コズミック・イラ
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コズミック・イラ (Cosmic Era、C.E.) は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』と、その関連作品に登場する架空の紀元。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] コズミック・イラ(C.E.)の歴史
再構築戦争(Reconstruction Warまたは第三次世界大戦)の終結と同時にそれまでの国家の枠組みが大きく変わったのを機会に、国連の主導下で新暦として統一暦「コズミック・イラ(C.E.)」が制定された。なお、元年と設定されたのは「最後の核」(中央アジア戦線で核兵器が使用される)が使用された年であり、制定時がC.E.9年となるためC.E.1~8年は歴史上にしか存在しない。
[編集] コズミック・イラの成立(A.D.末期-C.E.9)
[編集] 再構築戦争(第三次世界大戦)
西暦年代末に各地で民族紛争や宗教紛争が激化し、なおかつ石油資源の枯渇や環境汚染の深刻化、世界不況が起こり、世界各地で代表勢力による分割が行われ、世界各地でブロック化が進む。いわゆる国家統合・再編を目的とした戦争である。
C.E.1年には中央アジア戦線(カシミール地方)において核兵器が使用される「最後の核」
C.E.9年にR.C.Warが終結。
- アメリカ・カナダ・イギリス・アイスランド・アイルランドによる大西洋連邦
- ロシア・EU諸国によるユーラシア連邦
- 日本・中国・韓国・北朝鮮・モンゴル・台湾による東アジア共和国
- ラテンアメリカ諸国による南アメリカ合衆国
- 北アフリカの国々によるアフリカ共同体
- アフリカ大陸南部の国々による南アフリカ統一機構
- スカンディナヴィア半島の王国によるスカンジナビア王国
- 南アジア・アラビア半島の国々による汎ムスリム会議
- 東南アジア、南アジア地域の国々による赤道連合
- オセアニア地域による大洋州連合
- ソロモン諸島のオーブ連合首長国
の11の国家が誕生する。
[編集] ジョージ・グレンの告白
C.E.15年、ファーストコーディネイターであるジョージ・グレンが自身が設計した大型宇宙探査船で木星へ旅立つ直前、今迄の自らの成功が自らが遺伝子を改造された者だから出来たと言う事を暴露し、コーディネイターの製造方法を世界中にネットワークを通じて公開した。
[編集] S2インフルエンザ流行
C.E.54年、S型インフルエンザの突然変異により発生したS2型インフルエンザが世界中に蔓延し、多数の死者を出した。ナチュラルに多数の死者が出たのに対して、コーディネイターの死者はゼロだったため、S2型インフルエンザウイルスはコーディネイターがナチュラル殲滅用に開発した生物兵器であり、ナチュラルに対するコーディネイターのバイオテロであるというデマが拡がり、コーディネイターへの差別感情と反感は大きく増大した。
動機としては、パトリック・ザラのように「コーディネイターはナチュラルに替わる新しい種」とするコーディネイター至上主義実践説や前年のジョージ・グレン暗殺に対する報復説などが噂された。
[編集] L5宙域事変(仮称)
C.E.69年、プラントはユニウス市の7~10区を穀物生産プラントに改装し食料生産を開始した。これに対しプラント理事国は実力を行使してもこれを排除すると勧告しプラントに対し威嚇行動に出る。ザフトはこれに対抗する形で史上初の戦闘用MSジンを実戦投入する。圧倒的少数でありながらプラント理事国のMA部隊を圧倒し、L5宙域に駐留していたプラント理事国の宇宙軍を排除する事で、その有効性を世界に見せ付けた。
以降、L5宙域はザフト軍を有するプラントが実効支配する事になった。
[編集] コペルニクスの悲劇
C.E.70年2月5日、緊張が高まるプラントとプラント理事国の間で交渉がもたれる事になっていた(月面会議)が、爆弾テロ(犯人の詳細は不明)により会議参加予定の地球側理事国の代表者と、国際連合事務総長を含む国際連合首脳陣が死亡した事件。
なお、同じく会議に参加する予定であったプラント代表のシーゲル・クラインは、シャトルの故障により到着が遅れていたため難を逃れた。この事件により国際連合は崩壊し、2月7日にこれに代わる国際組織として地球連合が設立された。
[編集] ヤキン・ドゥーエ戦役(C.E.70-72)
最大の激戦地であり、最後の決戦の地となった宇宙要塞ヤキン・ドゥーエの名を取ってこう呼ばれる。英語版ではBloody Valentine War(血のバレンタイン戦争)となっている。
[編集] 血のバレンタイン
地球連合軍がプラントの農業用コロニー「ユニウスセブン」を核攻撃した事件。C.E.70年2月14日の聖バレンタインデーに起こったため、血のバレンタイン事件と呼ばれる。
地球連合軍大西洋連邦の戦艦ルーズベルト所属のメビウスの1機がブルーコスモス派の将校の独断で持ち込まれた核弾頭ミサイルを装備しユニウスセブンへの核攻撃を敢行し、24万3721人の人々が犠牲となった。これにより地球連合軍とザフト軍の戦争は地球圏全土を巻き込む大戦へと拡大する事になった。
オーブ、プラントの一般市民はこの事件が戦争勃発の引き金になったと認識している(実際、公式年表発表前のアニメ劇中のニュアンスからそう受け取れた)が、地球連合軍の宣戦布告は3日前の2月11日に正式にされている。しかし、地球連合軍は当初、核攻撃の事実を隠匿し、この事件自体をザフト軍の自作自演としており、核が地球連合や国民にとって公然のタブーである事が、事件以降起こるさまざまな問題の元となった。
[編集] 南アメリカ侵攻
C.E.70年2月18日、プラント最高評議会議長シーゲル・クラインによる、地球連合非参加国には優先的に物資を提供する「積極的中立勧告」の声明を非プラント理事国である大洋州連合と南アメリカ合衆国が受諾した
これを受け地球連合は翌2月19日、南アメリカ合衆国に武力侵攻を開始する。パナマ宇宙港を軍事制圧し、南米大陸を大西洋連邦に併合した。これは、マスドライバーによる宇宙からの補給が滞ることを恐れた大西洋連邦が、武力をもって阻止するための侵攻であった。
