第50回NHK紅白歌合戦
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第50回NHK紅白歌合戦は、1999年12月31日にNHKホールで行われた、通算50回目のNHK紅白歌合戦。19時30分~21時20分および21時30分~23時45分にNHKで生放送された。
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[編集] 概要
- 第44回以来、6年ぶりに放送開始時間が19:30(JST)に繰り上がった。
- 当時の史上最多の観覧応募総数598,753通(約208倍)の中から約3,000人がホールで観覧した。
- 出場歌手が決定する以前、マライア・キャリー、ローリング・ストーンズといった海外の大物アーティストが出場するのではないかと一部スポーツ新聞・ワイドショー等で報道されたが、実際には出場しなかった。
- ゴダイゴが1980年(第31回)以来、19年ぶり3回目の出場。
- 三波春夫が1989年(第40回)以来、10年ぶり31回目の出場(歌唱は「元禄名槍譜 俵星玄蕃」)。翌2000年(第51回)は出場せず、その翌年の2001年4月に三波は逝去。三波の生涯最後の紅白出場となった。
- かぐや姫が初出場。
- 翌年の3月での解散を発表していたSPEEDが最後の紅白出場。メドレーや別れを告げる鐘の音を入れた「my graduation」の特別アレンジ版『my grэduation ’99』を歌った。終了後は紅組出演者や事務所の後輩である白組のDA PUMPらに讃えられた。SPEEDはその4年後(2003年)に再結成するも、同年の紅白への再出場には至らなかった。
- 「だんご3兄弟」を歌う茂森あゆみと速水けんたろうはユニット名義が「速水けんたろう・茂森あゆみ」と速水の方が先である為、白組出場が予想されていたが、出場歌手発表の場では茂森の方を先に表記すると言う処置で実際は紅組出場であった。
- 松たか子の曲紹介は紅組司会の久保純子ではなく、白組司会の中村勘九郎が行った。これは、松と中村は親戚であるためである。
- これまで紅白歌合戦に正規の出場者としては出場していないKinKi KidsとV6がショータイムのプレゼンターとして登場した。この演出の中で両組共に持ち歌のサビを歌唱した(キンキが「フラワー」、V6が「Believe Your Smile」)。
- 「アメリカ橋」を2年連続で歌唱した山川豊は同曲を作曲した平尾昌晃と共に熱唱した。また、平尾は7年後である2006年(第57回)からエンディングの「蛍の光」の指揮者に起用された。
- 野猿が初出場。これにより、木梨憲武は3回目の初出場に(第42回ではとんねるず、第47回では憲三郎&ジョージ山本として)。メンバーはとんねるず初出場のときと同様、アフロヘアーのかつらをかぶり、紅白に全身を塗った格好で登場。この初出場の舞台裏の映像はフジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげでした』内で後日に放送した。
- 元ザ・スパイダースの堺正章・ムッシュかまやつ・井上尭之からなる三人組・Sans Filtre(ソン・フィルトル)が初出場。
- 第50回を記念にし、今回の出場歌手の中で司会経験もある、松たか子、和田アキ子、加山雄三、堺正章、中居正広が久保・中村とトークをする特別コーナーが設けられた。
- 応援合戦のゲストとして、85周年を迎えた宝塚歌劇団と司会の中村との縁で歌舞伎が登場した。宝塚と歌舞伎の共演は初めてである。
- 松田聖子と郷ひろみが直接対決したことが話題になった。曲紹介時はそのことについて特に触れられなかったが、審査員の津川雅彦が聖子・郷に触れ「NHKもやるな」とコメントして、会場の笑いを誘った。
- NHKが実施した「21世紀に伝えたい歌」と言うアンケートの1位が美空ひばりの「川の流れのように」であったため、ひばりを慕っていた天童よしみが同曲を歌唱した。
- デビュー35周年だった五木ひろしは紅白で歌われたことが無かった「夜空」を熱唱した。
- 立川談志は、中村勘九郎の抜き打ちで、ゲスト出演を果たした。
- 一部大トリの前川清歌唱後と番組終了後に、全出演でオリジナルソング「21世紀の君たちへ~A song for children~」を合唱した。番組終了後の歌唱時は、審査員も歌唱し、田村亮子も大きな声で歌っていた。この楽曲はスタッフが、「紅白50回」と「未来へのメッセージソング」と言うテーマでスティービー・ワンダーにオリジナルソングの制作を依頼し、さだまさしが日本語歌詞に翻訳したものである。
