車椅子スペース
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車椅子スペース(くるまいす−)とは、交通バリアフリー法に基づき、整備が義務づけられたものの一つで、車椅子の人が快適に交通機関を利用できるように、鉄道・バスなどの屋内には、車椅子を備え付ける場所のことを、そして、屋外では、サービスエリアや地域の各施設などで車椅子の乗り降りを手助けするための場所としてそれぞれ呼ばれている。最新型の鉄道車両・バスや、リニューアル改造した鉄道車両に設けられていることが多い。
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[編集] 鉄道
日本の鉄道では、通常の座席の一部を撤去し、そのスペースを車椅子スペースとして確保する例が一般的である。
新幹線および特急形車両の列車では、横(枕木方向)に2列+3列または2列+2列となっている座席配列のうちの通路側の席を一つ撤去し、そこに車椅子スペースが用意されていることが多い。この車椅子用のスペースは車両の端(出入り口に最も近いところ)に設置され、その出入り口の幅員は拡幅されていることもある。また、最寄りのトイレは車椅子対応になっている。
近郊形電車、通勤形電車においても車端の一部に座席を設置せずに、そのスペースを車椅子用としている。車両によっては、車椅子スペースの反対側にトイレを設置し、車椅子スペース付近に座席が存在しないこともある。これらの場所には車椅子マークが掲示されている。
車椅子スペースを通勤電車で比較的早期に採用したのは福岡市交通局1000系電車あたりである。なお、福岡市交通局2000系電車は全ての車両に車椅子スペースが設けてある。
[編集] バス
日本の路線バスでは車内の一部の座席を折り畳めるようにし、そこに車椅子を設置するためのスペースを用意していることが多い。この場合、車椅子スペースとして利用するためにはその部分の椅子を畳む必要があり、車椅子マークおよび椅子の折り畳み方の説明などが掲示されている。ただし、UDのJP、三菱のMK、日野のHRは鉄道車輌同様のスペースがある。
[編集] 車椅子の固定
鉄道の通勤、近距形車両においては車両の揺れも比較的少く、また長時間の乗車ではないため、車椅子を車両に固定することはあまり考慮されていないが、特急やバスでは車椅子を車両に固定できるようになっている。 特にバスは加速度が大きいため、床や側面に固定用の金具が用意されていることが多い。