ソノシート
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ソノシート(Sonosheet)は、1958年にフランスのSAIPというメーカーで開発された、きわめて薄いレコード盤である。
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[編集] 概要
通常のレコードと異なり、極めて薄く、容易に曲げることができる程度に柔らかいため、雑誌の付録や、印刷された台紙などに透明な盤を貼り付けたメッセージカード等に利用された。大きさはいわゆるEPサイズの17cm盤のものが多いが、8cm程度の小型盤も存在し、このタイプは専用のプレイヤーで聴くものが多い。色は赤のものが多いが、赤以外の着色も可能。
なお、「ソノシート」は元々は朝日ソノラマ(2007年会社清算)の商標であり、現在は同社より権利を継承した朝日新聞社が商標権を保有しているため「フォノシート」ないし「シートレコード」と言い換えられる場合がある。そのため、普及期には発売するメーカーによって商品名が異なっていたが、現在ではソノシートという呼び名が一般的になっている。
日本人の月収が約13000~15000円程度だった1950年代後半~60年代前半当時、一般的なビニール盤レコードはEP盤が約300円、25~30cmのLP盤が約1500~3000円と高価であった。ソノシートは、音質はビニール盤に劣り、片面しかプレス出来なかったものの、EP並みの価格で長時間再生が可能、また大量生産出来る事から、LP盤に手を出せない客層を中心に数多く出回った。後に音質も改善され、ステレオ盤や両面盤も見受けられる様になる。
[編集] 歴史
日本での初めてのソノシート付き雑誌は、1959年11月に発売された『音のデラックス誌AAA』(コダマプレス刊)である。同年12月には、朝日ソノプレス(後の朝日ソノラマ)が、ニュース記事を含むさまざまなトピックにニュースの現場やオリジナルの録音テープ、音楽などをソノシートとして収録し、「音が出る雑誌」という触れ込みで『朝日ソノラマ』という雑誌を発行。「ソノラマ」という言葉はラテン語で「音」を表すsonusとギリシャ語で「見もの」の意味のhoramaを合成した造語である。
しかし、本誌と音源の内容の不一致から飽きられる様になり、売り上げが低迷したため方向転換を余儀無くされる。そしてソノシート付き雑誌の内容は、英会話や音楽のオムニバス企画が中心となった。一方でテレビアニメ、特撮、漫画などを題材に、読み切り漫画・絵本ソノシート雑誌(主題歌や物語のダイジェスト、または放送素材を収録)が数多く発売される様になり、低価格な事から1960年代当時の子供に幅広く受け入れられた。
1970年代から80年代にかけ、ソノシートは、学年誌の付録としてペーパークラフトのレコードプレーヤー(仕組みは手回し式蓄音機に近い)とともに配布されていた。収録内容は、人気タレントやアニメのキャラクター達がなぞなぞや尻取りなどをして遊ぶ、という内容が多かった。
また、パソコンの外部記憶装置がテープ装置の時代にプログラムを配布する手段として、ソノシートにアナログ信号でエンコードしたプログラムデータを記録し、雑誌の付録に使用された。最初の例はアメリカのInterface ageという雑誌がTiny BASICを添付したもので、FLOPPY-ROMという商標が付いている。日本のパソコン雑誌では、PiOが継続的にソノシートを付録としてつけており名物となっていた。また、I/Oとアスキーでそれぞれソノシートが1回ずつ付録になったが、アスキーは前述のInterface age誌の付録の再録だった。当時としては安価に大量配布出来るメリットがあったが、欠点として媒体特有のノイズが多いためにロード時にエラーを起こす事が多かった。
[編集] 終焉
レコード自体が衰退していく中、ソノシートの需要も急減し、2005年に日本国内での生産を終了した。ちなみに最後のソノシート盤は、市販されたものではザ・スターリンの「電動こけし/肉」(2005年2月)、それ以外ではゲームソフト「Dear My Friend」の特典として添付されたもの(2005年4月)である。