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山陽電気鉄道5000系電車 - Wikipedia

山陽電気鉄道5000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

山陽電気鉄道5000系電車(さんようでんきてつどう5000けいでんしゃ)は、山陽電気鉄道が所有する3扉セミクロスシートの通勤形電車である。

当初は2700系300270形といった旧性能車の置き換え用として計画・製造され、普通列車運用に充当されていたが、その後の増備・増結によって特急運用にも充当されるようになり、現在では直通特急をはじめとした優等列車運用を主体に使用されている。

本系列は1986年から1995年にかけて製造された5000系1997年及び2000年に製造された5030系の2グループに大別される。

両系列は、制御方式(5000系:界磁添加励磁制御・5030系:VVVFインバータ制御)が相違するが、車体構造や主電動機および主制御器を除く主要機器はほぼ共通しており、両車が混結されている編成も存在することから、本項では両系列を併せて取り扱う。また、本項では解説の便宜上、神戸(西代三宮)方先頭車+F(Formation=編成の略)を編成名として記述(例:5020以下6両編成=5020F)する。

なお、製造は全車とも川崎重工業兵庫工場が担当している。

山陽電気鉄道5000系電車
山陽5000系 大阪ライナー(2006年6月撮影)
山陽5000系 大阪ライナー(2006年6月撮影)
起動加速度 2.8km/h/s
営業最高速度 110km/h
車両定員 先頭車120 中間車130
全長 19,000mm
全幅 先頭車2,800 中間車2,796mm
全高 4,060 4,100(パンタグラフ搭載車)mm
車両重量 34.5~35.4t(5000形偶数車) 35.3~36.2t(5000形奇数車) 34.0~36.2t(5200形) 26.9t~28.0t(5600形) 24.5t(5500形)
軌間 1,435mm
電気方式 直流1,500V
歯車比 82:15(5.47)
駆動装置 WN平行カルダン駆動方式
電動機 三菱電機製MB-3020S4 125kW
ブレーキ方式 HRDA-1電気指令式
メーカー 川崎重工業

■Templateノート 解説)鉄道PJ

目次

[編集] 5000系

[編集] 概要

本系列製造開始以前の山陽電鉄の主力車種であった3000・3050系は、従来の2000系が営業政策や運用上の様々な方針の変化に翻弄されて極めて複雑かつ多様な車体・機器構成[1]となって運用・保守の両面で不都合であったことへの反省から、3扉ロングシートという仕様を墨守して1964年から1985年まで22年の長きにわたり、合計133両が製造[2]された。

この3000・3050系は、神戸高速鉄道開業前後を中心とした高度経済成長期の山陽電鉄の輸送力増強に大きく寄与したほか、その後の増備では老朽化した在来車[3]の置き換えに充当され、結果として車両性能・輸送力の標準化と接客設備の品質向上、それに保守の合理化に大きく貢献した。

こうしてマイナーチェンジを加えつつ長期間にわたって製造された3000・3050系であるが、並走する競合線区である日本国有鉄道(国鉄)山陽本線新快速快速用主力車両がクロスシートの117系[4]113系の各系列であったことから、それらと比較した場合、接客設備面で明らかに見劣りした[5]。さらに、3000系の基本設計は1960年代中期のものであり、今後もそのまま増備を続けた場合、接客設備面のみならずシステム面でも陳腐化が進むことが否めなかった。こうした事情から、1983年には現在の山陽電気鉄道が宇治川電気から独立して50周年を迎えたこともあり、その記念の意味も込めて3000系の後継となる新型車の検討が進められ、クロスシートや新しい制御方式の試作車として1編成を製造することが計画された。

しかし、こうした新形式の投入方針は、旧型車の置き換えと国鉄分割民営化対策の2点から急遽変更されることとなった。

この頃には旧型車の置き換えも最終段階に入り、1985年末には2700系3両、300形8両、270形15両の3形式26両を残すのみとなっていた。これらは、神戸高速鉄道開業に伴う同社線乗り入れに適さない在来車の淘汰を目的とした車体更新車として、1960年代に車体を製造[6]したものであったが、流用品を主体とする主要機器の老朽化が著しく、乗り心地の面でも問題があった。また、15m3扉の300形と17m2扉の270形といった中小型車の存在は輸送力確保と整列乗車の面から問題があった。

さらに、国鉄分割民営化の内容が明らかになるにつれて、山陽本線が従前にも増して強力なライバルになることが予想されたことから、まとまった数の新形式を投入して一気に旧性能車を置き換え、冷房化を含めた接客レベルの向上を図ることで乗客の逸走を防ぐことが営業政策上強く求められた。このような状況下で計画された本系列は、当時の私鉄電車ではあまり類例のない普通列車専用のセミクロスシート車として、山陽としては神戸高速鉄道開業時以来の大量増備となる、3両編成7本の計21両が一挙に製造されることとなった。

以後、本系列は1995年までに5000形5000 - 5023、5200形5200 - 5211、5500形5500 - 5511、5600形5600 - 5611の合計60両が製造された。