なお、このさらに翌日20日、大洋州連合は地球連合軍の中南米侵攻を批判すると共にプラント支援を表明し「親プラント国家」になった。同日、地球連合軍は大洋州連合に対し宣戦布告を行った。
[編集] 世界樹攻防戦
血のバレンタインから約1週間後のC.E.70年2月22日、地球連合軍の月への橋頭堡であるL1のスペースコロニー「世界樹」で起きた地球連合軍とザフト軍の攻防戦。
地球軍はこの戦いに第1~第3艦隊を投入し、ザフト軍と激しい戦いを繰り広げた。なお、この時に核分裂抑止能力を有する「ニュートロンジャマー」が試験投入され、成果を上げている。戦闘そのものには双方が拮抗し、両軍ともに大きな損害を被るが、最終的に「世界樹」は崩壊し、デブリベルトの塵と化した事で戦闘は終息した。
この攻防戦においてジンで出撃したラウ・ル・クルーゼは、MA37機、戦艦6隻を撃破し、ネビュラ勲章を授与されている。
[編集] 第一次ビクトリア攻防戦
C.E.70年3月8日。ザフト軍の地上侵攻戦(食糧確保の目的もあり)初の軌道上からの地上降下作戦としてビクトリア湖を干拓して造られた宇宙港とマスドライバー施設「ハビリス」に侵攻した戦闘。
作戦は地上戦力の支援が無かったためにザフト軍の敗退に終わり、これを踏まえプラント最高評議会では「オペレーション・ウロボロス」を立案、採択された。
[編集] エイプリル・フール・クライシス
ザフト軍は第一次ビクトリア攻防戦の失敗を考え、
- 「地上での支援戦力を得るための軍事拠点を確保」
- 「宇宙港やマスドライバー基地制圧による地球連合軍を地上に封じ込める」
- 「核兵器、核分裂エネルギーの供給抑止となるニュートロンジャマーの散布」
の3つの柱からなる赤道封鎖作戦「オペレーション・ウロボロス」を立案する。C.E.70年3月15日、プラント最高評議会で可決され、4月1日に発動した。また、採決と同時にプロパガンダ的な意味を込めシグー、ディン、バクゥ、ザウート、グーンなどの複数の新型MSも公開し、全世界に発表された。
対戦国中立国に関らず、無差別に散布され地中深くに埋め込まれたニュートロンジャマーの影響から、以後ザフト軍、地球連合軍の双方のみならず全地球上で核の使用が不可能となり、この影響で核分裂炉の原子力発電をエネルギー供給の主としていた地球上の各国家は、それが使用不可能となり、地球全土で深刻なエネルギー不足が問題になった。これにより地球上の国家は多数の餓死者、凍死者(ニュートロンジャマーキャンセラーによってエネルギー不足解消までの被害者は二次的、三次的被害を含めると地球の総人口の1割近くに相当するとの資料あり。少なくとも数億人の死者が出たと思われる。)を出す事態となり人々の反プラント、反コーディネイター感情は最高潮となる。
戦場においても戦艦が必要に応じて発動するので核兵器の使えない限定戦争になっている。また、その副産物として電波妨害を引き起こし、長距離通信が不可能になったりレーダーも錯乱されてしまい、使用したザフト軍も様々な被害を出す事になる。地球連合軍が使用していた電波誘導式ミサイルも用を成さなくなってしまい、MSを有するザフト軍が戦争の主導権を握る事になった。
[編集] カーペンタリア制圧戦
C.E.70年4月2日、前日のエイプリル・フール・クライシスの混乱に乗じ、ザフト軍はオーストラリアのカーペンタリア湾に軌道上から基地施設を分割降下させ、48時間でカーペンタリア基地の基礎を建設する。
作戦上は制圧戦だが、実際には大洋州連合側から無償で土地が提供されていた。この時、地球連合軍の太平洋艦隊が迎撃に出たが新型機ディンの前に大敗し、基地は翌月の20日に完成した。
[編集] 第一次ヤキン・ドゥーエ攻防戦
C.E.70年4月17日、地球連合軍第5、第6艦隊がプラント本国を目指し月面プトレマイオス基地より侵攻する。プラント管理下の資源衛星ヤキン・ドゥーエ付近にて、迎え撃つザフト軍と交戦を行った。
これによりプラント最高評議会は、本国防衛の点から、ヤキン・ドゥーエを防衛要塞に改装する事を決議した。
[編集] グリマルディ戦線
C.E.70年5月3日、ザフト軍は地球連合軍の月面プトレマイオス基地を目標に侵攻を開始し、月の裏側にあるローレンツ・クレーターに橋頭堡となる基地の建設を開始した。その結果、両軍はグリマルディ・クレーターを境界に月を二分し、以後小競り合いを繰り返す。このことから月の最前線はグリマルディ戦線と呼ばれるようになった。
C.E.70年6月2日、エンデュミオン・クレーターの防衛線で地球連合軍の第3艦隊は壊滅し、施設破壊のため、レアメタルの混ざった氷を融解するために設置していたサイクロプスを暴走させ、ザフト軍を撃破する。この際、巻き込まれた友軍にも多数の被害が出た。ザフト軍はこの敗退によりグリマルディ戦線を放棄し月から撤退し、月は地球軍の勢力下におかれる事になった。
この戦闘でメビウス・ゼロ部隊に所属しジン5機を撃破、さらにサイクロプスの暴走からも逃れ同部隊唯一の生還者となったムウ・ラ・フラガは「エンデュミオンの鷹」と呼ばれ喧伝される。実際は地球軍上層部がエンデュミオン・クレーターでの真相を隠匿するためと、戦意高揚のために行ったプロパガンダである。その後ムウは口封じのため後方に追いやられ、ヘリオポリスへのG兵器テストパイロットの護衛任務などに回される。同様に生還したジェラード・ガルシアもアルテミスへ左遷されられた。また、この戦闘でムウはジンハイマニューバで出撃したラウ・ル・クルーゼと運命的な再会をしている。
[編集] 第一次カサブランカ沖海戦
C.E.70年5月2日、地球連合軍(ユーラシア連邦主力)の地中海艦隊とザフト軍のボズゴロフ級からなる潜水空母艦隊が衝突。この戦いで、水中用MSグーンが実戦初投入された。
この戦いに勝利したザフトは地中海へ侵入。アフリカ北岸より侵攻開始。また、ジブラルタル基地建設を開始する。
[編集] スエズ攻防戦
C.E.70年5月30日、戦場となったエル・アラメインにて、地球連合軍とザフト地上軍の攻防。別名エル・アラメイン会戦。
ザフトは、ザウートを中心とした戦力を地中海沿岸より上陸。そこで待ち構えていたモーガン・シュバリエ大尉が所属するユーラシア連邦の大戦車軍団と交戦。シュバリエ大尉はリニアガン・タンクの圧倒的物量と機動性を活かしザウート部隊を奔走し後一歩で勝利というところまで追い詰めたが、アンドリュー・バルトフェルドの奇策と、陸戦用MSバクゥの活躍により大敗。
