フリーダムガンダム
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ZGMF-X10A フリーダムガンダム (Freedom Gundam) は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器。ザフト軍の試作MS(モビルスーツ) 。メカニックデザインは大河原邦男が担当。本項では後継機であり、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するストライクフリーダムガンダムの概要も記述する。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] フリーダムガンダム
[編集] 機体解説
フリーダム | |
型式番号 | ZGMF-X10A |
---|---|
所属 | ザフト軍→三隻同盟 |
開発 | プラント・マイウス(三局合同) |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 18.03m |
重量 | 71.50t |
発電機関 | 核エンジン(MHD発電) |
ジェネレーター出力 | 8,826kW |
装甲材質 | フェイズシフト装甲 |
武装 | MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲×2 MA-M20 ルプス・ビームライフル MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲×2 MMI-M15 クスィフィアス・レール砲×2 対ビームシールド |
特殊装備 | 武装モジュール「ミーティア」(01号機) |
主な搭乗者 | キラ・ヤマト |
ザフトが、地球連合軍より奪取した4機のG兵器を参考に開発した新型MS。対連合の切り札として開発されたが、プラント最高評議会の前議長シーゲル・クラインの娘ラクス・クラインにより、キラ・ヤマトの手に渡った。以後、三隻同盟の中核戦力として活躍した。PS装甲起動時のカラーリングは白、黒(濃紺)、青メインのトリコロールである。
本機の最大の特徴は、動力源として核エンジンと、その稼動を実現する新装備「Nジャマーキャンセラー」を搭載している点である。これにより本機はビーム兵器とPS装甲の併用と、従来機を遥かに上回る稼働時間を両立している。これはフリーダムのみならず、ジャスティスやプロヴィデンス等の同系列の機体の共通点である。また頭部のV字アンテナやツインアイなど、全体的な外見も従来のザフト機とは異なり、G兵器と似通っている。ジャスティスと共に、頬にグレーが施されているのも特徴である。
本機は核エンジンのアドバンテージを最大限に生かすべく、大出力のプラズマ収束ビーム砲とレール砲を二門ずつ搭載しており、従来のMSからは考えられない程の大火力を有する。これに標準装備としてビームライフルを加え、これらの火器を統合管制する「マルチロックオンシステム」は、最大10機の目標に対する同時ロックオンを可能としており、1対多数の戦闘を前提とした圧倒的な攻撃力を獲得している。
また、背部のメインスラスターはその推力のみで大気圏内での高速・長距離移動を可能とする大推力のもので、更に背部に備えた計10枚のウイングを広角展開することで「ハイマット(High Maneuver Aerial Tactical)モード」と呼ばれる高機動空戦形態を取る。これによって大気圏内では空力制御、無重力下では重心制御を行う事が出来、スラスターの推力と合わせて驚異的な運動性能を発揮する[1]。この翼状のデバイスは放熱板の役割も兼ね備えており、大出力の火砲を多数搭載するフリーダムの信頼性向上にも一役買っている。大気圏突入時の排熱も翼を展開するのみで問題なく行う事が可能。
本機には前述の核エンジンによる稼動を制御する為の新型OS「G.U.N.D.A.M.COMPLEX」(Generation Unsubdued Nuclear Drive/Assault Module Complex=核駆動を使った世代の強襲モジュール複合体)が搭載されている。
核エンジンによる無制限の電力供給、PS装甲の常時展開による鉄壁の防御力、複数の高出力ビーム兵器(及びレールガン)の連続ドライブによる大火力、更に他を寄せ付けない機動力を持ち合わせた本機は、C.E.71の時点でのMSの中では最高級の性能を誇る。