[編集] 車種構成・編成

当初は制御電動車(偶数番号)および中間電動車(奇数番号)である5000形と制御車である5600形の2形式3車種のみで構成されていたが、営業政策の転換で運用が普通主体から優等列車主体にシフトしていったことから、中間車の新形式が順次追加されている。

編成は神戸側から5000形偶数番号車(M´c:制御電動車)-5000形奇数番号車(M:中間電動車)-5600形(Tc:制御車)の3両編成を基本とする。

4両編成を組成する場合はMとTcの間に5500形(T:付随車)を組み込み、6両編成ではさらにTとTcの間に5200形偶数番号車(M´:中間電動車)-5200形奇数番号車(M:中間電動車)あるいは5230形奇数番号車(M2:中間電動車)-5250形(M3:中間電動車)を組み込む[7]

5000形と5200形はそれぞれ奇数番号車と偶数番号車でMM'ユニットを構成し、偶数番号車に補機類を、奇数番号車に2基のパンタグラフと主制御器を搭載する。なお、5200形は中間電動車のみでMM'ユニットを構成するが、これは山陽電鉄では初の事例である。

[編集] 車体

車体は3050系3066F以降、山陽の標準となったアルミ大型・薄肉中空押出形材を自動溶接で組み立てる方式を引き続き採用する。

前面のデザインは3000系から大きく変更され、運転台側は前方視界の良好な高運転台構造を継承したものの、車掌台側は前面窓寸法を下方向に拡大して左右非対称となり、運転台下部にナンバープレートを取り付けた。併せて前照灯を角型シールドビーム2灯に変更のうえ貫通扉直上に配し、3000系では貫通扉窓下に上下2段に配していた方向幕及び種別表示幕を、方向幕は運転台窓上に、種別表示幕は車掌台窓上に、それぞれ移設、運転台下部も含めてブラックフェイス処理を施すとともに大型窓ガラスで一体化した。なお、従来は左右窓上に設置されていた標識灯はLED化された上で車体裾部に移設されている。

窓配置は制御電動車および制御車の運転台側が1dD3D3D2、車掌台側がd1D3D3D2、電動車および付随車が2D3D3D2(d:乗務員扉、D:客用扉)で、幅1,300mmの両開き扉を備える関西私鉄では一般的な19m級3扉車である。側窓は3066F以降と同様に扉間部3連、車端部2連の大型ユニットサッシを採用し、開口部分は上段下降、下段固定式となっている。窓形状はその後のモデルチェンジによって固定窓を採用したり中間窓が大きくなったりしたが、窓配置そのものは構体設計に制約されるためもあって大きな変更はない。運転台付き車両の窓配置が運転台の奥行きを確保するために左右で異なっているが、3000系と比較して乗務員室の奥行きを拡大したため、運転台側は3000系にあった乗務員扉と客用扉の間の戸袋窓が省略されており、車掌台側も3000系の乗務員扉と客用扉の間にあった開閉式の客用窓が廃止され、戸袋窓に変更されている。

また、車体断面も変更されており、3000系で設けられていた車体裾部の丸みが省略されたことから、全体として直線的な印象となっている。

客用扉は3066F以降と同様、耐久性の点で勝るステンレス製であるが、乗務員扉はアルミ製に変更された。

全車アルミ車であることから車体は無塗装のヘアライン仕上げが施され、アクセントと警戒色を兼ねて山陽軽合金車伝統の赤帯が腰回りに配されている。ただし、3000系までとは異なりドア部分も含めて幅300mmの太い帯が回され、乗務員扉から前頭部の帯は側面より太くされて警戒色の役割を与えられた。この警戒帯は、5020F以降はV字ラインに変更されている。

接客設備については、当初、中央扉を境とする相互離反式固定クロスシートが採用された。扉間にはバケットタイプの固定クロスシートを設置するが、車端部にはラッシュ時対策として従来と同様のロングシートを配した。クロスシートの最前列の前には座っている乗客と立席客を仕切り、乗降を円滑にするためのスタンションポール代わりのパイプが荷棚付近まで立ち上がっている。

この仕切は座席配置を見直し、転換クロスシートに変更された5020F以降は、パネルクッション付の衝立に変更されている。化粧板は3066F以降と同様に大型のFRP樹脂一体成型品を採用する[8]。また、3000系とは異なり車掌台直後に2人掛けのロングシートが設置されたほか、蛍光灯にも樹脂製グローブが取り付けられた。

なお、冷房装置は3050系で採用された集約分散式から、集中式のCU-71S[9]に変更されている。

[編集] 主要機器

[編集] 主制御器

制御器は当初界磁チョッパ制御やVVVFインバータ制御の採用が検討されたが、前者は新たに複雑な構造の複巻電動機を搭載する必要があることが保守面で問題とされ[10]、後者は技術的に時期尚早と判断された[11]ことから、いずれの方式も採用を見送られ、既存のモーターが活用でき、省エネルギー効率も高い界磁添加励磁制御[12]が採用されることとなった。これにより1C8M制御方式の富士電機製KMC-301が新たに設計され、M車に搭載された。