以後、ザフト軍はアフリカ北岸からはビクトリア宇宙港へと南下を開始(「アフリカ戦線」)
[編集] 新星攻防戦
C.E.70年6月14日、L4の地球連合東アジア共和国領の資源衛星「新星」にザフト軍が侵攻、迎え撃つ地球連合軍との間で翌7月12日まで攻防戦が行われた。
双方とも決定打のないまま小競り合いが1ヶ月近く続き、結局防衛を断念した地球連合軍側が新星を放棄する。この間L4のコロニー群も多数被害を受けている。
ザフト軍はこの衛星を自軍の防衛用軍事衛星として改装しつつL5まで移送することを決定。この新星の移送中、地球軍は何度かの奪還を試みザフトの護衛艦隊と交戦した。
L5への移送後、新星はボアズと改められた。
[編集] ヘリオポリス崩壊(ザフトによる地球軍のG兵器強奪事件)
C.E.71年1月25日、地球連合軍が極秘裏に開発していたG兵器(初期GAT-Xシリーズ)を奪取するべく、ザフト軍 クルーゼ隊がオーブの資源コロニー「ヘリオポリス」を襲撃。開発されていた5機のうちストライクを除く4機(イージス、デュエル、バスター、ブリッツ)が強奪され、さらにクルーゼ隊の攻撃やストライクの抗戦などによりヘリオポリスが崩壊した事件。
さらに事件の裏ではオーブ政府が極秘裏に開発した自国防衛用MSの試作品ガンダムアストレイ「P02レッドフレーム」と「P03ブルーフレーム」がジャンク屋と傭兵に発見されている。P01ゴールドフレームはパイロット共にオーブ政府に回収されている。
[編集] 低軌道会戦
地球に降下しようとするアークエンジェルを援護する地球連合軍第8艦隊(旗艦:メネラオス)と、ザフト軍 クルーゼ隊が交戦した戦い。
C.E.71年2月13日、アークエンジェルを追撃してきたクルーゼ隊はアークエンジェルが地球に降下する前に撃破すべく戦闘を仕掛け、アークエンジェルを援護する第8艦隊と交戦状態となる。
艦船総数など、物量では圧倒的に第8艦隊が上回っていたが、ザフト軍のMSの前になす術も無く壊滅、特にヘリオポリスで強奪されたデュエル、バスター、イージス、ブリッツはそのこれまでのMSを遥かに上回る性能を見せ付ける結果になった。
この戦いで、第8艦隊司令官のデュエイン・ハルバートン提督は戦死。アークエンジェルは辛うじて大気圏突入に成功するものの、降下ポイントは当初予定していたアラスカから大きく外れ、ザフト勢力圏内である北アフリカに降下してしまう。
[編集] 第二次ビクトリア攻防戦
プラント最高評議会のオペレーション・ウロボロスの見直しの圧力を受けて、アフリカ戦線が強化。 C.E.71年2月13日にビクトリア宇宙港は陥落。翌日、プラントにて行われた血のバレンタイン追悼式典に花を添えることとなる。ザフトの兵士は陥落時に投降した地球軍兵士らを捕虜にとることを拒否し殺害していた。
同日、クルーゼ隊の追撃を振り切ったアークエンジェルがザフト勢力圏内のアフリカ共同体のリビア砂漠に降下。
[編集] マラッカ海峡突破戦
C.E.71年3月15日、アークエンジェルはマラッカ海峡に到達。待ち受けていたザフトの部隊と交戦。ザラ隊は潜水母艦の故障により戦闘に間に合わず、アークエンジェルは致命的損害は受けずに済むが、多数被弾。
[編集] オペレーション・スピットブレイク
戦争に終止符を打つべくプラント最高評議会において可決された作戦。宇宙から大規模な攻撃部隊を地上の地球連合軍側の拠点に降下させ拠点を制圧するという強襲作戦だった。
この作戦の前にプラントは地球と宇宙の行き来を可能とするマスドライバーを持つ地上拠点のほとんどを掌握しており、地球連合軍のもとに残されていた宇宙港はパナマ基地だけとなっていた。このため、その最後の宇宙港を奪取することで地球連合軍の宇宙と地上の戦力を分断し、地球連合軍を地上に封じ込めることが可能になるとして、パナマ基地攻略を目標としてオペレーション・スピットブレイクは立案、可決された。
しかしパナマ基地の攻略という計画は表向きのもので、実際には地球連合軍最高司令部が存在するアラスカ(JOSH-A)を強襲することが真の目的であった。こうした「オペレーション・スピットブレイクの真の目標」については作戦に参加するザフト軍人はおろか作戦を可決した評議会議員の多くも知らず、パトリック・ザラら評議会議員の一握りの者が知るのみだった。
オペレーション・スピットブレイクがコズミック・イラ71年5月5日に発動されると、同時に全軍に対し攻撃目標の変更が通達され、パナマ攻撃のために集結していた部隊はその進路をアラスカ JOSH-Aへと変更した。ザフト軍はこの作戦に地上部隊の大半を注ぎ込み、アラスカ基地の防衛線を次々と突破して中心部へと迫った。しかしスピットブレイクの真の目標は事前にラウ・ル・クルーゼがムルタ・アズラエルを通じる形で地球連合軍上層部にリークしており、連合軍側はアラスカ基地の地下に大量破壊兵器「サイクロプス」を設置、侵攻してきたザフト軍が基地の中枢に迫ったところで起動させザフトの攻撃部隊の8割を消滅させた。
この時、地球連合軍上層部は密かにアラスカを脱出しており、基地に残っていたユーラシア連邦を主力とする防衛部隊(一部にはアークエンジェルの様に大西洋連邦所属部隊でありながら不必要な邪魔者として切り捨てられた部隊もいた)には事情は知らされていなかった。このサイクロプスによって地球連合軍の防衛部隊ともどもザフト軍は地上における戦力の大半を失った。
この戦力喪失により、ザフトは地上で戦線を維持することが難しくなり、以後は地球連合軍によるプラント本国攻撃にそなえ宇宙戦力の増強に力を入れることになる。
またユーラシア連邦のアラスカ防衛部隊も壊滅したことから、ユーラシア連邦は連合内での発言力を喪失。以後地球連合軍は大西洋連邦(そしてその背後にいるブルーコスモス)が更なる主導権を得ていく。
[編集] フリーダム強奪事件
オペレーション・スピットブレイク発動直後にプラント内で起こった事件。ザフトが極秘裏で建造していたニュートロンジャマーキャンセラー搭載MSフリーダムが何者かに強奪され、その後ラクス・クラインが手引きをしたと判明。ニュートロンジャマーキャンセラーの情報が外部に漏れると戦局が変わることにより、パトリック・ザラを中心とするザラ派によりラクス・クラインとその父で最高評議会議員のシーゲル・クラインが国家反逆罪として指名手配され、クライン派の議員及び関係者は弾圧・束縛された。これにより議会はザラ派によって占められることとなった。また、本国に帰還したアスラン・ザラに同時開発のジャスティスを授与し、フリーダムの奪還または破壊、パイロット及び接触者の排除(殺害)、接触した施設等の破壊を命じた。
