ゴジラ対ヘドラ
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『ゴジラ対ヘドラ』(ゴジラたいヘドラ)は1971年に公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第11作である。1971年7月24日公開。観客動員数は174万人。併映は『帰ってきたウルトラマン』、『昆虫物語 みなしごハッチ』、『いなかっぺ大将』、『わらしべ長者』。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
- 当時話題だった『(製紙業が盛んな)静岡県富士市にある田子の浦港のヘドロによる汚染』を題材に採った作品。田子の浦港の汚染された海から生まれた怪生物ヘドラとゴジラが対戦する。大きな社会問題であった公害問題を前面に打ち出し、またサイケデリック文化や若者のモラトリアムなど、時代背景を色濃く反映した異色作である。
- ゴジラをヒーローとし、空を飛ばせたり、子供向きの要素を忘れていない作品だが、ラストシーンではゴジラに(身勝手な人類に対する)怒りの表情を持たせるなど、単なる勧善懲悪に終わっていない点も印象的である。
- 飛行形態となって逃げるヘドラを追ってゴジラも口からの熱線を放射する反動で後ろ向きに空を飛ぶシーンが良い意味でも悪い意味でも話題となり、現在に至るもオールドファンとチャンピオンまつり世代のファンとの間で賛否両論の争いが飛び交っている。ゴジラが空を飛ぶというアイディアには田中友幸プロデューサーが反発したが、坂野監督はクランク・イン後に田中が体調を悪くして入院したのを幸いと、その間に東宝の重役から「ゴジラの飛行」の許可をとりつけ、劇中に盛り込んだ。後にこれを知った田中は、しばらく坂野と口をきかなかったそうである。
- 坂野監督は中野昭慶特技監督と、「これまでのシリーズにない映像を採り入れよう」と打ち合わせたとのことで、マルチ画面やアニメーションによる抽象的な社会描写の多用、坂野監督自身による水中撮影など、全編に渡って、シリーズ中異色の映像で彩られている。
- また、この作品でヘドラのスーツアクターを務めたのは、後にゴジラのスーツアクターを務めることになる薩摩剣八郎(当時は中山剣吾名義)である。
- 劇中、ゴジラが「ウルトラマン」のスペシウム光線の構えをするカットがあり、「帰ってきたウルトラマン」を同時上映していたことによるお遊びだと思われる。
[編集] ストーリー
駿河湾の河口でオタマジャクシに似た奇妙な生物が見つかる。海洋生物学者の矢野も海底の調査中に生物に襲われて重傷を負う。やがて原因不明のタンカー事故が相次ぎ、ある夜工場の排煙を求めて怪獣が上陸してくる。そこへゴジラが現われて……。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 矢野徹:山内明
- 矢野敏江:木村俊恵
- 矢野研:川瀬裕之
- 毛内行夫:柴本俊夫(現:柴俊夫)
- 富士宮ミキ:麻里圭子
- 伍平爺さん:吉田義夫
- 自衛隊幹部将校:鈴木治夫
- 自衛隊技術将校:勝部義夫
- アナウンサーA:岡部進
- 同B:渡辺謙太郎
- 巡査:大前亘
- 学者:岡部正
- 鳶職:加藤茂雄
- 通信員:由起卓也
- 下士官:小松英三郎
- ヘリ操縦士:権藤幸彦
- 若者:中沢治夫
- ゴジラ:中島春雄
- ヘドラ:中山剣吾
[編集] 関連項目
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昭和シリーズ | ゴジラ (1954) - 逆襲 - キングコング対 - モスラ対 - 地球最大の決戦 - 怪獣大戦争 - 南海の大決闘 - ゴジラの息子 - 怪獣総進撃 - オール怪獣大進撃 - 対ヘドラ - 対ガイガン - 対メガロ - 対メカゴジラ - メカゴジラの逆襲 |
平成vsシリーズ | ゴジラ (1984) - vsビオランテ - vsキングギドラ - vsモスラ - vsメカゴジラ - vsスペースゴジラ - vsデストロイア |
ミレニアムシリーズ | ミレニアム - ×メガギラス - 大怪獣総攻撃 - ×メカゴジラ - 東京SOS - FINAL WARS |
関連作品 | 流星人間ゾーン - GODZILLA - ゴジラアイランド |
登場怪獣 | ゴジラ - アンギラス - キングコング - モスラ - 小美人 - ラドン - キングギドラ - X星人 - エビラ - ミニラ - カマキラス - クモンガ - マンダ - バラゴン - ゴロザウルス - ガバラ - ヘドラ - ガイガン - メガロ - ジェットジャガー - メカゴジラ - キングシーサー - チタノザウルス - ビオランテ - ゴジラザウルス - スペースゴジラ - モゲラ - ゴジラジュニア - デストロイア - オルガ - メガギラス - カメーバ |
関連項目 | 東宝特撮映画の登場兵器 |