メタルギア ゴーストバベル
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ジャンル | タクティカルエスピオナージアクション |
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対応機種 | ゲームボーイカラー |
開発元 | コナミコンピュータエンターテイメントジャパン |
発売元 | コナミ |
人数 | 一人・二人(通信対戦) |
メディア | ゲームボーイカラー専用カートリッジ |
発売日 | 2000年4月27日 |
価格 | 4,500円(税込4,725円) |
『メタルギア ゴーストバベル』は、2000年4月27日にメタルギアシリーズの外伝的作品として発売されたゲームボーイカラー専用ゲームソフト。
目次 |
[編集] 概要
海外からの「携帯機でメタルギアを」という要望に応え製作された、メタルギアシリーズ初の携帯ゲーム機用作品。監督は野尻真太。メタルギアシリーズの監督を務めていた小島秀夫は企画・プロデュースという形で参加している。主人公の経歴や登場人物の一部などがメタルギアソリッドシリーズと共通だが、同シリーズとは世界観を共有していない(後述)。本編のほかにも180のVRトレーニングを収録している。また、無線通信の内容もバリエーションに富んでおり、グラフィックもかなり細部まで作りこまれていて、ゲームボーイカラー用ソフトとしては最高水準の完成度を誇る。反面、高い評価の一方現在に至るまで復刻がされておらず、中古市場でもほぼ定価で販売されていることが多い。
[編集] ストーリー
出典: METAL GEAR Ghost Babel 取扱説明書より
21世紀初頭。合衆国政府を震撼させる未曾有の事件が勃発した。開発中の核搭載二足歩行戦車メタルギアが独裁軍事集団によって強奪されたのだ。
この非常事態に対し政府は、7年前武装要塞国家OUTER HEAVEN(アウターヘブン)を、たった一人で陥落させた潜入工作のエキスパート、ソリッド・スネークを召喚。敵の本拠地『ガルエード』への潜入とメタルギアの破壊を要請した。
難攻不落の武装要塞に単独挑むソリッド・スネーク。その行く手にたちはだかる謎の傭兵団『ブラック・チェンバー』。浮かび上がる過去の因縁、隠された真実。そしてメタルギアを巡る巨大な陰謀が明らかになっていく・・・
[編集] システム
基本的なシステムは、それまでの2D最後の作品であるメタルギア2 ソリッドスネークのものを引き継いでいる。 変更点として、新たに壁に張り付くことが可能になった。 また、張り付いた状態でBボタンを押すことで、スネークの背後側へ画面をスクロールさせることが出来る。
敵の視界範囲は正面方向直線状からメタルギアソリッドのような扇型に変更されている。
[編集] 登場人物
- ソリッド・スネーク
- 詳細はソリッド・スネークを参照。ただし、本作の世界は後述の通りパラレルワールド化しているため、メタルギアソリッドシリーズとは若干の設定の違いがある。今作ではOUTER HEAVEN(アウターヘブン)で父親であるビッグ・ボスを殺害したことに強い自責の念と強迫観念を抱いており、自殺願望を持っている。またこの世界では「恐るべき子供達計画」は存在せず、スネークはビッグ・ボスのクローンではなく実子ということになっている。
- クリス・ジェンナー
- デルタフォースの女性隊員。階級は軍曹。ブラック・チェンバーの襲撃(待ち伏せ)に際し、隊員内でただ一人生き残った。その正体は政府と対立する陸軍参謀長ジョン・パーカーが送り込んだスパイであり、メタルギアとそれにまつわる機密プロジェクト『プロジェクト・バベル』のデータを密かに引き揚げようとしていた。両親が離婚しており、軍に入ったのは希薄な自分を補完したかったためらしい。
- ロイ・キャンベル
- 詳細はロイ・キャンベルを参照。既に退役していたが、今回の作戦において、スネークをよく知る者として招集される。無線でスネークをサポートする。今作では政府から裏切られてテロリスト扱いされたブラック・チェンバーを、FOXHOUND部隊を率いて壊滅させた張本人であり、そのことを悔いたのが退役のきっかけとなった。
- メイ・リン
- M.I.T.(マサチューセッツ工科大学)の現役学生。新型レーダーと無線システムの開発者。無線でスネークをサポートする。セーブすると、メタルギアソリッドシリーズのような中国の格言ではなく世界の偉人の名言を語る(ゲームボーイでは漢字の表記が難しいため)。コペルソーン博士の名前もここで出てくる。
- ブライアン・マクブライド
- CIAの工作員。今回の現場であるジンドラの情報に詳しい。無線でスネークをサポートするが、独善的な性格がメイ・リンなどから非難されることも。その正体はブラック・チェンバーの一人で、経歴などを全て偽って政府に潜り込み、今回の事件の糸引き役となった。メタルギアを手中に収めたヴァイパーに応じてキャンベル達を殺害しようとするが、ウィーゼルによって返り討ちに遭う。スネークとキャンベルの招集を政府に上申したのは彼である。