[編集] パナマ攻略戦
オペレーション・スピットブレイクでの戦力喪失の結果、逆に宇宙の本国を地球連合軍に突かれる恐れの生じたザフト軍は、地球軍を地上に封じ込めるため地球軍側に唯一残されたパナマ基地のマスドライバー施設「ボルタ・パナマ」の破壊を目標とした作戦を立案、発動させた(C.E71 5月25日)。この作戦のためザフトは、アフリカ戦線を縮小。ジブラルタル基地より兵力を大量投入している。
作戦開始直後はザフト有利の戦況であったが、この戦闘で地球連合軍初の量産型MSストライクダガーを擁する第13独立部隊及びロングダガーが実戦投入され、武装・物量でザフトのMSを凌駕していたことと、ザフト兵が対MS戦闘に慣れていなかったことにより戦局は地球軍に傾く。しかしザフト軍は軌道上から電磁パルス発振兵器であるグングニールを降下 起動させたことにより、グングニールの放つ電磁パルス(EMP)が引き起こしたサージ電流により地球連合軍のMSや戦闘機と言った攻撃兵器やパナマ基地などの電子機器は壊滅、その機能を失い、超伝導体であるマスドライバーの基線も破壊された。なお、ザフト軍のMS部隊はあらかじめグングニール用のEMP対策を施しており、グングニールの影響を受けずに済んでいる。これによりザフトはマスドライバー破壊という目標を達成した。
しかし、この作戦終了後にザフト軍兵士は条約を完全に無視した無抵抗の地球連合軍兵士への私刑的行為を執行。MSの機銃による非道な虐殺が行われ、その光景は凄惨有り余るものであった。
この作戦により地球連合は保有するマスドライバーの全てを失い、宇宙へ軍を大規模に送ることが不可能となった。そのためこの状況を打開するべく、マスドライバーを保有する中立国 オーブ連合首長国に対し戦争協力の圧力を強めると同時に、ビクトリア基地奪還に力を傾注していくことになる。
[編集] オーブ解放作戦
C.E.71年6月15日、地球連合軍が後期GAT-Xシリーズ(カラミティ、フォビドゥン、レイダー)のテストとマスドライバー施設の接収を兼ねて、中立国のオーブ連合首長国に侵攻した作戦。作戦はビクトリア奪還作戦と並行して行われ実質的な総指揮官は、地球連合の首脳会議でオーブへの攻撃を示唆したブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルである。
6月13日にオーブはオーブ所有のマスドライバー施設カグヤの貸与を要求されたが、通告から48時間後にこれを拒否する回答を行ったため戦闘となる。地球軍は前述の3機とストライクダガーを投入し攻撃を仕掛けるが、オーブ軍はM1アストレイを投じ防戦。モルゲンレーテ社に匿れていたアークエンジェルも加わるものの、物量で圧倒的に勝る地球軍に抗し切る事はできず、侵攻開始の翌日にオーブは陥落する事となる。
敗北を悟ったオーブ連合首長国前代表 ウズミ・ナラ・アスハは、アークエンジェルと娘のカガリ・ユラ・アスハを搭乗させたクサナギをマスドライバーを用いて宇宙に上げた後、地球連合が狙っていたマスドライバーとモルゲンレーテ社の施設を爆破。これに伴い自らも他の五大氏族首長らと運命を共にし自決した。
この作戦の終了後オーブは、戦後地球連合-プラント間で結ばれるユニウス条約が発効するまで大西洋連邦の監視下に置かれることとなった。
この作戦については、オーブ連合首長国の項にも詳細な記述があるので、そちらも参照。
[編集] 第三次ビクトリア攻防戦
C.E.71年6月18日、ユーラシア連邦を主力とした地球連合軍がザフト軍占領下のビクトリア宇宙港の奪還を目的とした戦闘。
ストライクダガーの大量投入と、アラスカ戦以降のザフト地上軍の弱体化で戦況は地球軍が有利に。基地は1週間後の6月25日に陥落。自爆装置が仕掛けられるも寸前で特殊部隊の突入により阻止。地球軍はビクトリア基地を奪還し、以後ビクトリア基地は地球軍の主力宇宙港となった。
また、この戦いでエドワード・ハレルソンがソードカラミティで出撃。多大な戦果をあげ、”切り裂きエド”の二つ名は決定打となった。この時エドワード・ハレルソンを指揮していたのはオーブのロンド・ギナ・サハクであった。彼はムルタ・アズラエルとオーブのマスドライバーを見逃す代わりにビクトリア基地奪還を手伝う契約を交わしたがオーブのマスドライバーは地球連合軍との交戦の末、ウズミ・ナラ・アスハ前代表の手によって破壊されてしまった。他にもいくつかのダガーのバリエーション機が投入され、実戦評価が行われた。
ビクトリア基地宇宙港陥落に伴い、オペレーション・ウロボロスは完全に失敗・頓挫し、プラント最高評議会は翌26日、宇宙戦力の増強を決議。
なお、地球連合軍の兵士がパナマの報復かどうかは不明だが、瀕死のMSパイロットの射殺を行っていた。
[編集] 第二次カサブランカ沖海戦
C.E.71年7月24日、地球連合軍がジブラルタル基地に侵攻。カサブランカ沖にてグーン、ゾノの水中MS部隊が、ジェーン・ヒューストン率いる少数のフォビドゥンブルー、ディープフォビドゥンらにより壊滅状態に陥れられた。
これによりザフトは、地球軍の侵攻を防げなくなりジブラルタル基地を放棄せざるを得なくなり、ヨーロッパから撤退することになる。以後、戦局は大洋州連合方面に移行することとなる。
[編集] 八・八作戦
第二次カサブランカ沖海戦の成功の流れに乗り、地球連合がコズミック・イラ71年8月8日カーペンタリア基地を最終目標として発動。
第1弾としてビクトリア基地より打ち上げた軌道上のMSを降下させる「エアーズロック降下作戦」を開始、降下したオーストラリア内陸からの地上部隊と太平洋艦隊による挟撃でカーペンタリア基地の陥落を企図する。しかしこの作戦は長引き、戦争終着まで決着がつくことはなかった。
尚このころからビクトリア宇宙港から続々とMSや人員、物資などが月面プトレマイオス基地に送り始められる。
[編集] エルビス作戦
C.E.71年9月11日、地球連合軍司令部はプラント本国攻撃を最終目標としたエルビス作戦を発動。極秘裏に各方面より戦力を結集させる。
[編集] ボアズ攻略戦
C.E.71年9月23日、地球連合軍がエルビス作戦の発動に伴いプラント最前線の宇宙要塞ボアズ(旧東アジア共和国資源衛星 新星)攻略の為に行った戦闘。