[編集] 主電動機

保守の容易さを重視し、3000・3050系と共通の三菱電機製MB-3020S4[13]を採用した。1次車には新製品が搭載されたが、2次車は一部で2000系の淘汰および2300系の電装解除で発生したMB-3037[14]を3000形に搭載して3200形へ改造[15]し、これにより玉突きで捻出された中古品のMB-3020S[16]を流用して搭載している。

駆動装置もWN駆動が継承され、歯車比も3000・3050系と同一の82:15(5.47)となった。

[編集] 台車

1・2次車は3066F以降と共通の円筒案内式ダイレクトマウント空気バネ台車である川崎重工業KW-35(Mc・M用)・36A(T・Tc用)を5000系向けに設計変更したKW-35B(Mc・M用)・36B(T・Tc用)をそれぞれ装着した。

ただし、5012Fについては軸梁式ボルスタレス台車の試作品である川崎重工業KW-73(Mc・M用)・74(T・Tc用)を試験装着して落成し、実用化に向けた長期試験に供されたが、これは4年間に渡る試験の後でKW-35・36Aを装着する5018Fとの間で台車交換が実施された。

この試験の成果を受けて、5020F以降は軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車[17]のKW-93(Mc・M用)・94(T・Tc用)に変更され、前述の通り5012Fと台車を交換した5018Fについても6両編成化と併せてこれらの台車が装着されている。

[編集] 集電装置

パンタグラフは分散式冷房装置搭載スペースを確保する必要から下枠交差式のPK-57・60を採用した3050系とは異なり、冷房装置が集中式となったこともあり、廃車発生品の菱枠形パンタグラフであるPK-55が採用された。

[編集] ブレーキ

ブレーキは山陽初となる全電気指令式ブレーキの日本エヤーブレーキ[18]HRDA-1が採用された。従来の直通管と非常管、それに元空気だめ管を引き通し、かつ電磁弁のための指令信号を引き通す複雑なHSC-D電磁直通ブレーキとは異なり、4本の指令信号線と1本の空気管を引き通すことで簡潔かつ応答性の高いブレーキシステムを構成するものである。

[編集] 個別分類

山陽5000系 1次車
山陽5000系 1次車

[編集] 1次車(5000 - 5013・5600 - 5606)

1986年6月から8月にかけて5000F - 5012F(5000 - 5013・5600 - 5606)の3両編成7本(21両)が製造された。クロスシートのモケットは、先頭車と中間車で配色が異なっており、先頭車が座面中央部がブラウン・左右オレンジで、中間車は中央マルーン・左右はカーマインレッドとなっていた。このため、登場時に配布されたパンフレットにはロマンスシートと茶系統の座席モケットの色調をかけ合わせた「マロンシートカー」の愛称で紹介されていた。また、このグループではクロスシートの背ずり背面まで左右のモケット地が張られており、当然のことながら先頭車と中間車で色が異なっていた。

[編集] 2次車(5014 - 5019・5500~5503・5607 - 5609)

1988年5月から1989年7月にかけて、5014F・5016F・5018F(5014 - 5019・5607 - 5609)の3両編成3本(9両)及び5500 - 5503の4両の合計13両が製造された。

このグループでは、まず後述するように特急運用に本系列を投入することとなり、4両編成化のために付随車が必要となったことから、1988年5月に5500形5500・5501の2両が、翌1989年5月には5502・5503の2両が製造された。また、この頃になると3000系の冷房改造も最終段階に入り、非冷房車である2000系の今後の扱いについて検討されていたが、結局は冷房化の促進と保守コストの削減のために本系列の増備を行い、これにより2000系の淘汰を行うことが決定された。このため、1988年12月には5014Fの3両編成1本が、1989年7月には5016F・5018Fの3両編成2本がそれぞれ製造され、2000系2008F・2010F・2014Fの3編成を代替した。

1次車からの主な変更点は、1次車でクロスシート背ずり背面のモケットがむしりとられるいたずらが多発していたことから背面を化粧板に変更した点や、側帯の貼り方の微修正、将来の6両編成化を睨んで先頭車にジャンパ栓を設けたことによってスカートの形状が変更された点などである。

山陽5000系 3次車
山陽5000系 3次車

[編集] 3次車(5020 - 5023・5200 - 5205・5504 - 5509・5610・5611)

2000系の最終置き換えと特急の一部6両運転開始に備えて製造されたグループで、1990年に5020F・5022F(5020 - 5023・5504 - 5505・5610・5611)の4両編成2本(8両)が、翌1991年には5018F - 5022Fの3本を6両編成とし、同時に5008F - 5012Fの3本を4両編成とするために中間電動車ユニット5200 - 5205の6両及びT車5506 - 5509の4両、合計18両が製造された。2次車をベースに乗務員室で一斉転換可能な転換クロスシートを装備し、シートモケットの色もワインレッドのチェック地に変更された。また、この転換クロスシートは端部の座席も転換することができ、全座席が進行方向を向くことが可能である。このため、前述のようにクロスシート部分の仕切形状も変更になってパネルクッション付の衝立となったほか、ロングシート部分にもモケット張りの袖仕切が取り付けられた。台車も前述のようにこのグループから軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車のKW-93・94に変更されている。この他、側帯から前面警戒帯にかけてのラインがV字状に変更されたほか、特急停車駅の内、大塩飾磨の2駅でホーム有効長が最大4両編成分しかなかった[19]ため、2両分のドアカットスイッチ及び戸閉回路を設けた[20]