- ウィーゼル(ロナルト・レンセンブリンク)
- 世界でも一流の傭兵。傭兵の事情や武器などに詳しい。無線でスネークをサポートする。「ウィーゼル」とはイタチのこと。実は政府から、本作戦に関わった全ての人間を抹殺するよう命令を受けていた。しかしスネークやキャンベルを気に入ったことから心変わりし、任務を遂行することなくスネーク達を見逃した。過去に弟を戦場で死なせており、その事に関してスネークと交わした会話も心変わりの理由の一つらしい。
- ジェイムズ・ハークス
- 10代にして今回の新型メタルギアの開発チーフを務める天才。愛称は「ジミー・ウイザード」。兵器開発をオモチャ作りのように楽しんでおり、メタルギアによって多くの人間が殺されるであろう事にも罪悪感すら抱いていなかった。しかし、スネークやクリスとの出会いにより心情に変化が現れる。救出された際に「国に帰りたい」とスネークに本音を漏らすが、ヴァイパーの罠によって命を落とした。
- 将軍(アウグスティン・エグアボン)
- ジンドラ解放戦線(Gindra Liberation Front)通称ジレフのリーダー。「民族独立」を旗印にジンドラ内の少数民族を率いて武装蜂起、瞬く間に巨大な軍事組織に仕立て上げたカリスマ的指導者。贅肉の無いすらりとした優美な体。知性と凶暴性が同居する野性的なハンサム。実は米国政府がアフリカにおいて進めていた機密プロジェクト『プロジェクト・バベル』の鍵を握る人物で、米国政府の意向を受けて意図的に紛争を起こし、アメリカが世界的な覇権を打ち立てる手助けをしていた。彼はジンドラ人ではない。スネークとの戦いで敗れ、全てのデータが入ったディスクをスネークに託し、息絶えた。
- ジョン・パーカー
- アメリカ陸軍参謀総長。デルタフォースを先遣隊としてジンドラに派遣する。その正体は政府(正確には大統領補佐官スティーブ・ガードナー)と対立する軍閥の首領。クリスをスパイとして派遣し、メタルギアのデータなどを引き揚げ、抹消しようとしていた。
- スティーブ・ガードナー
- アメリカ政府国防担当大統領補佐官。政府の実質的NO.2で、本作戦の総責任者。機密プロジェクト『プロジェクト・バベル』の産みの親であり、今回の事件の真の黒幕。OUTER HEAVEN(アウターヘブン)創設とメタルギア開発を主導したり、ブラック・チェンバーを切り捨てたのも彼である。事件を利用し、政敵であるジョン・パーカーを陥れようとしていた。『アノニマス』という偽名を持つ。元CIA長官。
[編集] 傭兵団ブラック・チェンバー(Black Chamber)
ジンドラ解放戦線によって軍事顧問として雇われた凄腕の傭兵集団。元は米国政府お抱えの傭兵部隊。政府の裏方仕事を数々こなしてきたが、2年前のある事件を解決した際に、不都合な事実の露呈を恐れた政府によって切り捨てられ、FOXHOUNDに殲滅された。
- スラッシャー・ホーク
- オーストラリアのアボリジニ。40代、身長213センチ。屈強な肉体をもつ、鷹の紋章が刻まれた1メートル以上あるブーメランと相棒の鷹を巧みに誘導する。出所不明の捨て子で、アボリジニの夫婦によって育てられた。部族の出身ではないことから周囲から疎まれたため、世界を流浪した末にブラック・チェンバーに入った。スネークとの戦いに敗れた際にも「死体は焼くな」と言い残し、最後まで部族の教えに殉じた。
- マリオネット・アウル
- 20代、国籍不明。身長175センチ。夜間戦闘を得意とし、暗闇の中を無音で移動することができる。目はフクロウ並に夜目が聞くが、異常体質で暗闇ではネコのように目が光るため、夜間戦闘では自分の目の光を隠すためのゴーグルをつける。いつも二体の文楽人形をつれている。攻略本の巻末によるとゲームボーイの年齢層を意識してメタルギアシリーズでは珍しい美青年タイプの敵キャラクターとなっている。正体は米国の女性連続殺人鬼『スペクター』であり、女性をバラバラにして殺すことに至上の快楽性を見出す人格破綻者。指名手配犯としてFBIに追われていた所をヴァイパーに引き入れられた。スネークに敗れると、幼い頃にローラという女性をバラバラに殺されトラウマとなったことを明かした。死ぬ直前、ローラの幻を見るが、その後絶望の表情を浮かべて息絶えたことから、スネークに「天国には行けなかったようだな」と皮肉られた。
- パイロ・バイソン
- 40代、国籍はアメリカ。身長186センチ。人が燃え上がっている姿に美しさを感じる男。自分で特別に調合した燃料が入った火炎放射器を使用する。勝利を勝ち取ったスネークに、呪いの言葉と内通者の可能性を示唆し、自らの火炎放射器を暴発させて焼死した。彼の過去については作中で語られない。
- ブラックアーツ・ヴァイパー
- ブラック・チェンバーのリーダー。30代、国籍はアメリカ。身長189センチ。戦場でブービートラップを使い、敵を次々と爆死させたことからブラックアーツ(暗黒魔術)という名がついた。ヴァイパーは毒蛇の意。FOX HOUNDのソリッド・スネークへの対抗意識からそう名乗っている。2年前に政府から裏切られたことに激しい憎悪を抱いており、無念の内に死んでいった仲間達のために、メタルギアを使って世界に復讐することを誓う。将軍には心酔しておらず、隙あらばメタルギアを奪おうと目論んでいた。2年前の事件で左腕を失い、義手を付けている。メタルギアに内蔵された衛星核攻撃システムを起動させてスネークに挑むが、敗れて死亡した。