「フリーダム」という名称は、兄弟機のジャスティスと共に、「ナチュラルに『正義』の鉄槌を下し、コーディネイターの真の『自由』を勝ち取る」旗印として命名されたとされている。そして両機は試作機ではなく最終決戦用の「オンリーワン」の機体であり、各1機ずつしか造られていない。
額にはイタリア語で10を指す「DIECI」の文字がある。これはザフトにおける最初のモビルスーツ開発者が「ジャン・カルロ・マニアーニ」というイタリア系のコーディネイターであったという設定による。
[編集] 武装
- MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲
- MMI(マイウス・ミリタリー・インダストリー)社製。頭部に固定装備された対空防御用機関砲。その他の系列機やゲイツにも同型の装備が搭載されている。
- MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル
- MA(マティウス・アーセナリー)社製。GAT-Xシリーズのデータを基に開発されたビームサーベルに、X09A・X10A用の兵装として改良を加えた物。核エンジンからのエネルギー供給により、原型機よりも遥かに出力が高く刃渡りの長いビーム刃を形成する。また2本のサーベルの柄同士を連結させ「アンビデクストラス・ハルバード」と呼ばれる両端からビーム刃を出力する形態で使用する事も可能。接近戦における攻撃パターンの多様化に寄与している。
- MA-M20ルプス・ビームライフル
- MA社製。X-09A、X-10A共通の兵装として開発されたビームライフル。核エンジンからのエネルギー供給によってGAT-Xシリーズなどの同装備を凌駕する高出力を誇る。不使用時はリアスカートにマウント可能。
- ジャスティスのものとはカラーリングが異なる。
- M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
- 背部ウイングに収納される高出力ビーム砲。ランチャーストライクのアグニに匹敵する威力と射程距離を誇り、本機の火器の中では最大の破壊力を有する。元々破壊力は折り紙付きながらそのエネルギー消費とサイズの大きさに難点をつけられていた。しかしNジャマーキャンセラーの採用とバインダー翼への収納によってそれを解決、この強力な火砲の搭載を実現した。
- MMI-M15 クスィフィアス・レール砲
- 両腰のレール砲兼AMBACユニット。小口径の弾丸を高速で射出する事で高威力と携行弾数の多さを両立。速射性も高く、マルチロックオンシステムとの連携により多数の敵を同時攻撃可能。
- 砲撃時にのみ機体正面に展開され、普段は三つ折りの状態で腰部左右にAMBACユニットとして装備されており、機体の姿勢制御に関わっている。下部にスラスター兼ダクトを備えており、推進器としての機能も持つ。
- 対ビームシールド
- アークエンジェル級などの外装に採用されているラミネート装甲製の対ビームシールド。その性能は、ジャスティスに装備された同型の物が、GAT-X131カラミティの高出力ビーム砲「スキュラ」の直撃に耐え、尚且つそれを押し戻し砲口を破壊した事でも実証されている。
- ビームライフルと同じく、ジャスティスの物との相違点はカラーリングのみ。
[編集] 劇中での活躍
- SEED
初登場は第34話。プラントの首都アプリリウス市で療養生活を送っていた主人公キラ・ヤマトが、ザフトのアラスカ攻撃の報に接し「戦場に戻る」決意を固めた際に、ラクス・クラインの手引きによって本機を奪取、以後愛機とした。
続く第35話で初陣。ザフトの地球連合軍本部制圧作戦「オペレーション・スピットブレイク」の渦中に割って入り、その戦闘能力でザフト・連合軍双方を圧倒。連合の大量破壊兵器「サイクロプス」の発動から両軍の将兵を救うべく奔走した。以後、地球連合軍を離反したアークエンジェルと行動を共にし、オーブへ向かう。
第37から40話の「オーブ攻防戦」では、オーブ軍と共に連合の侵攻部隊と対峙。途中から戦列に加わったアスラン・ザラのジャスティスガンダムと共闘して連合軍の新型GAT-Xシリーズを撃退する等、オーブ防衛戦において活躍した。しかしオーブ軍は、連合軍の圧倒的な物量に抗しきれず宇宙への脱出を余儀なくされ、本機はジャスティスと共に、撤退する残存兵力の殿軍となって連合軍の追撃を振り切り、共に宇宙へと上がった。
