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モスラ対ゴジラ - Wikipedia

モスラ対ゴジラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

モスラ対ゴジラ
Mothra vs. Godzilla
監督 本多猪四郎
製作総指揮 清水雅
製作 田中友幸
脚本 関沢新一
出演者 宝田明
星由里子
小泉博
藤木悠
田島義文
佐原健二
沢村いき雄
藤田進
田崎潤
音楽 伊福部昭
撮影 小泉一
編集 藤井良平
配給 東宝
公開 1964年4月29日(日本)
製作国 日本
言語 日本語
前作 キングコング対ゴジラ
次作 三大怪獣 地球最大の決戦
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モスラ対ゴジラ』(モスラたいゴジラ)は1964年に公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第4作である。1964年4月29日公開。観客動員数は720万人。併映は『蟻地獄作戦』。ゴジラの知名度が高いせいか、『ゴジラ対モスラ』と誤植されることがある(『日立 世界・ふしぎ発見!』『精霊流し〜あなたを忘れない〜』などで見られる)。


後に1970年冬の東宝チャンピオンまつりでもリバイバル上映され、1980年には松本零士が描いたポスターイラストを使い『ドラえもん のび太の恐竜』の同時上映として再上映された。

目次

[編集] 概要

主要襲撃地点は名古屋ゴジラモスラ(幼虫、成虫)が登場。いかにも東宝特撮らしく、一見単純な娯楽作の体裁をとりつつ観光開発ブームや背後の政治家の暗躍、新聞の第三権力化など、やんわりとながら当時の世相への批判が盛り込まれた作品。

今作のゴジラは純粋な悪役としての登場し、新造された顔も前作と異なり目のつり上がったものになっている。この作品では珍しくゴジラが土の中から登場する。当初、干拓地から発見されたゴジラの皮膚は台本の時点では前作でのコングとの戦いで折れた牙で、ゴジラは瀬戸内海の埋立地から出現、姫路城を破壊する予定だった。また、虎畑も万造という初老のキャラクターだった(次郎の父親としてセリフには登場する)。この作品が怪獣同士の闘いでゴジラ初の黒星(昭和シリーズでは唯一)を喫した作品である。



注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


[編集] ストーリー

巨大台風が日本を通過した翌日、毎朝新聞の記者である酒井と助手の中西は倉田浜干拓地で放射能を発する物体を見つける。一方、静の浦の海岸には巨大な卵が漂着。ハッピー興業の熊沢は漁民から卵を買い取り、静の浦の海岸に孵化施設を兼ねた「静の浦ハッピーセンター」を建設した。

巨大な卵を調査した三浦博士と酒井らだったが、彼らの目の前に小美人が現れる。彼女達によると、巨大な卵はインファント島に唯一残っていたモスラの卵で、卵を失った島の人々は悲しんでいるという。酒井たちは卵を返還するよう抗議活動を始めたが、熊沢は応じないどころか、小美人まで売るように言い放つ始末。しかし、熊沢の裏には虎畑という代議士がついており、抗議活動は頓挫してしまう。

その頃、倉田浜からゴジラが出現。名古屋市内と名古屋城を蹂躙した。酒井たちはインファント島に飛び、原住民達にモスラを派遣するよう懇願するが、モスラの寿命が近づいている上に、「悪魔の火」と呼ぶ核実験によって島を荒らされた原住民達は拒否。しかし平和を望む小美人の思いによってモスラは日本へ向かった。

ゴジラは自衛隊の高圧電流攻撃にもひるまず、トラブルから熊沢を射殺してしまった虎畑が滞在するホテルも破壊して静の浦にせまる。そこへモスラが飛来。最後の武器である毒鱗粉をも用いた戦いが繰り広げられたが、寿命の近いモスラは卵をかばうように着地して絶命してしまった。

モスラに勝利したゴジラは付近の集落を破壊した上に、小学校の生徒が残された岩島に迫る。小美人が祈りの歌を歌う中、卵が孵り始める。

[編集] 海外公開版との相違

海外版は当初『GODZILLA VS. THE THING』 というタイトル(モスラをシークレット扱い)だった。当然ながらセリフは全て英語に吹き替えられている。田崎潤藤木悠の「卵も逃げたのか?」「いえ、卵には足がありませんから」というセリフは、図らずも「エッグ(卵)」と「レッグ(足)」をかけた洒落になっている。