[編集] ゲームの構成
メインのストーリーモードに加え、STAGE SELECT、VR TRAINING、VS BATTLEが用意されている。
- ストーリーモード
- メタルギアを巡る、本作のメインストーリー。全13ステージからなるステージクリア方式である。マップ画面はつながっておらず、ステージごとに独立している。難易度はEASY、NORMAL、HARD、VERY HARDの4段階から選ぶことができる。
- STAGE SELECT
- ストーリーモードで一度クリアしたステージを任意に選んでプレイすることができる。ストーリーモード全ステージをクリアすると、各ステージをストーリーモードとは異なる目的で攻略する、「SPECIAL」モードが出現する、「SPECIAL」モードはステージを一つクリアするごとに「No.4」という人物から、本編で語られていない裏の事実を知ることが出来る。そして全てのステージを完全にクリアするとNo.4がジャックという人物を褒め称えるメッセージが流れるが、2人とも正体不明、同じ時系列とも言われるAC!Dシリーズにも出てこない(アシッド1に、No.16とNo.108という人物が登場するが、それについては触れていない)。しかし、METAL GEAR AC!Dでは2週目のクリア時に謎の人物の会話がある。(「ジャック」はメタルギア・ソリッド2に登場する「雷電」の本名であり、メタルギア・ソリッド3に登場する「ネイキッド・スネーク」の愛称であるが、いずれも関連性は不明)
- VR TRAINING
- ステージ毎に与えられた課題をクリアしていくモード。全180種類でバラエティーに富んでいる。潜入時のメロディーはメタルギアとメタルギア2 ソリッドスネークのメロディーになっている。
- VS BATTLE(通信対戦)
- 通信ケーブルを用いた2人対戦機能。
[編集] 無線ドラマ「アイデアスパイ2.5(ツー・ハン)」
ゲーム中の無線機画面(140.07)において聞くことのできる連続無線ドラマで、PS2用ソフト『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』の監督・脚本・ゲームデザインを手がけた村田周陽の脚本。悪の通信販売企業「J.E.(ジャンカー・エクスペンシブ)」に立ち向かうアイデアスパイ、2.5(ツー・ハン)の物語。
後年、小島プロが製作したインターネットラジオ・HIDECHAN!Radio.(現・ヒデラジ)内でラジオドラマとしてリメイク、放送された。
[編集] その他
- パラレルワールド説
- このゲームには、主人公であるソリッド・スネークやロイ・キャンベル、メイ・リンが登場するなど、メタルギアソリッドシリーズと一部世界観を共通させているが、本作でもメタルギアソリッドと同様にスネークとメイ・リンが初対面(無線でだが)と思しき会話をしていることから、その世界観は直接的な繋がりはなく、一種のパラレルワールド的な位置にある。作品内時系列としては、メタルギアソリッドシリーズでいうシャドーモセス事件以前の段階で分化している。
- また、このパラレルワールドは後に発売されたメタルギアアシッドやメタルギアアシッド2と共通の時間軸を有するとされる(詳細)。
- ループデモ
- このゲームでは、電源投入後に放置しておくと表示されるループデモがブリーフィングの代わりになっている。
- そのため、ループデモにもかかわらずボタン操作でメッセージ送りが出来るという、他にあまり類を見ないものとなっている。
- また、放置して見続けた場合の時間は約10分と、(特に携帯ゲームとしては)特筆に価する長さである。
- スネークの初期装備
- 「武器も装備も現地調達」で有名なメタルギアシリーズでの、スネークの数少ない初期装備のひとつとしてタバコが有名だが、本作では何故か発煙筒(ゲーム中の表記は「ハツエントウ」)が初期装備とされている。
- 恐らく携帯ゲーム機ということで対象年齢層を考えての変更か、あるいはなんらかの規制による変更と思われるが、詳細は不明。
- なお、ループデモ中にスネークが輸送機内でタバコと思しき煙をくゆらせるシーンがあるが、表示されるのは煙だけで、タバコ自体は表示されていない。
- 海外でのタイトル
- 日本でのタイトルは「メタルギア・ゴーストバベル」であり、メタルギアソリッドに似たタイトル文字の「SOLID」と書かれている部分が塗りつぶされているが、海外版のタイトルは「MetalGearSolid GhostBabel」あるいは単に「MetalGearSolid」である。
- 公式サイトの「ENGLISH」のページを見ると、ロゴの違いが確認できる。
[編集] 外部リンク
- ※現在は小島プロサイトTOPにリダイレクトされる。
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