第41から46話では、L4コロニーで、新型GAT-Xシリーズを擁する連合の新鋭艦ドミニオンと交戦する。第46話においては新型GAT-Xシリーズとの戦闘により頭部と左翼を損傷してしまう。
続く第48話から最終話の「第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦」では、ミーティアを装備し戦闘に介入、プラントに向けて放たれた核ミサイルの阻止に尽力した。更にザフトのジェネシスを破壊すべく出撃し、ラウ・ル・クルーゼの駆るプロヴィデンスガンダムと戦闘状態に陥るが、機体を大破されながらもプロヴィデンスを撃破している。
戦後、その活躍は伝説化され、ミネルバ内の会話等からザフト軍内においても、またSEED DESTINY小説版第二巻のカガリを連れ去る際の記述内容からオーブ軍内においても語り草となっている様である。
ジャスティスガンダムの搭乗者としてアスラン・ザラが予定されていたのに対して、フリーダムガンダムに誰が搭乗する予定となっていたのかは定かではないが、特務隊(FAITH)の人間か、ザラ派ナンバー2で国防委員長エザリア・ジュールの息子イザーク・ジュールが有力視されていたと言われる。
- SEED DESTINY
本作での初登場は第13話。前大戦の後、機体は回収・修復され、アスハ家別邸の地下シェルターに封印・秘匿されていた。ラクス暗殺を意図した特殊部隊の襲撃に際して、キラの手で封印は解かれ、特殊部隊のMS・アッシュの部隊をあっさりと一蹴。その圧倒的な戦闘力の健在ぶりを見せ付けた。
続く第14話では、カガリ・ユラ・アスハの結婚式に乱入しカガリを連れ去る。大西洋連邦との同盟締結を目前に控え情勢不安なオーブを、補修・改修が終了したアークエンジェル共々脱出する。
次の登場は第22話と23話。ファントムペインとオーブ派遣軍との連合艦隊がミネルバと対戦するダーダネルス海峡の戦場に舞い降り、オーブ艦隊に向けられたミネルバの陽電子砲タンホイザーを発射寸前で破壊した(この際、ミネルバクルーに死傷者が出ている)。更に戦闘を止めさせるべく両軍MS部隊を攻撃した。
第26話では、宇宙へ上がるラクス搭乗のシャトルを援護して、ザフト・ディオキア基地のMS部隊を撃退。
第27と28話では、クレタ沖での連合・オーブの同盟軍対ミネルバの戦闘に再び介入。アスラン・ザラのセイバーガンダムを大破させる。
第32話においては、親プラントを表明したユーラシア西側の都市を次々と殲滅して行くGFAS-X1デストロイを阻止すべく、ベルリン上空でこれと対戦。ネオ・ロアノークのウィンダムを撃墜し、更に、デストロイを撃破する。
第34話ではザフトから敵と認定され(エンジェル・ダウン作戦)、攻撃にさらされるアークエンジェルを守りつつ、インパルスガンダムとの戦闘に及ぶが、シンのインパルスの機体特性を生かした戦法に敗れ、シールドごと機体腹部を貫かれて撃破された。その後、本機の残骸はストライクルージュによって回収され、キラは軽傷で生還している(撃破される直前に咄嗟に核エンジンを停止させた為。)。
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[編集] ストライクフリーダムガンダム
ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダム (Strike Freedom Gundam) は、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するMS。メカニックデザインは大河原邦男が担当。
ストライクフリーダム | |
型式番号 | ZGMF-X20A |
---|---|
所属 | クライン派→オーブ連合首長国軍第2宇宙艦隊 |
開発 | クライン派秘密工廠「ファクトリー」 |
生産形態 | カスタム機 |
全高 | 18.88m |
重量 | 80.09t |
発電機関 | ハイパーデュートリオンエンジン |
ジェネレーター出力 | 不明 |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
武装 | MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲×2 MA-M21KF 高エネルギービームライフル×2 MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲 MMI-M15E クスィフィアス3レール砲×2 MA-M02G シュペールラケルタビームサーベル×2 MX2200 ビームシールド×2 EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング (MA-80V ビーム突撃砲×8) |