[編集] 4次車(5510・5511)

1993年に当時3両編成のまま残っていた5014F・5016Fを4両編成にするため5510・5511の2両が製造された。窓形状が若干変更され、扉間の3連窓の中央部と車端部の2連窓の妻寄りは従来の2段窓であるが、それ以外の窓が一枚式の固定窓となった。また、外枠の縦桟と下枠の一部がつや消し黒に着色されている。山陽電鉄で初めて車いすスペースを姫路寄り山側のロングシート部分を短縮して設置したほか、台車も3次車と同じKW-94であるが、山陽としては初めて新造時から波打車輪を採用した。

[編集] 5次車(5206 - 5211)

1995年に5012F - 5016Fの3本を6両編成化するために中間電動車ユニット5206 - 5211の6両が製造された。4次車をベースに製造されたが、窓の形状が大幅に変更され、従来等間隔だった扉間の3連窓が中央のみ幅1,500mmの大きな1枚窓になってシートピッチとの一致と眺望の改善が図られ、両端の窓が2段窓となったほか、日よけのカーテンがフリーストップ式となった。この他、優先座席部分のシートモケットが緑色のチェック地に変更されたほか、窓枠の着色が中止された。なお、このグループが本系列の最終増備車となった。

山陽電気鉄道5030系電車
山陽5030系 100周年記念ヘッドマーク付き
山陽5030系 100周年記念ヘッドマーク付き
起動加速度 2.8km/h/s
営業最高速度 110km/h
車両定員 先頭車120 中間車130
全長 19,000mm
全幅 先頭車2,800 中間車2,796mm
全高 4,060 4,100(パンタグラフ搭載車)mm
車両重量 33.1~33.7t(5230形) 28.3t(5630形) 24.4t(5530形)
軌間 1,435mm
電気方式 直流1,500V
歯車比 82:15(5.47)
駆動装置 WN平行カルダン駆動方式
電動機 富士電機製MLR105 170kW
ブレーキ方式 HRDA-1電気指令式
メーカー 川崎重工

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[編集] 5030系

[編集] 概要

1998年2月15日から開始された姫路-阪神梅田間直通運転に伴う所用編成数の増加に伴い、5000系をベースに新規設計された。

新規設計の理由は従来山陽が標準としてきた主電動機の製造打ち切りや、VVVFインバータ制御の一般化など周辺状況の変化に伴うものである。

本系列は1997年及び2000年に20両が製造された。5000系と比較して、制御装置がIGBT方式VVVFインバータ制御に変更されたほか、1人-2人掛け転換クロスシートを採用(車端部はロングシート)するなど内装面でも変化が見られる。

[編集] 車種構成・編成

編成は神戸側から5630形偶数番号車(Tc1:制御車[21])-5230形奇数番号車(M1:中間電動車)-5230形偶数番号車(M2:中間電動車)-5530形(T:付随車)-5250形奇数番号車(M3:中間電動車)-5630形奇数番号車(Tc2:制御車)の6両編成を基本とする。

基本的な附番ルールは5000系に準じるが、基本形式である5030形が設定されておらず、また単独の電動車となったM3はM1・M2から番号を離した5250形とされた。

なお、M1 - M3の電動車3種はいずれも集電装置関連以外は基本的に共通設計である。

[編集] 車体

車体は5000系5次車に準じており、窓配置も継承しているが、座席は阪神線内の混雑に対処するために山側1人-浜側2人掛けの転換クロスシートとなった[22]ほか、車内スピーカーも増設された。

1次車2編成には阪神9000系9300系5500系と同じく扉開閉予告ブザーが装備されているほか、車内にはLED式案内装置と非常電話装置が標準装備されている。

2次車ではアルミニウム構体の接合法が外板の見栄えの向上を図るためにミグ溶接から摩擦攪拌式(FSW)に変更され、新車間の連結面には外幌が取り付けられた。また、クロスシートの配置が山側2人-浜側1人掛けと逆になったほか、5000系の編成に2両ずつ挟んで使用するため、車内案内装置と非常電話装置は準備工事にとどまっている。

冷房装置は5000系のCU-71Sを低騒音・高効率形に改良したCS-71SCを搭載している。またこの機種変更により、これまで屋根上の冷房機の前後左右各1基ずつ搭載されていた通風器が廃止されている。

[編集] 主要機器

[編集] 主制御器・主電動機

山陽初採用となったVVVFインバータ制御装置は、高耐圧IGBT素子を使用する3レベルインバータ制御器の富士電機CDA964で、モーターをIGBT素子で1基ずつ制御する個別制御方式を採る。