地球軍は第6、第7機動艦隊が参加し、モビルアーマーのメビウスに加えストライクダガーを投入しボアズへ侵攻。対するザフトのボアズ守備軍は従来のジン、シグー、量産機では初めて小型ビーム兵器標準装備のゲイツで迎え撃つ。
宇宙空間でのMS戦においてはザフト側に一日の長があり、数と装備の不利にもかかわらず善戦し、当初は優勢に戦いを進めていたが、ドミニオン所属のカラミティ、フォビドゥン、レイダーやガンバレルダガーからなる105ダガー隊らによって戦線を崩され、ボアズへの道を開かれてしまい、そこにメビウスで構成された核攻撃隊であるピースメーカー隊の核攻撃によってボアズは壊滅した。
再び行われた核攻撃に憤怒したパトリック・ザラ議長は極秘裏に建造された最終兵器ジェネシスの使用に踏み切る。
[編集] 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦
C.E.71年9月26~27日に、プラントの最終防衛ライン、ヤキン・ドゥーエ宙域で行われた地球軍、ザフト軍の事実上の最終決戦。パトリック・ザラがザフト全軍の指揮を行っていた。
地球軍は核攻撃部隊 ピースメーカー隊によるプラント本国へ核ミサイル攻撃を行うも、後方に部隊を配置していたイザーク・ジュール率いるジュール隊、介入してきたラクス・クラインら三隻同盟に阻止される。その直後、ミラージュコロイドで隠匿されていたジェネシスの第1射で地球軍はプラント攻略部隊総旗艦「ワシントン」を含む戦力の40%以上を撃破される大打撃を受け、デブリベルトに一時後退を余儀なくされ、またザフト軍の追撃で更に多くの艦船とモビルスーツを失った。
地球軍はあまりの損害に月面プトレマイオス基地への撤退を考慮するも、ドミニオンに乗艦していたブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルはジェネシスの威力を恐れ再度の総攻撃を指示。残存戦力の再編後地球軍は再度の進行を開始。
翌27日のジェネシスの2射目で、補給を兼ねた第2陣諸共プトレマイオス基地が消滅。アズラエルはこれに憤慨し、ピースメーカー隊による再度のプラント核攻撃を行うも、フリーダム、ジャスティスらに阻まれフォビドゥン、カラミティが相次いで撃墜、さらにピースメーカー隊も母艦「ドゥーリットル」を含め全滅。この時点でプラント本国への攻撃が不可能となり地球軍の勝利は潰えた。また地球連合を実質指導していたアズラエルもアークエンジェルのローエングリンによりドミニオンを撃沈され死亡した。
だが、ザフト軍の実質的勝利が決まってもパトリック・ザラはジェネシスによる攻撃を中止しなかったため、残存の地球軍艦隊はジェネシスの破壊に奮戦する。
ついに地球(厳密に言えば大西洋連邦首都ワシントンD.C.)に照準を定めるが、地球に向けたジェネシスの発射と射線上の自軍の部隊をも巻き添えにしようとするパトリックのやり方に疑問を抱き、パトリック本人に地球への照射の中止を具申した直後にパトリックに銃撃されたザフト兵レイ・ユウキが、息絶える直前でパトリックを射殺する。これにより戦意を喪失したザフト兵達はヤキン・ドゥーエを放棄する。
しかしパトリックは、死の間際にジェネシスの発射に連動したヤキン・ドゥーエの自爆システムを作動させていた。そのため、ヤキン・ドゥーエは内部爆発により崩壊し、要塞としての機能のほとんどを失った(なお、ジェネシスは発射直前にジャスティスの自爆により破壊されている)。
この戦闘の直後、レジスタンスにより救出されたアイリーン・カナーバら旧クライン派により地球連合に停戦が申し込まれている。
―― ここまで『機動戦士ガンダムSEED』上での出来事 ――
[編集] 南アメリカ独立戦争
C.E.71年11月、前年の2月に大西洋連邦によって併合されていた南アメリカ合衆国が大西洋連邦からの分離独立を宣言し勃発した紛争。
南アメリカ合衆国は、ストライクダガーを主力としたMS部隊を保有しており、大西洋連邦はそれに対する形でプラント制圧部隊として待機していたダガーLを中心とした大部隊を派遣した。
主戦場に南米の森林地帯が含まれるため、政治的な理由によりMSの火力には制限があり、戦局は局地戦に終始し、装備もソードストライカーなどの近接戦装備に限定される事になった。
地球連合軍のトップエース「切り裂きエド」ことエドワード・ハレルソンが乗機ソードカラミティと共に連合を脱走・南アメリカ軍に合流した事で一躍マスコミの注目を集め、地球連合軍もエースパイロット、モーガン・シュバリエ、レナ・イメリアをエドワードの刺客として投入し、その対決をエドを主人公にしたニュースショー的な報道がされた。
その後、南米で修行していたバリー・ホーやエドワードに破れ和解したジェーン・ヒューストンも南アメリカ軍に加勢した。また、紛争末期にはザフト軍がユニウス条約の批准を名目に介入していた。
紛争はユニウス条約締結まで続き、それにより南アメリカ合衆国の独立自治が認められた。ただし、パナマ基地は引き続き地球連合軍の勢力下に置かれた。また、南アメリカ合衆国政府は地球連合に加盟している。
なお、紛争以前から駐留していたザフト軍の監視部隊は条約施行により撤退した。
[編集] ユニウス条約締結
C.E.72年3月10日、地球連合とプラント間に停戦条約としてユニウス条約が締結。
条約では、地上の国境線をコズミック・イラ70年2月10日以前へ戻す事や、ニュートロンジャマー影響下においても核兵器の使用を可能とする「ニュートロンジャマーキャンセラー」や、大量殺戮兵器ジェネシスの隠匿に使用された「ミラージュコロイド」の軍事利用を禁止し、戦艦やMSの生産・配備数の制限を設ける等の軍縮規定などが制定された。
この条約により大西洋連邦に併合されていた南アメリカ合衆国の分離独立が認められ、オーブも自治権を回復した。ザフト軍はカオシュン基地を東アジア共和国へ返還、さらにカーペンタリアとジブラルタル以外の拠点からの撤退を余儀なくされた。戦力数からも地球連合有利な条約で、プラント側には不利ではあったが、戦争の起点地でもあるユニウスセブンで条約が締結されたことによりプラントの面目は保てるとのことで締結された。
しかしながら、多くの犠牲を払った大戦が終結した後も両者の間のわだかまりは消えず、地球連合は大西洋連邦のアーヴィング大統領が任期切れとなり直後の大統領選挙でジョゼフ・コープランドが大統領に選出される。