特殊装備 | 光の翼(VL発展型) 武装モジュール「ミーティア」(07号機) |
主な搭乗者 | キラ・ヤマト |
[編集] 機体解説
ZGMF-X10Aフリーダムの直接の後継機として開発された機体。開発自体はフリーダムと同時期に開始されており、その意味では後継機よりも双子機に近い機体であった。しかしドラグーン・システムと新型高機動スラスターの開発が予定より遅れた為、機体の完成は戦争終結に間に合わなかった。その後、ユニウス条約の発効で核エンジンを搭載したモビルスーツの新規製造が禁止されたため、既に完成していた設計データは封印され、お蔵入りとなった。その後、封印された設計データと基本アセンブリーはクライン派により回収(この際、ザフト設計局のサーバーからは、本機の設計データは削除された。)され、スーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトの専用機として極限までのチューンナップが施された。改修の際は、ザフトより盗用した次期セカンドステージシリーズのデータ、そしてオーブで復元されていたフリーダムのデータも投影されている。
クライン派によるキラの搭乗を想定したチューンナップとして、各部パーツの装甲を細かく分割し、機体の動きに合わせてスライドする機構を加えられた点と、内部フレーム自体がPS装甲部材で作られた点が挙げられる。各部パーツの装甲分割・スライド機構は、キラの被弾率の低さから、極限まで運動性を上げ、被弾しないことを前提として採用された。この機構は限りなく人体に近い可動を可能とする反面、装甲の間に無防備な隙間を生み防御力の低下を招くが、極限まで高められた運動性とキラの操縦技術によって、実戦において一度も被弾する事がなく、防御力の低下は問題なかったという。後に、もしこの機構が採用されていなかった場合、キラの反応速度に機体が追随出来なかったであろう事が判明している。また、キラの反応速度の高さによる超絶機動は、機体構造に大きな負荷をかける。PS装甲部材製フレームは、その負荷から機体構造を保護する為に採用されている。高機動戦闘時には、機体剛性を上げるためフレーム部材にエネルギーが振り分けられる。キラの操縦は、エネルギー振り分けの制御マトリクスの反応速度を上回ることが多いため、負荷が設定値を上回った場合、予備電力をも活用してフレームのPS装甲強度を瞬間的に最高値まで引き上げ(最高値での常時運用は、システムに負荷をかけるため不可能。)機体構造の自壊を防止する(このとき、フレーム部材で処理しきれなかった余檄エネルギーは、発光という形で装甲の隙間から外部に放射される。)。その他、ハイパーデュートリオンエンジン等の最新技術も惜しみなく投入され、その性能はザフトにおいて同時期に開発されたデスティニー、レジェンドに匹敵するものになったという。
なお、本機のブレードアンテナ基部にもイタリア語による数字標記(20を表す「venti」)がある[2]。
[編集] 武装
- MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲
- 頭部の近接防御機関砲。機構の内装に大きなスペースを必要とするという理由から排除する案も出されたが、実弾兵器に対する信頼の強さから最終的に残された経緯がある。本編未使用。
- MA-M21KF 高エネルギービームライフル
- フリーダムに装備されたMA-M20 ルプスの改良モデル。両手に2挺携行し、前後に連結する事で長射程のロングビームライフルとしても運用が可能となっている。
- MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
- 腹部に内蔵された大出力ビーム砲。X31Sアビスと同型の装備だが、ハイパーデュートリオンエンジンからのエネルギー供給により威力と連射性能は向上している。固定装備の為機体正面にしか撃てないが、本機の搭載する武装の中でも特に高い威力を誇る。その砲口はフレーム同様にPS構造材で作られており、出撃時には金色にフェイズシフトする。このカリドゥスを高速戦闘仕様に改修したカオスの「カリドゥス改」は既にこの機体の開発よりも前に存在している。
- MMI-M15E クスィフィアス3レール砲
