モスラ (1996年の映画)
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モスラ MOTHRA |
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監督 | 本編:米田興弘 特撮:川北紘一) |
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製作総指揮 | 田中友幸 |
製作 | 林芳信 |
脚本 | 末谷真澄 |
出演者 | 小林恵 山口紗弥加 羽野晶紀 二見一樹 藤沢麻弥 萩原流行 田中ひろ子 荒川強啓 寺尾聰 大賣智子 須藤真里子 高橋ひとみ 梨本謙次郎 |
音楽 | 渡辺俊幸 |
撮影 | 関口芳則 |
編集 | 小川信夫 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1996年12月14日 |
上映時間 | 106分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 12億円 |
次作 | モスラ2 海底の大決戦 |
『モスラ』(Mothra) は1996年12月14日に公開された日本映画で平成モスラシリーズの第1作である。製作は東宝映画。配給は東宝。上映時間は106分。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 概要
東宝怪獣映画の生みの親田中友幸相談役は環境問題をテーマにモスラを復活させようと試みて、映画『ゴジラvsモスラ』で一応の完成を見たが、前年にゴジラシリーズを終えた機会に新たに復活させた。好評を受けてシリーズは以後3年間製作公開される事となった。なお、1961年に公開された映画『モスラ』と異なり、いわゆる怪獣映画的な要素を排除したジュブナイル映画、そしてファミリー映画として製作される。また脚本の末谷真澄により、この映画は1987年に起きた「知床国有林伐採問題」を元にしたと思われ、「普通の市民が環境破壊に荷担」していたり、「環境保護を訴えるマスコミがエゴイスト」であったりと、社会性の強いテーマを持った作品として完成させた。また政治家や軍隊、科学者に変わり、家族を助けるために市井の市民が活躍するファミリー映画としては2006年公開の『小さき勇者たち〜ガメラ〜』や『グエムル-漢江の怪物-』より10年早く完成させていた。
なお、当初はモル役に宝生舞、ロラ役に小林恵が予定され、製作発表でもそのメンバーが集結していたが、病気のため宝生が降板。モル役に小林、ロラ役に山口紗弥加がキャスティングされることになった。
[編集] ストーリー
北海道の紋別で豊国商事は森林の伐採をしていた。その現場監督の後藤裕一は古代遺跡を発見し、何も知らずに遺跡のメダルを外したのだ。だが、その遺跡は妖精のエリアス族の遺跡であり、そこには6千5百万年前に宇宙から来訪して植物を滅ぼし、恐竜絶滅の原因を作った宇宙怪獣デスギドラをそのメダル = 「エリアスの盾」で封印していたのだ。
裕一はそれを都内の自宅に持ちかえり、娘のペンダントにして再び伐採現場へ行った。そこへ黒い妖精ベルベラがエリアスの盾を狙って飛来し、彼女と対立するエリアス姉妹と戦い盾を奪っていった。エリアス姉妹に「エリアスの盾と封印の意味」を知らされた後藤一家はエリアス姉妹を伴い、紋別へ行くが、紋別では巨大な岩隗が出現していた。後藤一家の協力でエリアスの盾を奪還したエリアス姉妹だが、ついに岩隗からデスギドラが復活してしまう、その姿は悪魔と言うに相応しいおぞましい姿をしていた。デスギドラを倒す為にエリアスはモスラを召還したが、モスラは卵を産んだ後で、寿命も長くなかったため、デスギドラとの決戦はかなり苦戦を強いられた。親を助けようと予定より早く生まれた幼虫が糸、光線で親モスラを援護するが、2匹ともやられるだけであった。
デスギドラを挑発し、ダムを破壊させて、向こう岸まで追い遣る事に成功するが、親モスラは遂に力尽き、海底に沈んだ。その後、幼虫は屋久島で森林のエネルギーを充分に吸った「新生モスラ」となり、かつて地球を滅ぼした時の形態の完全体となったデスギドラと再戦し、その圧倒的な力でデスギドラを再び地中に封印した。
その後、モスラはデスギドラによって焼き払われ荒廃した北海道の大地に緑を瞬く間に甦らせて、エリアス姉妹と共にインファント島に帰って行ったのであった。