山陽では2000系以降長らく「富士電機製の制御装置+三菱電機製のモーター」の組み合わせであったが、本系列では制御器との組み合わせの関係上、モーターも富士電機製三相交流誘導電動機であるMLR105[23]となった。この電動機は保守上3000・5000系と駆動装置を共通化することが求められたため、高回転数化により軽量化と出力強化の両立を図るケースが多いこの種の誘導電動機としては異例の強トルク低回転数設計となっており、歯車比も5000系以前と共通の82:15(5.47)である。

[編集] 台車

5000系5020F以降に採用された軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車であるKW-93(Mc・M用)・94(T・Tc用)を小改良したKW-93A(M用)・94A(T・Tc用)をそれぞれ装着する。

[編集] 集電装置

パンタグラフは廃車発生品のPK-55のストックがなくなったことから、M1とM3に下枠交差式パンタグラフのPK-60(1次車)あるいはPK-80(2次車)を各車に2基ずつ搭載し、M2へは隣接するM1あるいはM3から給電される。PK-80は山陽初の電磁かぎ外し式で、1次車についてもM3は後にこれに交換している。

[編集] ブレーキ

5000系のHRDA-1電気指令式ブレーキを踏襲採用する。

[編集] 補機

補助電源装置は両端のTc車にIGBT方式のSIV(170kVA)を搭載、片方が故障しても冷房装置の能力を半減させるだけで運転を継続する機能を有しているほか、CPも交流モーター対応のHS20-1が採用され、メンテナンスフリーが図られた。

[編集] 個別分類

[編集] 1次車(5230 - 5233・5250・5251・5530・5531・5630 - 5633)

翌1998年の直通特急運転開始に備え、1997年に5630Fと5632Fの6両編成2本(12両)が製造された。

基本的には中間車しか製造されなかった5000系5次車を編成単位で新製したような外観であるが、3078F以来久々の下枠交差式パンタグラフ搭載となり、クーラーカバーの形状が変更され、さらには通風器も省略されたため、側窓だけではなく、屋根上も在来車とはやや印象を異にしている。

[編集] 2次車(5235・5237・5239・5241・5252 - 5255)

2001年3月のダイヤ改正において直通特急をそれまでの昼間時30分間隔から15分間隔に増発しただけでなく、山陽特急は土曜・休日の夜間の一部の列車を除く全列車が阪神梅田駅まで直通運転を実施することになったことから、5000系の内、5004F - 5010Fの4両編成4本へ中間車を2両ずつ増結して6両編成化することとなり、2000年にM2車の5235・5237・5239・5241とM3車の5252 - 5255の合計8両が製造された。基本的には5030系1次車から大きな変更はないが、行先表示器が5241・5255が組み込まれる編成に対応してLED式に変更されている。なお、2次車のナンバリングは将来Tc1-M1-T-Tc2が増備されて5030系だけで6連を組成した場合に対応したものとなっている。

[編集] 運用

この項では、1986年の登場時から1997年の5030系登場前までの時期とそれ以降現在までの時期に区分して記述する。

[編集] 登場、そして新しい主役へ(1986年-1997年)

山陽で久しぶりの新形式となった本系列は、1986年6月から8月にかけて3両編成7本計21両が登場[24]、7月中旬以降から営業運転を開始した。久々の新型車、それも2000系2010F以来となるクロスシート車であることから、デビュー前からポスターやパンフレットで周知とPRを図ったほか、営業運転開始前には試乗会も実施された。この試乗会は1日1往復2日間の日程で計画されていたが、応募者の数が当初予想を大きく上回ったため、急遽1日3往復2日間に変更されるほどの評判の高さであった。

こうして当初の計画どおり本線、網干線の普通運用に充当され、最後まで残存していた旧型車を置き換えて、冷房化率の向上をはじめとした旅客サービスの向上に寄与した本系列であるが、久々のクロスシート車であることから、周囲に拒否反応が出た場合を想定してロングシートに容易に改造できる構造になっていた。ところが、就役後は乗客からの評判は高く、乗客や営業サイドからはクロスシートの本系列を特急運用に充当してほしいとの要望が出るようになった。登場翌年の1987年には3000系の代走で特急運用に入ったほか、早春の観梅シーズンに運転されていた網干線直通の臨時特急である「観梅号」にヘッドマークをつけて充当されるなど、徐々に優等列車に起用される機会が増加、ついに1988年には5500・5501のT車2両が登場して5000Fと5002Fを4両編成化、ラッシュ時の運用を避けた形ではあるが、本格的に特急運用に充当されるようになった。また、同年8月から5000Fが車内広告の代わりに沿線小学校の児童の絵を掲出するようになり、「クレヨン号」のヘッドマークを取り付けて運転されるようになった。こうした経過を踏まえて、前述のとおり2000系の代替を5000系で行うことが決定され、同年の冬から翌1989年夏にかけて5014F・5016F・5018Fの3両編成3本が増備されるとともに、5502・5503のT車2両も製造されて5004F・5006Fに編入、特急運用に充当される機会も増加した。