- フリーダムのM15を発展させた両腰の電磁レール砲。砲の格納は従来の3つ折り式から2つ折り式に簡略されているが、威力はむしろ向上している。また、M15と同様スラスター兼AMBACユニットとして機能も有している。
- MA-M02G シュペールラケルタビームサーベル
- MA-M01ラケルタの改良モデル。ザフトのセカンドステージ各機に採用されたヴァジュラ系のサーベルと同等の出力を誇る。M01同様、2基のデバイスを連結させた「アンビデクストラス・ハルバード」モードとしても使用可能だが、キラが二刀流の高速戦闘を得意としていたため、使われることはなかった。「シュペール」とはフランス語で「スーパー」の意味。
- MX2200 ビームシールド
- 両腕部に装備された光学防御兵器。ビームを盾として展開し、大出力ビーム砲の直撃さえ防ぎ切る。ビームの出力やバイアスを調整する事で防御面を自在に変化させる事が出来る。従来の実体式シールドに比べ、ビーム攻撃に対する防御機能は遥かに向上し、同時に総重量の軽減にも一役買っている。
- EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング
- 背部に装備された、武装プラットフォーム兼ヴォワチュール・リュミエールシステム(高推力スラスター)の機能を持つ大型機動兵装ウイング。武装プラットフォームには、スーパードラグーンという武器を装填している為、「スーパードラグーン 機動兵装ウイング」と呼ばれる。機体に連動制御された4対の大型ウイングは、キラの無駄のない操縦により、兵器とは思えない優美な動きを見せる。
- スーパードラグーン
- 武装プラットフォームに合計8機装備されたドラグーン。スーパードラグーンと名付けられた本機のドラグーンは、ザフトによって開発・本機への搭載が決定されていた「使用者の空間認識能力に依存しない次世代システム」に、カオスと同等のドラグーンの技術が加えられた「特異な空間認識能力を必要とするシステム」である。クライン派により、キラを本機のパイロットと想定した改良が加えられた結果、本機はフリーダム以上の同時攻撃能力と、遠隔操作によるオールレンジ攻撃能力を獲得しているが、マルチロックオンシステムの使用とスーパードラグーンの制御には、パイロットに高い情報処理能力と特異な空間認識能力を要求する為、キラでなければ性能を最大限に発揮させる事は不可能である。
- ヴォワチュール・リュミエールシステム
- 機動兵装ウイングに内蔵された、光パルス高推力スラスター。武装プラットフォームからスーパードラグーンをパージすることで、このスラスターを最大限に活用する事ができ、基部から青白い光の翼を放出し、より驚異的な高速戦闘が可能となる。その繊細な操作には優れた判断力と熟練が要求されるため、キラ以外が使いこなす事は困難である。
- 機動兵装ウイングの設計技術は、スターゲイザーに搭載されていた惑星間航行用推進システムや、ザフトの次期セカンドステージシリーズの技術を拠り所としている。
[編集] 劇中での活躍
初登場は第39話。コロニー・メンデルでの調査活動中にザフトに発見され追撃を受けるエターナルに搭載されており、ブースター付きのストライクルージュで救援に駆けつけたキラ・ヤマトとランデヴーを果たした結果、彼の手に渡った。キラは追撃隊を相手に新たに装備された「スーパードラグーン」やフリーダム譲りの「マルチロックオンシステム」を利用したハイマットフルバーストなどで、グフイグナイテッド、ザクウォーリア他25機を2分余りで戦闘不能に陥れ、更にナスカ級3隻の動力部のみを破壊、撃沈する事なく戦闘不能にした。
第42話で、ラクスを乗せたインフィニットジャスティスガンダムと共にオーブに降下。デスティニーにより撃墜寸前まで追い詰められていたアカツキを救う。本機はその場を引き受けデスティニーとの戦闘に突入、決着は付かず、状況不利と見たデスティニーが補給の為退いた。更にオーブに上陸したザフトMS部隊を多数戦闘不能にした。続く43話では補給を終えたデスティニーとレジェンドの挟撃に遭うが、アスランがインフィニットジャスティスで加勢に入りデスティニーとの戦闘に入った為、本機はレジェンドを相手取るものの決着は付かず。戦略目標だったロード・ジブリールの逃走を許したザフトは撤退、オーブ防衛に成功した。[3]。
アークエンジェルが正式にオーブ軍に編入されてからは、アークエンジェルと共に再び宇宙に上がり、49話でミーティアとドッキングし、ステーション・ワン攻防戦で活躍。インフィニットジャスティスとたった二機で多数のザフト兵を退け、ステーション・ワンを破壊。