また、プラント側が不利となったこの条約の締結に合意した為にプラント内から批判を浴びたプラント暫定評議会はアイリーン・カナーバ議長以下、暫定評議会は総辞職した。
ちなみにこの頃から両者共に戦力の再編、新型MS・MAの開発など次の開戦に向けて準備を始めている。
―― 以下が『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編が始まってからの出来事 ――
[編集] 地球連合軍特殊部隊(ファントムペイン)によるザフトのG兵器強奪事件(仮称)
C.E.73年10月2日、新造艦ミネルバの進水式を目前に控えたプラントの軍事工廠「アーモリーワン」に於いて、3機のセカンドステージシリーズMS(カオス、ガイア、アビス)が地球連合軍第81独立機動軍ファントムペインによって強奪された事件(この際、開発の遅れていたセイバーは強奪を免れた。セイバーは後にアスラン・ザラの搭乗機としてミネルバに配備される)。
この時、オーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ、アスラン・ザラ(アレックス・ディノ)はミネルバの進水式に出席するギルバート・デュランダル最高評議会議長を極秘に訪問していたため、戦闘に巻き込まれることになる。
[編集] ジェネシスα暴走事件
ジャンク屋組合の本拠地であるジェネシスα(これは先の大戦末期にザフトがジェネシスの試作機として建造し、その後廃棄したもの。さらにその後ジャンク屋組合が回収・修復し、本拠地とした。)が地球連合の要塞衛星を狙撃した事件。この衛星は一般には非公開であったものの、連合はジャンク屋組合による敵対行為であるとみなし非難した。この事件はウイルスによる誤射が原因であったがその証明は困難で、連合側はこれを意図的な攻撃と判断した。この直後、連合はジェネシスαを襲撃した。ジャンク屋組合はジェネシスαを放棄し、アメノミハシラに避難した。
[編集] ブレイク・ザ・ワールド(ユニウスセブン落下テロ事件)
C.E.73年10月3日、100年単位で安定軌道にあると言われていたユニウスセブンが安定軌道を外れ、地球に向かって動き出した。これは現在のプラント評議会に不満を持ち戦争継続を訴えるザフト軍脱走兵(テロリスト)が、地球に住むナチュラルを殲滅する為に行った事である。
これに気付いたプラントはユニウスセブンを破砕する為、ザフトのジュール隊とミネルバをユニウスセブンに派遣した。しかし破砕を阻止する為にユニウスセブンに潜んでいたテロリスト達の妨害を受け、ユニウスセブンの破砕には成功したものの破片の落下までは防ぎ切れず、地球各地(特に赤道付近)では津波が起きる等大きな被害を出す事となった。国際緊急事態管理機構は、地球全体に非常事態を宣言し、同時に地球連合軍及び各国の全軍に、災害出動命令を発令した。
後日、ユニウスセブンでの戦闘(ザフト軍MSによる破砕作業の妨害)の映像が公表され、プラントもこれを大筋で事実と認めた為、地球の反コーディネイター感情が再発、さらにコーディネイターによる無差別テロが多発し、後に起こる戦争の火種となった。秘密結社ロゴスのメンバー兼ブルーコスモス盟主ロード・ジブリールは事件を「好機」と歓迎し傍観していた。これにより彼は地球世論をプラント攻撃へ盛り上げることに一時的に成功する。
尚、実行犯であるテロリスト達は全員が現場(ユニウスセブン)で死亡したものの、破砕作業妨害の為に搭乗したジン・ハイマニューバ2型やユニウスセブンを動かす為に用いたフレアモーターなど、テロリスト達が大規模な装備を充分な数保有していた事からプラントにも彼らの協力者がいると見られ、ユニウスセブン落下後も調査が続けられている(ギルバート・デュランダルはテロリストが行動をおこすことを知っていた。)。
また、プラント政府側は事件後の放送にて、テロリスト達の使用するジンが特殊な斬機刀を所有していた事から、斬機刀の製造と運用に長けているジャンク屋のロウ・ギュールがこのテロリスト達に支援をしていたと表明(これはロウの排除をもくろむ「一族」の陰謀によるものであった。ロウがプラントのレアメタルを拾得していたこともこの陰謀にプラスに働いた)。放送の内容を真に受けた連合軍によって、ジャンク屋組合本部であるジェネシスαが襲撃を受け、壊滅的な危機を迎える。
[編集] フォルタレザ市MSテロ(仮称)
ブレイク・ザ・ワールドの混乱及びその影響による異常豪雨に見舞われた南アメリカ合衆国旧ブラジル地区フォルタレザ市が、突如ザフト製MSジン1機によって襲撃された(通称:ジン・タイプインサージェント)。攻撃目標は建造物や市民へ無差別であり、甚大な被害が出た。現地の地球連合軍攻撃ヘリコプターの対戦車ミサイルでバックパックを失った後、リニアガン・タンクの近距離連続砲撃により、ジンは沈黙した。
コックピットにいたのは年端のゆかぬコーディネイターの子供であったが、爆撃の高熱で既に死亡していた。15にも満たない少年少女が、何の訓練もなくMSを操縦できるのは有り得ない話であり、在地球コーディネイターのテロ組織(ザフト軍脱走兵)の一員としての特殊訓練を受けていたと見られている。
この事件と平行して、オーストラリア南部でも類似した戦闘が発生している他、パトリック・ザラを信奉するコーディネイターによる民間ナチュラルへの無差別テロが散発的に起こっている[1]。
[編集] キルギスプラント襲撃事件(仮称)
フォルタレザ市テロの翌日、ブレイク・ザ・ワールドの混乱が未だ収まらぬ中、ユーラシア連邦東部キルギスにある、新型駆動コンピュータを開発中である地球軍研究施設がジン、バクゥ、ガズウートの2個小隊規模からなる、おそらくザフト軍脱走兵が操縦していたと思われるザフト製モビルスーツ及び制式自動小銃、冬季オーバーコート軍服装備の武装集団によって襲撃された。一報を受けた地球軍本部は直ちに第81独立機動群ファントムペイン所属部隊の一つであるストライクノワール、ブルデュエル、ヴェルデバスターの3機で構成された1個小隊を出撃させ、これを殲滅した。
[編集] 天空の宣言