1991年4月の明石駅周辺の連続立体化工事完成を期に特急の6両編成での運行を開始することとなった。6両編成運用そのものは、須磨浦公園駅以東の区間において神戸高速鉄道を介して乗り入れてくる阪神及び阪急の車両によってすでに行われていたが、山陽車による全線通しでの営業運行は初めてであった[25]ことから、その準備は早い時期から行われることとなった。特急停車駅のホーム延長もそのひとつであるほか、実際に6両編成の列車を運行してデータを収集することも行われた。当初は夜間が主体であったが、1989年10月24日には初の6両編成による昼間試運転が東二見霞ヶ丘高砂-東二見の各駅間において実施され、5016F+5018Fの3両編成2本が充当された。6両編成化に向けた車両の増備は着々と進み、1991年3月までに5018F・5020F・5022Fが6両編成化されたほか、同時に製造された5506を5012Fに組み込むとともに当初5020F・5022Fに組み込まれていた5504・5505をそれぞれ5008F・5010Fに編入して、下一桁の番号が揃った形で4連化された。このとき3連のまま残った5014Fと5016Fは5014F+5016Fの3両編成2本の形で6両編成化された。このほかの変化としては、5012Fと5018Fとの間で台車換装が実施され、5012Fの各車が装着していたKW-73・74を5018FのKW-35B・36Bと交換した。5018Fはしばらくの間KW-73・74を装着して走っていたが、6連化の際に、組み込んだ5507-5200-5201と同じKW-93・94に交換された。その後の山陽の車両にはボルスタレス台車の採用はなかったが、KW-73・74の使用経過はメーカーの川崎重工にフィードバックされ、台車技術の進展に寄与することとなった[26]。また、5000系3次車によって2000系を完全に置き換えたことで保有車両が2300・3000・5000の3系列[27]に絞られたほか、前述のように製造時における廃車発生品の有効活用や形式間のモーターや電装品の共通化が図られたことによって、製造コスト及び保守コストの削減にも貢献した。

6連運行の開始後、2年半のブランクののちに4次車5510・5511の2両が1993年11月に増備されたが、登場直前の同年9月に5016Fと5018Fのうち固定クロスシートであった5016 - 5019・5608・5609の計6両が転換クロスシートに改造された。このときの改造では、新造車と異なって中央扉周囲のクロスシートが固定式となっていることが特徴である。また、この6両から取り外されたクロスシートは3076F・3078Fのクロスシート化に活用され、4両編成となった5014Fと5016Fの代わりに3両編成2本による6両編成を組成した。また、5510と5511の増備の際には、以前に行われたような下一桁の番号を揃えるT車の組み替えは行われていない。

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、5022Fが、地下トンネルが崩落した神戸高速鉄道大開駅を間一髪通過、脱線してパンタグラフは破損したものの車体に大きな被害はなく、脱線復旧後新開地駅に引き上げ、地下線内の狭いスペースの中で検査とパンタグラフの換装が実施された。このほか5018Fが新開地に取り残されており、高速神戸駅に取り残されていた3070Fとともに、2月6日の高速神戸-新開地間の復旧後は阪神5131形5131F・5139Fの2編成に混じって新開地-三宮駅の運用につき、復旧区間の拡大に伴って岩屋西灘へと運転区間を延長した。5018Fと5022Fは残り3本の編成とは異なり6両編成であったことから輸送力の確保に貢献、6月1日花隈-阪急三宮間の復旧以降は阪急線内への乗り入れも再開した。6月下旬には阪神本線も全線復旧したことから、運転区間も新開地-六甲大石と東側は旧に復したが、肝心の西側は大開駅が崩落したことから復旧が8月13日までずれ込んでしまった。これらの編成は復旧前夜にようやく山陽線内に引き上げることができたが、洗車ができないため車体の汚れがひどく目立ってしまったという話が残っている。また、震災の前後には6両編成運用の増強のために5次車の製造が進められていたが、震災の影響によって竣工が6月にずれ込んでしまった。5次車登場直前の3月には5014Fに対しても転換クロスシートへの改造を実施、このとき取り外されたシートは3074Fのクロスシート化に活用された。

[編集] 直通特急の主力 (1997年-)