- 紅組トリは和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」で、2年連続。特別審査員であった同曲の作詞者である阿久悠の目の前での歌唱であった。
- 大トリは北島三郎の「まつり」。
- 審査員審査では6-5で紅組がリードしたが、客席審査で白組が逆転し、6-7で白組の逆転優勝。白組が勝利した直後、その年の大河ドラマの『元禄繚乱』にちなみ赤穂浪士の格好をした野猿他白組メンバーが中村勘九郎を胴上げした。
- 終了後は出演者とNHKホールの観客が年越しのカウントダウンを行った。
- 「50回」にちなんだ数多くの取り組みも功を奏さず、視聴率は50.1%で前回より約7ポイント低下。
- 白組司会を務めた中村は司会はこの回のみであるが、翌2000年(第51回)には応援ゲストとして参加し、2004年(第55回)、2007年(第58回)では特別審査員を務めるなど、この後も度々紅白に出演している。
[編集] 司会者
[編集] 演奏
- 三原綱木とザ・ニューブリード・東京放送管弦楽団(指揮 三原綱木)
[編集] 審査員
- 出島武春(大相撲・大関)
- 松嶋菜々子(女優)
- 内館牧子(脚本家。翌年上期の連続テレビ小説『私の青空』の作者)
- 野村萬斎(狂言師)
- 田村亮子(柔道選手)
- 津川雅彦(俳優。翌年の大河ドラマ『葵徳川三代』の主人公・徳川家康役)
- 草笛光子(女優。同じく『葵徳川三代』の北の政所役)
- 阿久悠(作詞家・作家)
- 福嶋晃子(プロゴルファー)
- 乙武洋匡(早稲田大学政治経済学部4年生)
- 伊東律子・NHK番組制作局長
- 客席審査員(NHKホールの観客全員)
[編集] 出場歌手
[編集] ゲスト出演者
この年の応援ゲストは、50回という節目の回らしく、森繁久彌・山田五十鈴・萩本欽一・立川談志・王貞治・飯島直子など大物・人気のタレントが大量に番組の随所に登場し、番組を賑やかに盛り上げた。
- 立川談志(落語家。鳥羽一郎の曲紹介)
- 竹内結子(女優。この年下期の連続テレビ小説『あすか』のヒロイン・宮田あすか役。MAXの曲紹介)
- 佐藤仁美(女優。同じく『あすか』の藤吉舞役。同上)
- 梅沢富美男(俳優。同じく『あすか』の藤吉玉治郎役。同上および坂本冬美の曲中)
- KinKi Kids(歌手。「伝説のスーパーヒーローショー」)
- 九重貢(大相撲・九重部屋親方。同上)
- 山下泰裕(全日本柔道連盟強化ヘッドコーチ。同上)
- 王貞治(福岡ダイエーホークス監督。同上)
- 鈴木その子(料理・美容研究家・トキノ会長。吉幾三の曲紹介)
- いっこく堂(腹話術師。Kiroroの曲紹介)
- 桜金造、えなりかずき、重田千穂子、魁三太郎(タレント。『コメディーお江戸でござる』出演者)
- 山田花子、藤井隆、石田靖(タレント。Every Little Thingの曲紹介)
- 渡辺えり子(女優。この年の大河ドラマ『元禄繚乱』の阿久利役。前川清の曲紹介)
- 大竹しのぶ(女優。同じく『元禄繚乱』の主人公の妻・大石りく役)
- 六平直政(俳優。同じく『元禄繚乱』の奥田孫太夫役)
- 松坂大輔(西武ライオンズ投手。野猿の曲紹介および「スポーツヒーローショー」)
- 萩本欽一(コメディアン)
- 爆笑問題(漫才師。globeの曲紹介)
- 優香(タレント。同上)
- 真琴つばさ(宝塚歌劇団月組男役。「紅白50回ザッツエンターテインメント」)
- 紫吹淳(同・月組男役。同上)
- 檀れい(同・月組娘役。同上)
- 中村蝶十郎、坂東弥十郎、中村獅童(歌舞伎俳優。同上)
- 森繁久彌(俳優。同上)
- 飯島直子(タレント。同上)
- 山田五十鈴(女優。八代亜紀の曲紹介)
- 舞の海秀平(大相撲・元小結。長山洋子の曲紹介)
- V6(歌手。「スポーツヒーローショー」)
- 阿武教子、前田桂子(柔道選手。同上)
- 塚原直也(体操選手。同上)
- 浜口京子(レスリング選手。同上)
- 近内圭太郎、田島寧子(水泳選手。同上)
- 平瀬智行(鹿島アントラーズフォワード)
- 神田うの(タレント。郷ひろみの曲紹介)
=== 演奏ゲスト ===
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- NHK紅白歌合戦公式サイト
- 紅白歌合戦完全マニュアル - 視聴率など。
- Red and White Song Festival
- 紅白歌合戦出場歌手・曲目一覧
- 紅白歌合戦情報 - リンク集など
- NHK総合「紅白歌合戦」 - ビデオリサーチ。1962年(第13回)以降のテレビ視聴率を掲載。
NHK紅白歌合戦 1951 | 1952 | 1953 1月 | 1953 12月 | 1954 | 1955 | 1956 | 1957 | 1958 | 1959 |