最終話では、レジェンドとの史上初のドラグーン同士の撃ち合いの末に、これを撃破。その後、再びミーティアとドッキングし、エターナルと共に宇宙要塞メサイアを陥落させる。要塞内部に侵入(映像上の描写はないが、この直後にミーティアを分離している)し、本機を離れたキラはデュランダルとの決着を付けるべく彼と対峙。全てが終わった後、再び本機に戻り、崩壊するメサイアから脱出した。
本機の停戦後の処遇については、作品中では一切語られていない。プラントに帰還するラクス・クラインのエターナルに随伴している姿が、映像上で確認されている本機の最後の様子である。
[編集] 製作側による逸話
週刊ザテレビジョン2005年度36号に掲載されたサンライズ設定制作部による誕生秘話によれば、デザインについてはフリーダムを超えるMSであるということを外観で示す為にフォルムにマッシブな意匠を取り入れ、フレームを金色にし、火力が増強されたことを示す為、ライフルを2つ装備させたとコメントしている。
[編集] 設定の変遷
本機の設定については公開当時からはっきりしない部分が多く、設定資料が公開されるたびに大きな変遷を辿っている。
- 名称の変遷
- 当初、本機の名称は雑誌や公式HP等のメディアにおいてスーパーフリーダムガンダムと呼称されていたが、諸般の事情により現在の名前に変更されたという経緯がある。また、正式発表以前にはデルタフリーダムやνFREEDOM/Mといった名前も各媒体で散見された。
- また機体名の由来については、初期の模型付属の解説等には「恋人であるキラの命を守った『ストライク』と『フリーダム』、2機の名を継承させることで『祈り』とした、ラクス・クラインによる命名である」との推察が有力な説として示されていたが、最新の設定(マスターグレード取扱説明書)ではターミナルにより奪取される以前から本機の名称がストライクフリーダムと決まっていた事になっている為、情報が錯綜している。
- 劇中では主に、フリーダムと呼称されている。
- 動力の変遷
- 本機の動力については公開当時より「新型エンジン」としか表記されておらず明確に設定されていなかった。
- 後に本作の特殊設定担当である森田繁が雑誌で本機の動力がデスティニーやレジェンド同様のハイパーデュートリオンであると発言したことにより、現在ではこれが公式設定として受け止められているが、その後に発売されたMG等の解説にも依然として本機の動力について言及された資料はなく、またCOSMIC REGIONの付属の解説においては本機の動力がレーザー核融合炉との記述が存在したが、これは公式発表ではない。またSDガンダム GGENERATION PORTABLE等のゲームにおいても本機はハイパーデュートリオンと設定されていない等、依然として情報が錯綜したままである。
- なお、劇中においてストライクフリーダムの初登場回の起動OS設定の際に、「原子炉臨界」という台詞がある。
- 開発経緯の変遷
- 本機の開発経緯については、当初模型などで公開された設定では「本機の開発経緯については表に出ていない部分が多い」と前置きした上で「フリーダム及びセカンドステージのデータを混ぜ合わせてクライン派が開発した機体である」ということが有力な情報による一説として示されていたが、型番はザフト開発機であることを示す「ZGMF」であり、後に「ザフトより奪取した機体を基にしたものである」という設定が追加された。
[編集] 注釈
- ^ なお当初の設定では、砲撃時のフルバーストと高機動時のハイマットの二つのモードのみが存在したが、作中では高機動のままで一斉発射が可能な第三のモードが登場する(その証拠に作中登場とほぼ同時期に発売されたプラモデル等では前述の二つのモードしかとれない。後にMGで再現)。この形態での攻撃を「ハイマットフルバースト」と一部ゲーム等では呼称しているが、作中にこの様な呼称は登場していない。
- ^ 『SEED DESTINY』の第3期OPのストライクフリーダムのブレードアンテナ基部には、“Liberta Modifica”の文字が書かれている。
- ^ オペレーション・フューリーの詳細
[編集] 関連項目
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ガンダムシリーズの映像作品 | ||||||
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