだけでなく、テントのように配置したマスにプラスの効果をもたらすカードもある。
- LINKAGEカード
- リンケージ。手札にある状態でカードごとの発動条件を満たすことで自動的に効果を発揮する。例えば「転倒付加リンケージ」はWEAPONカードを使った際に手札にあれば攻撃と同時に相手を転ばせることができる。
[編集] 状態異常
キャラクターはカードやトラップの効果などによって様々な状態異常に陥ることがある。これらの状態異常はSUPPORTカードの「血清」にて回復できる。
- 睡眠
- 「ZZZ」といういびきのマークが表示される。「MK-22」「M9」などの麻酔銃で攻撃することでこの状態にすることができる。一定のコストが経過するまで行動不能。敵兵をこの状態にすることで気づかれること無く先に進むことが出来る。
- 気絶
- 「★」のマークが表示される。パンチやグレネードなどで「転倒」すると手札を1枚失うが、これによって手札が0枚になると気絶状態になり、一定コストが経過するまで行動不能になる。敵兵をこの状態にすることで気づかれずに先に進める。
- 出血
- 赤い血液のマークが表示される。ナイフなどの刃物で攻撃されるとこの状態になり、1コストごとに5ずつダメージを受ける。合計50ダメージで自然回復する。ITEMカードの「止血剤」でも回復できる。
- 引火
- 炎のマークが表示される。M15白燐手榴弾やニキータミサイルなどの攻撃を受けると発火しこの状態になる。1コストにつき10のダメージを受け、隣にキャラクターがいるとそちらにも引火する。5ブロック移動するかダンボールをかぶる事などで回復。
- 盲目
- 水色の×マークで表示される。消火器が攻撃を受けた時にその周囲にいるとこの状態になる。手札が白くなって読めなくなる。
- オイルまみれ
- 茶色の水滴マークで表示される。マップ上に配置されている黒いオイルだまりの上を通過すると転倒してこの状態になる。移動範囲が減り、手札が真っ黒になって読めなくなる。また、この状態で銃による攻撃を受けると引火状態になる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
上空を飛ぶ1機の飛行機。セレナ共和国のレジスタンスたちが、麻薬王エスコバルの追跡から逃れるため、アメリカへの入国を画策していた。しかし、着陸直後に彼らはFBIのダルトン捜査官に逮捕される。その中には「スネーク」と呼ばれる男の姿もあった。ダルトンはスネークの仲間たちの身柄、そして1500万ドルと引換えに北米の兵器製造会社・ステラテロジック社への潜入を迫る……。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- スネーク(声:大塚明夫)
- 本名不明、年齢不明、出身地不明。3年前の『プラウリオの惨劇』直後に、セレナ共和国内で倒れているところを現地のレジスタンスに助けられ、戦闘に参加、独裁軍事政権を打倒した。
- 凄腕の傭兵だが、記憶喪失になっている。アメリカ入国直後にFBIに捕らえられ、ストラテロジック社への潜入捜査をすることとなった。ナノチップ・エキスパンションを戦闘に使用し、刃物からロケットランチャーまで幅広く兵器を使いこなす。今作では青を基調としたスニーキングスーツを着用している。
- ヴィナス(声:小松里歌)
- 国防省所属、ワイズマンの部下。登場した直後は、戦闘スーツの両肩に装備された手裏剣を武器に使っていたが、忍者というわけではない。彼女もまたナノチップ・エキスパンションを戦闘に使用している。スネークをも超える圧倒的な戦闘能力を持つ。
- 女性らしい口調だが、性格はかなりきつめ。罪悪感というものが欠如しており、殺人、ウソなどにためらいはない(とはいえ最終局面では、スネークの意思を汲み、弱気になっていたタキザワを叱咤するという一面も見られたことから、まったく感情がないというわけではないらしい)。
- スネークとは対照的な、赤を基調としたスニーキングスーツを着用しているが、潜入任務に向いているのかどうかさえ怪しいほど派手(ミニスカートである上、かなりボディラインが強調されている)。
- ダルトン
- FBIの捜査官と本人は名乗っているが、どこか怪しい。スネークを犯罪者として確保し、ステラテロジック社への潜入を迫ったが、ワイズマンに拘束される。
- ワイズマン
- 国防省所属、准将。ダルトンの船を接収し、ステラテロジック社内で起きた騒乱を鎮圧するためにスネークを利用する。初対面のダルトン曰く「悪人」、目的が他にありそうである。いつも怪しい笑みを浮かべている。スネークの過去を知っている。
- B.B.