直通特急の運転開始を1年後に控えた1997年3月、5030系5630F・5632Fの6両編成2本が竣工した。5022F以降増結用中間車の増備ばかり続いていたことから、編成単位での増備は7年ぶりのことである。1年前という少し早めの登場となったのは、乗り入れ対応工事や直通区間への試運転による予備車不足の解消を図るためであり、両編成とも阪神線内への試運転に充当されるかたわら、阪急神戸線の六甲乗り入れの期間がまだ残っていた頃には阪急六甲にも乗り入れていた。また、直通特急運転に関するプレスリリースは本形式の登場直後であったことから、運転台に取り付けられた阪神線内乗り入れを示す表示等は取り外されていたり隠されていたりしていた。直通特急の運転開始を前にして両社の車両を使った試運転は何度も実施されたが、7月30日の阪神梅田初乗り入れ日には5630Fが充当され、阪神梅田での折り返しの際には「特急・姫路」の方向幕を掲出して翌年の運転開始をPRするとともに、写真撮影に訪れた鉄道ファンに格好の被写体を提供していた。翌年2月の直通特急の運転開始時には乗り入れ相手の阪神80009000系の各系列とともに5000・5030系の6両編成8本が直通特急の運用に充当されるようになった。一方で、阪急神戸線乗り入れが三宮まで短縮され、本数も削減されたことから、阪急線内で本系列を見られる機会も減少した。

この直通特急乗り入れ対応の改造工事は、検査や事故時における予備車の確保のために5000系の全編成に施工された。工事内容はマスコンへのデッドマン装置、列車種別選別装置や助士席側への補助標識受の取り付け、両社で連結器の仕様と高さが異なる[28]ことから連結器偏差アダプターの床下への取り付けなどが実施された。こうして全編成が乗り入れ対応になったことから、5030系2次車の登場後も4両編成のまま残された5000F・5002Fについても5030系2次車を組み込んで6両編成を組成し、直通特急運用につく姿を見られるようになった。また、時期は不明であるが1次車と2次車のうち1次車に組み込まれたT車についてはシートモケットの汚れが目立つようになってきていたことから、3次車以降と同じワインレッドのチェック地に張りかえられた。ただし、1次車のシートモケットは従来同様背面にまで回りこんで張られている。併せて、1 - 4次車の優先座席部分のシートモケットが緑色のチェック地に変更されている。

本系列が直通特急に充当されることで、阪神線内においても急速にクロスシート車が定着することとなった。2001年3月のダイヤ改正では山陽側で5030系2次車を増備して直通特急運用の増加に対応したほか、阪神においても3011形のロングシート改造以来37年ぶりの本格的なクロスシート車である9300系が登場[29]して翌2002年までに3編成が製造されたほか、同年から実施された8000系のリニューアル工事に際して中間車の一部に対してクロスシート改造を施された車両が登場し、より多くの乗客へクロスシートサービスを提供することとなった。また、このダイヤ改正では直通特急が大増発されたことによって本系列による阪神線内及び高速神戸駅折り返しの間合い運用が出現、夜間には梅田駅構内や御影留置線で帯泊する運用も登場した。2006年10月のダイヤ改正においても運用に大きな変化はなく、2008年1月現在、両形式併せて80両が在籍して6両編成12本が直通特急や特急を主体にして運用され、4両編成2本はS特急や普通運用を中心に運行されている。

[編集] 車体装飾

本系列は直通特急の主力として阪神梅田山陽姫路間91.8kmという私鉄の優等列車としては長距離を走ることから、沿線で開催されるイベントやNHK大河ドラマで沿線が舞台になるときは、その宣伝効果を生かして本系列がしばしば一編成丸ごとラッピングが施され、利用者や沿線住民へのPRと乗客誘致に務めている。

  • 2000年には5632Fに「淡路花博」のラッピングが3月から半年前後期間限定で施されていた。
  • 2003年には5006Fには「武蔵 MUSASHI」関連で「播磨の武蔵」のラッピングが、5022Fには阪神タイガースセ・リーグ優勝記念号のラッピングがそれぞれ期間限定で施されていた。
  • 2005年には5008Fには「義経」関連で「源平の戦い」のラッピングが、5010Fにはタイガース優勝記念号のラッピングがそれぞれ期間限定で施されていた。
  • 2007年7月2日から6両編成の車両は、5020Fが山陽電鉄100周年記念号(先頭車の前面右側にヘッドマークを装着)として運行され、車内にポスターが掲出されている。それ以外の編成は、山陽電鉄創立100周年記念ヘッドマークを先頭車の前面右側に装着している。
  • 2007年9月5日から5630Fに「姫路菓子博2008」のラッピング(ひめか号)が2008年5月10日までの期間限定で施されていた。

