メガギラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メガギラス (Megaguirus) は特撮映画『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』に登場した架空の怪獣である。映画『空の大怪獣ラドン』に登場した架空の怪獣メガヌロン (Meganuron) が元となっている。
目次 |
[編集] 特徴
トンボと縁の近い、石炭紀から三畳紀にかけて実在した絶滅分類群、オオトンボ目 (Protodonata) に属する昆虫で、巨大なトンボによく似た絶滅昆虫、メガネウラ (Meganeura) をモデルにした怪獣。実際のトンボとは違い「足6本+ハサミ」という、昆虫の定義からは外れる構造をしている。
『空の大怪獣ラドン』では幼虫であるメガヌロンのみが登場したが、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』では成虫のメガニューラとさらなる進化系のメガギラスが登場。『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)ではメガギラスがライブフィルムで登場した。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] メガヌロン
[編集] 『空の大怪獣ラドン』のメガヌロン
- 体長:8メートル
- 体重:1トン
阿蘇山の麓にある炭鉱に出現し、水没した炭鉱内で炭鉱夫や警察官をハサミで殺害した後に住宅を襲ったことで存在が発覚した。その身体は銃撃(拳銃・機関銃)では致命傷に至らない程度の防御力を持っている。事件を起こした個体は追跡してきた警察官を殺害した後、封鎖されていた炭鉱へ逃亡した後に石炭を満載したトロッコでの突撃で倒されている。 別の個体群が地下空洞のラドンの巣の周辺で繁殖していたが、ラドンの雛に全て捕食された(そのため成虫化はなし)。
- 最初の事件では当初は仲間と諍いを起こしていた炭鉱夫が犯人と考えられていた(後に遺体で発見される)。
[編集] 『ゴジラ×メガギラス』のメガヌロン
ディメンション・タイドの地上試験で時空の歪みが発生し、そこから出現したメガニューラが卵を産み、その卵が渋谷の地下で孵化して多数のメガヌロンになり、人間を惨殺、捕食した。またメガヌロン群が自らの繁殖の為に地下水脈を掘削した結果、渋谷水没という事態になる。社会性昆虫らしく、メガニューラ群に成長しゴジラからエネルギーを吸収した後に、水没した渋谷の底の女王に相当する巨大メガヌロンにエネルギーを与えて絶命した。
劇中ではCGの他に上半身のみの実物大ギニョールが作られた。
当時バンダイから発売されたゴジラ・メガギラス・メガニューラ・メガヌロン・グリフォンの人形がブリスターパック入りになった「ゴジラ×メガギラスセット」の付属人形は手足の数が実際のヤゴ同様6本だった。
- 体長:2メートル
[編集] メガニューラ
渋谷に出現した多数のメガヌロンが一斉に変態(羽化)した姿。大群でゴジラに戦いを挑んだ。尻尾の針を突き刺してエネルギーを吸い取ったがゴジラの熱線により大半が撃退される。
名前はメガネウラ (Meganeura) のラテン語の学名を英語読みしたもの。
- 翼長:5メートル
[編集] メガギラス
一匹だけメガニューラへと変態せず水没した渋谷の湖底深くに眠っていた巨大なメガヌロンに対し、ゴジラからエネルギーを吸収したすべてのメガニューラが自らの命と引き換えにエネルギーを供給した事により、海底の巨大メガヌロンが変態し怪獣化したのがメガギラスである。これは、メガニューラの生態の特徴である。究極の戦闘体であるメガギラスは周囲の敵を倒しながらテリトリーを広げる習性があるといわれ、そのためテリトリーに邪魔なゴジラを倒すべく襲い掛る。 飛行する時、羽根で飛んでいるようには見えないほどの挙動で瞬間移動したかのようにすら見える為、ゴジラも翻弄された。また凶悪そうな顔がメガロやバトラと似ているが関係はない(共通しているのはすべて昆虫の怪獣であるという点のみ)。前述の羽根を高速で擦りあわせて発生させる高周波と、針のついた尻尾が武器。
お台場のフジテレビ本社に隣接する空中庭園ビル(架空の建物)の前でゴジラと闘った。高速移動並びに飛行能力でゴジラを翻弄、ゴジラの熱線も俊敏な動きで回避してみせた。ゴジラに対しては尻尾の針を突き刺してエネルギーを吸収したり、噛みつきや両手の鋏などによる攻撃を加える。ゴジラの鋭利な背ビレで左手を切断されながらも終始優勢に戦いを進めるが、ゴジラの頭部に尻尾の針を突き刺そうとしたところを逆に噛み砕かれ形勢逆転。尻尾の針を失った為かそれまでの勢いが嘘のように弱体化し、飛んで逃げようとしたが、そこにゴジラの熱線を二発受け、空中で炎上し、落下後、爆死した。
劇中の台詞によると中国の奥地でその化石は発見されているらしい。
- 全長:50メートル
- 翼長:80メートル
- 体重:1万2千トン
基本的に操演で表現されているが、操演ミニチュア兼着ぐるみという構造のため、接近戦で腕を動かすシーンではアクターを入れた状態で撮影されている。スーツアクターは渡邊実。
[編集] その他
映画『みんなのいえ』劇中に一瞬、メガギラスがアトラクション用の着ぐるみで登場する。(アトラクション用のゴジラ(ギラゴジ)も登場)