ロンド・ミナ・サハクが地球を含む全宇宙にむけて発信した声明。「人類は他者の理想を妨げない限り己の信念に従うべきだ」という考えであり、いかなる組織・国家であろうとも他者に主義・主張を押し付けてはならないと説いた。ミナはこの「宣言」に従うことを人々に強制しない一方、宣言に賛同した者には無償の援助をすると表明するしたたかさを見せており、モーガン・シュバリエ等はこの宣言に賛同していない。
宣言後の南アメリカ合衆国やユーラシア西側地域といった連合にもプラントにも属さぬ地域では、これらの地域を援護するロンド・ミナ・サハクの“地域遊説”が度々見られるようになった。
連合・プラント両政府はこの宣言を悪質なものと市民達に表明し、オーブおよびスカンジナビア王国は黙認の態度を取った。
なおこの宣言の直後地球連合艦隊がアメノミハシラに接近したが交戦は確認されていない。
[編集] フォックスノット・ノべンバー
地球連合側は、「ユニウスセブン落下テロ事件に関与したテロリストは全員死亡した」としたプラント側の報告を一度は受け入れたものの、それを事実上撤回し、プラントが「戦闘中に死亡した」と説明したテロリストの引渡しや武装解除、プラント最高評議会への監査員の派遣の容認をプラント側に要求する共同声明を発表したが、プラントは拒否。
更に、同事件以降の地球の反プラント世論と、ブルーコスモスなどの各勢力の工作活動、コーディネーターによる無差別テロの多発により地球連合はプラントに宣戦布告し、同時にプラント制圧作戦を発動した。
大西洋連邦所属の月面アルザッヘル基地の部隊を主力とした地球連合艦隊とそれを迎え撃つ宇宙空母「ゴンドワナ」を旗艦とするザフト主力艦隊がプラントのあるL5宙域で激突。戦局はほぼ一進一退の五分であったが、地球連合艦隊は主力部隊を囮としてザフト主力部隊を拘束、極軌道上の暗礁宙域に宇宙空母「ネタニヤフ」を旗艦とした奇襲攻撃艦隊「クルセイダーズ」を秘匿し、同艦隊が多数保有する核ミサイルによりプラント群を攻撃し、プラントを一気に殲滅せんとしていた。
作戦はほぼ地球連合艦隊の思惑通り進行し、クルセイダーズはプラント群の直上より核ミサイル搭載の地球連合最新鋭MS ウィンダムを多数射出、直後長距離強行偵察複座型ジンに発見されるが、すでに迎撃が困難な所まで展開しており、プラントの命運は尽きたかに思えたが、ザフトは切り札ニュートロンスタンピーダーを展開し核ミサイルは(安全装置が解除されていない戦艦に格納されている分も含め)全て自爆、クルセイダーズの戦艦やMSは全て消滅し、プラントへの核攻撃は未然に防がれた。
これにより作戦は失敗、地球連合艦隊は悪戯な消耗を避けるため月軌道へ撤退、更にニュートロンスタンピーダーが核攻撃への抑止となり、以降宇宙では月とL5宙域を挟み地球連合艦隊とザフト艦隊が睨み合いに終始し、小競り合いを繰り返す事になる。
また、作戦成功と同時にカーペンタリアやジブラルタルに攻め込む手筈だった地上軍は踏鞴を踏む事になる。
この一戦を重く見たギルバート・デュランダルプラント最高評議会議長は、プラントの安全保障のため、積極的自衛権の行使を名分に地上への降下作戦「オペレーション・スピア・オブ・トワイライト」を発動、再び地球圏全土を巻き込む大戦が始まる。
[編集] ボナパルト追撃戦(仮称)
ファントムペインを中心とした地球連合軍は西ユーラシア地域の反連合勢力の掃討と、ファントムペイン本部のある中央アジア地域へ侵攻を開始した陸上戦艦を中心に編成されたザフトの大部隊に対抗する名目でデストロイを搭載したボナパルトを西ユーラシア地域へ派遣。
その不穏な動きを察知したザフト軍はケルベロスバクゥハウンドを中心とした部隊で攻撃、ストライクノワールらを中心としたファントムペインと交戦した。この戦いでザフト軍はブルデュエルを撃破するなどの戦果をあげたものの、攻撃部隊はほぼ全滅してしまい、連合軍の動きを止めることは出来ず、デストロイのシステムに最も適合した強化人間を有するロアノーク隊との合流を許してしまう。
[編集] 西ユーラシア政変(仮称)
ギルバート・デュランダル プラント最高評議会議長が全世界へ向けて政見放送をしたのを発端に起こった政変。反連合感情の根強いザフト駐留下のベルリンにて地球軍のデストロイと陸上戦艦を有するザフト軍との交戦によりベルリンは壊滅し多くの民間人が犠牲となった。この一戦の映像をプラント政府が編集の上放送した。更にブルーコスモスの支援母体であり戦争の影の暗躍者(とレッテルを貼った上で)「ロゴス」の存在と中心人物の詳細を暴露し、全世界の反ロゴス感情を煽った。
開戦以降、地球連合軍が各地で民衆に行っていた弾圧により反連合感情が高まっていたが、この放送により各地で民衆による武装蜂起が頻発し、ロゴスの幹部が所有する施設が襲撃され逃げ遅れた者の中には殺害されたものもいた。ロード・ジブリール以下生き残った構成員はロゴス本拠地のヘブンズベースへ逃げ延び、徹底抗戦を図った。
[編集] オペレーション・ラグナロク
プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルのロゴス討伐宣言に呼応した東アジア共和国を初めとした地球連合内の反ロゴス陣営とザフト軍によって構成された対ロゴス同盟軍が、地球連合のロゴス及びブルーコスモス派が立て篭もるヘブンズベースに武装解除と匿っているロゴスメンバーの引渡しを求めた作戦。
ロゴスメンバーがアイスランドにある地球連合軍最高司令部 ヘブンズベースに逃げ込んでいる事を知った対ロゴス同盟軍は、ザフト軍ジブラルタル基地に参集。そこからアイスランドに向け出発し、同島を艦艇で包囲。立て篭もるロゴス陣営に、ロゴスメンバーの引渡しとヘブンズベースの武装解除を含む要求、更に要求に応じられない場合は攻撃を行う旨を地球連合・プラント両陣営公式のものとして通告した。
これに対してロゴス陣営は沈黙を守り、密かに抗戦の準備を整えていたが、ブルーコスモス盟主ロード・ジブリールの指示により、通告への回答期限まで5時間を切ったところで突如戦端を開いた。ベルリン戦で戦果を挙げた5機のデストロイの量産型や対空掃討砲ニーベルングにより、当初戦局はロゴス陣営優位に進むが、ミネルバ隊のデスティニー、レジェンド、インパルスらの戦闘によりデストロイを失ったロゴス陣営の攻撃力は急激に低下した。また、体勢を立て直し、猛然と反撃してきた対ロゴス同盟軍の物量の前に兵力のほとんどを失い、戦意喪失。司令部に白旗を掲げ、全面的に降伏した。
だが降伏の直前、形勢不利と見たジブリールは他のロゴスメンバーを見捨て潜水艦で秘密裏に脱出を行い、オーブに向かって逃走しており、対ロゴス同盟軍は戦闘には勝利したが最大の目標であったジブリール逮捕には至らなかった。