[編集] 脚注

  1. ^ 神戸高速鉄道を介した阪神電気鉄道(阪神)本線阪急電鉄(阪急)神戸線への乗り入れ規格が二転三転したことによって電装品が複雑なものとならざるを得なかった。しかも、混雑緩和を図るためにロングシートを採用するか、長距離客に配慮してクロスシートを採用するかで社内の意思統一を図るのに苦労したことから、1系列の中で2扉・3扉・セミクロスシート・ロングシートが混在してしまった。加えて車体構造の比較検討のために普通鋼・スキンステンレス・アルミの3種の車体が並行して製造されたため、3両編成8本で同一仕様の編成が3本しか組めず、台車も空気ばねと金属ばねで3系統が混在する、という保守・運用上極めて扱いの難しい系列となった。
  2. ^ 2000系や2300系からの編入車も含めると総数は148両となる。
  3. ^ 700250820・850形など。いずれも旧式な吊り掛け駆動方式を採用する。
  4. ^ 1980年までは新快速・快速に153系を使用。
  5. ^ 座席は長距離客に配慮して座面が低く奥行きの深いロングシートを採用していたものの、京阪神間での並行各私鉄との対抗上破格のハイグレードな内装を備え、シートピッチの広い転換クロスシートを備える117系とは比べるまでもなかった。
  6. ^ 2700系は700形、300形は200形、270形は100形の車体更新車である。
  7. ^ 5230・5250形については5030系の項で詳述する。
  8. ^ このパネル構成はロングシート車への改造が容易なように配慮されていたが、クロスシートが好評であったことから、これは杞憂に終わっている。
  9. ^ このクーラーは本系列登場後の3000・2300系冷房改造車にも採用された。
  10. ^ 神戸高速鉄道を介して山陽と相互直通運転している阪急神戸線・阪神本線の両路線には阪急7000系阪神30008000系といった界磁チョッパ制御車がすでに登場していた。
  11. ^ この頃登場していた一般鉄道向けの量産型VVVF制御車は大阪市交通局大阪市営地下鉄20系近畿日本鉄道(近鉄)3200系小田急電鉄(小田急)1000形東京急行電鉄(東急)9000系などごく少数で、心臓部となるGTOサイリスタの製造コストが極めて高価で性能や信頼性の点でも満足の行くレベルには到達していなかった。
  12. ^ 当時の国鉄205系で実用化され、国鉄では省エネ制御方式の切り札と目されていた。この方式は従来の抵抗制御方式の延長線上に存在し、既存の直流直巻モーターが流用可能なため、部品の標準化を重視する山陽にとっても好都合な方式であった。
  13. ^ 端子電圧375V時定格出力125kW。
  14. ^ 端子電圧375V時定格出力110kW。
  15. ^ 3000系3034F・3036F・3010Fの3編成が順次改造され、3206F・3208F・3210Fと改番された。このことからも明らかなように、旧2000系8編成分のMB-3037は現在6編成分が3200系にて使用されており、2編成分は予備となっている。
  16. ^ MB-3020Sには新造時期により1から4までのサフィックスが付されたサブモデルが存在し、いずれのタイプが流用されたかは明らかではない。ただし、いずれのタイプも検査の機会を捉えて最新仕様にアップデートを行う工事が継続的に実施されており、全て最新のMB-3020S4相当となっている。
  17. ^ ボルスタレス台車の採用は様々な事情から見送られた。
  18. ^ 後、ナブコを経てナブテスコへ社名変更。
  19. ^ 当時の飾磨駅では構内踏切が存在し、このため上り本線列車用の4番線ホーム(現在の3番線ホーム)は姫路方へ延伸することで6両編成対応が実現したが、ホームの姫路寄り端部に構内踏切が、神戸寄り端部には改札口と踏切がそれぞれ設置されていたため、下り本線用1番線ホームの延伸はそのままでは不可能な状況にあった。また、大塩駅も本線がカーブしている上にホームの両端が踏切に挟まれており、こちらも延伸が極めて困難であった。
  20. ^ その後飾磨駅は構内配線の改良と構内踏切の廃止、跨線橋とエレベーターの設置、それに各ホームの延伸・拡幅工事により、ホーム有効長が1・3番線とも最大6両編成対応となった。これに対し、大塩駅の上り3番線ホームは現在も待避線である4番線の分岐曲線の制約もあって5両編成が上限となっている。このため同駅では姫路寄り最後尾車1両分のドアカットが現在も実施されている。
  21. ^ Tc1は山陽では200形タイプIII(111 - 113)以来の神戸(大阪)側制御車である。
  22. ^ 神戸(大阪)側先頭で進行方向左側が山側、右側が浜側となる。
  23. ^ 定格出力170kW。
  24. ^ 竣工時期は5000F・5002F・5004Fが6月、5006F・5008F・5010Fが7月、5012Fが8月で、竣工月日から工場の同一ライン上で順次製造されたことが知れる。
  25. ^ 非営業のものとしては、1965年1月26日に3000系アルミ車のPR映画作成のために西代-飾磨間を走ったことがある。
  26. ^ 詳細については山陽電気鉄道の旧型電車の項を参照のこと。
  27. ^ 3000系には3050・3100・3200の各派生系列を含む。
  28. ^ 直通特急運転開始時は山陽が密着式自動連結器、阪神がバンドン式密着連結器。2006年以降は阪神側が連結器を廻り子式密着連結器へと換装中。
  29. ^ 9300系は主要ターミナル駅での改札口の位置を考慮し、両先頭車がロングシート車となっている。

[編集] 参考文献

  • 『鉄道ピクトリアル』各号(1990年5月臨時増刊号 No.528 特集『山陽電気鉄道/神戸電鉄』、2001年12月臨時増刊号 No.711 特集『山陽電気鉄道/神戸電鉄』)
  • 『関西の鉄道』 No.49 特集 『阪神電気鉄道 山陽電気鉄道 兵庫県の私鉄PartII』

[編集] 関連項目


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