- 「B.B.」とはブラックボード(黒板)の略であるらしい。正体不明の天才ハッカー、スネークの無線に突然連絡を入れてくる。「面白そうだから」という理由でスネークを支援する。年齢不詳だが、どうも大学生ではなく小学生と見られる節が多々ある。また、黒板と名乗っている事からも小学生の確率が高い。
[編集] ステラテロジック社
- ビンス
- ステラテロジック社警備部長、元職業軍人で軍に属していたころの階級は少佐らしい。部下らとともに社に移籍、いまだに少佐と呼ぶ部下もいる(本人は部長と呼んで欲しいらしい)。社長の意志に従い、社内の騒乱を秘密裏に処理しようとしている。その超人的な腕力でドラム缶や消火器を投げて攻撃。使用武器は対人用信管に改造したRPG-7。好きな言葉は「弊社」。一度言ってみたかったらしい。何故か烏が身に付き纏っている。
- 滝山美知子
- ステラテロジック社研究員、女性。メタルギアシリーズ唯一の日本人キャラクター。コペルソーン博士の下で「被験体」への施術を行なっていた。因みに京都大学卒。
- ルーシー
- タキヤマに連れられている謎の少女。背中に傷がある。
- トマス・コペルソーン
- ステラテロジック社副社長兼主任研究員。兵器開発部門を担当し、特に基幹システムEGOの開発に深く携わった。スネークが社内に潜入している最中に社に対して反旗を翻す。自ら開発したメタルギア『カイオト・ハ・カドッシュ』を操り、政府高官らの身柄引き渡しを迫るが、その真意は不明。スネークのことを知っているようだ。また、前々作であるメタルギア ゴーストバベルに登場したDr.コペルソーンやコペルソーン・エンジンの開発者とは同一人物である可能性があるが、さだかではない。
- ルシンダ・コペルソーン
- コペルソーン博士夫人。ステラテロジック社に勤めていた。3年前の「プラウリオの惨劇」の際、スネークに殺害されたという。
- ロジンスキー
- ステラテロジック社社長。ビンスたちを雇っているが、彼の部下は把握できていないようである。自分を守るためならば部下をも切り捨てる。
[編集] 被験体
- ハラブセラップ(声:田中一成)
- 「被験体第3世代」。両腕を飛ばして攻撃してくる。ゴリラに似ているが、人間だと思われる。ダメージを受けると、腕から刃物のようなものを出してくる。この状態での両腕飛ばしを喰らうと出血(ステータス異常)が付加される。
- ゴラブ(声:今村直樹)
- 「被験体第3世代」。重油を飲んで炎を口から吹く。たまにオイル(ステータス異常)をかけてくることがあるので注意が必要である。
- カイギデュエル(声:龍田直樹)
- 「被験体第3世代」。天井に張り付き催眠術(ステータス異常)を扱う他、照明を消すこともある。スネークの過去についての情報を知っているようである。
[編集] レジスタンス
- ロディ・ルイス
- デイブ・コープランド
- コンスウェラ・アルバレス
- スネークとともにセレナ共和国で戦ったレジスタンス。デイプは牧場を買うのが夢。メンバーは年齢不明だが、コンスウェラは10代後半に見える(言動もそれっぽい節がある)。三年前、セレナ共和国でデルガド将軍率いる独裁軍事政権と対立。記憶喪失の上、天涯孤独のスネークに対し好意的に接する。特にコンスウェラはスネークを厚く信頼している。
[編集] エクストラミッション
本編クリア済みのマップは本編のストーリーとは独立して新たなミッションとしてプレイすることが可能。
- 「全ての敵を倒せ」「敵に見つからずに目的地に到達せよ」などの前作でもあったEXTRA MISSION
- 決められたデッキを使用して特定の目的を達成するTRIAL MISSION
- 自由なデッキを使って決められた目的を達成するSPECIAL MISSION
の3種類があり、PTSを稼ぐことが出来る。今作は前作と比べてストーリーが短めだが、逆にこちらのミッションのボリュームがアップしている、とくにTRIAL MISSION・SPECIAL MISSIONは一枚一枚のカードの効果をよく理解していないとクリアは難しい。
[編集] アリーナモード
- リキッド・スネーク、リボルバー・オセロット、ヴァンプ、フォーチュン、ザ・ボス、ジ・エンドの歴代ボスキャラクターとテリコ・フリードマン、ヴィナスを含めた8人と対決するモード、実際には2名ずつ登場し歴代ボスキャラ6名は彼らの身体的、戦術的特徴をゲーム中に登場するカードで再現している。
[編集] コラボレーション
- ボクらの太陽…ジャンゴ、太陽銃などがカードとして登場している。
- ポリスノーツ…ジョナサン・イングラム、カレン・北条などがカードとして登場。
- スナッチャー…ギリアン・シード、メタル・ギアmk-IIなどがカードとして登場。
- 木下あゆ美、石井めぐる、佐野夏芽…ともにカードとして登場。また、とびだシッドシアターで三人の映像を鑑賞することができる。
- ランブルローズ…日ノ本零子がカードとして登場。また、とびだシッドシアターで映像を鑑賞することができる。
このほかメタルギアソリッド3までのすべての作品から、カードが登場されている。
[編集] 外部リンク
- ※現在は小島プロサイトTOPにリダイレクトされる。
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