[編集] オペレーション・フューリー
ヘブンズベースより逃亡したロード・ジブリールは、その後オーブに逃亡し、実質的な支配者セイラン家に匿われた。スパイからの情報を得たザフト・反ロゴス連合艦隊は、オーブ政府にジブリールの身柄引渡しを強く求めた。宰相で実質的なオーブの国家指導者であるウナト・エマ・セイランの息子ユウナ・ロマ・セイランはこの要求に対して、「そのような人物はオーブ国内に存在しない」という旨を回答する。しかし、あからさまな嘘は通用せず、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの命令により作戦は発動された。
ザフト軍は海上からミネルバ、ボズゴロフ級10数隻、そしてその艦載MSからなる戦力を投入した。迎え撃つ形となったオーブ軍は、軍の最高指揮官に近い立場にあるユウナが侵攻を想定しておらず、軍全体で組織的な防戦へ移るのが遅れてしまい、ザフト軍優勢のまま戦闘は進む事になる。
しかし、戦闘の最中突如戦場に現れたオーブ代表首長カガリ・ユラ・アスハが復帰しオーブ軍の指揮系統を立て直すと共に、アークエンジェル、ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス、ドムトルーパーが来援する。また、本作戦の目標たるジブリールは宇宙へ逃亡してしまい、旗艦セントヘレンズが撃沈され、指揮を引き継いだミネルバ艦長タリア・グラディスはこれ以上の戦闘が無意味と判断し、全隊を率いて公海上へと撤退した。ジブリールの身柄の確保の目的を果たせず、作戦は失敗に終わった。
この戦闘の際に地下シェルターに避難していたウナトは他の閣僚共々、地中から突入したジオグーンによる崩落により死亡した。拘束されたユウナも隙を見て一旦は脱走するが、撃墜されたグフイグナイテッドの下敷きになり死亡した。
[編集] D.S.S.Dトロヤステーション襲撃(仮称)
地球連合軍第81独立機動群ファントムペイン所属の戦艦「ナナバルク」を中心とした部隊によるD.S.S.Dトロヤステーションに対する襲撃事件。ロード・ジブリールの地球脱出に伴い、追いつめられた地球連合軍(ロゴス派)はD.S.S.Dで開発している機体スターゲイザーの強奪を目的とした作戦。
戦力的には圧倒的なはずのナナバルク側であったが、主力MSスローターダガー部隊がD.S.S.DのMSシビリアンアストレイ及びスターゲイザーに撃破される。最精鋭機ヴェルデバスターも撃破され、最後に残ったもう1機の主力であるストライクノワールも被弾し行動不能となり、パイロット共々行方不明になった。母艦であるナナバルクも撃沈され、作戦は失敗した。
[編集] ダイダロス、レクイエム攻防戦
月面ダイダロス基地に逃げ込んだロード・ジブリールは大量破壊兵器レクイエムで形勢逆転を図る。ジブリールはプラントの首都であるアプリリウス・ワンを狙ったが、最終中継点の廃棄コロニーがジュール隊らとの交戦の影響で射角がずれてヤヌアリウス・ワンからフォーの4基に直撃し、壊滅的な被害を与えた。また、その残骸がディゼンベルに飛来し、ディセンベル・セブンとエイトの2基、計6基が崩壊する大惨事となった。
これ以上の被害を出さないため、ザフト軍は第1中継地点「フォーレ」の制圧のためゴンドワナを主力とする月軌道艦隊が出撃する。地球連合軍は、ザフト軍の動きに呼応し大西洋連邦大統領ジョゼフ・コープランドが滞在するアルザッヘル基地からも第5・第8機動艦隊を出撃させた。一方、ジブリールの指揮下にあるダイダロス基地は、同基地に駐留する第3機動艦隊を「フォーレ」防衛のため出撃させた。これに対しギルバート・デュランダルはカーペンタリアから宇宙へ上がって来たミネルバに単身でダイダロス基地へ向いレクイエムの制圧を指示する。
デスティニー、レジェンドは、ザムザザー、ゲルズゲー、ユークリッドのMA群と多数のMS部隊からなる守備隊を撃破していく。デストロイも5機が投入されたが、接近戦での弱さを突かれ全てが撃破された。「フォーレ」宙域での戦闘はザフト軍の激しい攻勢で守備隊は劣勢になり、ジブリールはパワーチャージを諦めレクイエムの発射を指示するも姿勢位置をずらされたため、プラントへの攻撃は不可能となった。ジブリールは「フォーレ」宙域のザフト軍だけでもなぎ払おうと発射と同時に脱出を決意する。また、デスティニー、レジェンドの猛攻で基地の守備隊も壊滅し、そこに基地外縁部を廻ってレーダーの眼を掻い潜ったブラストインパルスが基地建設時の試掘坑から基地内に侵入し、レクイエムのコントロール・ブロックを破壊する。コントロール・ブロックを破壊され、敗北を判断したジブリールはガーティー・ルーでアルザッヘル基地へ逃亡を図ったが、レジェンドのドラグーンでブリッジを貫かれ死亡した。これをもって戦闘は終結し、ロゴスは名実共に消滅した。
その後、「フォーレ」守備隊と第3機動艦隊の残存部隊はザフト軍艦隊に拿捕された。レクイエムはザフト軍によって接収され、秘密裏に修復作業が行われた。
[編集] メサイア攻防戦
ギルバート・デュランダルが提案したデスティニー・プラン表明後に行われたレクイエムによるアルザッヘル基地攻撃を大義名分にオーブ、スカンジナビア王国は、ザフト軍内の旧クライン派と一部の地球連合軍艦隊と合流し、レクイエムの中継ステーション「ステーション・ワン」、レクイエム及び機動要塞メサイアに進行し繰り広げられた戦闘。
戦闘の結果、レクイエム及びメサイアは陥落し、デュランダルが死亡したため、ザフト軍が停戦勧告を受諾した事により戦闘は終了した。
C.E.74年にオーブとプラントは停戦協定を締結。プラント最高評議会は戦後の再編のためラクス・クラインをプラント評議会へ招聘した。
―― ここまで『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』上での出来事 ――
[編集] 脚注
- ^ 『機動戦士ガンダムSEED CE73スターゲイザー』劇中、ユニウス7落下テロ事件後のTVニュースによる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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