[編集] 登場怪獣
[編集] モスラ
詳細はモスラ (架空の怪獣)#平成モスラ三部作のモスラを参照
[編集] フェアリー
モル・ロラの使う小さなモスラ。
詳細はモスラ (架空の怪獣)#平成モスラ三部作のモスラを参照
[編集] デスギドラ
詳細はキングギドラ#デスギドラを参照
[編集] ガルガル
ベルベラの使う怪獣型のロボット。外見は普通の怪獣と変わらない。フェアリーと4LDKの室内で空中戦を行った。終盤に大破し、メカがあらわになった。口から紫色の光線シュビビンビームを吐く。『モスラ2 海底の大決戦』、『モスラ3 キングギドラ来襲』にもパワーアップして登場する。
[編集] スタッフ
[編集] 本編
- 企画統括、原案:田中友幸
- 製作:林芳信
- 脚本:末谷真澄
- 音楽:渡辺俊幸
- 撮影:関口芳則
- 美術:部谷京子
- 録音:宮内一男
- 照明:大澤輝男
- 操演:鳴海聡
- 編集:小川信夫
- チーフ助監督:三好邦夫
- 製作担当者:前田光治
- アソシエイトプロデューサー:鈴木律子
- 音楽プロデューサー:岩瀬政雄、北原京子
- 音楽ミキサー:大野映彦
- 音響効果:佐々木英世
- エリアス衣装デザイン:本谷智子
- スチール:石月美徳
- 音響制作:東宝サウンドスタジオ
- CD制作:ポニーキャニオン
- 音楽制作:東宝ミュージック
- 衣装制作:東宝コスチューム
- 現像:東京現像所
- 技術協力:森幹生、コンチネンタルファーイースト
- 撮影所:東宝スタジオ
- 制作:東宝映像美術
- プロデューサー:北山裕章
- エグゼクティブプロデューサー:富山省吾
- 監督:米田興弘
[編集] 特殊技術
- 特技監督:川北紘一
- 特技撮影:江口憲一、大根田俊光
- 特技美術:大澤哲三
- 特技照明:斉藤薫
- 操演:白熊栄次
- 特殊効果:渡辺忠昭
- 造型:小林知己、若狭新一
- 特技編集:東島左枝、前嶌健治
- 特技助監督:鈴木健二
- 製作担当者:小島太郎
- スチール:中尾孝
- デザインワークス:吉田穣、岡本秀郎、西川伸司
- デスギドラ:吉田瑞穂
[編集] 特殊視察効果
- プロデューサー:小野寺浩、大屋哲男、小川利弘
- スーパーパイザー:内海邦男、木下良仁、吉沢一久
- CGスーパーパイザー:北條則明、市野晃、横手伸正
[編集] 協力
[編集] キャスト
- モル:小林恵
- ロラ:山口紗弥加
- ベルベラ:羽野晶紀
- 後藤大樹:二見一樹
- 後藤若葉:藤沢麻弥
- 田川義徳レポーター:萩原流行
- 白石まどかキャスター:田中ひろ子
- 吉祥寺昌幸キャスター:荒川強啓
- 医者:寺尾聰
- 看護婦:大賣智子
- スチュワーデス:須藤真里子
- 後藤真紀子:高橋ひとみ
- 後藤裕一:梨本謙次郎
[編集] 挿入歌
[編集] ノベライズ
劇場公開時に扶桑社から、波多野鷹作のノベライズが出版されている。
- 物語の描写はほぼ映画通り、特技監督の裁量の怪獣に関する描写も、映像に準じた描写である。
- 劇中で語られない裏設定や掘り下げる形で公式設定で厳密に定義されていない部分を独自に設定している。
- モスラの孵化シーンのみ、従来どおりに繭から成虫モスラが出現する描写に変更されている。
- 劇中の環境問題に関する情報の補足の記述も多い。
[編集] 独自の設定
- 生命の守護神モスラとそれを根絶やしにするデスギドラのバックボーンに、ビックバンの際に生命が存在できる宇宙(エントロピーがほんの少し減少する宇宙)とそうでない宇宙(エントロピーが果てしなく増大する宇宙)に導く傾向(「意思」とすると擬人化にすぎるとしている)のそれぞれの産物であるとしている。
- モスラは生命の神であるから死があり、繁殖する。デスギドラは増えない代わりに死もないとしている。
- エリアスも宇宙の傾向の直接の産物であり、人類の進化に遠隔的に干渉し、エリアスの言葉に「フェアリー」、「デス」と言った馴染みの言葉があるのはその名残であるとしている。
- デスギドラが火星を滅ぼしたという公式設定に、火星の僅かな生命を滅ぼし、最後に惑星の熱エネルギーまでも奪った描写を追加している(小学館の超全集では、火星に高度な文明がありそれを滅ぼしたとしているが、それも独自の設定である。)。
- デスギドラが元々マグマ状の不定形生物であるという公式設定に、中生代の恐竜や爬虫類から外観をコピーした模倣であるとしている(他の書籍ではキングギドラと交戦し、コピーしたとしている。)。