ゴジラが名古屋に現れ、名古屋城を破壊し、海へ向かうカットの後に、国連派遣の新鋭艦隊(アメリカ第7艦隊と紹介する説もあるが誤謬)が出動し、浜辺を歩くゴジラに対してミサイル攻撃を行なうシーンがある。海外版の完成フィルムではこのミサイルは、国連大使により「高性能誘導弾フロンティアミサイル」と説明されている。また、ミサイル艦隊後尾で風にはためくアメリカの星条旗がアップになるカットがある。ロケーションは静岡県の砂丘で、擬似夜景処理を施し、オープン撮影で行われた。国内版予告には、この浜辺を歩くゴジラの映像がある。

このシーンは以前、海外向けの追加シーンとされていたが、実際はこのシーンは決定台本にも存在しており、脚本中ではロリシカ国の新兵器「誘導弾フロンティア」と紹介されている。本シーンは日米安保で敏感になっていた当時、外国艦隊が日本を砲撃するシーンを公開不適当と判断し、日本版のみ削除されたと見られる。

1990年代半ばにこの海外版と日本版をセットにしたレーザーディスクが発売されていたが、LDの存在そのものの消滅と共に廃盤となり、長らくこの海外版に関して日本では正規なメディアが発売されず、このまま日本では「お蔵入り」となるのでは、と危惧する声もあったが、2008年1月リリースのDVD5枚組ボックス「ゴジラ DVD コレクション I」の特典ディスクとしてDVD化された。


以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] スタッフ

[編集] 本編

  • 製作:清水雅
  • 製作補:森岩雄
  • 企画:藤本真澄
  • 脚本:関沢新一
  • 音楽:伊福部昭
  • 撮影:小泉一
  • 美術監督:北猛夫
  • 録音:矢野口文雄
  • 照明:小島正七
  • 編集:藤井良平
  • チーフ助監督:梶田興治
  • 製作担当者:森本朴
  • スチール:土屋次郎
  • 整音:下永尚
  • 音響効果:西本定正
  • 現像:東京現像所
  • プロデューサー:田中友幸
  • 監督:本多猪四郎

[編集] 特殊技術

  • 特技監督:円谷英二
  • 撮影:有川貞昌、富岡義教
  • 美術:渡辺明
  • 照明:岸田九一郎
  • 造形チーフ:利光貞三
  • 繰演:中代文雄
  • チーフ助監督:中野昭慶
  • 製作担当者:小池忠司

[編集] 特殊視覚効果

  • 合成:向山宏
  • 光学撮影:真野田幸雄、飯塚定雄

[編集] キャスト

[編集] その他

  • ゴジラが岩島に向かい海を行くシーン、ラストで海に落下するシーンは『キングコング対ゴジラ』のスーツを使用している。
  • ゴジラが名古屋城を破壊するシーンは、元々ゴジラのスーツアクターであった中島春雄が誤ってつまずいて名古屋城のミニチュアに衝突してしまったもので、本来ならばNGシーンだったのだが、監督が気に入ったのでそのまま使われることになった、と言われている。カメラマン有川貞昌は、このシーンはスケジュール上かなり後の方に撮影が行われており、時間的にも予算的にも名古屋城のセットを作り直すことができなかったため、脚本を変更してゴジラが転ぶことにし、後は編集で処理したと語っている。
  • 1972年頃には『モスラ』と『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』を編集した8mmと、ソノシートとセットの絵本「モスラ アタック東京!」が発売されており、国内盤DVDの特典に収録されている。

[編集] 参考文献

  • 『(東宝SF特撮映画シリーズ)モスラ/モスラ対ゴジラ』(資料集) ISBN 4924609048
  • 上田高正 『モスラ対ゴジラ』(ノヴェライゼイション) ISBN 4061900080
    • ノベライズ版では、岩島に破壊されれば日本列島の大半が汚染される規模の原子力発電所があり、記者会見をする官房長官が国民に民族移動を決意するよう呼びなどの差異がある。
モスラ映画作品
通番 題名 公開時期
第1作 モスラ 1961年 なし
第2作 モスラ対ゴジラ 1964年 ゴジラ
第3作 三大怪獣 地球最大の決戦 1964年 キングギドラ
第4作 ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 1966年 ゴジラ
第5作 怪獣総進撃 1968年 キングギドラ
第6作 ゴジラvsモスラ 1992年 ゴジラ
バトラ
第7作 ゴジラvsスペースゴジラ 1994年 スペースゴジラ
第8作 モスラ MOTHRA 1996年 デスギドラ
第9作 モスラ2 海底の大決戦 1997年 ダガーラ
第10作 モスラ3 キングギドラ来襲 1998年 キングギドラ
第11作 ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 2001年 ゴジラ
第12作 ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS 2003年 ゴジラ
第13作 ゴジラ FINAL WARS 2004年 アンギラス
ラドン
エビラ
カマキラス
クモンガ
キングシーサー
ジラ
ヘドラ
ガイガン
カイザーギドラ


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